普通の魔法使いが行く!Fate/Grand Order   作:秋塚翔

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早苗「この変なTシャツヤロー!」

水着ノッブ「何でじゃ!イカしてるじゃろう!」

レベル90スキルマ目前のバニヤンを持つマスター、秋塚翔です。
少々お待たせしました。前回もっと長く書いても良いと言う免罪符を貰い、自重せず書きたい事を書いて、しかし長すぎて乱れてきたので書き直しまくり、やはり長く書いてこぎ着けた第三節。どうぞご覧くださいませ。


第三節 明かされた真実

金色の光を放った召喚サークルに現れた二騎のサーヴァント。それは魔理沙が良く見知った知り合い、魂魄妖夢とフランドール・スカーレットだった。

 

「──って、どうして私がアサシンなんですか!?」

 

と、素に戻った途端に妖夢は不満を口にする。

 

「私に聞かれてもな。あれじゃないか?冥界に住んでるし、半分霊だからだろ」

 

「だけど暗殺者って!私は幽々子様の剣の指南役で、白玉楼を守護する剣士ですよ!?」

 

「庭師だろ。そういや萃香の異変(萃夢想異変)の時に会うやつ会うやつ斬りかかってたよな。辻斬りっぽいぜ」

 

「うっ……そ、それは師匠の教えで……!」

 

「ちょ、ちょっと。なに良く分からないやり取りしてるのよ?貴女たち知り合いなの?」

 

問答を始めた魔理沙と妖夢に、堪らずオルガマリーが口を挟む。たった今召喚したばかりのサーヴァントと一般人(なのか?とオルガマリーは疑い気味)が、何故知り合いの様に会話を交わしてる?マシュと、先に召喚した武蔵も同じ疑問を抱いてる様子だ。

 

「顔見知りの縁起が悪いもんだ。それにしてもお前らが召喚されるなんてな」

 

「私もビックリ。いつの間にか眠ってて、魔理沙の声が聞こえたから来てみたら変な知識が頭に入ってきたんだもの」

 

「だから形式に則って名乗りました。今の私達はサーヴァントと言う存在で、クラスやスキル、聖杯戦争がどういったものなのかは理解しています」

 

フランドールと妖夢がそれぞれ語る。どうやら紫が言っていた『細工』とは彼女達の召喚と見て違いないだろう。事前に紫からサーヴァントの成り立ちなどは教わっている魔理沙はそう推察した。

 

《何はともあれ、召喚は無事成功したね。初めて会った時から只者じゃないとは思ってたけど、三騎もサーヴァントを呼び出すなんて凄いじゃないか魔理沙ちゃん》

 

「まぁな。もっと褒めて良いんだぜ?」

 

「ふ、ふんッ、たまたまよ、たまたま。システム・フェイトは誰でも英霊召喚を可能にする技術。運さえあれば三流マスターでもサーヴァントを呼べるわ」

 

オルガマリーは毒づく。そこにはちょっと自分に言い聞かせてる部分があった。

 

「とにかく!これで準備は整ったわ。現時点より特異点Fの調査を開始します。原因を発見し次第、カルデアの復旧を待って退却。どんな事態であろうと()()()()()()帰ること、それが今回の目的よ!」

 

そんな自分の予想をことごとく裏切り、腹立たしく感じる魔理沙から視線を外して高らかに宣言する。落ち着き払ったその姿は、まさにカルデアを仕切るトップの貫禄だ。

と、そこへ手を上げて発言を求める者が一騎……妖夢だった。

 

「? 何よ」

 

「あ、はい。あの……余計な物言いなら申し訳ないですが『私達が生きて帰る』って、

 

──貴女、もう死んでますよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………(ZUーN)」

 

「気をしっかり持ってください、所長……」

 

自分は死んでいて霊体になっている──露とも思わなかった事実に、オルガマリーは茫然自失としていた。ふらつく足取りをマシュが支えて何とか立っていられている。

言われてみれば思い出す、カルデアを襲った爆発が自分の足元で起きた事を。一瞬の出来事だが確かな記憶。信じがたい事だが、嫌が応でも自覚せざるを得なかった……自分は、もう死んでいると。

 

「す、すみません。気付いてないようなのでつい……」

 

「……フ、フフフ、フフフフフ……そうね、お笑いね。まさか死んでるのに気付かないなんて。そう言えば体が軽いわ。これ、レイシフトできて嬉しいんじゃなくて肉体が無いからなのね!笑えるわ。笑えるわよね?……いっそ笑いなさいよぉぉぉぉぉッ!」

 

「所長!大丈夫です、誰も笑いませんから!」

 

「うううっ、マシュ~……」

 

「はい、私はここに居ますよ」

 

さながら泣きじゃくる子供をあやすように、抱き付くオルガマリーをマシュは優しく撫でる。

一方、オルガマリー達の先を行く魔理沙らはお気楽に言う。

 

「死んだのは残念だが、落ち込んでばかりじゃ何も始まらないぜ?今日の運が悪かったんだ」

 

「そうそう。私が元いた世界では殺し殺されなんてザラよ?そんなの気にしてたら、楽しく過ごせないわ」

 

「と言うか人間と幽霊って違いある?飛べるようになるだけ、人間にとって得じゃない」

 

「武蔵さんはともかく、先輩とフランドールさんはどうしてそれほど達観してるんですか……」

 

感心すべきかどうするべきか、マシュは迷う(因みに戦闘時以外では呼び方を先輩に戻した)。そうした所で魔理沙はフォローのつもりだろうか。マシュに胸を借りるオルガマリーに言葉を投げ掛ける。

 

「まぁ、あれだ。生きてりゃ良い事あるって」

 

「だから死んでるのよぉぉぉぉぉっ!」

 

「ああっ、先輩の無意識か故意か分からない一言に、所長の精神が崩壊寸前です!」

 

いよいよワンワン泣き出したオルガマリー。それをマシュがお母さんばりになだめて、とりあえず一人で歩けるようになるまで暫く掛かったと言う……

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

生きている人の気配はなく、動くものは燃え盛る炎と、骨や手といった人ならざるものと言う特異点F──2004年の冬木市。そこを流れる川に面した土手を魔理沙一行は通りがかっていた。

 

 

 

「降ろしてぇぇぇぇぇっ!?」

 

「情けないなぁ。小鈴でも、こんな高さはへっちゃらだったぜ?」

 

 

 

……空を飛んで。

 

「大体、何で調査で空を飛ぶのよ!それにどうして私も道連れ!?」

 

「異変調査は飛んで探すもんだ、私はな。お前は落ち込んでいられるのも鬱陶しいから、ショック療法って奴だ」

 

「ショックにショックが重なってトラウマになるわよ!とにかく降ろして!落ちるぅ!」

 

「そんだけ騒げれば大丈夫だろ。さーて、もう一段上げていくぜ!」

 

「やぁぁぁめぇぇぇてぇぇぇっ!?」

 

凄惨な街の空に姦ましい声が響き渡る。箒に跨がって空を行き、声高らかにはしゃぐ女の子達と言う構図は傍目から見れば微笑ましいものだが、実際は落ちないように必死でしがみつくオルガマリーからすれば決して微笑ましくない。

その眼下ではマシュ、武蔵、妖夢、フランドールが地上から二人についていっている。

 

「先輩、破天荒すぎます……」

 

「人間ってあんなに高くまで飛べるもんなんだねー。私もできれば、剣術の幅が広がりそう」

 

「できると思いますよ?魔力や霊力が強い人間でああですし、霊体なら尚更です」

 

「本当に?なら、これが終わったらご教示願おうかしらっ♪」

 

そこそこの速度で先を行く魔理沙達だが、サーヴァントであるマシュらならついていくのは難しくない。高さの関係で離れてしまってはいるものの、この特異点に存在する敵性存在(エネミー)は魔理沙達に危害を加えられる遠距離手段が無いので、マシュ達は安心して同行していた。

 

《──先輩、何か見えますか?》

 

《いや、相変わらず焼け野原……もとい焼け街だ。ただ上の方が涼しいな。マシュも来るか?》

 

《断りがたいお誘いですが、所長の精神安定上では危険かと。相乗りをしたら恐怖で所長がご臨終です》

 

《私が行っても良い?熱くて溶けそうだわ》

 

《つまらなくて弾幕勝負を仕掛けてこなければ構わないぜ》

 

《ちぇー》

 

見通しの良い空を飛んでいる魔理沙に、マシュが念話を行う(入ってきたのはフランドール)。オルガマリーをなだめた後、魔理沙はマシュからサーヴァントと離れても会話ができるこの方法の手解きを受けたのだ。その際、

 

『先輩にも知らない事があるのですね、少し安心しました』

 

『知識欲の塊だからな。知ってる事もあれば、もちろん知らない事もあるぜ』

 

『……シンダシンダシンダシンダシンダ……』

 

『例えば、こんなのに活を入れるやり方は知ってる。ちょっくら調査がてら空の旅と行こうぜ、所長!』

 

『は?え、なに、待っ、待てぇぇぇっ!?』

 

『せ、先輩と所長が飛んだ……!』

 

と言う具合に、オルガマリーは魔理沙に空へ連れ去られて今に至る。確実に彼女の中で今日は、人生最悪の日断トツトップに殿堂入りした事だろう。

 

《とにかく注意してください、いつ思わぬ襲撃があるか分かりませんので。できれば傍にいてくださると有り難いですが……》

 

《大丈夫だって。私に任せ──》

 

答えかけたその時、ジャラララッ!と下方から金属の擦れ合う音を立てて鎖の束が飛んでくる。鎖は魔理沙達が跨がる箒に絡まり、力強く引き寄せてきた!

 

「うおっ!?」

 

「ちょ、今度は何ーーーッ!」

 

絡まれた鎖に引っ張られ、大きく揺らされる。そうしてバランスを崩した魔理沙とオルガマリーは箒から転落。魔理沙は難なく地面に着地するが、オルガマリーは辛うじても川に落ちた。

 

「先輩!大丈夫ですか!」

 

「ったく、出鼻を挫かれた。一体何だ……っとぉ!?」

 

事態にマシュ達が駆け付けて魔理沙が立ち上がろうとした瞬間、嫌な予感から魔理沙は前のめりに転がる。直後に鎌らしき武器が魔理沙の首があった場所を、空を切るように通り過ぎた。

マシュ達の元に転げた魔理沙がそちらを見やると、そこには鎌を携えるフードの女がいた。

 

「残念。新鮮な獲物を仕留め損ねました」

 

「サーヴァント……!?」

 

「いきなり襲ってくるとは不躾な奴だな……そして、趣味の悪い奴でもあるか」

 

黒いドレスに身を包む、槍のような鎌を持つ女にマシュは盾を構え、武蔵と妖夢も刀を抜く。

一方、魔理沙は苦々しげに女の周りを見る。不気味な雰囲気を醸す女だが、それを更に増させるのは周りに佇む無数の石像……どれも顔が苦痛に歪んだそれらは、()()だった。

魔理沙の言葉に女は妖艶な笑みを浮かべる。

 

「何か?私の狩り場に迷い込んだ獲物をどうしようと、私の自由ではないですか」

 

そう返しながら、女は徐に『ワカメみたいな髪型の男』の石像に手を這わせて……一息に首をねじ切った。

首を失った体から噴水のように鮮血が吹き上がり、女に返り血を浴びせる。

 

「これで一体減ってしまいましたが……問題ありません。新たに貴女達が加わるんですから」

 

「っ!マスター、指示を!」

 

「ああ、そこの妖怪みたいな奴を懲らしめろ!」

 

顔に浴びた血を舐め取り、魔力を行使して拭い去りつつ得物を一振りする女。それに魔理沙の号令の下、マシュ達は身構えた。対する女は嗜虐的に笑う。

 

「懲らしめる?私を?見たところサーヴァントやマスターになったのは初めてなのに、できるものでしょうか……ねッ!」

 

ダンッ!と地面を蹴って女は真っ直ぐ突撃。その手に握る鎌を勢い良く突き出す。

それを防御するのはマシュ。大きな盾を目一杯踏ん張り、ロケットスタートで繰り出してきた女の刺突を受け止める。武器と武器の激突に火花が飛び散り、地面が衝撃波で軽く抉れた。

 

「くっ……!」

 

「良く防ぎました。しかし気を付けなさい?これは『不死殺しの槍』。少しでも傷を負えばどんな奇跡でも癒えず、貴女はサーヴァントとして一生不出来になる!」

 

勢いそのまま、女は更に連撃を繰り出す。華奢な体に細い鎌……改め槍にも関わらずマシュを吹き飛ばさん威力だ。しかし防戦一方ではない。マシュの脇から武蔵と妖夢が飛び出し、二振りの刀で斬りかかる。

が、それらをバックステップで回避。少し下がった女は反撃とばかりに鎖の束を放つ。

 

「なんの!」

 

生き物のようにうねる鎖に対峙した武蔵は、刀を上段から振り下ろす。放たれた波濤で鎖は吹き飛ばされる。その波濤に乗じて駆け出したのは妖夢。右手に持つカードを高く掲げた。

 

──魂符「幽明の苦輪」──

 

「はあぁッ!」

 

「!?」

 

そうして突如分身した妖夢に、女は思わず驚く。半霊を実体化し、動きをトレースさせた妖夢は二連撃を叩き込む。不意を突かれて太刀を喰らった女は高く跳び、マシュ達と距離を取った。

 

「ふ……少しはやりますか。ならばお遊びはここまで。纏めて戴くとしましょう」

 

負傷を再生させた女は忌々しげに言うと、再び鎖を射出する。それは辺りに撒き散らされ、電柱や街灯に巻き付いて魔理沙達を囲う。さながら特設リングのように鎖が四方を取り囲んだ。

 

「に、逃げ場がありません!」

 

「元より逃がすつもりはないですよ?ああ、なんと瑞々しい……新鮮な内に殺してあげます……♪」

 

「っ……!」

 

リングを形作る鎖のロープに乗って、女は上から獲物たる魔理沙達を見下ろす。ここから攻撃されれば、上への不利と限られた空間で劣勢になるのは見えている。それを分かっている上で女は笑み、マシュ達は戦慄していた。

だが一人、落ち着いて状況を見る者がいた。

 

「さぁ、終わりです!」

 

「……ああ、そうだな、終わりだ──出番だぜ、フラン」

 

《はーい》

 

魔理沙だ。

自分のエリアに囲い勝利を確信する女を余所に、魔理沙の声に金髪の少女が霊体化を解く。現れた少女……フランドールは徐に右手を女に向けて突き出すと、呟きと共に何かを握り込む。

 

「きゅっとしてドカーン」

 

──バキャアッ!

 

「うあっ!?」

 

同時、まるで連動するかのように女の槍は粉々に砕け散った。突然弾けた得物に女は怯む。

『破壊の目EX』──フランドールの『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』が変化したスキル。エネミー本体を対象にできない制限が設けられてるものの、不死や破壊不能でない限り、宝具すら破壊の目を捉えて壊す事ができるものだ。

得物を壊され、怯んだ女に大きな隙ができた。その逆転を見逃す訳はない。妖夢が刀を伴い、スペルカードを宣言する。

 

「もらった!」

 

「! しまっ……!」

 

──断迷剣『迷津慈航斬』──

 

咄嗟に回避なり鎖なりで応対しようとする女だが、妖夢の瞬間的に上がる天狗すら見極められぬ敏捷にはついてこれない。青白い波濤が刀から立ち上り、力一杯叩き付ける。波濤は鎖すらぶったぎり、当然狙いの女は外さず、まともに喰らわせた。

凄まじい轟音が川のほとりで響き、やがて舞い上がった土埃が晴れる。そこにいたのは……満身創痍の女だった。

 

「く、っ……この、私が、こんな……!」

 

「チッ、しぶといぜ。一面ボスの割に固いな」

 

立っているのもやっとな様子だが、未だ憎悪に満ちて戦意充分な女。まだ育て切れてない妖夢の火力不足、そしてクラス相性の結果だ。それでもトドメを指さんと身構えたその時、

 

《やるな嬢ちゃん達。トリは俺に任せな》

 

「!」

 

何処からともなく声が聞こえ、何もない場所に男が現れる。魔術で姿を隠してたのだろうか。杖を持って見るからに魔術師と言う様相の男は、フードを下ろして女と相対する。対して女は、その男に見覚えあるようで憎たらしそうに言う。

 

「お前は、キャスター……!」

 

「よもや卑怯なんて言うなよ、ランサー。お前さんは嬢ちゃん達に喧嘩を売って負けた。俺には与り知らねぇ話だ」

 

「ぬぅ……!おのれぇぇぇっ!」

 

渾身の力を振り絞り、女……ランサーは男……キャスターに向かう。しかしサーヴァント同士でも満身創痍と全快。たとえ両者に元から力差があったとしても勝負は見えていた。

キャスターが空に描いた文字から火炎が放たれ、ランサーに着弾すると爆発。だめ押しの一撃を喰らったランサーは、虚空を見詰めながら消滅したのだった──

 

 

 

 

 

「悪いな。美味しいとこを持っていっちまってよ」

 

「いや、お陰で楽できたぜ。ありがとさん」

 

戦闘が終わり、騒ぎを聞き付けて他のエネミーが寄ってきていないのを確認すると魔理沙達はキャスターとコンタクトを取った。どうやら向こうもそのつもりだったようで、フレンドリーに話し掛けてくる。

 

「しかしお前さん、中々できた采配だな。油断させといて隠してたサーヴァントで武器を失わせるとは」

 

「別に隠してた訳じゃない。戦闘は三騎が基本だろう?それにフランは共闘に向かないからな。控えさせていざって時にだ」

 

「三騎って意味は分からねぇが、割かし考えた戦法だ。そんなお前さんなら俺を上手く使ってくれそうだねぇ」

 

「? どういう事ですか?」

 

マシュが尋ねる。

 

「つまり仮契約しようって話だ。俺はこの世界がおかしくなっちまったんで、聖杯の泥に侵されたサーヴァントを倒してたんだ。とは言え、まだランサーとアサシンだがな」

 

答えるキャスターはそこまで語って一拍置き、続ける。

 

「しかし問題はセイバーだ。奴はこのおかしな世界で水を得た魚のように暴れ出した。さっきのランサーや他のサーヴァントがあんななのはそのせいだ。奴は俺一人じゃ太刀打ちできねぇ。そこでアンタらのランサーを追い詰めた腕を見込んで、協力してくれないかって話だ……どうだ?お前さん達は俺の話に乗れば、この異変を止められる。悪くねぇ提案だと思うが」

 

川の欄干にもたれ、キャスターは真っ直ぐ魔理沙に問う。対する魔理沙は少し思案すると、言い淀む事なく答えた。

 

「お前があのランサーやセイバーってのと組んでて、私達を担ごうって可能性は捨てきれないぜ?状況として有り得なくない話だ」

 

「おいおい、そいつを疑われちゃ俺に信じてもらう手は無ぇぞ?ランサーの時も危なくなりゃ助太刀しようとしたが、嬢ちゃん達が思った以上でタイミング逃したんだ」

 

「冗談だぜ。宜しくな、キャスター」

 

「んだよ、大人をからかうなんざ大した度胸だ。ますます気に入ったぜ、嬢ちゃん」

 

そう掛け合い、協力の証とばかりに握手を交わす二人。快活な辺り結構似ているのかもしれない。

と、和気藹々とした一同に後ろから忍び寄る影があった。それはゆらりゆらりと近付き、一息吸うと……怒鳴りを上げる。

 

「わ、た、し、を……忘れるんじゃないわよぉぉぉぉぉっ!」

 

「あっ!?しょ、所長!?」

 

しまった、とマシュは息を飲む。川に落ちたのを確認したが、まずは魔理沙の身の安全と後回しにし、不覚にも忘れていたオルガマリー。濡れ鼠の彼女にマシュとは反対に、魔理沙はあっさりとした反応だ。

 

「よう、やっぱり無事だったか所長」

 

「アンタ良く言えたわね、それ!?無事だったか?無事じゃないわよ!落ちるわ濡れるわ冷たいわ!せめてサーヴァント倒したらすぐ助けに来なさいよ!?」

 

「すまん、忘れてた。けど生きてたんだから怒るなよ」

 

「もうとっくに死んでるのよ私はッ!」

 

「冷たいと感じられるって事は生きてるようなもんだ。それに頭が覚めたろ?死んだの気にしてる暇があったら先に進もうぜ」

 

「■■■■■■■■■■──!」

 

「先輩、とりあえず謝っといた方が良いかと……そろそろ所長が怒りを通り越してバーサーカーになりそうです」

 

「ハッ、賑やかだねぇ。こりゃ退屈しなさそうだ」

 

「同感だわ。はちゃめちゃだけど、面白いマスターに恵まれたわ」

 

「ただ自分勝手なだけですがね……」

 

「ねぇ、そんな事より早く行きましょう?熱くて堪らないわ」

 

新たなサーヴァントを迎え入れ、方向性も決まった魔理沙一行。彼女達を待ち受けるのは恐ろしい敵。しかし一行は賑やかかつ騒がしく、異変解決に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふっ、キャスターが漂流者に取り入ったか。じきにセイバーの元に向かおう。私の役目が近いな」

 

その光景を遥か遠くから眺める弓を持つ男。彼はいずれやって来るだろう彼女達の様子を見て、好戦的に口角を上げた──




即バレしていくスタイル。シリアス展開を見事ブレイクしてみました。
この為に妖夢を……と言いたいですが、ほとんど思い付きで妖夢とフランにしたので「あ、妖夢なら幽霊見分けられるしバラさせちゃうか!」と成り行きでこうなりました。お陰でウチのオルガマリーは立派にシリアスが無くなってコミカルキャラ路線を歩み出してます。

ランサーメデューサ撃破とキャスニキ参入。キャスニキ以外クラスを知らないから終盤まで『女』と呼称させてしまった、すまないメデューサさん。願わくば実装してください。
もう後半はアニメやゲームのシナリオを見て書いてなかったので、何かおかしな点があればご指摘を。特にキャスニキの口調がこんなんだっけなと。もうね、長く書くと急ぎすぎて自分クオリティになるから困る。

今回登場したフランのスキルなどに関しては、次回投稿後にプロフィール欄を公開するのでそこで詳しく。次回はvs黒アーチャー。魔理沙とキャスニキのタッグ戦で繰り広げます。

コメントや評価をくださると有り難いです。執筆を頑張る活力になるので。
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