普通の魔法使いが行く!Fate/Grand Order 作:秋塚翔
「次はお前がこうなる番だ」
新年明けましておめでとうございますm(_ _)m
今年は戌年、つまりアニキの年です。しかし拙作のキャスニキは今回退場と言う……アニキらしい(オイ
前回一ヶ月以上かけといて、実は今回二日で書き上げてる事実。ムラがあり過ぎますが、そのため今回深く考えずはっちゃけまくりました。シリアス?何それQPに換金したら幾ら?なレベルです。
では新年初投稿、初笑いだと期待しつつ、ご覧ください。
「してやられたな……」
尚も毅然と立つが、その身体は消滅を始めているセイバーオルタ。よもやこの期に及んで戦いを続行する意味も無い。騎士らしく武器を霧散し、代わりに予想外の結末から自嘲する。
「聖杯を守り通すつもりでいたが、まさかマスターに敗北を喫しようとは……結局、私一人では同じ末路を迎えると言う事か」
「? どういう意味だ、そりゃ?」
口振りに気を留めた魔理沙が問い掛けるも、セイバーオルタは自身の消滅が近い事を悟り、答えにならない言葉を返した。
「いずれ貴様も分かるだろう。グランドオーダー──聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだとな」
そう言い残し、セイバーオルタの霊基は完全に消滅。その場には水晶体──セイバーオルタの所持していた聖杯が現れる。
と、同時にキャスターの身体も光の粒子に包まれた。
「……!やべぇ、ここで強制帰還か」
「キャスターさん!?一体……!」
「この事態を維持してたセイバーが消えて、俺も漸くお役御免ってこった。最後の最後みっともなかったのは心残りだが仕方無え……後の事は宜しくな」
やれやれ、と杖を担ぎ退去を受け入れるキャスター。そうして仮とは言え契約し気に入ったマスター、魔理沙の方へと向き直った。
「そんな訳で次があったら、そん時はランサーとして喚んでくれや。きっと力になってやるぜ」
「本当か?何度も死なれたら世話無いぞ」
「口の減らねえ奴だな、おい……」
「半分冗談だ。こっちこそ、その時はルーン魔術とやらを教えてくれよ?」
根は結構似てる二人、そう言い合って笑うとキャスターは消え去る。召喚されても別人でしかなくても、再会を誓って……
そこへ入れ替わるかのように、フランドールをおぶり妖夢を引き連れたオルガマリーがやって来た。先のセイバーオルタの言葉を聞いていたらしく、真剣な面持ちで呟く。
「……
しかし、それは突如小さな手に頬を引っ張られて形無しにされた。
「ってちょっと!人が真面目な時になに!?」
「だってもう起きたんだもの。降ろしてくれなきゃ困るわ」
怒るオルガマリーが背後に振り向く。ちょっかいを出したのは今しがた目覚めたフランドール。不機嫌そうに言う彼女に、オルガマリーは怒鳴り声を上げる。
「誰が背負ってあげたりしたと思ってるのよ!さっきまで伸されてた役立たずの癖に!」
「あら、生意気な人間ね。血を吸って下僕にしてやろうかしら」
「ひぃッ!?ま、待ちなさい!霧雨!このサーヴァントを令呪でまた止めて!」
「あー、それは無理だ。この通り品切れだぜ」
「なぁぁぁッ!?」
「ぎゃおー、食べちゃうぞー!」
「待って待って待ってぇぇぇっ!?お菓子!お菓子あげるから!だからやめてぇぇぇっ!?」
すぐさま威勢を失い、フランドールを放り投げ涙目で逃げ出すオルガマリー。それをフランドールは牙を剥き、襲う真似をしながら追い掛ける。魔理沙はおかしそうに高見の見物。つられてマシュ達も笑みが溢れた。
激戦から一転、和やかな雰囲気に包まれる一同。異変は解決した。後は聖杯を回収してカルデアに帰還すれば終わり。カルデアの被害やオルガマリーの件もあるが、ひとまず一段落だ──誰もがそう思う。
直後、大空洞に響き渡る拍手と聞き覚えある声で魔理沙、マシュ、そして何よりオルガマリーは各々驚きを表した。
「──いや、まさか君達がここまでやるとはね。計画の想定外にして、私の寛容の許容外だ」
「……!レフ、教授……!?」
大聖杯の前、発せられる光を後光に現れた人影にマシュは目を疑う。
紳士然としたスーツにシルクハット、人の良さそうな笑顔を貼り付けたその人物はレフ・ライノール。爆破事故で行方知れずとなっていたカルデアの技師だ。
それがこのタイミングで、有り得ない場所に立っている。マシュ達に違和感が募る。
《レフ……!?レフ教授だって!?彼がそこにいるのか!?》
そこへロマンから声だけの通信が入る。どうやらカメラ機能が不具合を起こしたのか、こちらの影像は映っていない様子だ。
レフはそのロマンの声に親しげに話し掛ける。
「ロマニ君か。君も生き残ってしまったんだね。すぐ管制室へと言ったのに、全く……どいつもこいつも統率の取れないクズばかりで吐き気が止まらないな」
「っ!マスター、私の後ろへ!あのレフ教授は危険です!」
ニヤァ、と歯を剥いて凶暴な笑みを見せたレフに、マシュは魔理沙の前に立ちはだかる。武蔵、妖夢、フランドールもまたマシュと同じく危険を感じ取り身構えた。
だが一人だけ、そんなレフに歩み寄ろうとする者がいた──オルガマリーだ。
「所長!?」
「レフ……ああ、レフ、レフ、生きていたのねレフ!」
熱に浮かされたようにオルガマリーは一歩一歩近付く。マシュの声など届いていない。
カルデアの最高責任者として気苦労の絶えぬオルガマリーにとって、レフはかけがえのない人物だ。故に訝しむより無事を喜び、今回の件で積もり積もった感情を慰めてもらうべくレフの元に向かう。当のレフはそれを良く分かり、優しく言葉を掛けてきた。
「やあオルガ、君も来ていたのか。
瞬間、何とか今まで保てていたオルガマリーの心はポッキリ折れた。
「……ごめん、レフ、生きてるとか言わないで……無理、泣く、もう泣くぅ……」
「む?」
足から崩れ落ち、地面に突っ伏すオルガマリー。さしものレフへの盲信も、魔理沙らに培われた生死に触れたトラウマには勝れなかったようだ。
それでも気力で立ち上がり、
「で、でも!貴方なら何とかしてくれるわよね!?私の事も、カルデアの事も!いつだって貴方が何とかしてくれた!だから──」
「はいストップだ、所長」
「ぐふぅ!?」
一縷の救いを求める一心で駆け出したオルガマリーの襟元を、いつの間にか近寄った魔理沙は無情にも掴む。自重に首を絞められるオルガマリーは後ろにすっ転んだ。
「な、何を──」
「まだ蹲ってたままを奨めるぜ?
「ほう?」
マシュとオルガマリー、通信越しのロマニは魔理沙の言葉に驚愕。一方でレフは若干感心したように声を漏らす。
「何を根拠に私を人間じゃないと?妄想にせよ確信にせよ、参考に聞いておきたいね、48番目のマスター君?」
「妖怪と縁の無い人間相手なら騙せるだろうが、私にはおざなりな変装だ。最初に会った時から気付いてたぜ」
「ならば、何故その時に言わなかったんだい?」
「人間じゃない奴も採用してんのかと思ったからな。それでももしかしたらって名乗っといた。私は、敵に対しては格好つけて名乗る事にしてるんだ」
『──私は、霧雨魔理沙。普通のマスターだぜ!』
確かに魔理沙はレフの前で名乗る際、格好つけながら自己紹介していた。逆にロマニには普通に名乗っている。
ほんの些細な事。しかし、騙せていると嘲笑っていたレフはその事実に眉を潜めた。
「……なるほど。何の利用価値も無いと泳がせていたが、矮小な人間にしては見所がある。正直、この世界と心中させるより直々に殺してやりたいほどだ」
「妖怪退治の専門家である私に挑戦状とは良い度胸だな。受けて立つぜ?」
殺気を滲ませるレフに、魔理沙は好戦的にミニ八卦炉を構える。先程の連戦で魔力切れではあるが、それでも関係無い。喧嘩を売られたら買うまでだ。
が、レフは何か気づいたように余裕な笑みを浮かべた。
「おっと、けれど時間も時間だ。君みたいな虫一匹に付き合ってるほど私は暇じゃない。それよりもオルガ、君に見せてあげよう。君が人生を費やした愛しいカルデアの現状をね」
「え……?」
言って、レフはその手にある水晶体を掲げる。それはまさしくセイバーオルタが残した聖杯。レフは手元に手繰り寄せていたそれを輝かせ、背後に空間の穴を開く。その中にあるものにオルガマリーは愕然とした。
「こ、これって……!?」
「そう、これこそ君達アムニスフィアの愚行の末路だ」
それは──カルデアス。
しかしその様子は本来のものと全く異なる。まるで太陽のように真っ赤な輝きで燃えていた。
「人類の生存を示す青色は一片も無い。すなわち、あれは人類の痕跡が無いと言う事。これが今回のミッションが引き起こした結果だ」
「そんな……嘘……こんな、事……!」
「良かったねぇマリー?君のいたらなさが悲劇を呼び起こした訳だ」
加虐的な、暴力的な笑顔でレフは絶望するオルガマリーに言う……君のせいで人類は滅んだのだと。
余りにも現実味の無い、人一人が背負うには重大過ぎる事実。「有り得ない、私は失敗してない」とオルガマリーは事態を認め切れない。それを煩わしく思うのは、レフだ。
「全く、相変わらず苛立たせる天才だな、君は。そんな君に最後の望みを叶えてやろう」
と、徐にレフは聖杯を持っていない方の手をオルガマリーへと翳す。するとオルガマリーは謎の力によって体が浮き上がり、そしてカルデアスに引き寄せられた。
「な、何が……起きて……!?」
「どうせ私が足下に仕掛けた爆破装置で肉体は消し飛んでて、カルデアに戻ればその意識だけの存在は消滅するんだ。最期の記念に
その処理できない真実、言葉にオルガマリーは狼狽える。
「なに、言ってるの?や、やめて、お願い。だってカルデアスよ?高密度の情報体よ?次元が異なる領域なのよ?」
「ブラックホールと変わりない。それとも太陽か。ともかく人間なら分子レベルに分解される地獄の具現だ。生きたまま無限の死を味わえるよ」
「……いや……いや、いや!助けて!助けてよレフ!本当に、本当に私をっ!?」
「今更頭の悪い確認をしないでくれ。死に際は美しくありたいものだろう?まぁ、散々私を苦労させてきた君が苦しんで死ぬ様を見れたら楽しいだろうがねぇ」
もう隠しも誤魔化しもしないレフの本性。信じていたものの理不尽なほどの裏切り。それを目の当たりにしたオルガマリーの感情は、恥も外聞も無く決壊する。
「いッ……いやぁぁぁぁぁッ!!誰か、誰か、誰か助けてェッ!こんな、こんな所で死にたくない!……だって、まだ、褒められてない……!誰も、誰も私を認めてくれてないッ!やだ、やめて、誰か、誰か私を助けてぇ……!私を褒めてよぉ……!」
「オルガマリー所長……!」
子供のように泣き喚いて、感情を吐露するオルガマリー。だが誰も助けない、誰も助けにいけない。行けば彼女もろとも巻き込まれて一貫の終わり。マシュ達もただ無力に見届ける事しかできない、泣きじゃくる少女が無惨に死ぬ様を……誰も……
「──所長!私が渡したもんをぶつけろッ!」
「ッ!」
その時、魔理沙が声を上げた。
オルガマリーはその声の指示に従い、死に物狂いでポケットからある物を取り出し、力一杯眼下のレフへと投げ付ける。
──ボフッ!
「うぶっ!?」
それは──キノコ。まさしく魔理沙がオルガマリーと合流した時に渡した代物だ。オルガマリーはあの時、怒鳴りながらも捨てずにポケットに仕舞いっぱなしだったのである。
そのキノコはレフの顔に当たると多量の胞子を散布、視界を奪う。だが、そんな程度でどうにかなるものでは無い。事実レフは胞子を振り払い呆れたように笑った。
「……フッ、無駄な抵抗だな。たかが目眩まし如きで君の運命は変わりは──」
直後、彼は今まで感じた事の無い感覚に襲われた。
レフは思考を巡らせる──何だ?まさか、毒?いや、我らが王に寵愛されしこの体が毒なんて易い手で脅かされる訳がない……では何だ?この目と鼻を擽るかゆ、かゆ、かゆ……うま……じゃなくて!?
「魔法の森には色んな毒キノコがあってな。大抵は胞子に幻覚作用があるものばかりなんだが……
そいつは胞子を吸うと酷い花粉症になるレア種だぜ」
「ぶわあああァァァァァッ!?!?!?」
魔理沙の説明が終わった途端、凄まじい痒みと共にレフの顔は涙と鼻水で溢れ返った。まるで滝の如く流れ出る体液と、顔の内部から攻めてくるような痒さからレフは絶叫する。
醜い、と言うか見にくい。絵面的に。
「馬鹿なっ!?何だこの痒みは……あ、洗いたい!目玉を取って洗いたいくらい痒いッ!鼻も、息が、口で呼吸を……ガアァァァッ!」
かつてない方向からの攻撃に慌てふためくレフ。「有り得ない、この私が何故……!」と、先程煩わしく思っていたオルガマリーと同じような呟きを吐く。
結果、余裕を失った彼は失態をした。自身の異常対処に気を回したせいで力を緩め、丁度自分の頭上にいたもの──オルガマリーが浮力を失った事を忘れる。
「……レェェェェェフゥゥゥゥゥッ!!!」
「! し、しまっ……ぐぶおぉッ!?」
怒りのまま急降下してきたオルガマリーの渾身の蹴りが、一瞬遅く気付いて上を向いたレフにクリーンヒットする。某ゴールデンなライダーも顔負けのラ○ダーキック。その威力に脱力させて開けたレフの口から素敵な白い歯が一本、抜け落ちた。
それだけでも凄い。しかし驚くべき事は留まらず、なんとレフを蹴り飛ばしたオルガマリーは、
「おお、中々やるな所長」
「ええっ!人間やろうと思えば何でも出来ちゃうもんねっ!」
「よっしゃ、その何でも出来るついでだ。あの憎たらしい野郎に一杯でも十杯でも喰わせてやろうぜ」
「もちろん!……こんな感じ!?」
言って、ドドドドォン!とオルガマリーはばら蒔いた小石を一斉射撃で放った。弾幕だ。
魔理沙らに弄られて威厳を損ない、レフに掌を返されて信用する者を失い、死を目前にしてを感情を爆発させた彼女に最早迷いも躊躇いも無い。自分のやりたい事、自分のしたい事をやる。故に飛べたし弾幕も撃てたのだ。
涙と鼻水、更に口から血も垂れ流した見るも無惨なレフにオルガマリーの弾幕が襲い掛かる。密度は妖精程度。それでも今のレフには充分な反撃だ。数打ちゃ当たるの一発が、彼が奪った聖杯を弾き飛ばした。
「締めはコレだ。ぶちかましてやれ」
「オーケー……!」
魔理沙が手渡してきたものをオルガマリーが受け取る。四尺マジックボム──かの指名手配された天邪鬼が魔理沙から盗んだ反則アイテム。それを抱えたオルガマリーは、弾幕を放つ要領で放った。人間の力では有り得ない飛距離でレフに投げ込まれ、そして爆発する。
──ドパァァァァァンッ!!
「ぬわーーーーっっ!!」
「よしっ!」
花火のような派手な爆発が巻き起こり、オルガマリーはまるでボーリングのストライクを取ったかの如くガッツポーズ、更に魔理沙にハイタッチ。そこにいるのはもう責務に追われるオルガマリー所長ではない。色々吹っ切れまくった、オルガマリー・アースミレイト・アムニスフィアと言う一人の少女だった。
「貴様らァァァァァッ!!」
と、爆煙を吹き飛ばしボロボロのレフが姿を現す。最早紳士の面影は無く、今に人外の姿を明かしそうなほど激昂している。牙を剥くように開いた口は、歯抜けで迫力に欠けていた。
「良くも、良くも、良くもクズの分際で私をコケにしてくれたなァ!殺してやるッ……!生きて帰すものかァッ!」
歯も冷静さも欠いて、怒り狂うレフに魔理沙達は迎え撃つ姿勢を取る。いかにみっともない姿でも確かに感じ取れる尋常ならざる力。激戦で疲弊する魔理沙達だが、それでも後に退けない以上、立ち向かうまでだった。
しかしその時、世界が揺れた。
「……!ぐっ、このまま続ければ私も巻き添えか……まぁ、良い。私はまだ職務があるのでね。去らせてもらおう。憂さ晴らしに諸君はこの世界ごと時空の歪みに呑み込まれてくれたまえよ」
事態に余裕を取り戻したレフは、また醜悪に笑む。そして更に絶望へと叩き込むべく言い放った。
「もはや誰にもこの結末は変えられない。何故ならこれは人類史による人類の否定だからだ。お前達は進化の行き止まりで衰退するでも、異種族との交戦で滅びるのでも無い……自らの無意味さに!自らの無能さに!我らが王の寵愛を失ったが故に!何の価値も無い紙屑の様に、跡形もなく燃え尽きるのさッ!無様になァァァ!」
果てしなく人類全てを蹂躙した一言一句。一縷の希望も無いと断言しながらレフは最高に笑って宣う。いかな間違った文言だとしても、その言葉は常人なら絶望に陥っていた。
が、実際それを聞き届けた魔理沙達はあっさりと言う。
「……いや、その面で言われてもな。説得力無いぜ」
「なんか何とか出来そうな気がします」
「貴方みたいのに滅ぼされるのは嫌だなぁ……だから圧し通るわよ?」
「一応言わせてもらうけど、今は貴方の方がよっぽど無様よ?見るに耐えないわね、レフ」
「レフ教授、汚いです」
「きたなーい♪」
「ぐうううううッッッ!!」
全く堪えてない少女達の集中砲火、主に顔について。マシュにすら言われて怒りに震える涙と鼻水と血でまみれたレフだが、そうしながらもこの世界から消え去る。もう世界の崩壊が間近だからだ。
レフが消えたと同時、大空洞が目に見えて震えた。
「地下空洞が崩れます……!いえ、それ以前に空間が安定していません!ドクター!至急レイシフトを実行してください!」
マシュの声に、ロマニは悠長ではない口振りで答える。
《今やってるよ!でもゴメン、そっちの崩壊の方が早いかもだ!その時はそちらで何とかしてほしい!ほら、宇宙空間では数十秒なら生身でも平気らしいし!》
「黙っていてくださいドクター!私、怒りで手が出そうです!」
「宇宙で息できたがなぁ」と言う魔理沙は置いといて、マシュの急かしにドクターは出来るだけ懸命を尽くす。
一方、神妙な出で立ちのオルガマリーに、妖夢が一番気にしてるだろう事を切り込む。
「あの、良いんですか?
「……構わないわ、最後にやる事やれたし。悔いは無い」
迷い無く答えて微笑むオルガマリー。その顔は満ち足りていた。吹っ切れた彼女にもう死への躊躇も無い。
かくして異変を解決された世界は、空間の歪みに全てを呑まれる。
刹那、魔理沙は何やらフォウが飛び出してきたのを見たが、何事か考える暇なく、すぐ何も分からなくなってしまうのだった──
これでもかってくらいレフをメタメタにしてみた。反省も後悔もしていない、今は満足している。
もっと花粉症らしく、滅茶苦茶くしゃみと鼻づまりさせて喋りすらもままならなくしようとしましたが、ペースがアレなんで断念。だけどローマと言う次の機会がある。その為に今こうして畳み掛けてやったところもあります(黒笑)
弄られ、裏切られ、死にかけて吹っ切れたオルガマリー。勢いに乗じて飛行能力と弾幕を会得しました。もう誰おま状態ですね。高飛車で小心者って何だっけ……でもここまで弄るといっそ清々しくありません?俺だけ?(苦笑)
次回はとうとう特異点F最終回。漸く来れた。新年明けて心機一転、まだまだこの調子で魔理沙中心にfgo世界を染めていきますぜ。
皆さん、今年も拙作を宜しくお願いします!