ソードアート・オンライン ~幻想となった少年~   作:紅風車

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74層での出来事

俺は74層の主街区にいる。

ここは前線で俺達が監視という名の怠けによって攻略が少し進んでいた。

ボス部屋がまだ見つかっていないらしいが生憎俺はソロでボス討伐するほどの実力はもってる。

当然ボス部屋は見つけてあるし、相手がどんなものなのかもわかっている。

ボスは牡牛のような角と巨大な剣。

そして口からは青い炎のブレスを出して来る。

 

 

ちなみに何故迷宮に行かないといえばユウキとミヤビ待ちだ。

普通ならばもう来ていておかしくはないんだが一向に来ない。

すると転移門が光りだした。

 

「どいてくださぁぁぁいぃ!」

 

「はぁ!?」

 

「うわっぷ・・・」

 

転移光から出てきたのはユウキ。

だがどこか怯えたような表情を浮かべていた。

ミヤビはユウキに引っ付いてた、しっかりと。

 

「・・・?ソウタにユウキじゃないか」

 

「んあ?キリトにアスナか。おっす」

 

「ど、どうしたの?ユウキもソウタ君も」

 

「知らん、いきなり飛び込んできたこいつに聞け」

 

俺はユウキをとりあえず引っぺがそうとするが謎の力で引きはがせなかった。

その時、また転移門が光りだす。

中からは長身で少し痩せた男。

服装的に《血盟騎士団》のようだった。

 

「ユウキ様!どこにお行かれのご用ですか!」

 

「ひっ!」

 

「・・・」

 

「ク、クラディール!?」

 

クラディールというこの男。

ユウキに様付けとか信仰者かよ、気持ち悪いな。

それにこいつが来てから俺に抱き着くユウキの手が震えていた。

 

「ユウキ様、もう一度ご再考お願いします。我が血盟騎士団に加入してはいただけませんか?」

 

「ボ、ボク言ったよね?!入らないって!」

 

「体験入部でも構いません、一度体験すればその考えも変わるかと・・・?」

 

クラディールのしつこさに俺が逆にイライラしてきた。

こいつ嫌がってんのに引かねぇなぁ。

 

「おい、おっさん」

 

「あぁ・・・?」

 

「何しようと勝手だが、こいつは今後貸し切りなんでな。連れていくなら俺を通してからにしてもらおうか」

 

「貴様、血盟騎士団に盾突くというのか?」

 

「血盟騎士団?ギルドに用はねぇ。あんたに用があるんだよ」

 

「この・・・」

 

俺の挑発にまんまと引っ掛かってくれるこの馬鹿をどうしようかね。

一応、血盟騎士団らしいし実力はあるんだろうが・・・正直首撥ねてやりたいがもうPKはする気はねぇしなぁ。

 

「アスナ、こいつどうすりゃいい?」

 

「えっ?・・・」

 

おい、考えなしかよ!

・・・はぁ、仕方ない決闘で良いや。

 

「ユウキ。少しの間キリトんとこ行ってこい」

 

「・・・うん」

 

なんか涙声だったな。

どんだけ嫌だったんだよ・・・まぁ斬り飛ばすけどさ。

 

「クラディールとか言ったっけ?決闘で決めようじゃねぇか。あんたが勝てばギルドの事には口はださないが俺が勝ったらユウキの前から失せろ」

 

「貴様ぁ・・・」

 

恨めしそうにこっちを見るのは構わんがユウキにぶつけられると不快だ。

さっさと半殺しにしてやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボクはソウタに言われてキリト達のところにいる。

アスナがボクの手を握ってくれるから少しは・・・震えが止まった。

 

「めんどくせぇなぁ、動くの嫌だってのに」

 

ソウタは本当に面倒臭そうにしているからかな。

表情からも動きからもやる気が出てない。

でも・・・殺気?はすごい出てる。

 

「ご覧下さいアスナ様、ユウキ様!この剣でこの男より上回っていると実証しましょう!」

 

「あれは・・・式典用の武器だな。あういう武器は総じて脆いんだ」

 

「そうなの?」

 

「ああ、シンプルなものは頑丈だから壊れにくい・・・まぁ見てたらわかるよ」

 

キリトがあの男の武器を観察してた。

確かに見た目は華美だけど・・・ボクにはソウタやアスナとかの剣のが好きだな。

 

「さぁてぇ・・・てめぇは何分持ってくれるよ?」

 

決闘が始まった瞬間ソウタの姿が消えた。

ボクの目にもキリト、アスナ、そしてあの男も見つけれなかった。

 

「くそっ、どこだ!」

 

「・・・とりあえず消し飛べ」

 

男が探しているとソウタは背中に回り込んでた。

後ろから出てきたことに驚いたのか剣を乱暴に振り回す。

 

「なんだその使い方。玩具じゃねぇんだからよ」

 

「くそっ、くそっ!」

 

「ユウキ、良いもん見せてやる」

 

「へ・・・?」

 

良いものって何だろう?

ソウタはソードスキルを発動させると男の剣に当てた。

詳しくいえば柄の部分。

宝石とかが嵌まってた部分にソードスキルを当てると柄から上が折れてボクの方に飛んでくる。

 

「《武器破壊》。武器と武器が鎚迫り合った時に起きる現象だが、こういう装飾が多い武器は脆弱な部分がある。その場所に一定の角度、一定の速度で攻撃すればこんな感じに折れるわけだ・・・・・・で、まだやんのか?武器それだけっぽいけど」

 

「・・・くそ」

 

ソウタが行った攻撃にキリト以外驚いてた。

ボクもだけどあんなことを平然とやり遂げちゃうんだもん。

ちなみに男はリザインしたみたいで転移門で帰って行ったよ。

 

「さーて、ゴミは掃除したし行くぞー」

 

「ん・・・?ソウタとユウキも74層迷宮に行くのか?」

 

「そうだよ?」

 

「私たちも同じなの。パーティー一緒に組まない?」

 

「・・・ユウキに任せる。ていうかお前らとならパーティーは構わん」

 

ソウタはそう言うと先に行っちゃった。

パーティーリーダーがボクだから統合しないとだ。

 

「・・・変わったねソウタ君」

 

「ああ、昔は一匹狼みたいな感じだったのにな」

 

「早く行こうよ!置いてかれちゃう!」

 

先に行ったソウタを追うべくボク達は迷宮区へと急ぐ。

ミヤビちゃんはソウタにおぶられて行ったからソウタと一緒なのかな?

とりあえず行ってみようっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ達を置いて俺は迷宮区へと進んでいた。

理由はミヤビのレベルあげだ。

一応、レベルはマージン内だが上げれるときにあげてやりたい。

 

「ミヤビ、スイッチ」

 

「はーい」

 

ミヤビの扱う武器は槍。

特殊効果付きらしく、効果は【《投擲》スキルによる投げ槍攻撃必中】というもの。

どこぞの狂犬の槍ぽいが気のせいだろう、蒼い色してるし。

 

「とぉ!」

 

なんともやる気がない声だがしっかりとモンスターのHPを削る。

槍は他の武器と違い、リーチがあるためそれを利用した立ち回りができる。

またミヤビの槍は手元に戻る引力があるらしく遠くから投げているだけでもかなりのダメージを稼げる。

しかしミヤビの筋力が低いせいか投げる力が死んでいる。

 

「・・・ミヤビ、お前の筋力悲しすぎだろ」

 

「うー、言うなぁ」

 

「じゃあもう少し遠くに投げろよ、なんだよこの距離」

 

ミヤビが投げた距離、2m。

俺が剣を投げても8mぐらいは出せるぞ、スキルなしで。

 

「まぁ、とりあえず安全エリアに到達したしユウキ達待つぞ」

 

「ん、わかった」

 

安全エリアに到達すると俺はストレージから大きな肉をだす。

次に鉄の棒と燃える木を出した。

この燃える木はユニークアイテムで自在に火の燃焼を操作できる。

もっぱら料理道具として使ってるが扱いやすいことこの上ない。

俺は取り出した肉に棒を突き刺して火にかけた。

 

「あとは焼こう。美味しくなるまで焼こう」

 

「お肉好きだね、お兄ちゃん」

 

「肉は美味い。まぁ食い過ぎは良くないが」

 

「だね・・・ねえ、お兄ちゃん」

 

「ん?なんだ?」

 

「・・・ユウキさんに言わないの?」

 

「何をだよ」

 

「ユウキさんが好きなの分かってるんだよ?言っちゃえば良いのに」

 

こいつはいきなり何を言い出すんだ。

・・・ユウキの事が好きなのは否定しないが。

 

「お兄ちゃんが殺人者とか関係ないよ。私はユウキさんじゃないから分からないけど・・・お兄ちゃん事をちゃんと見てくれてる」

 

「お前・・・本気で言ってんのか」

 

「本気。お兄ちゃんの事考えて言った」

 

「・・・俺の整理が付くまでは言えねぇ・・・だけど付いたら言うよ」

 

「ん、分かった・・・あともう焼けてるよ?」

 

ミヤビが俺の肉を取ると俺に渡す。

こういう面ではミヤビのが良いんだよな、《料理》スキル完全習得してるし、リアルでも飯美味いし。

ユウキの飯は食ったことねぇけど。

 

「とりあえず食うか。ユウキ達待ってる間」

 

「うん、そうだね」

 

・・・あのボスを倒したらユウキに言うか。

ちゃんと思ってる事いわないとな。

昔から迷惑と心配かけたし。

 

 

・・・肉美味い。

 

 

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