ボク達は60層迷宮へと進んでいく。
道中のモンスターは全然相手にならないくらい弱かったからボクとキリトで一気に突き進む。
「やぁぁぁ!」
「はぁぁぁ!」
ボク達に続くようにアスナ達も追ってきた。
「ユウキ、キリト君ー!」
「アスナ?どうしたの?」
「もうすぐだよ、目的地」
「ん、そうか・・・なら一度警戒を入れて進もう」
キリトの考えにボクとアスナは頷く。
潜伏場所に近い場合は警戒をしつつ、襲撃を警戒しなければならない。
じゃないと全方位を囲まれる危険性がある。
そうして、目的地へと到着するとタンク隊を前に出し、強襲を警戒。
「随分と大人数な事だな」
「・・・!」
声がした方向を振り向くとあの時のローブのプレイヤーだった。
つまり『暗躍者』。
「人数から見て・・・俺の処刑か」
「暗躍者さん、全面降伏してもらえればこちらも助かります」
アスナが暗躍者に勧告するが暗躍者は首を横に振る。
そして背中から剣を引き抜いた。
「降伏?してやっても構わんが・・・」
「お前ら、ちと手伝ってくれよ」
暗躍者が言うといきなり大人数のプレイヤーが現れた。
カーソルは全て赤色やオレンジ。
そして中には《笑う棺桶》幹部のジョニーとザザそしてPoHがいた。
「黒の剣士じゃん!閃光に絶剣・・・暗躍者もいる!」
「これは、少し、分が、悪い」
「これはこれは・・・面白そうじゃねぇか・・・ブラザー!やるぞ!」
幹部プレイヤーによる号令で一気にその場は戦場となった。
するとボクに攻撃して来るローブのプレイヤーがいた。
「くぅぅ・・・」
「・・・たす・・・けて・・・」
「ふぇっ・・・?」
「お願い・・・」
ローブのプレイヤー・・・はいきなり助けてと言うためボクはどうすれば良いか考えた。
だけどボクにはそれをどうすれば良いのか分からなかった。
「さぁて・・・殺しは駄目だもんな。なら麻痺で少しばかり大人しくしててな」
そして高みの見物をしていた暗躍者の手元にはナイフがあった。
そしてソードスキルの構えを取った。
「あれは・・・《投擲》?」
《投擲》スキル『シングルシュート』で一人一人的確にナイフを当てて行った。
ナイフには麻痺が塗られているのか当たったプレイヤーはどんどん麻痺状態になる。
そして次の行動は誰も止めれなかった。
暗躍者が抜いていた剣はソードスキルによってとある人物へと向かっていく。
「てめぇらだけは死ね」
その人物は《笑う棺桶》リーダーのPoHだった。
いきなりの行動に反応が遅れるもPoHはそれをかわしたがその後の第二撃の追撃によりPoHの体に暗躍者の剣が刺さった。
「あ~・・・まぁ・・・良いかぁ・・・」
PoHはそう言い残すと体をポリゴンへと変えて消えた。
「ヘ、ヘッド・・・?」
「お前、許さない!」
ボク達が暗躍者を止めようにも《笑う棺桶》の監視をしなければならない。
目を離して逃げられでもしたらこの掃討は意味なくなってしまうから。
「ジョニー、ザザ。てめぇらも同じとこ行ってきな」
暗躍者は左手に構えていた麻痺ナイフで二人を切り付け、麻痺状態にすると首元に剣を当てた。
「ひっ・・・!」
「・・・」
「遺言はそれだけか・・・じゃあ死ね」
「ソウタぁ!」
ボクは・・・暗躍者をソウタと言ってしまった。
間違いかもしれないし、本当にソウタが暗躍者という可能性を捨てきれなかった。
「・・・ち、興が逸れた。てめぇらは牢獄にでも行ってろ」
暗躍者は回廊結晶を取り出し、開いた。
「生き残った《笑う棺桶》メンバー全員入るかここで惨殺されたいか・・・どっかにしろ。数秒以内に」
暗躍者の苛立った声色と目の前で自分達のリーダーが殺されたからか、レッドギルドと言えど自分達から中に入って行く。
ジョニーとザザは暗躍者によってほうり込まれた。
「・・・はぁ、で?おめぇらはどうすんだ」
「ふぇ?」
「何もねぇならそのローブの子、俺に渡してくんねぇかな」
暗躍者はボクに抱き着いているローブの子を指差した。
ボクとしては何か訳があると思ってこの子は牢獄へと投獄はしていない。
だが周りのプレイヤー達は暗躍者を警戒する。
ボクはそんなに警戒していないんだけどね。
「・・・警戒し過ぎだろ・・・まぁ良いけどさぁ」
「暗躍者・・・プレイヤーネームはなんだ?」
「ん?あぁローブ被ってたままか・・・」
キリトに尋ねられ暗躍者は身につけていたローブを外した。
その姿はボク達が良く知る人物・・・ソウタだった。
「やっぱりと思ったか?まぁ合ってんだけどな」
「ソウタ・・・」
「なんつー顔してんだ?別に俺が殺人者でも良いとは思うけど」
「ソウタ君・・・あなたが暗躍者なの?」
「ああ、俺がPKKの暗躍者・・・さて俺を殺すんだろ?」
「・・・っ」
「何を躊躇ってんだ?キリトでもアスナでもユウキでも良い、お前らが持ってる武器で俺を斬るだけじゃねぇか」
ソウタは何も分かってない。
ボク達・・・キリトやアスナはそんな事をするために来たんじゃないのに・・・。
なんで殺されるっていう状況を楽しめるの・・・?
ボクには分からないよ・・・。
「・・・なんだ誰も・・・殺してくれねぇのか・・・」
「暗躍者ソウタ。一時的に貴方を監視することにします。構いませんか?」
「アスナ。まずその行動の理由はなんだ?監視なんてせず牢獄にでも放り込めば良いじゃないか」
「ソウタ君本当にそんな事思ってるの?」
「そりゃあな。PKKをし始めた最初から殺されても牢獄行きになる覚悟はあった。そのローブの子を取り戻すためなら幾らでも俺は犠牲になれる」
ソウタはローブの子を見やる。
その表情はどこか優しげで見てて安心する顔。
その近くにいたボクを見たけどすぐに目を逸らされた、なんでだろう?
「・・・はぁ。良いよ。監視するならすれば良いが・・・付き人はキリト・ユウキ・アスナだけにしてくれ。知らん奴に監視されたくねぇ」
「副団長様、どうしますか?」
「キリト君とユウキは大丈夫かな?」
「俺は大丈夫」
「ボクも・・・良いよ」
「じゃあソウタ君。ユウキと居てくれる?色々あるだろうし」
「は、はぁ・・・相手が良いなら俺は構わん」
ぶらきっぼうにソウタは言うと武器を外し、ボクの元にやってくる。
「まぁそういうことらしい。しばらくよろしくなユウキ」
「う、うん!」
多分その時のボクは凄く嬉しかったけど顔は赤かった気がする。
俺は一応負けた?事にされたのでとりあえずしばらくの監視の為ユウキと行動することになった。
まぁ当の目的であるミヤビの救出も出来たし俺は何でも良いんだが。
ユウキが俺をチラチラと見てきて何というか・・・落ち着かん。
自負してる訳じゃないが好意等の感情には鋭い。
ユウキが俺に向けてる感情も分かってはいるつもりなんだが・・・な。
「ユウキ、正直さ」
「へっ!?う、うん!」
「・・・監視役、キリトに頼んでも良かったぞ」
「・・・へ?」
「気付いてないと思ってんならあれだが俺のことチラチラと見すぎ。視線がわかりやすいし、目を合わせたらすぐに逸らす。正直こんなのが続くならキリトに監視頼んだのが良い」
「ぁ・・・ぅ・・・」
多分無意識なんだろうな。
チラチラと見てたってのはあれだが、逸らすのは恥ずかしいとかからか?
「ま、少しは考えて行動しろよ?俺はそこまで気にしなくとも来ないがユウキはモテるんだからな」
「う、うん」
「俺適当にその辺で寝るからな。あと絶対一緒に寝ないから」
「えー・・・」
「えーって馬鹿かお前は。そういうのは好きな相手にしろっての」
「・・・ソウタなら全然良いのに」
「何ほざいてんだ。俺なんかよりもっと良い奴探せっての。お前ならいけるだろう」
こんだけ言えばしばらくは静かになるだろ。
恋愛なんぞする気はない。
どうせしてもSAOの世界の中だけの関係だからな。
「・・・うん」
「んじゃ俺もう寝るわ。基本的に寝てることが多いからどこか行くとき起こしてくれていいからな」
「分かった。おやすみソウタ」
「ん、おやすみ。ユウキ」
俺はユウキに言うとユウキは自室へと入った。
俺はソファーで寝るか椅子で寝るかの二択しかほとんどないので今回は椅子で寝ようと思った。
だがユウキの部屋から泣き声がした。
「・・・俺のどこが良いんだよ・・・」
もう寝ているのだろうけれど泣き声は止まらない。
「今夜だけだぞ・・・ったく」
いくら俺でも泣いている女の子は苦手だ。
女の子には笑って居てほしい。
だから俺はユウキの部屋に入るとユウキが起きないようベッドに頭と肘を乗せて肘を枕にするとそこで寝た。
片手はユウキの左手と繋いでいるから少しは和らぐだろ。
「・・・好きだよ。ユウキ」
恐らく俺は起きてるこいつに言う事はない言葉。
人殺しで血に染まりきった俺に人を好きになることなど合ってはならない。
それは胸のうちに留めておくのが1番だろう。
「おやすみ・・・ユウキ」
「おやしゅみ・・・」
感想と評価を付けてくださった人ありがとうございます!
全然内容が薄いですがこれからも読んでくだされば幸いです。