ソードアート・オンライン ~幻想となった少年~   作:紅風車

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紺色少女は想う

俺が目を覚ました時間は9時。

ユウキはまだ寝てるようで気持ち良さそうに寝ている。

 

「ん~・・・」

 

「おはよう?ソウタ」

 

「んあ・・・?」

 

まだ寝ぼけている俺はその人物をしっかりと見据えるまでに少し時間がかかった。

まぁ少し考えればミヤビだと分かったんだろうけどな。

 

「ミヤビか・・・」

 

「うん」

 

「戻れて良かったか?」

 

「うん!」

 

「ん、そうか」

 

戻れて・・・というのは《笑う棺桶》の事。

ミヤビは俺の代わりに《笑う棺桶》に入った。

主だった殺人は一切していない。

ならば何をしていたかと言えば、偵察・潜入などのスパイや生産に回っていた。

いくら殺人ギルドと言われても武具は専門に任すのが1番良い。

 

「・・・ユウキを一発で見抜くとはさすがに驚いた」

 

「そう?ソウタに想いを寄せてるもん、大丈夫だと思っただけ」

 

「そういうことに関する事だけは圧倒的だな。お前に頭脳戦は勝てた事無いし」

 

「戦略ゲームは無理」

 

「はいはい」

 

ミヤビは俺の実の妹。

血も繋がってるし、仲は良い方だと思う。

自慢できる妹で頭が馬鹿見たいに良い。

それどころか頭脳戦は基本勝てん、心理戦とか論外。

だが戦略ゲームに関しては壊滅的だけどな。

 

「さて・・・俺は何すっかねー」

 

「ソウタは何もしないんだね」

 

「何を?」

 

「ユウキさんに」

 

ミヤビは寝ているユウキを見て俺に言う。

何をするんだか・・・確かにユウキが俺に好意を抱いてるのは知ってるけどよ。

 

「昔っからそう。一人でいっつも抱え込んでる。PKKの事・・・全部ユウキさんに話してないよね?」

 

「・・・そりゃあな。ユウキは純粋過ぎる。SAOの中・・・だけじゃないが裏を知るべきじゃねぇよ」

 

「それはソウタの考え。ユウキさんが本当に拒んでたらあの時来てなかった」

 

「ミヤビ。それは俺に告れと言ってるだろ」

 

「そうだよ?ユウキさんとソウタって仲良いもん。アスナさんとかシリカさんよりも。何か・・・ユウキさんにだけ距離があんまり無いよ」

 

ミヤビには見抜かれまくってんなぁ。

俺はユウキの事を嫌いじゃないし、好きなタイプだ。

今まで他の女子とかに告られてもピンと来なかったがユウキを見て・・・一目惚れってのを初めてした。

恥ずかしいから本人には言ってねぇけど。

 

「ユウキさんなら受け入れてくれるよ。だってこんなにソウタの事想ってるもん」

 

「ミヤビはお姉ちゃんが欲しいんだな」

 

「ふぇっ!?そ、そんなこと言ってないよ?!」

 

「その慌て方とユウキを引っ付けようとしてる考えがわかりやすい。あとお姉ちゃん欲しいって昔から言ってたろうが」

 

「うー・・・」

 

「まぁ・・・ありがとうな。おかげで少し頑張れそうだ」

 

「ユウキさんを泣かせたら怒るからね!」

 

「誰が泣かすか」

 

俺はミヤビの頭を撫でた。

ミヤビは嬉しそうに撫でられるがままにされ、満足すると部屋から出て行った。

 

「んぁ・・・」

 

「起きたか」

 

「んぅ・・・?」

 

まだ目が覚めていないのかぼーっとしている。

俺の事を見ているがまだ認識できないんだろう。

 

「おはよう、ユウキ」

 

「おはよぉ~・・・」

 

「・・・起きてるよな?」

 

「うにゅ~・・・」

 

「駄目だこれ」

 

まだ眠たそうにしていたのでユウキの瞼を指で下げるとまた寝息が聞こえた。

今日は攻略あろうが俺は行かん。

ノルマとか毎日決めてたら俺は攻略どころか寝てる。

 

「ソウタぁ~・・・ごはぁん~・・・」

 

「ゆ、ユウキ?・・・って寝言か」

 

起きてるんじゃねぇかと思う寝言に俺はビビる。

ユウキは多分食いしん坊なんだろう、夢の中にまで食べ物出てるし。

 

「しゃーねぇなぁ、適当に飯作るか。腹減ったし」

 

とりあえず空腹感があると気持ち悪いので悪いと思いつつ台所を借りた。

食材?ストレージにまだまだ残ってる分使った。

 

 

 

 

 

 

SAOの料理はかなり簡略化されてる。

現実だと食材毎に調理法が違ったりするけどSAOでは包丁で触れれば斬った材料に変わる。

ちなみにこれは《料理》スキルが無ければ出来なかったりする。

まぁ俺は普段から自分でしていたから熟練度は1000のコンプリート済み。

 

「とりあえずスープとパンとかでいいか。あとサラダも作って・・・っと」

 

一人でやってたから作業が慣れまくってる。

ていうか最適化されてるんじゃねぇかな。

そんな事を考えていたらいつの間にか料理が出来てた。

 

「時間は・・・8時か。ユウキ起きてるかな」

 

「良い匂い」

 

「まだ食べちゃ駄目だからな?あとユウキを見てきてくれ」

 

「はーい」

 

ミヤビは先程までいたユウキの部屋に入った。

なんか悲鳴が軽く聞こえたが俺は聞いていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着替えをしているといきなり部屋の扉が開いた。

 

「へ・・・?」

 

「・・・」

 

「ひゃあぁぁぁぁ!?」

 

ボクが声をあげると女の子が入ってきてすぐに扉が閉められた。

 

「お着替えシーン。ソウタ呼ぶ?」

 

「だ、駄目!」

 

「じゃあ早く」

 

なんでボクは女の子の言いなりになっているのだろう・・・

ソウタに見られたらボク泣く自信があるよ。

 

 

 

 

 

そんな事がありながらもボクは女の子に見られつつ着替えも済ませたので部屋を出た。

すると台所から良い匂いがする。

 

「ソウタがご飯作ってるよ、早く食べよう?」

 

「う、うん」

 

ソウタが・・・?

とりあえずボクは女の子に着いて行った。

すると窓際で椅子に座って外を見ているソウタがいた。

 

「ソウタ、連れてきたよ」

 

「ん。おはようユウキ」

 

「お、おはよ・・・」

 

「適当に飯作ってあるから食っとけ」

 

「ソウタは食べないの?」

 

「俺の分は食った」

 

ソウタは食べたっていうけど女の子が疑いの目で見てる。

もしかして・・・食べてない?

 

「ソウタ食べて。ソウタが作ったんだから」

 

「・・・なんでばれてるんだか」

 

「ごめんね?ボクが早く起きてたら・・・」

 

「いや・・・可愛い寝言漏らしてたし起こすのは気が引けた」

 

「へ?」

 

可愛い寝言・・・?

もしかしてボクの部屋入ったのかな?

 

「あー・・・まぁ入ったよ。泣かれたら流石に困る」

 

「う・・・」

 

「とりあえず食べな。俺も食うから」

 

この話を早く終わらせてボクと女の子を席に座らせる。

ソウタもボクの左に座って料理を分けていく。

 

「足りなかったらおかわりしていいが・・・美味いか分からんからな」

 

「う、うん・・・それじゃあいただきまーす」

 

「いただきます」

 

ボクに続いて女の子も手を合わせると食べはじめる。

口の中に入れると天国にいるような気分になった。

それぐらい美味しいよ!

 

「美味しい!」

 

「ん、おいしぃ」

 

「ならいい」

 

今まで食べた料理で一番美味しい!

どうやってこんなの作ったんだろう?

 

「作り方は気が向いたら教えてやるよ。アスナも釣れそうだけど」

 

「?分かった」

 

釣れそうってどういうことだろう?

《料理》スキルを全然あげていないボクには分からないや。

 

「食べ終わったらどっか行くか。適当に70層・・・ユウキが良かったらでいいけど」

 

「ん・・・良いよ?それと・・・この子は?」

 

ボクはずっと疑問の女の子を見る。

ソウタは知り合いみたいだけどボクは初めてだから分からない。

 

「ん、あぁ。忘れてた。こいつはミヤビで俺の妹」

 

「ミヤビです。お兄ちゃんの妹で・・・元《笑う棺桶》の幹部・・・です」

 

「え・・・?」

 

「あー、まぁ・・・詳しく言えば長いから置いとくがミヤビは本当にラフコフの幹部クラスだ。PoHの右腕と言われてたが実際には殺しは間接的にも直接的にもしていない。生産プレイヤーだったしな」

 

ソウタがそういうとミヤビの頭に手を乗せて撫でてる。

その表情はあの時ボクにも向けていた優しげな表情。

ソウタにとってミヤビちゃんは大切なんだね・・・。

 

「そっか・・・」

 

「好意を向けられようが俺はミヤビを救うまで応えるつもりはなかった。ユウキが俺に何か特別な感情を抱いているのは分かってたけどその時はミヤビの事を取り戻すのが優先だった」

 

「そうなんだ・・・」

 

「でも嬉しかった」

 

「ぇ?」

 

「その・・・まぁ好意を向けてくれてたのは嬉しかったよ。初めてだったし・・・」

 

なんだか今日のソウタは今までと違って普通な感じ。

それを見せてくれる事がボクには堪らなく嬉しい。

今まで怖い表情とか暗い表情ばかり見てたからかな・・・。

 

「う、うん」

 

「・・・よ、よし!ぱぱっと前線行くぞー!」

 

「うぇっ!?待ってぇ~!」

 

「ユウキさん、お兄ちゃんをお願いします」

 

ミヤビちゃんはボクに頭を下げてお願いして来る。

ボクとしても当然今までみたいにソウタを支えるつもり。

でも・・・本当の意味で支えれてると言われれば・・・どうなんだろう。

 

「ボクに・・・出来るのかな?」

 

「はい。ユウキさんなら任せれます」

 

「・・・ありがとう」

 

「いいえ・・・それじゃあ行きましょうか?お兄ちゃん行っちゃいましたから」

 

「うん、そうだね」

 

ボクもミヤビちゃんと共に先に行ったソウタを追う。

ミヤビちゃんはソウタの事を理解してる。

ボクなんかより全然。

でも・・・ボクはソウタの事が好き。

だからいつかこの想いをしっかり口に出せたら・・・言いな。

 

 

 




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また誤字などはあっても多分治さない気がします。
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