成り代わりチチさんの離婚計画   作:ミカヅキ

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お久しぶりです。
大変お待たせいたしました。


過去編終わりませんでした…。すいません……。


匿名希望

『さて、大激戦の末ベスト4が決まり、いよいよこれより準決勝戦へと突入いたします!!準決勝を戦う4人は匿名希望(とくめいきぼう)選手、孫悟空選手、マジュニア選手、そしてシェン選手。いずれもとんでもない実力を秘めた武道家ばかりです!!まったくもって今大会のレベルの高さは信じられないものであります!!』

 第4試合まで終了し、わずかな休憩を(はさ)んだ後、審判の声が会場中に響き渡る。

(いよいよ、次は悟空さとだか……。)

 武舞台(ぶぶたい)奥の選手(ひか)え室で静かに座禅(ざぜん)を組み、精神統一を行っていたチチが静かに目を開けた。

(悟空さ、オラの事思い出してくれたべか……。)

 望みが薄いとは知りながら、どうしてもわずかな可能性に(すが)らずにはいられない。

『それでは準決勝最初の試合は、匿名希望(とくめいきぼう)選手対孫悟空選手です!!』

(思い出してくれねぇなら、思い出させてみせるだ……!!!)

 審判のコールにゆっくりと立ち上がり、武舞台(ぶぶたい)へと足を進めた――――――――。

 

『先程、女性ながら世界一の殺し屋桃白白(タオパイパイ)選手をいとも簡単に倒して見せた匿名希望(とくめいきぼう)選手と、先程前回優勝者の天津飯選手と凄まじい激闘を繰り広げた前回準優勝者の孫悟空選手です!!!』

 数歩分の距離を(へだ)て、向かい合う男に意図(いと)せずして頬が赤らむのを感じる。

「何かおめぇさっきもだけど顔が赤ぇぞ。風邪でも引いたんか?」

「…そういう訳じゃねぇだが、その様子だとまだオラの思い出してくれてねぇんだな…。」

 予想はしていたが、自身の事を全く思い出していない様子の想い人に、溜息が(こぼ)れた。

「へ?おめぇ、オラの事知ってるんか?」

「もちろん知ってるだ。」

 力強く頷くチチに、悟空が首を(かし)げる。

「どうもわかんねぇな…。おめぇ、オラの事誰かと間違えてねぇか?」

「間違えたりなんかしねぇべ。おめさ、孫悟空だべ?」

 全く思い出せない悟空をどこか切なそうに見詰めるチチに、武舞台(ぶぶたい)(わき)でその様子を見守っていたヤムチャとクリリンが顔を見合わせる。

「あの女、一体何者なんだ…?」

「気になりますねぇ…。」

 また、それは観客席で試合を観戦していた亀仙人たちも同じだった。

「あいつら何、ゴチャゴチャ言ってんだ?」

「なかなか、可愛い()じゃのう。」

 ランチ(金髪)が(いぶか)()に呟き、亀仙人は冷静に容姿のみを判じた。

『よろしいですか!?それでは第5試合…、初めてください!!!』

「はぁああああああっ!!!!」

「!!?」

 気合と共にチチが悟空へと飛びかかる。

 ババババババババッ…!!!!!

「ほっ、とっ、よっ…!」

 常人の目には留まらない程の速さで、チチの拳と蹴りが悟空へと襲いかかるが、悟空はその全てを見切り紙一重で(かわ)していた。

 神の下で厳しい修行を積んでいた悟空にとっては、この程度の攻撃はどうという事は無い。しかし、周りの人間にとってして見ればそれは驚愕の一言に尽きた。

「っ速い!?」

「何者だ、あの女…?!」

 武舞台(ぶぶたい)の外で見物していたクリリンとヤムチャが、予想外の展開に思わず目を()いた。

「なぁ!オラ、おめぇに会った事あるんか!?」

「ある!」

 激しい攻防の合間を()って放たれた悟空の疑問に、チチが攻撃の手を緩めずに答える。

「本当かっ?!いつ?!」

 大きく跳躍し、チチから距離を取りながら悟空が尋ねる。

 その言葉に、チチがピタリと動きを止めた。

「やっぱり…、覚えてねぇだな……。……って、言ったのに…!」

「聞こえねぇよ。もっとデケェ声で言ってくれねぇと。」

 (うつむ)きながら、(しぼ)り出すように呟いたチチに、悟空が聞き返す。

 全く心当たりの無さそうな悟空に、(つい)にチチの感情が爆発した。

 感情のままに顔を上げ、(あふ)れる涙もそのままに悟空を(にら)み付ける。

「オラの事!!!お嫁にもらってくれるって言ったのに!!!!!!」

「「「「「い!?」」」」」

「「「お…!!!お嫁っ!!!!?」」」

 観客席にいた亀仙人、ブルマ、ランチ、プーアル、ウーロンの声と、武舞台(ぶぶたい)(わき)にいたクリリン、ヤムチャ、天津飯の声が被る。

 一方の悟空は、キョトンとした顔でチチを見詰めていた。

 …が、

「クリリン!!オヨメって何だっ!?教えてくれっ!!」

「えっ………?!」

 悟空の疑問にクリリンとヤムチャ、付き合いの長い亀仙人とブルマがズッコケる。チチはと言えば、悟空の言葉がにわかには信じ難く半ば愕然(がくぜん)としていた。

「一緒に暮らす!?おめぇとか!?オラ、そんな約束したか!?」

 チチが呆然(ぼうぜん)としていた間に、武舞台(ぶぶたい)(わき)のクリリンとヤムチャによって「お嫁にもらう」の定義が軽く説明されたらしい。

「一体誰なんだ………。頼むから教えてくれよ!」

「っだったら!オラに勝ったら教えるだ!!」

 驚愕のあまり止まった涙を拳で(ぬぐ)い、チチが再びを構えを取る。

「ほんと!?良かった――――――!!オラ、名前も知らねぇ奴と、ず――――――っと一緒に暮らさなきゃなんねぇのかと思っちゃった!」

 勝てば良いのだと納得した悟空の顔があからさまに明るくなる。

 その様子に、チチの胸がズキリと痛んだ。

「そう簡単に勝てると思ったら、大間違いだべ……!!!」

 ブオッ……!!!

「!?」

 チチの華奢(きゃしゃ)な体から、凄まじいオーラが立ち昇る。

 “(れん)”。

 念能力における基本中の基本、“四大行(よんたいぎょう)”のうちの1つ。“精孔(しょうこう)”を広げて通常以上のオーラを放つ技。それによって、大量のオーラを行使(こうし)する事が出来、攻撃力・防御力共に跳ね上がる。

 そして、その“(れん)”によって得たオーラを体中に(まと)い、それを維持させる。

 シュウゥウウウ…。

 “(けん)”。

 “(てん)”と“(れん)”の応用技。言わば、戦闘時などに強固なオーラを(よろい)のように身に(まと)う。

「な、何じゃ、この凄まじい“気”は…?!」

「…下界にこれ程の人間がまだいたとは………!」

「あの人間、何者だ…?」

 亀仙人が、シェンが、マジュニアが思わぬ伏兵(ふくへい)を注視する。

「へへっ…!面白くなってきた……!!」

 悟空の顔に、先程までとは異なる笑みが浮かぶ。

 今のチチの強さは、先程までのおよそ10数倍。無論、本気を出した悟空には及ばないだろう。

 しかし、今日この場所に居合わせた実力者の誰もが無視出来ない程の“気”。オーラを放っている。

 それは、相対している悟空も例外では無かった。

 誰よりも、何よりも強者との戦いを好む男が()()()になる程の実力者。

 それまで、目的の男(マジュニア)と戦うまでの退屈(しの)ぎ程度にしか考えていなかった試合。それが(くつがえ)った。

「…オラだって、武道家の端くれだべ。そう簡単に勝てると思ったら、大間違いだべさ……!!!」

 先程までとは(けた)違いの強者(チチ)に、嬉しい誤算に、悟空の心が沸き立った。

 

 

 




ぜ、前回の更新から何ヶ月経ったんだ…(汗)
すみません。諸事情により執筆出来ない状態でした…。
次回更新もいつになる事やら…。
次回こそは過去編終わらせるので………(汗)
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