戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士   作:狼牙竜

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お待たせしました、第12話もこれで終わりになります!

エグゼイドのVシネマ、限定公開が始まりましたが遠くて見に行くのが難しいです…


ついに今回、将也の秘密に迫ります!

感想、評価が作者の力になります。


第12話 闇に消えたBUGSTER!?(後編)

宝条永夢達、本来の仮面ライダーエグゼイドの戦いの歴史とその影に秘められた宝条将也誕生の秘密を探すシンフォギア装者達。

パラド達の語る戦いも、終わりが近づいてきた…

 

――――――――――

 

エルフナインは檀政宗の得た新しい力であるリセットの影響を説明する。

「檀正宗の行ったリセットは、3つの勢力に様々な影響をもたらしました」

 

まず、ライダー陣営。

永夢が一度パラドを倒した際、飛彩、大我、貴利矢、黎斗は正宗からガシャットを奪うために直接対決を試みた。

ポーズに対抗するためにハイパームテキのシステムであるムテキモードを発動させることでクロノスと戦うも、ムテキガシャットを持っていたゲンムが敵前逃亡を図ったことでライダー達は敗北。

その上ゲンム以外の3人はゲーマドライバーとガシャットを全てクロノスに奪われてしまったが、リセットによってドライバーとガシャットは手元に戻る。

 

しかし、貴利矢が正宗から奪ったプロトガシャットは事前に本人から受け取っていたシャカリキスポーツとジェットコンバット以外全て正宗の元に戻ってしまう。

プロトガシャットは失われる結果になったが、ライダー達の戦力が戻ったことは結果的にいい方向に進んでいた。

 

 

続いてクロノス。

プロトガシャットは前もって渡していた分が戻るも、本来の目的だったゲーマドライバーを失ったことで正宗は仮面ライダークロニクルを海外展開させるための取引が失敗に終わり、全体的に見ると大きな損失を受けていた。

 

 

最後にバグスター陣営。

現在残ったバグスターはグラファイト一人となっていた。

彼はクロノス攻略のためにゲムデウスのウイルスを体内で培養し、ようやく体がウイルスに馴染んできた。

しかしリセットにより体内のウイルスに対する順応が戻されてしまい、再び苦しむことになる。

 

ムテキが無い以上、ポーズと戦えるのはゲムデウスウイルスを宿したグラファイトのみ。

ライダー達は3つのグループに分かれて行動する。

 

ポッピー、パラドといったバグスターコンビはグラファイトを説得するために。

永夢、貴利矢、黎斗はハイパームテキを再制作し、さらにリセットに対抗する新しいシステムを搭載するために。

大我、飛彩、ニコは仮面ライダークロニクル最後のバグスターであるグラファイトと決着をつけるために。

それぞれが今出来ることを成し遂げるために動き始めた。

 

――――――――――

 

 

夕暮れの荒野でグラファイトと大我、飛彩は向かい合う。

 

大我は5年前の過去に決着をつけるために。

飛彩は仮面ライダークロニクルを終わらせ、人類の未来を守るために。

過去と未来、背中合わせの2人と戦うグラファイトが戦う理由は、今この瞬間のためにあった。

 

 

ドラゴナイトハンターZの竜戦士・グラファイト。その名前を持って生まれたことこそが彼の戦う理由そのもの。

彼らの因縁を終わらせる、長い戦いが始まった。

 

「このグラファイトというバグスター…清々しいまでにまっすぐな男だな」

「ああ…グラファイトは、自分がバグスターとして、戦士として命を得たことを誰よりも誇りに思っていたやつだ。だからあいつは、他のバグスターを誰よりも大切な仲間として見ていた」

 

当初はどこかぎこちなかったパラドとグラファイトだが、仮面ライダークロニクルが始まってからグラファイトはパラドの良きパートナーだった。

例え自分達がライダーに協力しても、彼は決してパラドやポッピーを裏切り者と蔑むことはなく、その道を受け入れた上で己の道を突き進んでいったのだ。

 

「グラファイトさんとブレイブ、スナイプの戦いは夕暮れから始まり、夜明けまでずっと続きました。そして、もう一つの戦いも…」

 

 

画面は変わり、CR。

 

目の下に隈を作った黎斗が凄まじい形相でキーボードを叩いていると、突然高笑いを上げる。

 

「えっと…これって?」

「黎斗さんは、ハイパームテキに対リセット用の力を搭載しようとしていましたが…どうにも上手くいかず、それどころかこの一晩で12回死亡しては蘇生を繰り返していました」

 

徹夜明けのハイテンションで永夢に激を飛ばそうとするが…

 

 

 

「五月蝿い!!」

今まで見たことのないような冷たい表情で黎斗を睨む永夢。

 

「貴方こそ、黙っててください…!」

余りにも怖かったためか、黎斗はその場で落ち込み、貴利矢は横で黎斗の肩を叩く。

 

 

「怒られちゃった♪」

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、再びブレイブとスナイプ対グラファイトの映像に戻る。

ゲムデウスの影響でレベルの概念を超越したグラファイトは、2人のライダーの最強形態を相手にしてもものともしなかった。

既に夜が明けても闘いを続ける3人だが、ついに戦局が動いた。

 

 

ライダー達は連係プレーでグラファイトを追い込み、必殺技を発動させる。

スナイプの砲撃とブレイブの斬撃がグラファイトを襲い、長い戦いはライダー達の勝利で幕を閉じる結果となった。

 

 

「最高の戦いができた………悔いは…無い!」

もはや満足に動くこともできないダメージを負ったグラファイトだが、その姿はどこまでも嬉しさに満ちていた。

残るは、ライドプレイヤーのニコがグラファイトに止めを刺せば最終ステージに進める。

 

しかしそこに、クロノスが乱入してくる。

今のクロノスは仮面ライダークロニクルの攻略を妨害することしか頭になく、ライダー達を抹殺するためにポーズを使って殺そうとする。

が、ライダー達を守るように立ち上がったのはグラファイト。

 

「グラファイトさんは、クロノスの行動を許せませんでした。正々堂々戦い、確かにこの戦いには決着がついたのにクロノスはそれを妨害し、あろう事か戦った人達の誇りを汚したんですから」

 

 

ポーズの中、グラファイトは友であるパラドとポッピー、そして最後まで戦ってくれたブレイブとスナイプに感謝の意を告げる。

 

 

「パラド!ポッピーピポパポ!道こそ違えたが、お前達は俺の…生涯の仲間だ!」

 

「ブレイブ、スナイプ!俺に敵キャラを全うさせてくれた貴様らに…心から感謝する!」

 

 

自らの道を突き進んだ男は、自分達の誇りを踏み躙るクロノスと真っ向から対決する。

 

《クリティカルサクリファイス!》

「紅蓮爆竜剣!」

 

クロノスの刃とグラファイトの信念を乗せた剣がぶつかり、その結果…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までにないほどの圧倒的な力でグラファイトはクロノスをねじ伏せ、ポーズが解除されると同時にニコが放った必殺の弾丸を自らくらう。

 

「これでいい…」

 

変身が解除された際に見えた素顔は、満足気な笑顔だった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「グラファイトが敗北したことでついにラスボスへの扉が開かれることになった。だが、クロノスはここで再びリセットを使い、俺達の妨害を図ろうとしたが…」

 

突然、その場にいた全員の頭上にオレンジ色の見たことがないエナジーアイテムが出現し、発動。

何と、リセットをしてもラスボスの扉が開く直前で固定された。

 

これこそ、黎斗が徹夜で作り上げた新しいエナジーアイテム『セーブ』。

リセットが発動してもセーブが発動すればそれ以前の状態に戻すことができなくなり、クロノスの思惑はまたも潰れることとなった。

そしてついにドクター達が集めたガシャットロフィー13個によって、現実世界にゲムデウスが降臨するが…

 

 

「ゲムデウスは突然、市街地に現れて自らのウイルスを手当たり次第一般人に感染させて回ったが、これはゲンムがあらかじめ設定していた行動ルーチンとは全く異なる行動になっていた」

 

正宗はゲムデウスを攻略させないためにあらかじめゲムデウスの思考ルーチンを書き換え、手当たり次第に感染者を増やすことでゲムデウスの力を増大させようとしていたのだ。

映像では暴れまわるゲムデウスを止めるためにエグゼイドとパラドクスが戦闘を繰り広げているが、ゲムデウスは今までのバグスターの持っていた必殺技で応戦し、その強さはムテキゲーマーにも引けを取らなかった。

 

「大勢の感染者を治療しなければ、ゲムデウスは力を増すばかりでした。ですが、貴利矢さんは既にこの事態を終息させる方法を思いついていたんです」

 

 

場面は変わり、レーザーターボとゲンムが戦闘を行っている。

 

「グラファイトさんは最初こそゲムデウスウイルスに苦しみましたが、やがて順応し、ポーズすら無効にするレベルでウイルスに馴染んでいました」

 

そこから貴利矢が導き出した答えは一つ。

バグスターの体なら、ゲムデウスウイルスを克服してウイルスの抗体を作り出すことが可能。

貴利矢は黎斗の体を使うことでゲムデウスの抗体を作るつもりだったのだ。

 

黎斗を利用したのは、ある理由から。

その理由は、時間の問題。

グラファイトが順応したのは感染からかなりの時間が経過してからだが、今はそれだけの時間をつくることはできない。

なので、戦闘という極限状態を作ることで生存本能を高め、抗体を作りやすい状況を準備したのだ。

 

「コンティニューの力を持つゲンムなら、例えゲームオーバーになっても再度復活してから再び感染させることでリトライが可能だった」

映像内ではコンティニューする度にレーザーによってゲムデウスウイルスに感染させられるゲンムの姿が。

 

 

「ゲンムの残機は82。だけどこの戦いで残り4まで消費することになったが結果的にゲンムはウイルスの抗体を作り出すことに成功した」

 

黎斗は早速抗体を空のガシャットにデータとして入れ、新しいガシャット『ドクターマイティXX』を完成させることに成功。

高笑いする黎斗だが、貴利矢は一切の躊躇無く黎斗をバグヴァイザーツヴァイに封印し、衛生省に身柄を引き渡した。

 

 

「うっわ…何の躊躇いもなくやりやがった…」

「あのクリスマスの仕返しなのか…?」

容赦ない貴利矢に一同が少し引くが、貴利矢は戦闘中のエグゼイドにゲムデウスワクチンの入ったドクターマイティを渡す。

エグゼイドが放ったゲムデウスワクチンの一撃はゲムデウスのウイルスに大きなダメージを与え、感染者達のウイルスまで一斉に治療した。

 

しかしそこで再びクロノスが乱入。

当初の目的だった仮面ライダークロニクルの拡大という目的を見失ったクロノスは、ただこのゲームをクリアさせないためだけに行動するようになっていた。

そしてついに、クロノスは自らの必殺技でゲムデウスを撃破し、そのデータを自らに取り込むことで人間をやめ、バグスターへと生まれ変わった。

 

「仮面ライダークロニクルの運営にして、真のラスボス…檀正宗は、最強のプレイヤーの力とラスボスの力を独占することでこのゲームを永遠にクリアさせないことにしたんです」

 

そして、ついに仮面ライダークロニクル最後の一日が始まる…

 

 

――――――――――

 

 

数日後のCR。黎斗はあの後衛生省に捕まったが、ゲムデウスワクチンの開発を行ったことで減刑され、CRのドレミファビート筐体を牢獄替わりとして幽閉されることになった。

自らを新檀黎斗改め、檀黎斗神と名乗る黎斗とそれをスルーしたポッピー、永夢、貴利矢。

 

「とうとう自分で神を名乗ったデスよ、このトンデモ…」

「まあやってることは確かに、神の所業に近い分何とも言えませんが…」

呆れ声の切歌に、エルフナインが黎斗のフォローをする。

 

 

しかし突然、貴利矢がゲムデウスウイルスを再発して倒れてしまう。

正宗がゲムデウスを取り込んだことで前回感染した人たちは一斉にウイルスが再発したのだ。

唯一の例外はゲムデウスワクチンの抗体を作り出した黎斗と、リセットの影響で感染したという事実がなかったことにされたニコの二人のみ。

 

一方、街中で大我とニコの前に姿を現した正宗は、クロノスに変身。

ゲムデウスを取り込んだ影響か、クロノスの外見は大幅に変化していた。

 

「あの姿って!」

響達はその姿に見覚えがあった。

 

昼間現れたゲムデウスが変身した、ゲムデウスクロノスの姿だったからだ。

 

 

「ゲムデウスクロノスは、ゲムデウスの能力だった『全てのバグスターの技を使える』力とクロノスの『ポーズ』、両方が合成された最強最悪のライダーだ」

 

エグゼイド、ブレイブ、スナイプの最強形態3人がかりでも圧倒するゲムデウスクロノス。

やがてクロノスは、ニコを特殊なゲームエリアに引きずり込んで姿を消した。

 

 

「クロノスがニコさんを引きずり込んだのは、仮面ライダークロニクルの最終ステージです。このゲームエリアに入るには、クロノスへの変身資格を持つ者に限りました」

ゲームクリアに一番近いニコを抹殺することで仮面ライダークロニクルの攻略を振り出しに戻そうと画策するクロノス。

だが、ゲームエリアに何と大我が入ることに成功する。

 

「5年前からプロトガシャットのウイルスに感染していた大我さんの体には、5年分の抗体が蓄積されていました。その抗体の力を使えば…」

今まで永夢達が回収した仮面ライダークロニクルのガシャットと、ニコが使っていたガシャットをゲーマドライバーに装填し、大我はレバーを開く。

 

バグルドライバーかゲーマドライバーかの違いはあれど、大我は仮面ライダークロノスへと変身を果たすことができた。

 

 

「ですが、大我さんの変身したクロノスは全てのガシャコンウェポンを使うことができ、ポーズが無効化されるという力こそありますが、オリジナルと比べて大幅に能力が制限されています」

映像内ではゲムデウスクロノスと大我クロノスが向かい合い、必殺技を同時に発動。

 

 

《ライダー・クリティカルクルセイド!》

大我クロノスの『ライダー・クリティカルクルセイド』とゲムデウスクロノスの『クリティカルクルセイド』がぶつかるも、地力の差からゲムデウスクロノスが勝利。

変身が解除されてもなお、大我は戦おうとしていた。

 

全ては、ニコの思いに応えるため。

 

免許を失った自分を、ドクターとして頼ってくれたニコに応えるために、大我はドクターで有り続けたいと胸の内を明かした。

そんな大我を救うために、ゲームエリアに永夢と飛彩が侵入する。

 

 

「この二人がゲームエリアに入れたのは、ゲンムの力があったからだ。ちょっとした『神ワザ』ってやつだな」

元々仮面ライダークロニクルを作り上げた黎斗神ならゲームエリアに入るための『チートコード』を開発するのに5分とかからなかった。

黎斗神はチートコードの開発と引き換えに一時的に釈放され、CRで待機していた。

 

 

 

「不可能を可能にする……それこそが……神の!あっ才能だあああっハッハッハッハ!!!」

歓喜のあまりいつもにも増して奇妙な笑い声を上げる黎斗神に、病室で寝ていたはずの貴利矢が怒鳴る。

 

「ウルッセぇな!」

貴利矢に怒られた黎斗神は唐突にこちらと目線が合い、口元をぎゅっと窄めた。

 

 

 

 

 

 

 

「…マジで何なんデスか、この神…戦闘で役に立ってる分ドクターよりタチ悪いデスよ…」

顔芸などの妙な共通点こそあれど、あらゆる面で戦闘においては役に立ち、さらにはこういった裏方での仕事も完璧にこなす。

非常にウザったいが、なまじ仕事ができる分必要な存在になっているのが檀黎斗神の恐ろしさである。

 

「最前線だけでなくこういった仕事も簡単にこなすなんて…」

「認めたくはないけど、ゲンムはあらゆる面で頼りになったからな…」

マリアの言葉に、パラドは半ばため息混じりに説明する。

 

 

再び映像が切り替わり、大我、飛彩、永夢の3人が並び立つ。

それぞれがスナイプ、ブレイブ、エグゼイドの最強形態に変身し、ゲムデウスクロノスとのリターンマッチに挑んだ。

 

前回はポーズを使うことで翻弄されたエグゼイド達だが、今回はポーズを計算に入れた戦法を用いることで逆にクロノスを圧倒。

かつて互いに争いあっていたライダー達の姿はそこにはなく、今の彼らは最強の医療チームとなっていた。

 

立て続けに放たれる、ライダー達の必殺技。

ブレイブの斬撃、エグゼイドのキックにたまらずよろけるクロノスは止めとばかりにスナイプのゼロ距離砲撃をくらい、ついにゲームエリアは強制終了。クロノスも正宗の姿に戻った。

 

――――――――――

 

 

3人のライダー達に敗北したにも関わらず、余裕の態度を崩さない正宗。

すると、感染者達の容態が急変する。

何と、感染者達が次々とバグスターウイルスへ変貌してしまったのだ。

 

「これが、檀正宗の計画していた感染爆発だ。ゲムデウスウイルスは通常のバグスターウイルスと違い、他者への接触によって次々と感染する」

しかもこのバグスターウイルス達、ライダーの攻撃で倒せばそのまま感染者ごと消滅するという余計なおまけ付きであるため、ライダー達も攻撃ができずに防戦一方になってしまった。

 

そんな中、調はバグスターウイルスの中に混じっていたある人物を見て驚く。

 

「あれって……貴利矢さん…?」

白衣姿にアロハシャツ、さらに首元にサングラスをかけたバグスターウイルス。

バグスターになったはずの貴利矢でさえも、ゲムデウスウイルスの影響を受けてしまった。

絶体絶命の状況下で永夢はゲムデウスワクチンを使って感染者を治療することを思いつくが…

 

 

 

 

 

 

何かを決心したポッピーが、ドクターマイティのガシャットを取って病院の屋上まで向かった。

以前リプログラミングを受けた影響で宿主の記憶がよみがえったポッピーは、密かに悩み続けていた。

人間の命を犠牲にして生まれた自分達バグスターは、いつか死滅しなければいけない存在なのではないかと考えていたのだ。

そしてこの状況に陥ったとき、ようやく彼女なりの答えが見つかった。

 

「ポッピーは、患者を救うためにゲムデウスワクチンを自分の体に使うことで、自分の体そのものをワクチンとすることで一斉に治療することにした」

 

しかし、この方法にはある問題があった。

最強のバグスターであるゲムデウスを大幅に弱体化させるほど強力なゲムデウスワクチンは、他のバグスターが直接使えば間違いなく自らを消滅させる毒になる。

 

 

ポッピーは、自分の命と引き換えに大勢の患者を救う道を選んだのだ。

 

「ポッピーは人の命を救うためにずっと……協力してくれた仲間じゃないか!」

 

 

「まだ…約束を果たしてないじゃないか………一緒に、ドレミファビートをやろうって…!」

それは、ポッピーと永夢の大事な約束。

洗脳されたポッピーを助けたとき、永夢は彼女の笑顔を取り戻すためにこの約束をしたのだ。

 

 

「永夢……ありがとう」

 

ポッピーは自らにドクターマイティを突き立て、その体は金色の粒子となってゆっくりと消えていく。

 

 

「永夢……命と笑顔を守る…みんなのドクターになって…」

みんなの命を救う、一つの命の光は街に降り注ぎ、感染者を元の姿に戻していく。

降り注いだ光を通じて、仲間達に送られるポッピーからの最期のメッセージ。

飛彩、貴利矢、大我、ニコ。そして最後は黎斗。

 

 

 

「黎斗。みんなに迷惑かけちゃだめだよ?これからは、プレイヤーを笑顔にする楽しいゲームを作って!」

最後に黎斗の前に姿を現したのは、記憶の中の母の愛情か、それとも彼女自身の感謝の気持ちか。

 

 

「ゲームマスターの私の許可なく……勝手に消えることは許さない…!」

いつものように傲慢で、強気な言葉。

それでも、黎斗の言葉や後ろ姿からは悲しみをはっきりと感じられた。

 

 

 

―――――――――――

 

 

一つの命と引き換えに、パンデミックは阻止される。

 

それでもなお、戦いは終わらない。

正宗と対峙するのは、永夢とパラドを除いた4人のライダー。

 

正宗はここで自らの夢を明かした。

 

 

 

「幻夢コーポレーションを、世界一のゲーム会社にする!」

 

 

「幻夢コーポレーションは、私が命を削って築き上げた……私の全てだ!」

 

世界一のゲーム会社を作る。

 

 

 

正宗はそのために努力を惜しまなかったが、その中で彼は多くの犠牲を出すことをなんとも思っていなかった。

檀正宗の歪んだ夢を終わらせるために、仮面ライダー達は最後の決戦に赴く。

 

 

―――――――――――

 

 

檀正宗がゲムデウスの力を完全に解放することで変身した巨大な姿『超ゲムデウス』。

ライダーゲージ999本分の体力を持ち、戦闘力も今までとは比べ物にならないレベルになっている。

 

ブレイブレベル100、スナイプレベル50、ゲンムレベルX-0、レーザーターボレベル0+プロトガシャット。

各ライダーの最強フォームを物ともせずに暴れるゲムデウスに、万事休すかと思われたとき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「攻略法なら…ある」

駆けつけた永夢は、意外なガシャットを取り出した。

 

 

 

《マイティアクション!エーックス!》

 

 

「ど、どうしてこの場面でマイティアクションXを!?」

響は、永夢がマイティアクションXを起動させた事に驚く。

今までの戦いなら、ここはハイパームテキを使うかと思ったら最初期に使っていたガシャットを使ったのだ。

 

 

「永夢さんには、ゲムデウスを攻略するための秘策があったんです。そしてそのカギを握るのは、あのマイティアクションXでした」

 

白衣を翻してガシャットを構える永夢は、力強く宣言する。

 

「変身!」

《レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?》

《アイム・ア・カメンライダー!》

この最終決戦、永夢が選択したのは何とエグゼイド・レベル1!

 

「そんなレベルで戦ったら死ぬぞ!」

レベル1のスペックはライドプレイヤーとさほど変わらず、普通なら自殺行為としか思われない。

が、永夢は昔ポッピーから教えてもらった攻略法を信じてこのレベルを選択したのだ。

 

「バグスターと患者を分離するのはレベル1にしかできない。実際、将也だってレーザーになって患者とバグスターを分離させたことがあるだろ?」

響達は将也が仲間になったあの戦いを思い出す。

あの時もレベル1でバグスターと患者を分離させていたのだ。

正宗はバグスターになったが、人間としての体を失い、バグスターとして転生した貴利矢や黎斗とは異なり、ゲムデウスと融合することでバグスターの力を得たに過ぎなかったのだ。

 

実際、エグゼイドの攻撃は今までにないほどゲムデウスに大きなダメージを与えていく。

それを見て、他の4人も最初期のガシャットを起動させ、レベル1に変身。

《アイム・ア・カメンライダー!》

エグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザー、ゲンム。5人のライダーによってダメージを蓄積させていくゲムデウス。

 

ゲムデウスは反撃を試みるも、パラドクスが乱入してゲムデウスの攻撃を受け止めた。

 

「今だ、やれ!」

パラドクスの言葉に頷いたエグゼイド達は、すぐさまガシャットをキメワザスロットホルダーにセットする。

 

 

《キメワザ!》

「フィニッシュは必殺技で決まりだ!」

 

 

《マイティ!爆走!バンバン!タドル!マイティ!》

 

 

《クリティカルストライク!》

5人の放ったライダーキックによって、ゲムデウスと檀正宗は分離に成功。

 

 

「やったデス!」

「でも……あれって!」

未来は、変身が解除されてもなおゲムデウスを離さなかったパラドを見て驚愕する。

 

彼のゲーマドライバーに装填されていたのは何と、ドクターマイティのガシャット。

パラドは、自分ごとゲムデウスを消滅させるつもりだったのだ。

 

 

「…これは、俺にとっての償いだった。大勢の人間を消滅させた俺にできたのは、このゲームを終わらせること。だから…」

苦悶の声を上げながら消滅するゲムデウス。

 

パラドの体も、粒子状になって消滅していく。

 

 

 

「短い間だったけど…お前とゲームできて、最高に楽しかったぜ…永夢…」

永夢は必死で手を伸ばすが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パラドは消滅し、その手を掴むことはできなかった…

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

「パラドさんが消滅し、永夢さんは変身能力を失ってしまいました。でも…」

不敵に笑い、立ち上がる檀正宗。

 

 

「こいつ、いい加減しつこすぎだろ!」

クリスの言うとおり、未だに諦めず立ち上がる正宗の姿には恐怖すら感じる。

 

再びクロノスに変身した正宗だが、その姿は以前のクロノスと同じ。

唯一違うのは、ゲムデウスの使っていたデウスラッシャーとデウスランパートを持っていたこと。

 

「ゲムデウスと融合を果たしていた檀正宗は、その力がまだ僅かながら残留していました」

永夢を除く4人は再び変身するも、クロノスの圧倒的な力とポーズに対抗することができず敗北。

 

クロノスは永夢達に対して自らの命をかけて戦ったポッピーとパラドを「無意味な死」「商品価値の無い命」と吐き捨てる。

 

「こいつ…!」

「あの二人を、価値がない命だと…?」

正宗の言葉に憤りを隠せない装者達。

 

クロノスはポーズを発動させ、永夢の首にデウスラッシャーを向ける。

 

「君達は…絶版だ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「語るな…!」

クロノスが永夢の首に剣を振り下ろそうとした途端…

 

「お前が命を……語るなあああぁぁ!!」

目が赤く輝いた永夢が突如動き出し、クロノスのドライバーにヒビを入れてポーズを解除させる。

 

「ど、どうして永夢さんはポーズの中で動けたの!?」

永夢の行動に驚く響だが、エルフナインがある程度の推測を語る。

 

「あくまでも仮説ですが、永夢さんは檀正宗と同じ原初のウイルスにずっと感染していました。恐らく、ポーズを無効化するハイパームテキを多用した影響で一時的にウイルスがポーズを無力化したのかもしれません。クロノスがゲムデウスの力を使っていたことから考えると、この時点での永夢さんには、まだパラドさんの力が残留していた可能性もありますし」

 

ポーズが解除されたことで再び動き出す永夢、飛彩、大我、貴利矢の4人。

バグスターから人類を救うために、4人のドクターは始まりのガシャットを起動させる。

「「「「変身!」」」」

 

 

闇夜に現れたのはエグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザーのレベル2。

 

 

レーザーに跨り、エグゼイドは力強く宣言した。

「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」

レベル2とクロノスの戦いは、意外にも接戦となっていた。

 

ブレイブの剣、スナイプの銃撃を払うクロノスだが、バイクとなったレーザーの突進と後輪の一撃に怯み、エグゼイドが振り下ろしたハンマーにダメージを受ける。

 

さらに、必殺技を発動させようとすれば時間差でコンティニューしたゲンム・レベル0によって妨害を受けた。

 

 

「な、なぜだ!?レベル2を相手に苦戦をするはずなど!?」

クロノスの力は、さっきまでと比べて大幅に弱体化しており、その強さはレベル2とさほど変わらない状態になっていたのだ。

 

「当然だ!パラドが命をかけて、お前のウイルスを抑制したからだ!」

エグゼイドはガシャットをキメワザスロットホルダーに装填。

 

「クロノス……お前の運命もここまでだ!」

《マイティ!クリティカルストライク!》

空中でぶつかりあう、エグゼイドとクロノス。

 

僅かに拮抗するも、エグゼイドのキックがクロノスを直撃。

空中でクロノスは爆発。檀正宗の野望はついに終わりを告げた。

 

「ゲーム……クリアだ」

 

 

 

――――――――――

 

 

ゲムデウスも消滅し、クロノスとしても敗北した檀正宗。

衛生省に引渡し、処分を彼らに託すという選択をする永夢達だが…

 

 

「審判を下すのは衛生省じゃない………この私だ!」

正宗はマスターガシャットを取り出し、抵抗する。

 

「君達は命の管理者である私に楯突き、消滅者の命を復元する手段を放棄したのだ!」

狂ったように叫ぶ正宗に、響達は気圧される。

 

 

「自分たちこそが命の救世主だと自惚れ。消滅者の運命を壊した!命の!冒涜者だ!」

正宗は自らの体にマスターガシャットを向ける。

 

 

「まさか…!」

「ダメ!それにはディレク君が…!」

響達が叫ぶが、これはあくまでも過去の映像に過ぎない。

 

正宗は自らにマスターガシャットを突き立て、消滅していく。

 

 

「最後の審判は…下された…」

 

 

 

正宗と共に消滅していくマスターガシャット。

 

少しづつだが、映像も乱れていく。

 

「これで…本当に全てが終わったのか…?」

「ああ……『この世界での戦い』はな…」

 

 

映像が乱れる中、マリアはその中で小さな違和感に気づく。

 

 

「あれって…?」

映像内では、先ほどパラドとゲムデウスが消滅した場所でオレンジ色の光の粒子と赤と青が混じりあった光の粒子が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここからは、この世界にまつわる戦い。あの光は、俺とゲムデウスだ」

 

ゲムデウスとパラドは、完全に消滅したわけではなく、わずかなウイルスの集合体として辛うじて残っていた。

『ぬうう…私が…このまま消えてなるものか…!』

『もうすぐだ…これで、全てが終わる!』

しかし、突如時空に僅かな歪みが生じていることに気づいたゲムデウス。

 

ガシャットを起動してゲームエリアを展開すれば、周囲の空間は塗り替えられる。

それはほんのわずかだが空間に影響を及ぼしていたのだ。

そして決め手は、周囲を夜にするなど大きな影響を働かせたクロノスのポーズ。

 

 

ゲムデウスはその歪みに気づいて、行動を開始した。

 

『あの歪み…あの中に入ればまだ…!』

歪みのむこうがどんなことになっているのか、それは誰にもわからない。

それでも、黙って死を待つよりは可能性があるとゲムデウスは考え、光になりながらも歪みへ飛び込もうとした。

 

『させるかよ…!』

パラドもまた、肉体を失った状態ながらゲムデウスを追う。

すると、正宗が消えた場所から緑色の光が流れ、パラドとゲムデウスを追い始めた。

 

 

「あれってまさか…!」

「ああ。マスターガシャットから解放されたディレクだよ」

 

ディレクはマスターガシャットが消滅したことによって存在を維持することが厳しい状態になったが、それと引き換えにマスターガシャットの封印から解放される形となった。

 

「この時、俺は初めてディレクの存在を知った。そして、互いに欠けた状態の俺達は融合し、ゲムデウスを追うために元の世界を去り、時空の歪みに飛び込んだんだ」

時空の歪みの中では現実のルールがある程度適応されないのか、ゲムデウスは輪郭がボヤけた状態ではあるもののバグスターの姿になり、パラドとディレクは2人の記憶からゲーマドライバーとガシャットを作り、パラドクスレベル99に変身して戦う。

互いに存在というデータが欠けた不完全な存在になったからか、戦闘力はさほど変わらず決着はつかない。

 

『ゲムデウス!もう僕達のゲームは終わった!戦わなくてもいいはずだよ!』

パラドクスと融合したディレクが必死にゲムデウスを説得しようとするが、ゲムデウスは聞く耳を持たない。

 

『黙れ!私はラスボス!生きとし生ける者、全ての命を、破壊する!』

 

すると、歪みの中に小さな亀裂が見える。

『あれだ!あの中に入れば!』

 

ゲムデウスは再び体を光に変え、亀裂に飛び込む。

『待て!』

パラドクスもそのあとを追うが…

 

 

 

 

 

『『ぐあああああ!?』』

二人分のデータが混ざった不安定な状態のパラドクスは、亀裂に飛び込んだ瞬間凄まじい衝撃で意識を失った。

 

―――――――――――

 

 

パラドとディレクは、気が付くとどこかの病院にいた。

 

「ここは…?」

自らの手を見つめるパラドだが、半透明になっていることに気づき近くの鏡を見る。

鏡には自分の姿は映っておらず、周囲を歩く人間も自分に気づかない。

 

そんな中、パラドは自らと一体化したディレクに声を掛ける。

「おいディレク、聞こえるか?」

『……あぁ…』

 

パラドは、ディレクのデータが致命的な破損をしていることに気がつく。

元々ガシャットから解放された時点でディレクは大きなダメージを受けており、先程までの戦いでディレクの人格を司るデータが壊れかけていたのだ。

どうにかしてディレクを助ける方法を考えるパラドだが、近くの部屋から声がして入る。

 

その部屋に居たのは複数の看護師と医師、そして泣き崩れる女性とその肩を抱く男性。

看護師たちが囲むベッドの上には、恐らく泣いていた女性の子供と思われる赤ん坊が横たわっていた。

 

「あの赤ん坊…死んでるのか?」

パラドの目から見ても、それは明らかだった。

 

赤ん坊は呼吸をしておらず、医師達が懸命に蘇生を試みている。

パラドはベッドの上にあった赤ん坊の名前を見た。

 

 

 

 

 

 

 

「宝条……将也…」

 

それは、かつての相棒と同じ苗字。

泣き崩れる赤ん坊の両親を見て、パラドはあることを決心した。

「命を救うために戦う。これは俺と永夢が誓った、永遠の約束だったんだ。だから俺達は、あの子を救うために…」

 

 

パラドは、ディレクを取り込んだ状態で宝条将也に感染する。

 

この赤ん坊の命を救うために。そして、ディレクを救うために。

それからほどなく、赤ん坊の心臓は再び動き出した。

 

「パラドと、ディレクが…」

「じゃあ、ディレクってバグスターが…将也先輩の…?」

 

 

調の言葉にパラドは頷いた。

 

「仮面ライダークロニクルの隠されたバグスター、ディレク。それがあいつの…将也の正体だ」

 

生まれたばかりで自我というものがまだ未完成だった将也と、ディレクの心はいつしか一つのものとなった。

「だが、融合してから将也はディレクとしての記憶を失い、普通の人間として生きていった。その間俺は、自らのウイルスとディレクとしての封じられた記憶から永夢達のガシャット、そしてゲーマドライバーを複製したんだ」

 

 

最初期の10本のガシャットとプロトガシャットの複製に成功したパラドは、将也が高校3年生の時に始めて姿を現す。

ゲーマドライバー、そして仮面ライダー。パラドは将也に前世のことなどを省いて説明する。

 

前世の記憶を失ってある意味人間として転生した将也だが、彼は迷わずゲーマドライバーを手にとった。

「あいつが他のライダーに変身するたびに性格が若干変化するのは、欠損したデータを埋めるために将也はブレイブ達の人格データで

欠損部分を埋めたからなんだ」

 

宝条永夢。鏡飛彩、花家大我、九条貴利矢、檀黎斗。将也は5人分の人格データで自らを埋めたことで変身時に性格が変化していた。

 

「だからゲンムに変身したとき、あんなにハイテンションだったんだ…」

「それに先日、スナイプになった時も…」

ようやく合点が行った装者達。

 

「これで分かっただろ?あいつが、ゲムデウスが言っていたことはほとんど事実だ」

 

本物の宝条将也は既に死んでおり、今の将也は肉体を乗っ取ったバグスター。

だが…

 

 

 

 

 

「…でも、将也君がこの世界に来たのは、ゲムデウスを止めるため…なんだよね?」

響がパラドに質問し、パラドは静かに頷いた。

 

「だったら……私の答えは変わらない」

響はゆっくりと立ち上がる。

 

そう。彼女の答えはとっくに決まっていたのだ。

「将也君とパラド君の力は、私達を助けてくれた。そして、みんなの命も」

 

「私は、何があったって将也君の力になる!苦しんでいるなら、手を伸ばす。私の力は、そのためにあるから…!」

響の決意に満ちた言葉。

 

「そうデスよ…将也先輩は将也先輩デス!私達にとっての、大事な人に変わりはないデス!」

「私も、切ちゃんと同じ…!それに、先輩に助けてもらったあの時の恩をまだ返せてない…」

切歌と調の決意も変わることはなかった。

 

「立花…暁…月読……」

翼は、後輩達の姿にふっと笑う。

「…確かに、その通りかもしれないな…」

「先輩まで…!」

 

すると、クリスに詰め寄る切歌と調。

「クリス先輩…?」

「もしかして将也先輩のこと、嫌いなんデスか…?」

 

詰め寄られたクリスはタジタジになりながらも2人の頭を掴む。

 

「んなわけあるか!ってか、嫌いだとか邪魔だとか思ってたら、アタシが真っ先に追い出してるっての!」

 

その光景を微笑ましく見ているマリア。

「確かに、あなた達の言う通りね。過去や正体はどうあれ、彼に助けられているのは事実。それに…」

 

マリアは一旦言葉を切る。

「私達にとって、彼もまた『仲間』であることに変わりはないわ」

 

装者達の意見は一つに纏まった。

 

 

「良し!まずは彼と直接話を…」

すると、緊急アラートが鳴る。

 

「バグスターの反応を確認!でも……これは…!」

藤尭が何かに驚いている。

 

「どうしたんだ、藤尭!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ば、バグスターの反応、全部で8種類!全て1箇所に集まっています!」

モニターに映し出されたのは

 

 

 

 

ソルティ、アランブラ、リボル、モータス、ガットン、チャーリー、カイデン、バーニア。

ドラゴナイトハンターZとドレミファビートを除く、8種類のガシャットのバグスターが勢揃いしていた。

 

「バグスターが集結している…!」

「上等だ!纏めてぶっ潰してやる!」

急いで準備をしようとする装者達だが、友里がもうひとつの反応をキャッチ。

 

「た、大変です!現場にもう一つ、宝条君の反応が!」

画面に映し出されていたのは、ゲーマドライバーを装着してレーザーのバイクに乗った将也。

しかし、この潜水艦から現場までは20キロ近くある。

 

 

にも関わらず、将也はいつの間にかS.O.N.Gの船を出て現場までたどり着いていた。

 

「あいつ…バグスターのワープ能力が使えるように…!」

バグスターとしての記憶を取り戻した将也は、今まで使えないと思っていたバグスターの能力をある程度使えるようになっていたのだ。

 

 

 

『お前ら…ちょうどいい』

将也はバグスター達を睨み、腰にバグスターバックルを装着。

 

 

『俺と…戦え!』

《ガッチョーン!》

 

バグヴァイザーを装着し、バグルドライバーを完成させる。

 

 

《デンジャラスゾンビ!》

ガシャットを起動させ、半ば自棄になったように叫ぶ。

 

『……変身!』

《バグルアップ!》

《デンジャー!デンジャー!(GENOCIDE!)デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!(WOOOO!)》

 

 

ゲンム・ゾンビゲーマーに変身した将也は、獣のような唸り声を上げながらバグスター達に向かっていく。

 

「将也君…!」

響達は急いで現場に向かうためのヘリに乗る。

 

(将也君、どうして…?)

今の将也の様子は明らかにおかしい。

 

 

まるで、何かを振り払うかのように戦いを始めた。

 

 

(ううん!考えるのは後…まずは…!)

響は、ガングニールのペンダントを握り締めて祈った…

 

 

To Be Next GAME…?

 




次回、シンフォギアエグゼイドは!

「俺の居場所なんて…どこにもない…!」
忌まわしき記憶に苦しむ将也!
「バグスターは、道連れだあああ!」

差し伸べられる手を…
「一人なんかじゃない!私達の手を取って!」

「仲間だろうが!だったら、逃げんじゃねえよ!」
「貴方がみんなの笑顔を守るなら、私達はあなたの笑顔を守りたいの!」
掴むことはできるのか!?

「パラド…ありがとう…!」

第13話 仲間と絆のNEW FIGHTER!
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