戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士 作:狼牙竜
が、思った以上に長くなってしまいました…
割と詰め込んでしまいましたが、楽しんでいただければ幸いです。
感想、評価をいつでも待ってます!
OP EXCITE
挿入歌 Beyond the BLADE
推奨BGM ブレイブ‐レベル50‐
ED 空へ…
『仮面ライダーブレイブ・天羽々斬ゲーマーレベルSP』へと変身した将也は、翼と共に剣を構え、走り出す。
「叩き切ってやる!」
ギリルとアモンが武器を持ち、ブレイブと翼は剣を交えた。
「翼さん…将也君…!」
響は2人の戦いを見つめると、すぐに後ろを振り向く。
そこには、アナザーパラドクスに苦戦を強いられているパラドクスの姿が。
「緒川さん!リディアンの皆のこと、頼みます!」
「わかりました…響さんも、気をつけて!」
変身はできなくとも、緒川にはまだできることがある。
一瞬で緒川は姿を消し、響はパラドクスの援護に向かった。
――――――――――
「この…!」
パラドクスは素早くエナジーアイテムをかき集め、使用する。
《伸縮化!高速化!》
スピードを上げることで威力を向上させようとするが、アナザーパラドクスは何とガシャットギアデュアルβを取り出し、ダイヤルを回転させる。
《TADDLE FANTASY!》
ファンタジーゲーマが出現し、パラドクスのエナジーアイテムの効果をキャンセルした。
「残念だったな。こいつがある限り、お前はエナジーアイテムを使用できない。だが…」
アナザーパラドクスはエナジーアイテムをかき集めようとする。
「くっそ…!」
パラドクスがそれを妨害しようとしたが、ファンタジーゲーマがパラドクスを攻撃して、アイテムを取られてしまう。
「もらった」
《鋼鉄化!高速化!マッスル化!》
パラドもよく使う組み合わせを発動させ、アナザーパラドクスは目にも止まらぬ速さで攻撃。
ショルダータックルをくらい、吹き飛ばされるパラドクスだがアナザーパラドクスは廻し蹴りで追撃してきた。
「吹っ飛びな!」
その一言が聞こえた瞬間、一瞬だがパラドクスの意識が途切れた。
次に意識が戻ると、全身に激しい痛みを感じる。
「うぐぁ…!」
よく自分が使っていたアイテムの組み合わせだが、敵に使われるとこうも厄介になると内心思いながらもパラドクスは立つ。
(一丁…やってみるか…!)
戦闘前に将也から借りた『切り札』を使うべきか考えていると…
「パラド君!」
アナザーパラドクスに殴りかかる響の姿が。
「響!?どうして…?」
「あっちは、将也君と翼さんが戦ってる!だから、私はパラド君の助っ人に来たよ!」
意外な助っ人だが、正直今のパラドにとってはありがたかった。
「サンキュ!じゃあ、今回は俺たちで!」
「うん!超キョウリョクプレイで、クリアしてみせよう!」
響はレプリカのマイティアクションXを起動。
《マイティアクション!エーックス!》
「ゲームスタート!」
《マイティマイティアクション!エーックス!》
アクションゲーマーに変身した響が拳を構え、パラドクスは『切り札』を起動させる。
《マイティブラザーズ!ダブルエーックス!》
マイティブラザーズのガシャットを起動させ、素早くギアホルダーに装填。
《ダブル・ガッシャット!》
《マイティ!ダブルクリティカルストライク!》
すると、パラドクスがパズルゲーマーとファイターゲーマーの2人に分離した!
「ああっ!そのガシャット、パラド君が使えば!」
「そう。俺のギアデュアルに内蔵された二つの形態のパラドクスが自由に行動できるってことさ」
以前、リボル相手に使ったパラドクスの奥の手であるマイティブラザーズの分身能力。
パラドは、自分と同じ能力を持つアナザーパラドクスへの対策としてこの方法を考えていたが、これは相手の持つガシャットギアデュアルβへの対策にもなる。
ギアデュアルβは、それぞれのゲームがまるでパラドクスへの対策のようになっているが、弱点として同時にゲームを起動させることができない。
たった一つのガシャットの有無。それだけで戦況は大きく変化しようとしていた。
――――――――――
(BGM Beyond the BLADE)
激しく剣を交えるブレイブとアモン、翼とギリル。
一撃が重い剣と盾を使うアモンに対し、ブレイブはガシャコンソードとアームドギアの二刀流で対抗し、翼は前回と比べより鋭くなった剣さばきでギリルと互角の勝負を繰り広げていた。
「先ほどまでと、まるで違う…!」
「これは、私だけじゃない!宝条と私の…思いの剣だ!」
ギリルと打ち合う中、翼は脚部のブレードを展開し、もう一本の刃で攻撃する。
「ぐああっ!?おのれぇ…!」
打ち合う事に翼の体を黒いオーラが覆い、比例していくように一撃が重く、より鋭くなっていく。
一方、ブレイブとアモンの戦いも激しさを増していた。
「なるほど…これがレベルSPの力」
「まだまだ…こんなものじゃない!」
ブレイブの瞳が輝き、ガシャコンソードを氷剣モードに切り替える。
《コ・チーン!》
「翼が歌う希望の歌が…どこまでも俺の力になる!」
アモンの盾が凍りつき、ブレイブは素早く逆手に持ち替えるとアームドギアにも冷気をまとわせた状態で切り裂く。
「ぬうぅっ!我が盾を凍らせただと!?」
《カ・チーン!》
炎剣モードに戻すと2本の剣を×字を描くように振り下ろし、体勢を崩させる。
「セエアッ!!」
その隙を逃さず、ブレイブはガシャコンソードのBボタンを押して威力を高めた斬撃を叩き込む。
――――――――――
本部では、翼と将也の戦いを依然モニターしていた。
「翼ちゃんのフォニックゲイン、なおも上昇を続けています!」
「将也のバグスターウイルスも、それに伴い活性化しています!」
シンフォギアガシャットの力で、翼のフォニックゲインと共に将也の力も増し続けている。
「行けるデス!翼さん、将也先輩!切り刻むデスよ!」
残りカウントは、およそ160秒。
――――――――――
翼はギリルと距離をとり、レプリカドレミファビートガシャットをガシャコンギアシンフォニーに装填し、キメワザを発動させる。
《ガッシャット!キメワザ!》
両足に展開した刃と、両手の剣にエネルギーが集まり必殺技が発動した。
《ドレミファ!クリティカルストライク!》
二連続の廻し蹴りから、両手の剣を振るいまるでダンスでもするかのようにリズムよく攻撃をする翼。
絶え間なく続く斬撃が決まり、ギリルの体に無数の『HIT!』エフェクトが浮かぶ。
「ぬああ!?」
前回の戦いと比べ、迷いのない太刀筋を前にギリルは圧倒されていた。
「お前は、折れたはずではなかったのか!?私がお前の心に植え付けた、仲間を斬る快楽にどうして抗える!?」
ギリルの叫びに、翼は凛とした表情で答えた。
「そのような姑息な手、今の私には通じないと知れ!」
途切れることのない、相棒との永遠の絆。
そして、『現在』を生きる大事な仲間達のことを改めて感じ取った翼に、ギリルの策は通用するはずもなかった。
「聞かせてやろう…防人の歌を!」
翼はアームドギアを巨大な太刀へと変化させ、横薙ぎに振り払って斬撃を飛ばす!
『蒼ノ一閃』
黒と蒼のオーラを纏った斬撃は、ギリルの刀を破壊した。
「ああああ!?」
吹き飛ばされるギリルと、反対方向から転がってきたアモン。
そして、翼とブレイブが並び立つ。
「翼!」
「宝条…いや、『将也』!決めるぞ!」
ブレイブは頷くと、ガシャットをキメワザスロットホルダーに装填する。
《ガッシャット!キメワザ!》
ガシャコンソードとアームドギアを構え、ブレイブはホルダースイッチを押す。
《天羽々斬!クリティカルストライク!》
『AMENOHABAKIRI・CRITICAL・STRIKE!』
必殺技の音声が鳴ると同時に、翼の体を黒いオーラが覆い、新しい姿へと変化させる。
黒をベースにした、どこか禍々しい姿。
翼は、イグナイトモジュールを発動させた姿へと変身した。
「「ハアアアア!!」」
まるで飛翔するかのように走る2人は、アモンに切りかかる。
盾でガードしようとするアモンだが、思いっきりジャンプした翼が真上から剣を振り下ろし、ブレイブがガシャコンソードから炎をまるで刃のように伸ばして攻撃。
意表を突いた攻撃に一瞬だが対応が遅れ、アモンの盾は弾かれてしまう。
「しまった!?」
「セヤアッ!」
翼の唐竹割りをくらい、続け様にブレイブが挟み込むようにアームドギアとガシャコンソードで横薙ぎに切り裂いた。
「ぐああああ!?」
空中に投げ出され、アモンの鎧から火花が散り、大爆発を起こす。
が、翼とブレイブの攻撃は終わることなくギリルを捉えていた。
「これで…」
「決める!」
「やれるものならやってみろおおおお!!」
ブレイブはアモンの爆発の際の炎をガシャコンソードに吸収させ、威力を増した状態をキープしてギリルにガシャコンソードを突き刺す。
「ぐうっ!?」
ギリルの体から火花が散り、ブレイブはガシャコンソードを刺した状態で叫ぶ。
「翼!今だ!」
ギリルが上を見ると、翼は両足の装甲にセットされていたスラスターを使い、真っ赤な炎を両足に纏いながら飛んでいた。
「ああ!」
翼はアームドギアをギリルにめがけて投げつけると、その剣はギリル達よりもはるかに巨大な剣へと変化し、翼は持ち手の部分にキックをすることで加速する。
『天ノ逆鱗・勇炎』
炎を纏った巨大な剣がギリルに直撃する直前にブレイブはガシャコンソードを引き抜き、気が付くと翼が真横に立つ。
「そんな…またしても、消滅するのか…?」
炎に包まれ、ギリルが倒れる。
「うああああああ!?」
ギリルの悲鳴とともに爆発が起き、翼の曲が終了しブレイブは変身が解けて将也の姿に戻る。
すると、爆発の中からプロトギリギリチャンバラガシャットが飛んできて、翼の手に収まった。
――――――――――
一方、パラドクスと響はアナザーパラドクスを相手に戦いを続けていた。
「2人が3人に増えたところで!」
アナザーパラドクスはエナジーアイテムを集めようとするが、響がそれを妨害するために攻撃してくる。
「てやあああああ!!」
「ちっ!邪魔をするな!」
《TADDLE FANTASY!》
再びファンタジーゲーマを召喚して響に向かわせるが、分身したパラドクス・ファイターゲーマーがファンタジーゲーマを妨害。
「残念だったな!それが狙いだ!」
響はアクションゲーマーに変身したことで上昇した機動力を活かし、アナザーパラドクスの集中力を乱す。
「くっ!」
響を振り払い、再びアイテムを集めようとするがパラドクス・パズルゲーマーがすでにアイテムをコントロールしていた。
「ナイスだ、響!俺!」
パズルゲーマーは響とファイターゲーマーにエナジーアイテムを投げ渡す。
《鋼鉄化!マッスル化!》
ファイターゲーマーの体が一瞬銀色になり、肥大化する。
《高速化!マッスル化!》
パワーアップを果たした響とファイターゲーマーは、素早く必殺技の準備をする。
《キメワザ!》
《キメ・ワザ!》
響はガシャコンギアシンフォニーを操作し、ファイターゲーマーはギアデュアルをギアホルダーに再装填。
《マイティ!クリティカルアーツ!》
《ノックアウト!クリティカルスマッシュ!》
ファンタジーゲーマに指示を出してファイターゲーマーを攻撃させようとするアナザーパラドクスだが、パズルゲーマーが『混乱』のエナジーアイテムを投げつける。
《混乱!》
「ちょっとピヨってろ!」
「ぐうぅっ!?」
足元がふらつくアナザーパラドクスは、響の全力の拳を顔面にくらう。
「おおおりゃああああ!!」
4連続の拳を叩き込まれ、アナザーパラドクスは周囲の状況を認識することすら困難な状態になるがファイターゲーマーはそこを見逃さず、強烈なボディブローを叩き込む。
「ハアッ!せあっ!オルゥアァッ!」
「があっ!?ゲハァッ!」
さらに、パズルゲーマーが止めの一撃を発動させる。
《マッスル化!ジャンプ強化!高速化!》
《パーフェクト!クリティカルコンボ!》
『PERFECT・CRITICAL・COMBO!』
瞳を輝かせたパズルゲーマーは、アナザーパラドクスを上空に蹴り上げる。
「はあっ!」
さらに、ジャンプ強化の力でアナザーパラドクスよりも高く飛び上がり急降下しながら必殺のキックを打ち込む。
「これが、俺達のチームプレイだ!」
パズルゲーマーのキックを受け、アナザーパラドクスは吹き飛ばされると変身が解除され、その衝撃でガシャットギアデュアルβがアナザーパラドクスの手元を離れ響がそれを掴んだ。
「おっとっとっと!?」
慌てながらも何とかガシャットを掴み、ホッとしたのか座り込む響。
が、2人のパラドクスはアナザーパラドを睨み続ける。
「今日は…ここまでだな」
ボロボロの状態になりながらも、アナザーパラドはワープ能力で姿を消した。
――――――――――
「はあ……はあ……」
変身が解除されて膝から崩れ落ちそうになる将也だが、イグナイトの解除された翼が横から支える。
「将也!」
「ありがとう…翼…」
「まだだ………まだ、死なんぞおおおおお!!!」
突如後ろから聞こえる、野太い男の声。
振り返ると、鎧のあちこちにヒビが入った状態のアモンが落ち武者のように立っている。
「お前…まだ動けるのか!」
翼がアームドギアを構えるが、アモンはおぞましいうめき声を上げる。
「ヴウウウウゥゥゥゥウアアアア!!」
アモンの叫びに反応するかのように鎧が輝くと、弾丸のように鎧が弾かれる。
「っ!」
咄嗟に翼はアームドギアを巨大化させ、簡易的な盾として鎧を防ぐ。
が、そこに立っていたのはさっきまでのアモンでは無かった。
「グウウウウゥゥゥ……ガアアアア!!」
騎士を思わせる鎧を失い、アモンの姿はまさに悪魔と呼ぶに相応しい怪物へと変貌。
「第二形態って奴か…RPGのラスボスモチーフなだけはあるな」
思わずそう呟く将也だったが…
「将也!これを受け取れ!」
突然聞こえてきた声に反応し、飛んできた物をキャッチする将也。
「これは…!」
投げてきたのは、変身を解除したパラド。
そして将也が受け取ったのは、奪われていたガシャットギアデュアルβだった。
「サンキュー、パラド!」
再びゲーマドライバーを装着し、ギアデュアルβを構える。
「将也…」
その姿を翼は心配そうな目で見ていた。
シンフォギアガシャットを使った直後であるにも関わらず、今まで将也が到達したことのないレベル50の力を使おうとしているのだ。
「翼………」
将也は、心配いらないとばかりに頷く。
「大丈夫…必ず、終わらせる」
翼の前に立つ将也は、眼前で唸り声を上げるアモンを睨み、ギアデュアルβのダイヤルを左に回転させる。
《TADDLE FANTASY!》
ゲーム画面が開き、将也の周囲をファンタジーゲーマが飛び回る。
《Let`s Going King of Fantasy!Let`s Going King of Fantasy!》
ガシャットギアデュアルと同じように英語で待機音声が流れる中、将也はガシャットを下向きにして叫ぶ。
「術式レベル50…変身!」
《デュアル・ガッシャット!》
ゲーマドライバーにギアデュアルβを装填し、素早くレバーを開く。
《ガッチャーン!デュアルアーップ!》
前回とは異なり、キチンとレバーが展開できたことで周囲をセレクトパネルが回転し、ブレイブを選ぶ。
《辿る巡るRPG!タドルファンタジー!》
ブレイブ・レベル2に変身するとファンタジーゲーマがブレイブの体に装着。
上半身を覆う紅の鎧に、2本の角が付いた追加装甲がマスクに装着される。
将也は、『仮面ライダーブレイブ・ファンタジーゲーマーレベル50』へと強化変身を果たした!
「あれが…」
「ブレイブの…レベル50…!」
響と翼は、変身したブレイブの後ろ姿を見てそのオーラに圧倒される。
魔王と言われているだけあり、威圧感は凄まじいものがある。
だが、響と翼が抱いた感想は全く異なるものだった。
破壊の魔王でもありながら、その背から感じ取ったのは自分達を守りぬくという、将也の強い意思。
すると、ブレイブの体に電流が流れる。
「ぐうううっ!?」
「将也君!」
「将也!?これが、レベル50の反動なのか!?」
今まで到達したことのない、いわば乗り越えるべき壁と言えるレベル50。
体にかかる大きな負荷に、苦悶の声を上げる将也だが………
「負けるかよ…この程度の力に…!」
変身したことでより深く繋がる、オリジナルの変身者、鏡飛彩の記憶。
どれだけ大きな力でも、彼は決して臆することなく戦い抜いた。
(そうだ……あの人も、飛彩さんも戦ったんだ!自分の信念を、貫くために!)
マントの裾を掴み、ブレイブはゆっくりと顔を上げる。
真っ赤に染まった瞳が、彼の苦痛を物語っている。
「俺は…世界で一番のドクターには…なれないかもしれない…」
宝条将也は、決して鏡飛彩にはなれない。
だが、彼にも負けない気持ちがある。
「それでも…俺は大事な人の笑顔を守り抜きたいんだ!」
その言葉とともに、ブレイブの瞳が赤から元の黄色に戻った!
「やった!」
「よし!」
ぐっと拳を握る響と翼。
そして、ブレイブは両手を挙げた状態で宣言する。
「これより、アモンバグスターの再手術を行う!」
《ガシャコンソード!》
ブレイブの宣言と同時に、ガシャコンソードが出現する。
(BGM ブレイブ-LEVEL50-)
「グウウウウ!!」
拳に炎の魔力を込めながらアモンは殴りかかるが、ブレイブは左腕のシールドで拳を防ぐ。
「ふっ!」
背中のマントを翻しながらパンチを受け流し、ブレイブの体から黒い粒子が溢れる。
「ガアアア!」
もはや理性を失い、獣のように吠えるアモンは無数の魔力弾を放つが、ブレイブは瞳を輝かせてバリアを展開。
魔力弾はあっさりと防がれる。
「互いに同じレベル…だが!」
ガシャコンソードでアモンを攻撃し、大きく腕を振るブレイブ。
すると、魔力でできた黒い短剣が5本ほど出現してアモンに突き刺さる。
「勝敗を決めるのは…心の持ち方だ!」
強さを求めて理性や心を捨てたアモンと、翼達と元の居場所に帰るために強大な力を掴んだ将也。
もはや決着は目に見えていた。
「くらえ!」
ブレイブはガシャコンソードのBボタンを押し、ゲーマドライバーのレバーを閉じる。
《ガッチョーン!キメワザ!》
待機音声が鳴ると同時に、ブレイブはガシャコンソードを振り抜く。
すると、竜巻が発生しアモンを竜巻に閉じ込めた。
「ハアアア……」
竜巻にアモンを閉じ込めた状態で、ブレイブはゲーマドライバーのレバーを再び開いた。
《ガッチャーン!タドル!クリティカルスラッシュ!》
『TADDLE・CRITICAL・SLASH!』
音声が鳴り、ブレイブの体がゆっくりと宙に浮かぶ。
そして、アモンを見下ろした状態からキックの体勢に入ると一気に突っ込む。
「セアアアアアアア!!!!」
竜巻の風すらも巻き込み、ブレイブの必殺技はアモンを一撃で貫いた。
「グウ……ウウガアアアアア!?」
その姿は、さながら断罪されて消滅する悪魔。
断末魔の悲鳴を上げながら、アモンは今度こそ消滅した。
《ビクトリー!》
――――――――――
アモン及びギリルとの戦いが終わってから2時間後。
エルフナインの検査によって問題なしと判断された将也は翼のゲーム病が治療されたのかを確認するための検査を行っていた。
「………」
「ど、どうだ?」
真剣な目でモニターを見つめる将也の姿に、声をかけづらそうな翼。
やがて、将也はモニターから顔を上げ…
「…大丈夫。ギリルのゲーム病は完治されたよ」
ようやく笑顔になった将也は、翼が感染していたゲーム病が治療されたことを告げた。
「そうか…!よかった…」
ホッとしたのか近くの椅子に力なく座り込む翼。
「お疲れ様。正直、翼がいなかったら勝てなかったかもね」
それほどまでにギリルとアモンは強敵だった。
「いや…勝てたのは、私と将也が力を合わせることができたからだ」
この数日、ずっと苦しんでいた翼を支えてくれた将也。
医者と患者として以上の感情は確かに翼の心に芽生えていた。
「だから、これは感謝の気持ちであり………あの日の告白に対しての私の答えだ」
素早く立ち上がった翼は、将也の手を取ると将也に抱きついた。
「え…翼?」
いきなりのことで驚くが、翼は抱きついたまま話し続ける。
「私は、ずっと一振りの剣として生きていこうと考えていた。誰かを好きになることも、共に歩いていくことも…無いものだとさえ思っていた」
「だが、お前はそんな私を好きだと言ってくれた…ずっと戸惑ってたけど、私は自分の心に従う」
あの時、必死に自分達のために戦おうとする将也の姿を見て、翼は自覚し
た。
「私は、一人の女としてお前を愛している!だから……ずっと一緒に、いてほしい」
緊張しているのか、将也にしがみつく翼の手は震えている。
そんな翼の手を優しく掴み、将也は答えた。
「………そんなの、当然だよ」
あの日、みんなに想いを告げた日から将也の答えは決まっている。
「約束する。絶対、翼のことだって幸せにする」
「将也……ありがとう」
翼は、抱きついた姿勢で将也にキスをした。
――――――――――
その頃、司令室では…
「えっと…この映像、早いところ切り替えたほうが良いと思うんですけど…」
現在、司令室では将也と翼が唇を重ねた瞬間がモニターにはっきりと映し出されていた。
ちなみに、以前と同じようにエルフナインは顔を真っ赤にして目を隠しながら時折指の隙間から見るといった行動を繰り返している。
流石にまずいと思ったのか、あおいが弦十郎に声をかけるも…
翼の身内2人はハンカチを握りながら顔を隠していた。
「し、師匠!?緒川さんまでどうしたんですか!?」
「いや、あの翼がようやくここまで来るとは………」
「司令…今夜は2人で飲みましょう!」
下手すれば父親より長い付き合いの叔父である弦十郎と、マネージャーであり兄代わりでもあった緒川にとって色々と心にクるものがあったらしい。
具体的には、嫁に行った一人娘を見送る心境だったりする。
「だったら見なきゃいいだろうが…」
クリスのため息混じりの言葉も今の2人には聞こえていない。
「でも、反対派だった翼さんの心をキャッチするとは…先輩って、昔も彼女とかいたんデスか…?」
「それ、後から口を割r…教えてもらおう?」
後輩コンビがやや危ない道へ進みそうになるといったカオスな現場になっているが、誰もそれを止める人物はいなかった。
―――――――――
「あの~、すいません…翼の検査結果持ってきたんですけど…」
翼とのキスから数時間後。
検査結果を報告書に纏めて司令室を訪れた将也と翼だが、どういうわけか司令室にいたのはあおいと朔也、エルフナインの3人だけだった。
「ってあれ?司令達は…?」
「えっと…響ちゃん達は明日も学校だから、早めに帰ったわよ?」
「はい。マリアさんも今日は切歌さん達と帰りました」
あおいとエルフナインは装者達が帰宅したことを告げる。
「ああ、そういえば明日は月曜か」
響達がいないことはわかったが、司令の姿が見えないことに疑問を持つ将也と翼。
「あと、司令は緒川さんを連れてもう帰ったよ。君に仕事を任せてね」
「し、仕事?」
S.O.N.Gの司令である弦十郎と、翼のマネージャーを担当している緒川の
2人がこんなにも早く帰宅したということに驚くが、将也は2人が自分に仕事を任せたということに疑問を持った。
「ああ。何でも緒川さんの代わりに翼ちゃんを家まで送ってほしいだってさ。車の鍵も預かってるよ」
いつもは、翼の身の安全のために緒川が車で翼を送っていくのだが今日はその仕事を将也に任せるというらしい。
朔也から移動用の車の鍵を将也は受け取った。
「なるほど。了解しました!」
すると、朔也が緒川からの伝言を伝える。
「そうそう。緒川さんからの伝言なんだけど…
『周囲に潜んでいる可能性のあるパパラッチは全員お帰りいただいたので、多少のスキャンダルになりそうなことをしても情報漏洩の心配はありません』だってさ」
その一言で、緒川が言いたいことを理解したのか2人は顔を真っ赤にする。
「じゃ、じゃあ先に帰りますんで!お疲れ様でした!」
「で、では私も失礼します!」
早足で司令室を去っていく翼と将也。
「…ねえ、あの2人…」
「しっかり手ぇ繋いでたな…」
余りにも自然に手を繋いで帰る2人。
明日の朝は今夜のことで将也を弄ってやろうと心に決めた朔也だった。
―――――――――――
翼の住むマンションの駐車場に車を駐め、将也は翼を部屋まで送った。
「じゃあ…また明日」
そう言って帰ろうとするが、翼は将也の手を離そうとはしなかった。
「その………今夜は、将也と一緒にいたい」
翼の懇願を拒否できるはずもなく、将也はパラドに連絡を入れてから翼の部屋に入った。
「結構綺麗にしてるんだね?」
「あ、ああ…」
服などもしっかりハンガーに掛けられ、散らかっている様子もない。
が、テーブルの上に置いてあったメモ書きを翼は素早く隠す。
「さて…まずは夕飯の支度からだね」
その後。夕食、風呂と済ませて後は寝るだけとなった将也と翼だがここで重大な問題が発生する。
それは、将也はどこで寝るのかといった話だ。
翼の部屋には来客用の布団などは置いておらず、翼が使っているやや大きめのベッドに2人で並んで寝るしかない。
そのため、将也は現在翼と密着した状態で寝ていたのだ。
「えっと……翼さん?」
しかも、翼は将也に抱きついた状態のため彼女の感触がダイレクトに伝わる形になっている。
「我が儘を言ったのは、すまない…だけど、どうしても我慢できなかったんだ」
生まれて初めて、翼は一人の男に恋をした。
その感情を抑えられなかったのは、当然というものだろう。
「…我慢なんて、しなくてもいいよ。翼が甘えたい時は言って」
「強く振舞うのが大変なら、せめて僕だけでもいい。例え弱い姿だとしても、僕が好きになった翼であることに変わりはないんだ」
その言葉に、翼は将也を振り向かせる。
「ありがとう…私は今、間違いなく幸せだ」
再び交わされるキス。
「ん…ハァ…もっと……頼む、もっと、キスして…!」
「…仰せのままに」
月の光が差し込む、薄暗い部屋の中。
恋人として結ばれた2人は、互いに離すまいと口づけを交わしていた…
To Be Next GAME…?
おまけ
翌朝。
藤尭朔也は暗い表情で本部に顔を出した将也に絡んだ。
「よ~!昨晩はお楽しみだったか?」
まるで酔っ払いオヤジのように絡む朔也だが、将也は俯いたままである。
「ん?どうしたんだよ、翼ちゃんと恋人同士になって、一緒の部屋で一晩過ごしたんだろ?だったら「…ったです…」………え?」
将也がボソリと呟いた言葉に思わず聞き返した朔也。
「何もなかったですよ!なんにも!」
ヤケになったかのように叫ぶ将也。
そう。実は昨日の夜、翼とはキス止まりでその先、すなわち『夜の営み』までは到達せずに朝を迎えたのだ。
「マジかよ…何で翼ちゃんと一緒にいて、手ぇ出さなかったんだよ!?一体夕べ、何があった!?」
「無理ですよ…あんなに震えて、緊張してる翼を無理矢理なんて、出来るわけないじゃないっすか!」
昨晩、己の欲望を抑えられそうになかった将也はそのまま翼と事を成すために動こうとしたが…
互いに初体験であり、ガチガチに緊張した翼の姿に躊躇いを持ってしまう。
結局、そのまま必死に煩悩を抑え込みながら朝を迎え、本部に出勤したということだ。
昨晩のことを思い出し、半泣きになる青年を見ながら朔也はさっきまで僅かに抱いていた嫉妬心が消えていくのを感じた。
そして気が付くと、将也の肩を優しく叩いていたのだ。
「将也……お前は、よく頑張った!そうだよな…無理矢理ってのは流石にやばいもんな!」
翼の心に傷を負わせたくない一心で若い欲望を抑え込んだ将也の姿は、朔也には少しカッコよく見えたとか。
「教えてください…僕、どうしたら…」
「わかった!俺が、人生の先輩たる俺が!しっかりお前を助けてやる!」
ヘタレた青年と、調子に乗った先輩。
今ここに、奇妙な絆が一つ完成した。
「よーし!今夜は空けとけ!俺の奢りで飲みに行くぞ!」
「はい!ゴチになります!」
同じ頃、似たような相談を青髪の歌姫がもう一人の頼れるOTONAにしていたとは、誰も知らないことである…
結局、将也が響、翼と一線を越えるのは数日かかったとか…
次回、シンフォギアエグゼイドは!
「パラド!」
「何やってんの?」
次の主役は、未来とパラド!
「パラドにとって将也君って、どういう存在?」
未来が抱える悩みに…
「俺は、いつだってあいつのことを助けてやりたい」
パラドは答えられるのか!?
「私は…響のことを…」
「マジか…俺、あいつに…」
第20話 愛と絆のPARADOX!?