では、どうぞ。
ここはフォルトゥナ。
かつて魔剣教団に支配されていたと言っても過言ではなかった。
だがある時、二人のデビルハンターが教皇"サンクトゥス"を討ち取った事で、その支配が消えた。
若きデビルハンターを成長させたその戦いは、十八年経った今でも陰で言い伝えられている。
そして現在のフォルトゥナにて、新たなデビルハンターが現れる。
「‥‥‥じゃあ親父、行ってくる」
「ああ、気をつけてな。お前は俺ほど動ける訳じゃないからな」
「わかってるよ。伝説のデビルハンター"ネロ"に言われちゃ理解しなきゃいけないしな」
「お前なぁ‥‥‥それは昔の話だろう?頼むから蒸し返さないでくれ‥‥‥」
「はは、悪い悪い。ところで母さんは?」
「キリエか?キリエならまだ仕事だが」
「そっかー‥‥‥出来る事なら母さんにも挨拶してから行こうと思ったんだけどな」
「なら俺が伝えておいてやるからほら、さっさと行ってこい」
「はいはい、わかったよ。じゃあな親父」
そう言って青年はネロと呼ばれた父親から引き継いだレッドクイーンの改修型、"レッドクイーンリナーシタ"を背負い、さらにブルーローズの改修型、"ブルーローズリベイク"をしまい家から出ていった。
その青年と入れ替わるように一人の女性が現れる。
「ねえ、ネロ‥‥‥」
「ん?キリエ、どうした?」
「いいえ‥‥‥嫌な予感がするの」
「嫌な予感?」
「えぇ‥‥‥あの子に降りかかる、とても嫌な予感が‥‥‥」
「‥‥‥大丈夫さキリエ。俺たちの子どもだぜ?ましてや俺の腕を両腕とも遺伝しちまってんだ。すぐに死ぬようなタマじゃないだろ?」
「そう、そうよね‥‥‥きっと‥‥‥」
「きっと無事に帰ってくるさ」
「えぇ‥‥‥」
キリエはその嫌な予感を杞憂と信じ、ネロの言葉に頷いた。
それから数時間が経ったフォルトゥナの街‥‥‥よりも離れた郊外の森林。
そこで青年が低級悪魔を相手にしていた。
「これで、ラストッ!!」
『!?!?!?!?』
レッドクイーンリナーシタの最大チャージによる斬撃により、低級悪魔である"スケアクロウ"はヘドロのようにどろどろと溶け、消え失せた。
誰しもが通る最初の道、それは下級悪魔を数多く
彼はそのスタートラインに今、立ったのであった。
「ふぅ‥‥‥今日はこんなもんか。まぁまだ最初だから上手く動けないな‥‥‥あとは慣れだな、うん」
レッドクイーンリナーシタを背負い、そこら辺を歩く青年。
そして青年は大木に生っていた果実を手に取り、小腹を埋めるために食べ始める。
「‥‥‥うわ、全然熟してねぇじゃん‥‥‥クッソ不味い」
と言いながらも食べきる。
もったいないから。
「あー、ヤバいな。だいぶ暗くなってきやがった‥‥‥野宿は嫌だな‥‥‥あ、なら宿屋まで戻って泊めさせてもらうか」
そう呟いた青年は宿屋までの帰路につこうとする。
だが、青年はあるものを
それは、亀裂のようなものに見えた。
だが両端にリボンがついていた。
まるで青年を"こちらにおいで"と言わんばかりに誘っているように見える。
「なんだ、これ‥‥‥亀裂、か?それにしても不自然な亀裂だな‥‥‥これ、何処かにつながっているのか?」
青年は周りを見回し誰もいない事を確認した矢先に、そのまま亀裂に飛び込んでいった。
「親父と母さんには悪いが、ちょっとくらい寄り道していいよな‥‥‥って!?」
飛び込んだ先には、地面は無かった。
言うなれば、空中。
ネロのように"エアハイク"を覚えていない青年は重力に従って自由落下を始める。
「う、わああああああああ!?」
さらに運の悪い事に、落下する先には鋭利に尖った枝が地面に刺さっていた。
このまま枝を下敷き、いや枝に貫かれるとあたり所が悪ければ最悪"死"。
だが、無情にも青年に考える暇は与えられなかった。
重力に従って落下した青年は、腹部を地面に刺さっていた枝に貫かれる。
どうやら最悪の事態は免れたようだ。
「が、は‥‥‥」
だが、刺さった傷からはどくどくと血液が流れだす。
手当てをしなければあと数時間もしないうちに死ぬ。
「‥‥‥あーあ、なんでこんな事になっちまったかな」
青年は己のした行為を後悔したような言葉を発した。
落下した場所は誰も来なさそうな森の中。
助けは、無いだろう。
だが、この時の青年には思いもよらぬ奇跡が起きるのだった。
ここより少し離れた場所で、一人の少女が偶然青年が落下した音を聞き取っていた。
「今の音‥‥‥まさか。ごめんチルノちゃん、ちょっと行ってくる!」
「うぇっ!?ちょっと大ちゃん!?待って、アタイも行くー!」
これが、フォルトゥナの住人の青年と、幻想郷の住人が邂逅する数十分前である。
ここいらで設定を少し。
《登場人物》
青年(後のアラン)
・両腕がネロと同じような悪魔の腕である主人公。
・ネロにデビルハンターとしての仕事をある程度教わるが、突如出現した亀裂に飛び込みフォルトゥナでは行方不明となる。
・ネロから教わった戦い方を発展させ、我流で戦う。
・悪魔の腕、もといデビルブリンガーを用い、スナッチの発展型"デュアルスナッチ"を得意とする。
大妖精(愛称は"大ちゃん")
・妖精の中ではずば抜けた魔力を持つ少女。しかし妖怪や悪魔には遠く及ばない。せいぜい出来て足止め程度。
・森で見つけた青年を介抱する。チルノいわく「まるでお母さんみたいに優しいよ」だそう。
チルノ(⑨)
・基本的にはバカ。だが、戦闘では粗削りだが所々繊細な一面を見せる。
・後々に幻想入りするダンテいわく「ありゃ才能の塊だぜ。まるで磨いたら光り輝く宝石みてぇだ」だそう。
《使用武器》
レッドクイーンリナーシタ
・ネロが青年専用に改造した剣。チャージ速度が上がり、出力がおよそ40%も向上している。
・ただし、最大チャージによる斬撃を行った後は非常に高い熱量を持ってしまうため、最大チャージ後は冷却必須。
ブルーローズリベイク
・ネロが青年専用に改造したリボルバー。口径を改造し、徹甲弾も使用出来るようにされている。
・弱点と言える弱点は無いが、リボルバー唯一のネックとしては、やはりリロードである。
こんな所ですかね。
いかがだったでしょうか、第0話。
楽しんでいただけたなら幸いです。
では、次回の更新でお会いしましょう。
感想、質問等いつでもお待ちしてます。
ではでは(´・ω・`)ノシ