HSDD〜天の道を行き総てを司る男〜《凍結》   作:ソヨカゼ

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やっと書けた(泣)
活動報告にあった通りです。
旧ver.と新ver.を見比べてくれるとありがたいです。
ではどうぞ。


プロローグ
終わりと始まりと出会いと


改 HSDD〜天の道を行き総てを司る男〜

 

プロローグ

 

終わりと始まり

 

燃える建物

 

見渡す限りの死体

 

原型を留めない街

 

ここを表現するのは、『戦場』の一言で足りるだろう。

 

ただ、死体の中にはあきらかに人間の物ではないのが含まれている。

 

黒い、カラスのような羽を生やした奴らだ。

 

そんな戦場の中を、齢十を超えたばかりの少年が歩いていた。

 

その足どりは危なげなく、体も傷だらけだった。

 

「……よう、少年」

 

突然の声に、少年は振り返る。

 

そこには、壁に持たれて座り込んでいる白衣の男がいた。

 

男も例外なくボロボロだった。

 

「お前は、この世界が憎いか?」

 

男の言葉に、少年は眉をひそめる。

 

「必死に生きようとするやつらの命を、一瞬で奪っちまうこの世界が……憎いと思うか?」

 

少年は男に近づいて行く。

 

「気づいてると思うが、そこの死体の中に羽を生やしてる奴らがいるだろう?そいつらは堕天使っていってな。この街をこんなのにした犯人だよ」

 

堕天使。

 

どうやら、本当に人では無かったらしい。

 

少年は男の前で止まる。

 

「もしもそんなやつらと……こんなクソッタレな世界と向き合う気があるなら、こいつを持っていけ」

 

男は少年に、不思議な装飾の銀のベルトを投げつける。

 

「そいつはおそらく、人間の希望になるだろうよ」

 

男は投げやりに言う。

 

どうやら、この男もあまり長くはないらしい。

 

「お前に、世界を背負う覚悟があるか?」

 

少年は、無言でベルトを拾った。

 

「はっ、そうか。……少年の名は?」

 

「……総司。……日下部、総司」

 

「そうか。俺は加賀美。加賀美陸だ。そいつは、俺たち非力な人間が唯一手に入れた力。そこいらに転がってる堕天使や悪魔に対抗しうるものだ。俺たちはそれを、《マスクドライダーシステム》と呼んでいる」

 

「……マスクド、ライダー?」

 

「あぁ。別に覚えなくていい。とにかく、それを恐れた堕天使たちがそれを奪いに来たんだ。……その結果がこの有様だよ」

 

加賀美と名乗る人物は自嘲気味に笑う。

 

「……俺たちは、結局何も守れなかった。でも、もし……もしもお前が、そいつに選ばれたなら……。お前は全てを守れるだろう」

 

「……守れる?」

 

「あぁ。だから……そいつは、大切に……しとけ。時が……来るまで……」

 

そういって男は息をひきとる。

 

こうして少年、日下部総司は運命と出会った。

 

家族を、生まれた土地を失い、沢山の死を見て、そうして出会った。

 

 

 

 

 

>>>>>>>>>>

 

 

 

 

 

総司は加賀美の死を看取ったあと、迷うことなくベルトを装着した。

 

そして今、戦場の中を歩いていた。

 

この絶望の終わりを探して。

 

「……け…て…」

 

なにか聞こえる。

 

「……けて…」

 

総司は足を止める。

 

「…助……けて」

 

「!?」

 

その声は、瓦礫の中から聞こえた。

 

総司は急いで駆け寄る。

 

「……誰かいるの?」

 

「!?助……けて……助けて!」

 

見ると、瓦礫に大きな隙間があるらしい。

 

声はそこかは聞こえる。

 

「お願い……殺さないで!」

 

隙間から、汚れていてもわかるくらい綺麗な手が伸びてくる。

 

「……大丈夫。僕が……そばにいる」

 

総司はその手を取る。

 

そして、引き上げた。

 

「……ウグッ……ヒック……。あ、ありがとう」

 

声の主、黒髪長髪で、ボロボロの着物を身に纏った女性は、出てくるなり総司に泣きついた。

 

「大丈夫。僕が側にいるから」

 

しばらく二人はそのままだった。

 

「……ごめんね。助けてくれてありがとう」

 

女性は泣き止んだようだ。

 

「うん。僕は総司。君は?」

 

「……黒歌」

 

そして、二人は歩きだす。

 

手を繋いで二人で。

 

絶望の終わりに向かって……

 

 

 

 

 

その後、総司と黒歌は一人の老婆に拾われ、姓を天道と改める。

 

老婆は二人に様々な事を教えた。

 

彼らはだんだんと元気を取り戻し、前を向き始める。

 

そして時はたち、天道総司は高校生になった。

 

それを見届けた老婆はスペインへと旅立つ。

 

総司に、膨大な資産と道標を残して。

 

そして、運命の歯車はユックリと動き出す。

 

動き出した歯車は、決して止まる事はないだろう。

 

これは、太陽の神に魅入られた少年の物語。

 




まぁ、プロローグなので短いのは勘弁を(汗)
旧ver.を残したままあと二話くらい書きます。
それまでの意見と筆の乗りでどちらかを消すので、ご協力下さい。
てはまた次回
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