HSDD〜天の道を行き総てを司る男〜《凍結》   作:ソヨカゼ

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どうも!
今回は長いですね。
ちょっと天道さんのキャラが崩壊するかもしれません。
さて、今回のライダーは誰でしょう(笑)
それではどうぞ!


四話 光速の太陽

昨夜の電話の内容はこうだ。

 

悪魔は人間と契約することで対価をえる。

 

兵藤は、その契約取りである家に行ったところ、契約主はすでに死んでいた。

 

否、殺されていたのだ。

 

はぐれエクソシストのフリード・セルゼンによって。

 

兵藤はそこに居合わせてしまい、そのフリードに祓われかけたらしい。

 

とりあえず明日の放課後、部室に行って詳しい説明をしてもらうことになった。

 

 

 

 

 

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次の日学校に行くと、兵藤は休みらしい。

 

本人から話を聞ければそれに越した事はないが、いないなら仕方ない。

 

俺は放課後、おとなしくオカルト研究部の部室に向かった。

 

 

 

 

 

パンッ!

 

「いいかげんにしなさい!」

 

部室に入ると、兵藤がグレモリーにぶたれていた。

 

だが、兵藤は今日休みだったはずだ。

 

服装が私服であるところを見ると、なにかあったのだろう。

 

「何があった?」

 

とりあえず、一番近くにいた塔城に事情を聞いてみた。

 

話をまとめるとこうだ。

 

兵藤には最近、アーシア・アルジェントというシスターの友達ができた。

 

そして、そのアルジェントはどうやら堕天使に利用されているらしい。

 

堕天使が彼女を利用する理由を考えてみたところ、アルジェントは神器を持っているという。

 

聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)という、あらゆる怪我や病気を治す事ができる物らしい。

 

そうなると、堕天使のやる事は絞られる。

 

「アルジェントから神器を取り出すためか」

 

「……おそらく」

 

塔城も頷く。

 

だが、神器を抜かれると所有者は死ぬはずだ。

 

「つまり、兵藤はそのアルジェントを助けたいということか」

 

なるほど、兵藤らしい。

 

あいつは確かに変態で変人だが、友人や仲間のためになると熱くなるところがある。

 

「待ってください、部長!話はまだ終わってない!」

 

兵藤の叫びに振り返ると、グレモリーが黒髪ポニーテールの副部長、姫島朱乃と魔方陣を展開していた。

 

おそらく何処かへ行くのだろう。

 

「イッセー。これだけは覚えておいて。神器は思いの力で動くの」

 

そう言い残し、グレモリーたちは魔方陣で何処かへいった。

 

イッセーの顔を見ると、決意の色が見える。

 

どうやら、一人だけでも行くと思っているのだろう。

 

「兵藤。行くのか?」

 

「天道か。……あぁ、行く。アーシアは俺の友達だ!何があっても助け出す!」

 

どうやら、覚悟はあるらしい。

 

だが、世の中は意志の力だけではどうにもならないことがある。

 

その意志に伴う力がなければならない。

 

「僕もいくよ。部長はあぁ言ったけど、僕は君の意志を尊重したい。それに、個人的には教会の奴らは好きじゃないんだ。憎いほどにね」

 

木場にも、何かしらの闇があるのか。

 

憎いほどに、か。

 

「二人だけでは不安なので私も行きます」

 

それに塔城も加わる。

 

そして三人ともこちらを見る。

 

「俺は行かないぞ。やりたかったら自分たちでやれ」

 

「……あなたは、兵藤先輩の友達じゃなかったんですか?」

 

塔城は静かに、しかし怒りを込めて迫る。

 

だが俺はそれを気にせず、右手で天をさす。

 

「おばあちゃんが言っていた。『友情とは友の心が青くさいと書く』そんなものに頼らず、たまには一人でやってみろ」

 

「青くさいって………いくらなんでも今の発言は許せないな」

 

木場も頭にきたのか、剣の柄に手を添えている。

 

「いいんだ!これはもともと俺の戦いだし………天道には今までも迷惑かけてきた。見放されても当然だ」

 

それを止めたのは、意外にも兵藤本人だった。

 

「すまない、天道。今までサンキューな」

 

そう言い残し、兵藤は部室を後にする。

 

「……さすがに、今の言葉はないんじゃないかな?」

 

「最低です」

 

木場と塔城も、それに続く。

 

俺はそれを、ただ見送っていた。

 

「……友達か……」

 

誰もいない部室で、一人つぶやく。

 

その声は闇に溶け、誰の耳にはいることもない。

 

コンコン

 

窓を叩く音に振り向くと、外にカブトゼクターが飛んでいた。

 

「あぁ。行くか」

 

そういって、俺は部室を後にする。

 

俺には俺の目的がある。

 

家族を、街の皆を自分たちの欲望のためだけに殺しつくした堕天使を。

 

そして、黒歌を傷つけた悪魔たちを、俺は決して許さない。

 

そう、改めて誓った。

 

 

 

 

 

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確か、堕天使たちが拠点にしていたのは捨てられた教会だったか。

 

とりあえずそれっぽいところにきてみた。

 

すると、近くの森から堕天使二人の気配がした。

 

「あたりか」

 

教会の中にも堕天使や沢山の人間の気配がする。

 

ちなみに俺は、黒歌に仙術を習っている。

 

といっても、せいぜい気配を探せる程度だが。

 

「っ!!」

 

そんなことを考えながら森にはいると、光の槍が飛んできた。

 

仙術でだいたいの場所がわかっていたので、それに合わせて飛び込み前転の要領でかわす。

 

「今のをかわすとか、あなた本当に人間?」

 

木の間から姿を出したのは、二人の女性。

 

否、二人の堕天使だった。

 

「あんた、何者?」

 

さっきとは違う堕天使がいう。

 

それに対し、俺は右手で天を指しいつも通りに答える。

 

「俺は天の道を行き総てを司る男。天道総司だ」

 

それを聞いた堕天使二人はみるからに機嫌を損ねる。

 

「人間風情が!」

 

「偉そうに!!」

 

二人が二本ずつ計四本の光の槍を飛ばしてくる。

 

だが、それは俺に当たることなく全て弾かれた。

 

「なに!?」

 

「なによ、それ!!」

 

どこからか飛んできたカブトゼクターによって。

 

「お前、本当に何者だ!」

 

堕天使の一人が声を荒げ、動揺する。

 

「言っただろう。天道総司………ただの仮面ライダーだ」

 

そういってカブトゼクターを手に取り、銀のベルトに装着する。

 

「変身」

 

『HENSHIN』

 

機械音とともに、ベルトを中心に俺の体は銀の装甲に包まれていく。

 

そして数瞬後、俺は青い複眼を持った銀の戦士になっていた。

 

「まさかっ!お前がドーナシークを倒した……」

 

「そんな名前の知り合いはいない。ただ、少し前に男の堕天使を倒したな」

 

俺はどこからかカブトクナイガン・ガンモードを取り出し、乱射しながら走り出す。

 

「くそっ!」

 

「うっ!?」

 

堕天使は結界のようなものを展開し、盾にしている。

 

「人間のくせに!」

 

二人は空に飛び、縦横無尽に飛び回る。

 

だが、俺はその程度についていけないほどやわじゃない。

 

「がっ!?」

 

カブトクナイガン・ガンモードから放たれる弾丸が、片方の堕天使をとらえ落とす。

 

「ミッテルト!」

 

どうやら、落ちた方はミッテルトというらしい。

 

俺は落ちた方の堕天使に近づきながら銃口を構える。

 

「うごくな!!」

 

飛んでいる方の声に足を止め、宙をみると無数の槍が俺を囲むように展開されていた。

 

どうやらこいつらは、これのために飛び回っていたようだ。

 

「一歩でも動けばこの槍がお前を貫くぞ!」

 

いわゆる脅した。

 

だが、そんなものに無策で飛び込むほど俺はバカじゃない。

 

切り札はちゃんとある。

 

「それで俺を捕らえたつもりか?」

 

二人は顔を歪める。

 

いわば俺は蜘蛛の巣にかかった虫同然。

 

そんな俺がここまで余裕なのだ。

 

バカでも何かがあると気づくだろう。

 

俺はベルトに装着してあるカブトゼクターの角、ゼクターホーンを少し浮かせる。

 

すると、鎧の間に電気のようなものが流れ、鎧の各所が浮いていく。

 

「キャストオフ」

 

全身の鎧が浮いたと同時に、ゼクターホーンを完全に逆側に倒す。

 

『Cast Off』

 

刹那、鎧はものすごい勢いで飛散する。

 

「がっ!?」

 

「なっ!?」

 

勢いよく弾け飛んだ銀の鎧、マスクドアーマーは堕天使二人と光の槍を吹き飛ばす。

 

顎のローテートを基点に赤い角、カブトホーンが起立し顔面の定置に収まる。

 

『Change Beetle』

 

そこに立っていたのは、今までの銀の鎧を脱ぎ捨てた、赤い装甲の戦士。

 

真の姿、ライダーフォームになった仮面ライダーカブトだった。

 

「おわらせるぞ。クロックアップ」

 

俺はベルトのサイドスイッチを叩く。

 

『clook Up』

 

機械音とともに、“世界が止まる”。

 

否、わずかにだが動いている。

 

《クロックアップ》

 

マスクドライダーシステム最大の特徴とも言えるこの機能は、いわば超高速の特殊移動方法。

 

文字通り光の速さで動くことができる。

 

魔力や光力を持たない人間が、人外と戦うために用いた力。

 

いくら人外でも、生身で光の速さに追いつけるはずがない。

 

俺は止まっているに等しい時間の中で、二人を蹴り飛ばし一カ所に集める。

 

『1』

 

二人は依然と宙を舞っている。

 

『2』

 

俺がカブトゼクターについた三つのボタンを順番に押すたびに、無機質な機械音が数を数える。

 

『3』

 

その数はまさに、死刑執行までのカウントダウン。

 

俺は押し終え、ゼクターホーンを元の位置に戻す。

 

「ライダーキック」

 

『Rider kick』

 

カブトゼクターからエネルギーがカブトホーンへと伝わり、それが俺の右足へと収束する。

 

そして、二人まとめて横に蹴り抜ける。

 

『clook Over』

 

そして遅れた時間は進み出し、背後で爆発が起きる。

 

その後には、黒いカラスのような羽が無数に舞っていた。

 

そして俺は天を指す。

 

死にゆく堕天使たちに、道を示すように。

 

「………天道総司?」

 

声の方を見ると、グレモリーとなぜか巫女姿の姫島がいた。

 

「これは、あなたがやったの?」

 

これとはおそらく堕天使たちのことだろう。

 

『Clook Up』

 

答える気もないので、家へと向かう。

 

どうやら、この舞台の幕引きも近いらしい。

 

兵藤と堕天使が戦っている。

 

だが、この戦いに兵藤の負けはあり得ないだろう。

 

確かにあいつには強さが足りない。

 

だが、それを埋めてもまだ余りある確固とした意志があった。

 

おそらくあいつは強くなる。

 

だから、今回俺の出番はここまでだろう。

 

 

 

 

 

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「総司ぃ!!」

 

家に帰ると、まず黒歌に抱きつかれた。

 

当然といえば当然なんだがな。

 

こいつは俺の仙術の師だ。

 

気配の察知には優れている。

 

家から街外れの教会の気配を察知するのも苦ではないらしい。

 

「総司ぃ……心配したんだよ!怪我とかない!もし………もしも総司が居なくなったら私は………」

 

俺は泣に入った黒歌をそっと抱きしめ返す。

 

こういう物事を悪い方向に考えてしまうのは、黒歌の悪い癖なのかもしれない。

 

ただ、塔城の事やあの街でのことを考えると、一概にも言えない。

 

あの連続して起こった不幸は、少なからず黒歌にトラウマを与えたのだろう。

 

「総司………」

 

何もいわない俺を心配したのか、涙目&上目遣いでこちらを見上げている。

 

断言しよう。

 

これは殺人兵器だ。

 

思わず倒れるところだった。

 

「……あぁ、大丈夫だ。俺がそばにいる」

 

そういって俺は、もう一度。

 

今度は強く、黒歌を抱きしめる。

 

嬉しいのか頬を赤らめ、満足気に唸っている。

 

俺は改めて、黒歌を守り抜くと誓った。

 

その後俺たちは、久々に二人きりの時間を楽しんだ。

 

最近ははぐれ悪魔や紅やらのせいで家族水入らずの時間がなかなか無かったからな。

 

ちなみに今晩の飯は炊き込み御飯がメインだった。

 

俺が戦っている間に黒歌が作ってくれたらしい。

 

それに味噌汁とおかずを一、二品作り足して食べた。

 

黒歌は料理が上手い。

 

俺ほどではないが、かなりできる。

 

二人で過ごす時間はあっという間に過ぎて行った。

 

 

 

 

 

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「………は?」

 

俺が目を覚ますと、目の前に黒歌の寝顔があった。

 

さらに、四肢がしっかりと固定され、抜け出せなくなっていた。

 

「………ぅ…んッ……そう……じぃ……」

 

「…………」

 

さらにきつくなり、動けるような状態じゃなくなった。

 

「……はぁ……」

 

俺はそっと黒歌の前髪を撫でる。

 

「……んっ……」

 

すると黒歌は嬉しそうに唸る。

 

今までも何度かこういうことがあった。

 

そういう時は決まってある夢を見るそうだ。

 

俺がいなくなる夢らしい。

 

昨日はそんな話をもろにしてしまったせいか、その夢を見たのだろう。

 

「……大丈夫。俺がそばにいるから……」

 

もはや決まり文句となったこの台詞。

 

ほんの少し、黒歌が笑った気がした。

 

 

 

 

 

その後、黒歌が起きたのは遅刻ギリギリだったため、もちろん朝飯は抜きだ。

 

黒歌が大号泣していたが、もとはといえば本人が悪いので捨て置く。

 

昨夜の出来事の後日談としては、兵藤たちが助けた少女、アーシア・アルジェントはグレモリーの眷属になったようだ。

 

そして、俺のクラスに転校生としてやってきた。

 

グレモリーから俺らしき人物があそこにいたという事で兵藤に詰め寄られたが軽くスルーしておいた。

 

教える義理もないしな。

 

 

 

 

 

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そんなわけで現在放課後。

 

兵藤たちオカルト研究部の部員たちをすり抜け、校門前にいる。

 

「お?なんだ、少年か」

 

「……日高か」

 

すると、日高と鉢合わせた。

 

「どした?今日はトレーニングしないのか?」

 

「お前の方こそ珍しいな。どこかへ行くのか?」

 

すると日高は少し気まずそうになる。

 

まさか、仕事サボってるのか?

 

「っと、これから用事があってな。………そうだ、少年もどうだ?」

 

何用かと聞くと、これから『たちばな』という甘味処にいくらしい。

 

黒歌の機嫌取りに団子でも買ってくか。

 

朝のテンションだと流石にまずい。

 

朝飯、というか食事全般を抜いた黒歌は機嫌が悪い。

 

下手したら仙術の修行をつけてもらえない可能性すらある。

 

というわけで、日高について行く事にした。

 

 

 

 

 

甘味処『たちばな』

 

「いらっしゃい!」

 

店にはいると、いかにも元気です!ってテンションのやつが店番だった。

 

「おう、おつかれさん。おやっさんいるか?」

 

顔見知りなのだろう。

 

それにしても笑顔が絶えない店員だな。

 

「立花さんなら出かけてますよ?……あれ、その子は?」

 

店員が俺に気づいたらしい。

 

日高のいうおやっさん、立花という人はおそらくここの店主だろう。

 

名前的に。

 

「そっか、いないのかぁ。あぁ、それとこいつが件の少年だ」

 

「あぁ、君が響鬼さんが言ってた。俺は津上翔一っていいます」

 

話を聞くと、いわゆる記憶消失でさまよっていたところを、ここの店主の立花に助けられたとか。

 

「俺は天道総司だ」

 

特にいう事もないので軽く挨拶しておく。

 

「ま、少年は座っとけ。ここのオススメは“きびだんご”だな。ここら辺じゃなかなか食べられない上に美味いぞ」

 

俺はとりあえずそれを注文して座る。

 

「どうぞ!」

 

すると津上がお盆を持ってくる。

 

そこに乗っていたのは、お茶と………

 

「………何だこれ」

 

「え?漬物ですけど」

 

漬物。

 

甘味処で漬物。

 

しかも少なくとも五種類はある。

 

日高を見ると苦笑いしていた。

 

どうやら日常茶飯事らしい。

 

「これがキュウリの浅漬けでこれが白菜。それでこっちが自信作なんですが………」

 

津上のよくわからん漬物うんちくが始まったので、無視してお茶をすする。

 

「まぁ、何というか。少年、一口でいいから食べてみてくれ。美味いから」

 

「……はぁ」

 

日高が美味いというからには不味くはないだろ。

 

自信作というナスとニンジンの漬物を一口もらう。

 

直後、俺の体に電気が流れる。

 

あっさりとした味わい、それぞれの食材の味が際立ち、その上での調和。

 

つまり何が言いたいかというと……

 

「………美味い」

 

それはあきらかに、俺が作る物を超えていた。

 

「津上、これはどうやってつくった?」

 

その後俺は、津上から漬物の作り方を教わりきびだんごを持って帰宅。

 

予想通り黒歌はへそを曲げていたが、きびだんごによって機嫌を直してくれた。

 

これも美味かった。

 

俺はたちばなに通う事を決めたのだった。




はい、仮面ライダーアギトこと津上翔一でした!
ついでに『たちばな』も登場です。
無理矢理感は否めません。
ぶっちゃけ無理矢理です。
意見をくれた方々、本当にありがとうございます。
これからも意見等待ってます!
それではまた次回!
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