水銀ロールで噂のVRMMORPGをプレイ 《SAO編》   作:獣の爪牙

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第2話 ギルドメンバー(前半)

 あの後副ギルドマスターになってから、なんかGoldさんから抱擁を受けたが何もなかった。……何もなかったよ?本当に。

 副ギルドマスターになったは良いけれど、俺は戦闘に関してあまり役にはたたないだろうから、副ギルドマスターとしてやれる事と言えばギルドの経営管理なんかだろうな。

 

 などと考えながら、「円卓の間」からGoldさんが出て行くのを見守りながら、俺はこのギルドでの自分の副ギルドマスターとしての職務に付いて考え初めていた。

 入らざる負えない状況だったとはいえ、さすがに副ギルドマスターにされてしまって何もしないのは、自称とはえい「水銀ロール」としては有り得ないだろう。既に俺は現時点で一般ピープルなクリア待ちプレイヤーから、迷宮攻略組での「聖槍十三騎士団黒円卓」のメンバーにして副ギルドマスターなのだから!……あぁ、お腹痛い。

 

 グダグダ考えていてもキリがないので、先ずは普通にギルドと財産とか、倉庫なんかを見ておこう。

 

 ギルドの「聖槍十三騎士団黒円卓」の名前の通り、ギルドメンバーはメインでは俺あわせて十三人と、あと準ギルドメンバーが数人しかいないから、そんなに大変じゃないけど、この少人数でこの大きなギルドホームを維持し続けるのはなかなか大変であろう。気合いを入れなければ。

 などと思いながら、ギルドの貯蓄などを見ているのだが、おかしい。物資や資源、貯蓄されているゲーム内通貨などが、ギルドの規模と釣り合わないのだ。

 明らかに多い。多すぎる!桁が明らかに多い!

 先ずはポーション類や結晶系アイテムなどの迷宮攻略組にとっては命綱となるHP、状態異常回復アイテムがスタック単位で列を作っている。しかもかなり希少価値が高い転移系アイテムが1スタックも保管されている!これはヤバい!こんなの他のギルドにバレたらこのギルドは潰されるぞ!?この転移系アイテムを他のギルドに売り払うだけでもゲームクリアまでこのギルドホームを維持し続ける事が可能であろう。まあ、途中から値崩れを起こして安くなるであろうが、転移系アイテムの供給が上がれば、最前線の攻略組の死亡率も下がるであろうし、必然的にゲームクリアまでの時間を短縮することも出来る訳だし。

 Goldさん、いや流石獣殿ですわ。きっと某運命に登場したらどこぞの金ピカのように「コレクターA+」くらいのスキルが得られるであろう。

 次に装備類だ。現状の最前線でも通用する、全ての武器種と防具が予備を含めて一人三つづつ確保しても、メインメンバーが十三人と数人のサブメンバーしかいないギルドでは有り余る程の在庫を抱えている。それはもうげんなりする。もうお腹いっぱいです。

 そして極めつけはギルドの貯金だ。兆単位とか、国家予算規模の貯蓄があるのだか?如何に最前線で戦う攻略組ギルドであっても、ここまでの貯蓄はされていないであろう。むしろ減っていくばかりであるはずなのだ。迷宮攻略ではポーション類、結晶系アイテム、武器、防具、精神面を維持する為の食糧など、減り続ける一方である。

これは一つの迷宮攻略が長引けば長引けば程に減り続ける。筈なのだが……。まさかあの獣殿、某運命で言うところの「黄金律EX」とかも持ち合わせているのであろうか?もう獣殿だか英雄王だか区別付かなくなってきたな。

 流石「獣殿」ロールをするだけのことはある。リアルラックっというか、もうシステム外スキルといってもいいレベルである。きっとコレには茅場も呆れることであろう。きっとこのゲームを管理しているAIシステムのカーディナルも、バグと認識して修正に必死であろう。諦めようカーディナル君、我らが獣殿に常識は通じないようだ。きっと「愛(破壊)されている」のだよ。

 

 さて、もう備蓄とか財政とか全くギルドの運営を気にしなくて良いことの気がついた俺は、既にこのギルド内での自分の立ち位置を見失ってしまったのだが?いかが致そうか?やっぱり「水銀ロール」的には粘着ストーカーとかするべきであろうか?

しかしだ……。マルグリット以外にストーカーする水銀とかもう水銀じゃないよね?

 そんな訳で粘着ストーカーは却下。あとギルド内での立ち位置と全く関係ない!ただの趣味の領域だ。

 裏工作なんてどうだろうか?情報系ギルドやレッドギルドなんかを潤沢なギルド資金を用いて、場を引っ掻き回したり……。

 却下だ。そんな水銀らしいっちゃらしいけれど、あれだ。スケールが小さい。水銀ならもう宇宙単位で裏工作して宇宙単位で巻き込んで引っ掻き回すからな。せめてロールするならゲーム単位で引っ掻き回さないとな。まあやるとしたらこのデスゲームをクリアしたらだな。

ALOとかGGOでやろう!そうしよう!運営も巻き込んで!

 

 などと物騒な事を考えていたら、円卓の間の扉が開いた。

 入って来たのは青紫色の髪の女性プレイヤー。防具がシスターっぽいので、たぶん、いや十中八九あの方のロールを担当しているのであろう。

 

「はじめまして、副ギルドマスターさん。私はLizaよ。何だかギルマスにとある人に似ているからって、ギルドに誘われて入ったのだけど、アナタもその口かしら?」

 

 ……まさか天然でバビロンなのか?末恐ろしいなLizaさんや。

 

「はじめまして、私の名はSilver。この度はギルマスのGold殿から誘いを受けて、このギルド聖槍十三騎士団黒円卓にて副ギルドマスターに任命された。あぁ、仰々しい喋りや迂遠な物言い、腹立たしい言動などするのはロールプレイなどあまり気にしないで頂きたい。」

 

「そうなら気にしないでおくわね。正直アナタのその話し方、どことなく気に障るのだけど、やっぱりロールプレイの方が大事なの?ギルマスも正直アナタみたいに言葉が丁寧過ぎたり、面倒な言い回しを好むのよね。」

 

 天然バビロンさんのお眼鏡には叶わなかったようだ。まあこんな水銀ロールなんてしている変態に近づいてくるのなんて、元ネタ知ってる奴か、同じく同類の変態くらいだものな。……Goldさん?あれは元ネタ知ってるからだよ?変態じゃないよきっと。……ないよね?

 Lizaさんはそのまま円卓の十一番目の席に座ると、何やら中空に指を走らせ始めた。

 程なくして、システムメッセージでメールが一件届いた。Lizaさんからのフレンド申請である。

 

「同じギルド仲間だし、チャットとかメール使えないと不便でしょう?他のメンバーはそう言うの頓着しない人達ばかりだから、せめて私からはおくっておくわね。承認よろしくね副ギルマスさん。」

 

 ウインク付きである。コミュ力高いなこの天然バビロン。まじでリアルでも「大淫婦(ビッチ)」なのだろうか?……さすがに失礼だわ。

 もちろんフレンド申請を承認した。その後は他のメンバーがどんな人なのかとか、このギルドの現状を軽く教えて貰っていた。

 ……いたのだが、これはヤバい。このバビロンのコミュ力といいお母さん気質な所がヤバい。水銀ロールしてなかったら照れ臭くて返事に困る程に良い人であり、魅力的な女性であった。まあリアルで既婚者らしく、このゲームも旦那さんやお子さんとログインしているらしい。そしてその旦那さんもギルドメンバーらしい。予想は付く。羨ましいから、こんど挨拶変わりにとんでもなくマズいモンスター飯を食わせてやろう。リア充爆発しろ!ちなみにお子さんは二人で両方とも女の子何だとか、高校生何だとか。

 ……伯母ではなく母親なのか、このギルドのバビロン。

 

「じゃあそろそろ私は行くわね。午後から一層の協会で子供達にお勉強会を開く約束してるの。娘達もそこで預かって貰っているし、時間通りに来ないと長女が拗ねちゃうのよ。またねSilverさん」

 

 そう言ってにこやかな笑顔で、こちらの返事も待たずにLizaさんは円卓の間から駆け足で出て行った。走っている最中に胸がとても揺れていて大変素晴らしい。眼福ですな。旦那にはモンスター飯の刑を更に上乗せしておこう。

 

 さて、Lizaさんも行ったし、そろそろ俺も拠点に戻って、ギルドホームへの引っ越しをしよう。と思って円卓の席から立ち上がって出入り口へ向かって歩いてもいると、扉の外から何やら騒がしい声が聞こえて来た。

 気になっなって扉を開けるとそこには……。

 

「待ってよシロくん!走ったら危ないよ!」

 

「アハハ!お兄さん走るの遅ーい!アハハ」

 

「おい兄貴!年下相手に負けてんじゃねーよ!後でシバくからな!覚悟しておけよ!」

 

「そ、そんなー!?さっちゃん、別にこれ勝負じゃないよ!?」

 

「口答えすんじゃねーよヘタレ兄貴!つかマジでシロさん速っ!?ステ振りどんなだよ!?」

 

「アハハ!お兄さんもさっちゃんもおっそーい!僕が一番乗りだね!」

 

 ……白髪兄妹と白髪のショタっ子が仲良く駆けっこしてた。

 本来は微笑ましい光景の筈が、何故だかあの子達の見た目や所属ギルドのせいでか、あんまり楽しくない。むしろ怖いわ。特に妹が怖いわ。

 ……目が笑ってない。

 

 どうやらこのギルドのメンバーらしいが、もう予想は付いた。これは間違いなくアイツらのロールの担当であろう。

 シュライバーのロールがショタっ子で、エーレンブルグ兄妹のロールがあの妹の尻に引かれてる兄とその兄を尻に引いている妹なのだろうな。エーレンブルグっていうか、凶月兄妹に近いわこれ。

 それにしてもGold殿。まさかドラマCDまで知っているとわな。なかなかのDies愛である、もう「愛(破壊)」し過ぎて原作プレイ者でもわからない程にカオスな雰囲気である。あの鬼いちゃんと鬼畜ショタが追いかけっこしてるんだよ?かなり上級者向けの場面である。流石の水銀ロール中でも思考が停止した。停止したせいでショタっ子の激突を腹で受ける事になった。

 

「どいてどいてー!」

 

「ゴフッ!?」

 

「「……アッ!」」

 

 ショタっ子ミサイルが激突。Silverは悶絶した。

 ここ圏内だよね!?なんで痛いさ!明らかにレギュレーション判定おかしいでしょ!カーディナルさん仕事してる!?

 HPは減っていないが、明らかにペインアブソーバーのレギュレーション判定を無視した痛みによって、俺は床に倒れた。

 

「やっばい。この人あれでしょ?今日ウチらのギルドの副ギルマスになった人。ヤベーよ兄貴、お小遣い減らされたらお前のせいだからな!」

 

「ちょっ!?さっちゃん?なんで僕のせいになるの!?明らかに今のはシロくんが激突したのが原因でしょう!?」

 

「うわっ!お兄さんひっどーい!こんないたいけな少年に罪を被せて逃げる気なんだ!それって年上としてどうなのかな?ねーさっちゃん?」

 

「マジでないわー、兄貴それはないわー。アタシ兄貴はヘタレだし普段は頼り無いけど、こういう時には頼れる立派な兄貴だって思ってたのにさ。兄貴にはガッカリだよ」

 

「「マジでないわー」」

 

「ちょっとこんな時ばかり頼らないでくれるかな!?お兄ちゃんは妹に嫌われていて悲しいよ!シロくんも便乗しないで!」

 

 容赦ねーなこのショタと妹!ガチで実の兄貴に罪をなすりつけにいく妹と、便乗するショタっ子にお兄さんの心はボロボロだよ?

 なんかみていて面白いので、しばらく倒れていようかと思っていたが、白髪のお兄さんが可哀相になって来たので立ち上がる。

 

「あぁ、気にしないでくれたまえ。事故なんだ、仕方なかろう。それよりも君達はこのギルドのメンバーで良いのかな?あとお小遣いとか減らないからお兄さんに罪をなすり付けるのはおよしなさい。見ていて、あぁ、なんと言うか、哀れだ。」

 

「良かったな兄貴、副ギルマスが優しい人でよ。お前のお小遣い減らないってよ!」

 

「良かったねお兄さん、副ギルマスが優しい人で、お兄さんのお小遣い減らないってさ!」

 

「なんで僕が悪いみたいに扱われているのかな……?もう泣きたい。」

 

 もうお兄ちゃん弄って遊ぶのはやめなさい!俺もなんか楽しくなってきて収集付かなくなりそうだから!マジで!

 そんな願いが届いたのか、彼等は自己紹介をし始めた。

 

「ボクの名前はSiro。シロって読んでねぼろ雑巾のお兄さん。戦闘面では主に遊撃、迷宮攻略では斥候をしてるよ。あとこんな見た目だけど一応は高校生だし、男だからね?まあボクとしては男の人が相手でも問題ないけどね?今夜あたり一緒に寝るかいお兄さん?」

 

 ぼろ雑巾のお兄さんとは、まあ間違ってはいないけどもう少し気を使えよショタっ子や。

 今自己紹介してくれたのはシロ。俺のどてっ腹に神風ミサイルしてきた男の娘である。かわいい、けれどウゼーな!水銀ロールしてる俺が言うのも何だが、ウゼーな!参考にさせて頂きますそのウザさ!

 この子「転生者」なんじゃなかろうか?ほら、TS転生して男と男のグッチョングッチョンになりてー!ゲヘヘ!って感じの腐女子とかならあり得そう。そう思っておこう。そうでもないと辛い。もし何かの間違いで手を出したり出されたりしたときに、心は女の子だから的な……無理だわぁ、ないわー。

 要注意人物シュライバーのロール担当者が変態でした!

 

「アタシはSakura。さっちゃんって読んでいいのは姐さんと兄貴と年下の男の子だけだからな!呼んだらぶっ殺すから!あと戦闘はシロと一緒の遊撃と斥候がメインだから夜 露 死 苦!」

 

「すみません身内が。僕はK。みんなからはケイって呼ばれてます。戦闘では主にダメージディーラーとして最前線で戦っています。こんなナリですが、あの、その是非仲良くしてください。」

 

 改めてカオスな顔ぶれだある。シロくんがまともに見えるほどの摩訶不思議空間が「形成」されそうである。イェッツラーしたの誰だよ。はえーよ。まだメンバー半分も残ってるのだよね?カオス過ぎるだろこのギルド!まだ原作の「黒円卓」の方が普通に感じる程の違和感だ。異常者が普通になると異常者の時の方が普通に思える不思議である。とは言っても、この兄妹は普通に天然でこんな感じなのだろうな。ロールにしては兄の必死さとリアルな涙が物悲しい。仲良くしてあげよう。水銀ロールの筈なんだけど、他のギルメンのキャラ濃すぎてロール仕切れないね!原作通りに影が薄くなりそうです。結果的に水銀ロール可能?嬉しくないような……。

 

「私は今日副ギルマスな任命されたSilverというものです。どうぞ、よろしく、お願いするよ。」

 

 ギルメンはまだ半分以上残っているのに、既に疲れたよ。

 Gold殿よ、ギルメンが濃すぎて辛いよ。

 

 

 ギルドメンバー残り半分以上!果たしてSilverの精神は保つのか?

 第三話 ギルドメンバー後半へ続く!

 




???「そう言えば隊長、私達って何をしにきたんでしたっけ?」

???「バカ娘が、本当に鶏か貴様。ギルマスに頼まれた事を既に忘れたのか?副ギルマスの歓迎会をやるから、料理用の食材の買い出しに来たのであろうが。」

???「あぁそうでしたそうでした!って鶏って何ですか鶏って!?こんな美少女に向かって鶏ってのてはないでしょう!」

???「事実てあろうが。三歩も歩けば先ほどの事など忘れておろうが貴様は。それよりも、買う物は覚えていような?」

???「ええっと、なに買うんでしたっけ?確かギルマスからメール貰っていたんですけど……あれー?」

???「もういい、貴様は黙って私に着いてこい。鶏頭のバカでも荷物持ちくらいは出来るであろう?」

???「うわっ、酷いそんな言い方無いですよ隊長!私だって女の子何ですからね!そりゃーちょっとは頭悪いですし、物覚えも悪いかもしれないですけど!」

???「ウルサい、あまり人通りの多い通りで喚くな。貴様は恥と言うものを知らんのか?貴様のような恥知らずが女の子とは、世も末だよ。あと貴様、三十路手前の分際で女の子気取るな。そういうのが一番恥ずかしいと分からんのか?あのアンナと同類のようだぞ。」

???「グハッ!?隊長最後の一言が一番心に刺さりました。さすがにあれと一緒は嫌です。隊長やリザと同級生でお子さんいて『アレ』ですからね。」

???「そうだな。しゃべらなければ外見だけはいっちょ前に仕立ててあるから無害に思えるが、『アレ』はないだろうよ。正直、同級生というのも恥ずかしい限りだ。お前は『アレ』だけには似てくれるなよ?」

???「ちょっとアンタ達!人の事ボロクソ言ってんじゃないわよ!私だってアンタみたいな真面目なだけが取り得の堅物と同級生だなんてお願い下げだわ!」

???「あれアンナさん、情報屋の所に言ってたんじゃ?」

???「もう用事は終わったわよ。てか、露骨に話を逸らしてんしゃないわよ!ちょっとアンタ、後輩の教育がなってないわよ!それでも教育者なわけ?聞いて呆れるわ!」

???「黙れよアンナ、煩わしいぞ。用事が済んだのならコッチを手伝え。荷物持ちは多くても困らんからな。」

???「キーーーー!む か つ く !アンタのそういう所が昔から嫌いなのよ!私の息子の担任だからって粋がってんじゃないわよ!?」

???「さて、行くぞバカ娘。そこの痛いロリババアは貴様が引きずってこい。」

???「無視すんなやゴラ゛ー!誰がロリババアじゃー!」

???「アンナさん落ち着いて!武器しまってください!」

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