デスとハイエロファントの物語:REBOOT   作:桁石スミオ

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目覚めよと、呼ぶ声が聞こえ 【第5話】

 ワールド、倒れているジャスティス、茫然とその光景を見ている。

 光の柱が、天空の方から徐々に消えていき、吸い込まれるように地上に移動する。

 やがて、ハイエロファントとデスを中心にした、半球形の、純白光のドームを形成する。 

 真っ白な空間の中、見る見る塞がっていく、デスの傷。

 出血がすべて止まり、瞳に光が戻ってくる。

 それを見詰めながら、段々と笑みを浮かべていくハイエロファント。

 暫くの、間。

 顔色も、全身の血色も、通常となったデス。

 パチ、パチ、と瞬きをして、ハイエロファントに眼差しを向ける。

 

デス「(ハイエロファントを見詰め)・・・あたし・・・今・・・」

ハイエロファント「(瞳を潤ませて)・・・デスっ・・・良かったっ・・・」

 

 改めて、ぎゅっ、とデスを抱きすくめるハイエロファント。

 頬を彼女に摺り寄せ、一粒の涙を、ぽろ、と零す。

 

デス「(嬉しそうに、声を震わせ)ハイエロファント・・・」

 

 力の入るようになった両腕を彼の背中に回し、ぎゅっ、と抱き返すデス。

 直後。

 純白の光のドームが形を崩し、パアアァァァッ・・・と地面に拡がる。

 その光は、ハイエロファントを中心として、波紋のように一気に流れ始める。

 放射線状の方向、円を成して急激に拡散していく、白い光の粒子。

 伏しているジャスティスを飲み込む。たった一瞬で、全身の打撲の痛みが消散する。

 ハッ、と身体を起こし、即座に立ち上がり、両手を互い違いに見詰めるジャスティス。

 

ジャスティス「(唖然として)傷が・・・痛みも、なくなった・・・治ってる・・・(足元を流れる波動を見詰め)こんなに凄い力だったっけ、エロファント?・・・」

 

 光の波紋は、フォーチュンとワールドの足元にも届く。

 途端、ポワッ、と全身が白色の光に包まれ、思わず顔を見合わせるふたり。

 

ワールド「(驚いて)フォーチュン! 傷が塞がってますワ!」

フォーチュン「何と!・・・(目を見開き)おおお、魔力も、体力も漲ってきておる!」

 

 エンペラーの足元をも飲み込み、更に流れ拡がっていく光の粒子。

 皆と同様、白色の光で覆われるエンペラーの身体。

 

エンペラー「(恐慌気味に)何ッ? 何何ッ? 何が起きてるのッ!?」

 

 尚も、勢いよく拡散を続ける白色光の波。

 タワーの全身を飲み込んで、巨大な光のベールで包んでいく。

 僅かの、後。

 タワーの左眼が、キュインッ!と、緑色に輝く。

 両手を、ズン!と大地に押し当て、ズオオ・・・と上半身を起こしていくタワー。

 

タワー「(重厚な声で)ター・・・ワー・・・」

エンペラー「(タワーを振り向いて、驚愕)ウッソでしょおぉぉぉぉッッ!」

フォーチュン「タワーまで! 真かっ! (嬉しそうに)目覚めおったか! わらわじゃ! 迎えに来たぞよ!」

タワー「(安心したような声で)フォーチュン、サマ・・・ワタシ・・・」

フォーチュン「(笑顔で)良い、話は後じゃ。暫し控えておれ。今、ケリを着けるでな」

 

 ワールド、足元を流れる光の奔流を暫く眺め、フォーチュンに顔を向ける。

 

ワールド「この力・・・今までのエロファントの力とは違う気がしますワ・・・」

フォーチュン「気付きおったか・・・その通りじゃ、今までの“聖なる力”ではない・・・」

 

 ワールドに目線を返し、一度口元を結び、真剣な表情を向けるフォーチュン。

 

フォーチュン「わらわたちの魔力の根源は、四大元素から力を得ておるのは知っとるじゃろう? わらわが『風』で、ワールド、そなたが『風』と『大地』の属性を持つ。エロファントが持つ“聖なる力”とは、それとは別の異質な力と思っておった。じゃがエンペラーの仕業により、『小アルカナ』の『カップ』のカードで、その力が干されてしまった・・・考えるに、エロファントの“聖なる力”も何らかの四大元素の属性を含んでおって、『カップ』の効果があったんじゃろう・・・」

 

 ハイエロファントとデスを振り向くフォーチュン。

 ワールドも続いて、ふたりに目線を飛ばす。

 

フォーチュン「そしてその空の器に、ドロップが叶えた“力”が宿った・・・(重厚な声で)あれは、第五元素・・・エーテルの力じゃ」

 

 息を飲み、驚きを全面に表すワールド。

 

フォーチュン「『小アルカナ』のカードは、すべて四大元素の力を元に具現化される・・・じゃが、エーテルの力の前では、すべてが効果を失う・・・最早、エンペラーに勝ち目はないぞよ・・・」

 

 再び、エンペラーに顔を向けるフォーチュン、ワールド。

 エンペラーは恐慌状態となっており、怯えたように足を、ジタバタ、とさせている。

 

フォーチュン「エーテルは・・・父なる神の力じゃから、のう・・・」

 

 一方の、ハイエロファントとデス。

 見詰め合っている状態のまま、穏やかな表情で口元を和らげるハイエロファント。

 

ハイエロファント「デス、少しここで待ってて・・・今、終わらせてくるよ」

デス「いいのか? 任せても・・・」

ハイエロファント「(目を細めて、微笑んで)大丈夫、任せて」

 

 デス、懐に仕舞っていたハイエロファントのミトラ(司教冠)を取り出し、手渡す。

 笑顔で受け取るハイエロファント。そしてしっかりと、地面にデスの腰を落ち着ける。

 一度大きく頷いて、ハイエロファントが立ち上がり、ミトラをしっかりと被る。

 横座りとなり、未だ彼に眼差しを固定しているデス。

 ハイエロファント、惜しむように身体を返し、一歩前に出て、エンペラーと距離を空けて正対する。

 きっ!と、眉を寄せて、雄々しい眼光を真っ直ぐに投げる。

 次の、瞬間。

 それまで波紋状に拡散し続けていた白い光の粒子が、シュウゥゥゥゥゥッ・・・と収縮する。

 光の波が、瞬く間に、ハイエロファントを中心として一気に集まる。

 暫く、大きな光の帯が彼に纏わり付き、吸収されるように小さくなっていく。

 やがて、キィィィーン!と、高周波音を鳴らし、すべての光が消える。

 

エンペラー「(引き攣った悲鳴)ヒィィィィッッッ!!!」

 

 凄まじい畏怖の感情を覚え、大剣を正眼に構えたまま、数歩後ずさりするエンペラー。

 

フォーチュン「タワー! 奴を逃がすでない! 捕らえてしまえ!」

ハイエロファント「(張りのある大声で)大丈夫! これ以上、誰も何もしなくとも!」

 

 途端。

 キュイ・・・・ンッ・・・!と、空気が凍て付くように、震える。

 ハイエロファント以外の全員が、ビクッ!と身体を跳ねさせ、彼に視線を繋ぎ止める。

 エンペラーは怯え切って、剣を左手に下げた状態で、全身から汗を、ダラアッ・・・と流しまくる。

 フォーチュン、ワールド、ジャスティスは振り返って、目を丸くして動きを停める。

 タワーは、片膝を着いた姿勢で、手をエンペラーに出そうとして止まる。

 デスは、少し潤んだ眼差しで、頬を微かに染めてハイエロファントの背中を見詰める。

 暫くの、間。

 ハイエロファント、フォーチュンとワールドに顔を向ける。

 

ハイエロファント「(一転して優しい声で)フォーチュン、ワールド様・・・ありがとうございました。後は、僕が終わらせます。危ないので、下がって頂けますか? (タワーに向き直り)タワーも大丈夫だよ。避けていてね」

 

 タワー、頷いて、ゴウン・・・と身体を起こして、ドスン、ドスン、と横に避ける。

 ジャスティス、慌てたようにデスの横に駆け寄り、片膝を着いて屈んで並ぶ。

 フォーチュンとワールド、それぞれ左右に展開し、数歩分下がる。

 その間を、目線を正面に固定したまま、真っ直ぐ歩いていくハイエロファント。

 彼が通過した後、再び肩を並べて立つフォーチュンとワールド。

 

フォーチュン「(冷や汗を拭い)何たる気迫・・・法王たる所以じゃな」

ワールド「(ふう、と息を継ぎ)本当に・・・」

フォーチュン「あれぞ“代行者”じゃ・・・哀れ、エンペラー・・・奴に神罰が下る、ぞよ・・・」

 

 ざっ、ざっ、と足音を立て、エンペラーとの距離を詰めるハイエロファント。

 ブン! ブン!と、目鼻がずれるほど顔を左右に振り、恐怖に慄くエンペラー。

 

エンペラー「嫌ッ! ちょ! 待ってエロファントちゃん! (慌てふためいて、カードを振り翳し)来ないでッ! 『ソード』のエースッ!」

 

 1枚のカードを、鋭い動作で投げるエンペラー。

 カードが非常に大きな火球と変化し、中から巨大な剣が飛び出す。

 グオォッ!と、凄まじい速度でハイエロファントに飛翔する剣。

 刹那の、後。

 ハイエロファントの1メートルほど手前で、パンッ!と、風船が割れるように弾けて消滅する大剣。

 沈黙。

 沈黙。

 エンペラーの顔が、衝撃と驚愕と恐怖が混じり合った、歪んだものとなる。

 絶句して、立ち竦むエンペラー。

 

ハイエロファント「残念だけど、エンペラー・・・どうやら君のカードは、僕には効果がないみたいだね・・・」

 

 尚も、ざっ、ざっ、と脚を前に進めているハイエロファント。

 

ハイエロファント「それと、君の結界も効かないみたいだ。さっき、僕の力の波が、足元に届いたよね。結界の内側まで入り込んでいた筈・・・その証拠に、君の体力も、回復しているんじゃないかな?」

エンペラー「(ブルブルと震えながら)そんな・・・そんなァ・・・」

 

 ざすっ!と、エンペラーと2メートルほど離れて、立ち止まるハイエロファント。

 両方の掌を、すっ、と正面に向けて、両腕を真っ直ぐ伸ばす。

 

ハイエロファント「(高らかな声で)聖なる力!」

 

 キュイィィィ・・・と、鮮やかな白色の光を放ち出す、ハイエロファントの両掌。

 左右に手を広げる。すると、掌と掌の間に棒状の光が繋がる。

 その中から、ハイエロファントのバクルス(司教杖)が出現する。

 杖の端部に備わっている青い石が、純白の光と蒼白い放電を帯びる。

 バクルスを頭上に、両手で大上段に振り翳し、一際眉を寄せて表情を引き締めるハイエロファント。

 

エンペラー「(恐慌に陥り)待って! ネェ! ちょっと! お願い! 話せば解るわよ!」

ハイエロファント「・・・デスを二度と傷付けないと約束して!」

エンペラー「(強烈に歪んだ顔で)ハァ? んなコト出来るワケないじゃない! 死神は存在価値なんて・・・」

ハイエロファント「(掻き消すほどの大声で)ミラクルビームっ!!!」

 

 渾身の力で振り下ろされる、ハイエロファントのバクルス。

 直後。

 クワアァァッッッ!!!と、直径1メートルほどの光球が前方に湧き上がる。

 即座に、ズドムッッッ!!!と爆音を放ち、光線が射出される。

 瞬時に、光線に飲み込まれるエンペラー。

 左手に持った剣が、蒸発して消え去る。

 全身を腹部から『くの字』に曲げ、ボンッ!と吹き飛ばされる。

 バリバリバリッ!と、凄まじい電撃がエンペラーを襲う。

 同時に、ゴオオォッ!と、爆炎も容赦なく浴びせらせる。

 猛烈な光線は、エンペラーを飲み込んだまま、荒野を吹っ飛んでいく。

 まるで石で水切りをするように、ダンッ! ダンッ!と、地面を弾け跳んでいくエンペラー。

 身体が錐揉みし、後転し、側転し、翻弄され続け、遥かの距離を開いていく。

 そして、ハイエロファントから300メートルほどの場所で、漸く止まる。

 エンペラー、全身真っ黒焦げで、ピク・・・ピク・・・と痙攣して、仰向けで倒れ、白目を剥いている。

 完全に気を失っている模様。

 静寂。

 静寂。

 静寂。

 前方に構えていたバクスルを下ろし、ふうう、と長い溜め息をつくハイエロファント。

 右手に持ったバクルスが、フシュン・・・と姿を消す。

 

ハイエロファント「(清らかな声で)争いは、終わった・・・」

 

 ゆっくりと踵を返して、デスに歩み寄っていくハイエロファント。

 デスは、ジャスティスに肩を貸してもらい、慎重な動作で立ち上がっている最中。

 ハイエロファント、それを目を細めて見詰め、尚も歩を進める。

 一方、フォーチュン、タワーを見上げて、ニッ、と笑顔を見せる。

 

フォーチュン「あのボロ雑巾になった奴を閉じ込めておけ、タワー。連れて帰るでな」

タワー「(頷いて)ター・・・ワー・・・」

ワールド「どうなさるんです?」

フォーチュン「コケにされっ放しな上に、年増呼ばわりされたんじゃ。タダでは済まさん。わらわが“再教育”して、根性を叩き直してくれるわ。それと『小アルカナ』を解放しよった手段を聞きださねば。エンペラーに古代魔術の心得があったとは思えん。もし黒幕がおるのなら、そやつの名も吐かせてくれる。(残酷そうな笑いで)必要とあらば、多少の拷問はよかろう? まあ、生きているのが嫌になるかも知れんが、のう・・・それが駄目なら、魔術の実験体にでもしておこうぞ」

ワールド「(溜め息をつき)・・・気持ちは解りますが、ほどほどでよろしいですワ」

 

 黒焦げのエンペラーの足を摘まんで持ち上げるタワー。

 腹部バルコニーの扉を開き、ポーイ、と放り込む。即座に、ガチャン!と閉まる扉。

 フォーチュン、それを見て満足そうに二度頷いて、クルッ、と身体を返す。

 つかつか、と、ハイエロファントとデス、ジャスティスに近寄る。

 後に続いて、宙を浮いて移動するワールド。

 デスを真ん中にして立っている3人の前で、腕組みをするフォーチュン。

 

フォーチュン「わらわに勝ったこともあるというに・・・まったく無様じゃのう、死神」

ハイエロファント「(息を飲んで)そんなっ!・・・」

デス「(自嘲気味に)いや、その通りだ。情けないことこの上ない」

ジャスティス「そんなことないってば! あんなの誰だって避けられなかったよ!」

フォーチュン「まあ、そうは言っても・・・(フッ、と笑い)無様なのは、わらわも同じじゃが、な。1万と14年生きようと、まだまだ未熟じゃった。修行が足りんな、わらわも」

 

 自嘲気味に、ふう、と溜め息を吐くフォーチュン。

 

フォーチュン「エロファント、ひとつ問うが・・・ドロップに“新しい力”を望んだか?」

ハイエロファント「(首を左右に振り)僕が望んだのは『力の復活』だったんだけど・・・(右掌を見詰めて)自分でも判る。今までとは、違う、って・・・まるで内側から突き上げるような・・・溢れるような力なんだ」

フォーチュン「『復活』か・・・なるほど、のう」

ワールド「つまりこの力が、本来エロファントが持つべき“聖なる力”なのですワね。それが『復活』したと」

フォーチュン「(頷いて)納得したぞよ・・・器を一度空にせねば『復活』も叶わぬからのう。エンペラーめ、墓穴を掘りおったな。(ニイ、と口元で笑い)まあ、自業自得を絵に描いたという訳じゃ! 愉快愉快!」

 

 少しの、間。

 フォーチュン、じっ、と改めてデスに目線を送り続ける。

 

フォーチュン「のう、デス、わらわに勝って得たドロップ、使いおったな」

デス「(意外そうに)判るか?」

フォーチュン「『運命の輪』じゃぞ、判らいでか。運命を変えおったろう。死神の運命をそのままに、新たなる運命の道・・・厳密に言うなれば、変えた、のではなく、道幅を拡げた、といったところか・・・見事にしてやったり、じゃな。そして・・・(ハイエロファントとデスを交互に見て)そなたらふたりの運命が、強く絡み合っとる。しかし、未来は荒れておるぞ。先はまだ見通せん」

ハイエロファント「例え荒れていようと、僕は受け入れるよ。(デスを見詰め)デスと一緒に、歩いていきたい」

デス「(ハイエロファントを見詰め返し)あたしも、ハイエロファントと進む。未来が荒れようが、一緒なら、何も怖いものなどない」

フォーチュン「(フッ、と笑い)・・・その意気や良し!」

 

 ザッ、と軽やかに踵を返し、タワーに走り寄っていくフォーチュン。

 嬉しそうに、子供のような笑顔で、タワーのすぐ前に立つ。 

 

フォーチュン「待たせたのう、タワー! 帰るぞよ!」

 

 タワー、片膝を大地に着け、右腕を伸ばし、掌を上にして差し出す。

 スタッ、とタワーの右手に飛び乗るフォーチュン。

 ズズズズ・・・と右腕を上げていくタワー。頭頂部の高さまで掲げる。

 フォーチュン、ぴょんっ、とタワーに飛び移り、欄干に手を掛ける。

 それから俯いて、愛おしげに欄干を撫で、視線に陰を落とす。

 

フォーチュン「すまぬ・・・わらわの油断で、つらい目に遭わせたのう・・・」

タワー「(深い響きの声で)ワタシ・・・ダイジョウブ・・・フォーチュンサマ、イッショ・・・」

 

 明るく柔らかい微笑みを浮かべ、目を細めるフォーチュン。

 直後、くるり、と身体を回して、4人を見下ろす。

 

フォーチュン「(笑顔で)さらばじゃ! ドロップが欲しゅうなったら、いつでも挑んでくるとよい!」

ハイエロファント「フォーチュン! マジシャンとプリエステスのところには帰らないの!?」

 

 途端。

 ビクリ、と肩を跳ねさせ、顔を伏せて目線を外すフォーチュン。

 

ハイエロファント「ふたりは、ずっと待ってるんだ。君の帰りを」

 

 フォーチュン、両手を欄干に置いたまま、曇った表情となる。

 暫くの、間。

 暫くの、間。

 更に、間。

 

フォーチュン「(沈んだ声で)・・・元気でおる、とだけ伝えよ・・・」

 

 俯いた状態で、右手で、トン、と欄干を叩くフォーチュン。

 それが合図のように、ズオッ、と身体を起こして大地に立つタワー。

 そして、ドスン、ドスン、と大きな足音を響かせ、荒野を岩山の方向に戻っていく。

 頭頂部の欄干を、ギュッ、と握り締めて、未だ顔を伏せたままのフォーチュン。

 4人が、後方に遥か小さい姿になってから、ギリッ、と奥歯を噛み締める。

 

フォーチュン「・・・今更・・・どの面下げて帰れというのじゃ・・・」

 

【 第6話へ 】

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