冬夜「来るぞ!皆!」
雄也「お出ましだ!」
洞窟から岩が飛んで来た。4人の少女がジャンプして避けた。
雄也「お!」
洞窟から、2体のミスリルゴーレムが現れた。
八重「ハアアァァァァ!!」
鞘から刀を抜いて、ミスリルゴーレムに向かって刀を振り下ろした。しかし。
八重「っ!?」
圧倒的な硬さに、刀が折れてしまった。
冬夜「硬いな、ミスリルゴーレム。」
雄也「八重の刀が折れちまったか。」
冬夜「なら。皆下がってて!試してみたい事があるんだ!雄也!」
雄也「OK!ライザーク!」
ライザーク「はいはいよー!」
遥か上空へ飛んで行った。
冬夜「ゲート!」
2体のミスリルゴーレムの足元にゲートを展開し、2体を何処かへ転送した。
ユミナ「冬夜さん!?今のは・・・」
冬夜「ああ。ゲートを使って転移させた。この真上。高度10000メートル上空へ。」
エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「え?」
スマホを起動し、ミスリルゴーレムの居場所を特定する。
冬夜「あっちか。」
それを聞いた雄也が、ギアレットハンターでライザークに通信する。
雄也「おいライザーク。北西へ向かえ。」
ライザーク『了解だ。』
上空10000メートル上空。ゴーレム達が転移させられた。
ライザーク「お客さん!高度10000メートル上空へようこそ。今回の目玉、スリル満点のHALO降下をお楽しみあれ!ライトニングシャワー!!」
ゴーレム達の真上からライトニングシャワーを発射し、ゴーレム達の落下速度を上昇させた。
地上では。
雄也「お。見えた。」
高度10000メートル上空から落下中のゴーレム達の姿を確認した。
”ドォーーーン!!!”
落下と同時に巨大な音が響き渡った。
冬夜「行こう。」
エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「うん!」
雄也・冬夜・エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「アクセル!」
アクセルを発動し、落下地点へ向かう。
落下地点へ向かうと、ゴーレム達が倒れていた。
ライザーク「よう皆!」
雄也「ライザーク、ご苦労さん。」
ライザーク「だが、安心するのは早いみたいだぞ?」
2体のミスリルゴーレムは、まだ生きている。
雄也「嬢ちゃん達、出番だぜ。」
リンゼ「水よ来たれ!衝撃の泡沫!バブルボム!」
バブルボムでゴーレムの胴体を爆破させた。すると体内から核が出て来た。
エルゼ「アクセルブースト!」
アクセルブーストを発動し、ガントレットで核に破壊した。
ユミナ「雷よ穿て!百雷の矛!ライトニングジャベリン!」
ライトニングジャベリンで、もう1体のミスリルゴーレムの核を破壊した。エルゼと八重が核を回収した。
冬夜「これで依頼完了だな。」
雄也「ミッションコンプリート。」
14話「婚約指輪、そして温泉。」
ゲートで屋敷へ帰還。
冬夜「よっと。」
雄也「ふぃ〜。」
レネ「あ!冬夜兄ちゃん・・・旦那様!」
セシル「お帰りなさい旦那様〜!」
冬夜「ただいま。レネ、セシルさん。」
レネ「ミスリルゴーレム倒した?」
雄也「ああ。バッチリだ。」
レネ「じゃあ、赤ランクになったの?」
冬夜「なったよ。ユミナは青で、僕らは赤。」
雄也「これで俺達は、一流冒険者の仲間入りだ。」
セシル「旦那様。雄也様。お風呂の用意をしております。」
冬夜「ありがとう。じゃあ先に皆を・・・」
レネ「あれ?」
雄也「ん?どしたレネ?」
レネ「シェスカ姉ちゃんは?」
冬夜「・・・あ。」
雄也「忘れちまったぁ・・・」
庭園を忘れて帰還したのだ。
すぐにシェスカを招いた。
シェスカ「私は別に気にしてませんよ。マスターが私を置いて、さっさと帰ってしまった事などこれっぽっちも。えぇ、これっぽちも。」
怖い笑顔で2人を見る。
雄也・冬夜「・・・・・」
ライザーク「怖え笑顔・・・」
シェスカ「お陰で、放置プレイ好きと言うマスターの新たな性癖を知る事が出来ました。」
冬夜「そんな性癖1ミリたりとも持ってないからな!!」
雄也「変な誤解を招いてんじゃねえよ!この端末娘が!」
紅茶が入ったカップを、怖い笑顔で2人に渡した。
冬夜「悪いとは思ってる。」
雄也「ゲートの癖が抜け切れてねえんだよ。」
シェスカ「ほーん。」
リーン「そこまでにしておきなさいな。ちゃんと反省しているみたいだし、あまりしつこいと本当の意味で放置されるわよ。」
シェスカ「フム。それは困りますね。では、マスターがお好みの新しい下着をプレゼントしてくれたら許す事にしましょう。」
冬夜「ハードル高いよ!!」
雄也「嫌らしいしアウトだろそれ!!」
シェスカ「冗談です。」
雄也・冬夜「な!?」
彼女は去って行った。
冬夜「ったく・・・」
雄也「面倒臭え女だなぁ。」
リーン「しかし凄いわね。あの思考回路。」
冬夜「あのエロ思考の何処が!?」
雄也「そんなものに関心すんじゃねえ!」
リーン「あの子の拗ねる態度とか、冗談が言える柔軟さとかね。本物の人間みたい。プログラムで、彼処まで出来るとか。」
それを聞いたポーラが拗ねてしまった。
ライザーク「あっちも拗ねてるな。ドンマイポーラ。」
冬夜「それで、今日は何の用?」
雄也「ティータイムを満喫しに来てる訳じゃなさそうだ。」
リーン「残りのバビロンの転生陣だけど。今の所、これと言った確かな情報はないわ。」
冬夜「え!?探す気なの!?」
リーン「探す気ないの!?」
雄也「正直さ、探す理由すら見当たらねえんだよ。」
リーン「何でよ!古代の知識とか失われた技術とか知りたいと思わないの!?」
雄也・冬夜「思わない!」
冬夜「バビロン博士も。強過ぎる力はこの時代には必要ないって言ってたし。」
リーン「夢が無い若造ねぇ。」
雄也「夢が無くて悪かったな。」
冬夜「まぁ、転送陣の情報が入ってから考えようよ。確実に見付かったなら協力するけどさ。」
リーン「約束よ?破ったら私にも嫌らしい下着を買って貰うからね。」
冬夜「勘弁して下さい!!」
雄也「ああもうこの妖精は!!」
リーン「ウフッ♪」
冬夜「・・・ん?」
雄也「お?」
スマホとギアレットハンターから着信音がした。
ゲートで天界へ向かった。
神様「急に呼び出してすまんかったのう。」
雄也「いや、こっちも暇だったし。」
神様「いやぁ〜。どうしてるかと思っての。」
冬夜「どうしてるも何も、特別な事はありませんよ。」
望月冬夜。神様の手違いで死亡し、この異世界へ転生した少年。武器はスマートフォン、魔法。現在4人の婚約者持ち。
雄也「お陰さんで、第2の人生を謳歌してるぜ。」
伊狩雄也。冬夜と同じく神様の手違いで死亡し、この異世界へ転生した少年。武器はギアレットハンター。独身。
神様「うん。まぁ、1度死んで別の世界に蘇ってる以上に特別なイベントなぞ、早々起こらんわな。スマホとギアレットハンターの調子も良さそうじゃのう。」
冬夜「はい。お陰で色々助かってます。」
雄也「お陰でガウスト大漁だぜ。」
冬夜「まだ、あの世界で自分が何をしたいのかはよく分からないんですが、何をするにしろ、お金が必要になって来るだろうから。このまま頑張って、討伐依頼をこなして行こうと思ってます。」
神様「そうかそうか。」
恋愛神「何で待ち受け婚約者にしてないの?」
冬夜「え?待ち受けを婚約者なんかにしたら、もし落とした時恥ずかしいじゃないですか!」
雄也「待ち受けを婚約者・・・」
恋愛神「良いじゃないのよ!好きな人を待ち受けにして、デレデレエヘエヘする!これこそ、恋愛真っ最中の醍醐味なのよ!」
冬夜「僕、デレデレエヘエヘなんてしたくないんですが。」
恋愛神「知ってるのよ!この間町でデレデレエヘエヘしてたのよ!?4人分の婚約指輪を買いに行く時!」
冬夜「いや!あの時は緊張してただけで!デレデレエヘエヘは・・・」
雄也「アンタ見てたの!?」
神様「ワシも見てたぞい?」
雄也「アンタもかい!!」
恋愛神「指輪を嵌める時は、全員の指をスベスベにしておいたのよ?だからスムーズに指輪が入ったのよ?感謝するのよ!」
冬夜「アンタら・・・」
雄也「アンタ達・・・」
雄也・冬夜「暇なんだな。」
一方、大浴場では。
八重「ふぅ〜。」
九重八重。イーシェン出身の侍娘・冬夜の婚約者の1人。
ユミナ「気持ち良いですねぇ〜。」
ユミナ・エルネア・ベルファスト。ベルファスト王国の王女・冬夜の婚約者の1人。
リンゼ「ふふ。」
リンゼ・シルエスカ。エルゼの妹で冒険者・冬夜の婚約者の1人。
エルゼ「ん〜・・・あ〜。」
エルゼ・シルエスカ。リンゼの姉で冒険者・冬夜の婚約者の1人。
「ん?」
首に提げてるリングを見た。
ユミナ「嬉しいですよね。分かります、その気持ち。ついつい目が入ってしまいますの。この、冬夜さんが送ってくれた婚約指輪に。」
リンゼ「本当にアクセル、トランスファー、ストレージが付与されてるんですね。今日の討伐の時もとても助かりました。」
八重「そうでござるな。」
ユミナ「冬夜さんは凄い方です。その力が規格外な事は皆さん知ってますよね?」
エルゼ・リンぜ・八重「うん。」
ユミナ「冬夜さんはこれからも、その力を惜しみなく使い、人々を救って行く事でしょう。しかし、その力を利用しようとする者が現れるかも知れません。」
エルゼ「雄也と違ってお人好しだしね。コロっと騙されるわよ?あのタイプは。」
ユミナ「そう言った手合いは私の魔眼で看破するので心配はしていないのですが・・・問題は合意からによる弊害ですね。」
リンぜ「どう言う事ですか?」
ユミナ「例えば、冬夜さんと雄也さんの事を大好きな女性が居るとしましょう。しかし、この女性の周りに居る人間が、冬夜さんと雄也さんを利用しようと彼女に無理難題を押し付けたとしたら?もし、冬夜さんと雄也さんにその無理難題をお願いしたりしたら?結果、冬夜さんと雄也さんは傷付く事になって、冬夜さんと雄也さんは断れないのでしょうか?」
八重「成る程・・・」
ユミナ「1番怖いのは、そう言った人が私達と同じ立場になる事です。」
八重「婚約者と言う事でござるか?」
ユミナ「はい。私はこれからも、冬夜さんもしくは雄也さんを思う人は増え、更に婚約者も増えて行くと思っています。」
エルゼ・リンゼ・八重「え!?」
ユミナ「けれど、しばらくはこの4人で冬夜さんを支えて行きましょう。」
エルゼ「そうね!アイツは雄也と違って危なっかしい所があるし!」
リンゼ「が、頑張ります!」
ユミナ「その為には、私達も力を付けなくてはなりません!冬夜さんと雄也さんと共に、人生を歩む為に!」
八重「・・・・・」
その後、八重は冬夜と共にイーシェンへ向い、ミスリルの刀の鍛治を依頼した。
冬夜「出来上がりは1週間後か。新しいミスリルの刀、出来ると良いね。」
八重「うむ!感謝でござる冬夜殿!先の討伐では役に立てなかったでござるからな。これで冬夜殿をしっかりと支えられるでござるよ。」
冬夜「じゃあ戻ろうか。」
八重「・・・・・」
緊張するが、決心して冬夜の袖を引っ張った。
冬夜「ん?どうしたの?」
雄也「お?」
八重「あ、あのぉ・・・そ、その・・・せ、拙者は冬夜殿の許婚でござる・・・よね?」
冬夜「え?う、うん。そうだね。」
八重「・・・で、あるのならば・・・でござるな・・・そ・・・その・・・もう少しだけ・・・2人きりで居たいし・・・て、て・・・手を繋いで歩きたいなぁ・・・なんて・・・」
冬夜「ッ!!」
もじもじする八重に、冬夜が顔を赤くしながら八重の手を握った。
八重「あ・・・・えへへ・・・」
冬夜「あはは・・・」
八重「こんな風に、共に人生を歩んで行けたら・・・良いでござるな。」
冬夜「うん。」
ベルファスト城。
トリストウィン「そうか!遂に冬夜殿を堕としたか!これはめでたい!ハッハッハッハ!」
雄也「めっちゃご機嫌ですな。陛下。」
ユエル「ユミナ。これからも更に一層、冬夜さんに尽くし、妻として支えて行くのですよ?」
ユミナ「はい!お母様!」
トリストウィン「4人との結婚は大変かも知れんが、頑張ってくれよ。ハッハッハッハ。」
冬夜「いやぁ、結婚は必ずしますが、今すぐとは・・・」
雄也「俺独身・・・」
ライザーク「元気出せよ。」
ライザーク。サメの姿をした雄也のパートナーガウスト。
冬夜「少なくとも、僕が18になるまではお預けです。」
トリストウィン「フム。だが孫の顔は一刻も早く見せて貰いたいな〜!子作りは先に・・・」
ユミナ「フンッ!!」
トリストウィン「ウゥッ!!」
アクセルアッパーで父の腹を殴った。
雄也「今アクセル使ったぞ。自分の父親に。」
ユミナ「お父様はデリカシーが無さ過ぎます!」
冬夜「あはは・・・」
ユエル「ごめんなさいね。この人、嬉しさのあまり暴走してるのよ。でもどうしましょう。」
雄也・冬夜「ん?」
ユエル「正式に冬夜さんをユミナの婚約者と発表すると、色々大変かも知れないわ。」
冬夜「どう言う事です?」
ユエル「まず、ユミナとの婚姻を狙っていた貴族達から、目の敵にされるでしょうね。逆に取り入ろうとする者も出て来るでしょう。」
雄也「成る程。」
ユエル「冬夜さんが実績を示さないと、ユミナの相手として認めないと言う頑固者も居るでしょうし。」
冬夜「成る程・・・」
???「もう話は終わったかのう?」
雄也「ん?ありゃスゥ!」
柱の陰からこちらを覗いてるスゥの姿を発見。
ユエル「えぇ。こちらへいらっしゃい。」
スゥ「っ!」
ユミナ「久し振りね!」
2人がハグし合う。
スゥ「こんにちはじゃ!ユミナ姉様!冬夜と雄也も元気じゃったか?」
雄也「相変わらず元気だ。」
冬夜「スゥは?」
スゥ「勿論元気じゃ!」
そう言って冬夜の腕を抱いた。
ゲートで屋敷に帰還。
冬夜「ふぅ・・・」
雄也「終わったぁ。」
ユミナ「うふふ。」
冬夜「あのさ、ユミナとの婚約によって、もしかして僕は国王にされてしまうのかな?」
ユミナ「今の状況だと、それが1番可能性が高いですね。私に弟が出来るか、叔父様の所に男子が生まれるかすれば、また違ってきますけど。正式な発表は、少し先にするとの事でしたので。冬夜さんが国王云々の話は、まだ考えなくて良いのでは?」
冬夜「そうだねぇ。ただ・・・(王妃様の言ってた実績ってのについては、早めに動き始めた方が良いっぽいんだよなぁ。実績かぁ・・・国の為になる何か大きな利益を上げろって事か?)」
雄也「ん?」
その後。冬夜は雄也と一緒に銀月へ向かった。
ミカ「最近の景気?悪いわねぇ。確実に前よりお客さんの数が減っちゃってる。」
雄也「え、マジかよ。見た所、通行人が減ってるような・・・」
ドラン「この町は特別、名物とか観光名所みてぇな所はねぇからな。はぁ・・・」
雄也(宿屋が繁盛する条件は、客を留めなきゃいけないしな。)
冬夜(一時的なものじゃダメだ。)
雄也(それなりの期間、滞在したくなるような、ここにしかない観光名所や名物は・・・)
冬夜「あ。」
何か閃いた冬夜がスマホを起動し、何かを調べた。
冬夜「作れるな。」
雄也「ほえ?」
冬夜「これをこうして、あれをこうして、あれをあーしてあーしてこうこうこうこう!」
出来上がったのは、温泉だった。
ミカ・ドラン「えええーーーー!?」
雄也「温泉作っちゃったよこの坊ちゃん。」
冬夜「ここ銀月に無期限で貸しますよ。」
ミカ「お風呂なんて贅沢だもんね〜!格安で入れるようにすれば、皆喜ぶよ!」
ドラン「ああ!宿にも泊まってくれるだろうしな!こりゃあ忙しくなるぞ!!」
ミカ「うん!」
冬夜「取り敢えず知り合いに声を掛けて、試運転しましょう。」
その結果。男湯。
雄也「男のおっさん率高ぇなぁ。」
女湯。若い女性達が入ってる。シェスカも一緒。
女湯・脱衣所。
リンゼ「凄いですね冬夜さん。こんな立派な温泉を、あっと言う間に作ってしまうなんて。」
八重「腰痛、肩こり・・・ん!?毒の後遺症にも効くのでござるか!」
エルゼ「あ!見て見て!お肌もツルツルになるって書いてある!」
リンゼ「本当!?」
ユミナ「うふふ。ゆっくり入って、ピカピカになったお肌を冬夜さんに見て貰うの楽しみですね!」
エルゼ・リンゼ・八重「え!?」
エルゼ「わ、私は、別に冬夜に見て貰おうだなんて思ってないけど!?」
リンゼ「わ、私も・・・」
八重「せ、拙者だって!」
ユミナ「皆さん、どうして誤魔化すんです?冬夜さんが好きなんでしょ?」
エルゼ・リンゼ・八重「え!?」
ユミナ「それとも、中途半端な気持ちで冬夜さんの婚約者になったのですか?もしくは、雄也さんが好きになってしまったとか?」
エルゼ「そ、そんな事ない!!雄也も魅力あるけど、と、冬夜の方が良い!」
八重「拙者の冬夜殿への気持ちは嘘偽りのないものでござる!」
リンぜ「うんうん!」
ユミナ「では、冬夜さんを好きになった時の事、聞かせて下さい。」
エルゼ・リンゼ・八重「え!?」
ユミナ「エルゼさん。」
エルゼ「え!?えー、あー・・・私から!?」
ユミナ「うん!是非!」
エルゼ「・・・・・・えっと・・・彼奴は・・・冬夜は・・・初めて会った時から・・・私を女として見てくれていた・・・服を買ってくれた時も・・・似合うって・・・その事を思い出す度に・・・何故か顔がニヤけちゃって・・・でも・・・」
ユミナ「不思議と悪い気持ちではなかったのですね?」
リンぜ・八重「おぉ〜!」
エルゼ「それから少しずつ気になって・・・何時の間にか、冬夜を視線で追い掛けてる自分に気付いて・・・うぅぅ・・・も、もう無理!!これ以上は!!」
ユミナ「うんうん。エルゼさんは冬夜さんへの恋心を隠して、仲間で居ようとしていましたよね。そうすればずっと傍に居られると思って。」
エルゼ「ちょっ!?何でそんな事知ってるの!?」
ユミナ「知っているんじゃありません。分かるんです。うふっ。次は・・・」
視線をリンゼに向けた。
リンぜ「ひゃっ!?あー・・・えー・・・うぅぅぅ・・・!わ・・・私はやっぱり・・・」
エルゼ「教えなさいよ!!」
リンぜ「うぅぅ・・・」
八重「ござる〜!」
目をキラキラしてリンぜを見てる。
リンぜ「うぅぅ・・・わ、私は・・・男の人と話すのが苦手で・・・何時も相手をイライラさせちゃって・・・でも、冬夜さんは違ったんです。魔法を教えて欲しいと言われた時も、辿々しい説明になってしまったのに・・・イラつく様子もなく、私の話す事を関心しながら聞いてくれたんです。だから私、冬夜さんは・・・何時の間にか友人として普通に接する事が出来るようになって・・・でも、ある日胸がチクリと痛んだんです。」
ユミナ「冬夜さんが私を連れて来た時ですね?」
リンぜ「え!?な、何で知ってるんですか!?」
ユミナ「知っているのではなく、分かるんです。」
リンぜ「・・・多分、その時私は冬夜さんの気持ちに気付いたんです。」
ユミナ「さて、最後は・・・」
八重「せ、拙者でござるの!?コホン・・・拙者は、冬夜殿の本質に気付いてしまったのでござる・・・」
ユミナ「本質?」
八重「うん・・・冬夜殿は、お世辞にも強そうには見えぬ。しかし、守りたい者の為には躊躇わず立ち向かう強さ。心の強さを持っているのでござる。自分の事よりも、他人の為に動き、困ってる人に手を差し伸べる事を当たり前のように考える。」
リンぜ「うん。冬夜さんは・・・」
エルゼ「まぁ、そう言う奴よね!」
ユミナ「だからこそ、私達が好きになったのですものね!」
エルゼ・リンゼ・八重「うっ!?」
エルゼ「ち、ちょっと!さっきから私達にばっかり喋らせてズルいわよ!ユミナも教えなさいよ!」
ユミナ「え?私は・・・前にお話しした通りです。冬夜さんを初めて見た時に、自分の相手はこの人だと思いました。それが魔眼によるものか、一目惚れなのか、打算なのか分かりません。ですが、好きになってしまったのです。」
エルゼ「あ、あー。そうだったわね。」
リンゼ「うん。それで・・・」
エルゼ・リンゼ・八重「絶対一目惚れだって確信したんだものね。」
ユミナ「ん?」
シェスカ『マスター。お背中流しましょうか?』
エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「え?」
女湯。
シェスカ「心配しなくても、謎の湯気が色々隠してくれますから。」
立ち上がると、シェスカの大事な所が謎の湯気で隠れた。
エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「え?」
男湯。
冬夜「バカ言ってないで黙って風呂に入ってろ!!」
雄也「こっちに来るなよ!!絶対にな!!」
女湯。
シェスカ「まぁまぁ。遠慮なさらずに。」
塀をよじ登って男湯へ侵入しようとした時。
シェスカ「フグッ!?」
全身に電撃が流れ、湯に落ちた。
男湯。
雄也「だから来るなって言ったのにぃ。」
冬夜「塀の上にパラライズを付与しておいて良かった。」
ライザーク「そこで深〜く反省しなさいな〜。」
雄也「このように塀を登って覗き見しようとすると、全身ビリビリマッサージを堪能出来るから用心しろよ?」
男性客達が頷く。
冬夜「あぁ〜。良い湯だなぁ〜。」
雄也「良い湯だな〜あはは〜♪」
リーン「冬夜!見付かったわよ!バビロンの遺跡!」
男湯にリーンが入って、バビロンの遺跡発見の報告をした。
冬夜「え?」
雄也「おいおいおい・・・」
『END』
キャスト
伊狩雄也:増田俊樹
望月冬夜:福原かつみ
エルゼ・シルエスカ:内田真礼
リンゼ・シルエスカ:福緒唯
九重八重;赤崎千夏
ユミナ:高野麻里佳
スゥ:山下七海
リーン:上坂すみれ
ライザーク:梅原裕一郎
フランシェスカ:大久保瑠美
神様:立木文彦
恋愛神:堀江由衣
トリストウィン:中田譲治
ユエル:かかずゆみ
レネ:青山吉能
セシル:米澤円
ミカ:原紗友理
ドラン:金光宣明