後日。紅玉とクリスターから連絡が入った。
冬夜「バビロンの遺跡が見付かったって?」
雄也「場所は何処だ?」
紅玉「はい。魔王国ゼノアスの中央部のその山岳地帯に。」
魔王国ゼノアス。魔王達の住む閉ざされた王国。魔王と呼ばれる者により統治され、他国との関わりをあまり望まない国。
冬夜「全く未知の国にいきなり行ってもいいものか・・・ウチの氣志團のゼノアス出身者にちょっと確認してみるか。」
早速、ゼノアス出身の騎士に話を聞いてみる事に。
騎士「ゼノアスの事でありますか?」
雄也「そうだ。ゼノアスには魔族以外の人間は居ないのか?」
騎士「いえ、少人数ではありますが、人間や亜人なぞも普通におります。交流に積極的ではないと言うだけで別に鎖国をしている訳ではないので。ただ、色々と暮らし難いので住む者はあまり居ないかと。」
冬夜「と言うと?」
騎士「環境が過酷なんです。まず気温の変化が極端ですね。昼と夜の寒暖差が激しいです。そして魔獣が多いです。街から1歩出た途端に襲われる可能性が跳ね上がりますね。それと食事ですね。あまり人間が好んで食べるようなものはないかも知れません。スライムゼリーやオーク肉なんて食べたいと思うますか?」
雄也「・・・いや、想像するだけで食欲失せるわ。」
冬夜「・・・オークって魔族じゃないの?」
騎士「違いますよ。言葉を話さないでしょう?基本的には意思疎通出来て、人間に近い者を魔族と呼びます。それ以外は魔獣や魔物に分類されます。」
冬夜「・・・成る程。兎も角、ゼノアスに人間が幾ら居ても可笑しくないなら僕達が行っても問題ないか。」
雄也「んじゃ、未知の国へお散歩しましょっか。」
魔王国ゼノアス上空。
雄也「かなり未開な感じだな。ここにジェットコースターが出来たらさぞアトラクション感増すだろうな。」
冬夜「まあ、王都の方に行けばまだ違ってるんだろうけど。」
ライザーク「けど魔素の濃度も濃いな。魔獣の数が多いのはそれが原因か。」
琥珀「ここは人が暮らすには難しい場所のようです。魔族のように強靭な身体を持つ種族でないと・・・」
冬夜「確かにここで暮らすのは大変な気がする。暑い・・・」
雄也「言ってた通りだ。寒暖差が激しいな。」
冬夜「お。」
森林近くに入り口を発見した。
遺跡に入った。
冬夜「ここか。」
雄也「バビロンの遺跡に違いないだろうけど・・・何だ?今までとは少し違和感があるな。」
小さな台に手を触れてみる冬夜。すると。
”ブブーッ!”
雄也「何じゃ!?」
突然謎の音が流れた。
冬夜「何だ今の?不正解って事か?」
ライザーク「おい、あそこに図形があるぞ?」
壁に描かれてる5つの図形を発見。上から正方形型、三日月型、星型、円形型、正三角形型。その隣に文字が彫られてる。
冬夜「この壁の文字と図形がヒントなのか?これって、古代魔法言語だったっけ?リーディング/古代魔法言語。」
『右の図形を正しい順番に上から並べよ。実際に並び替える必要はなく、頭に答えを思い浮かべて魔石に触れて魔力を流せばよい。』
冬夜「何だこりゃクイズか?この中央の点の順番に並び替えれば・・・星から順に1、2、3・・・」
”ブブーッ”
雄也「また不正解?」
冬夜「うーん・・・あ、これはあれか。直線の数か。」
”ブブーッ”
雄也「これもダメか。」
冬夜「やっぱりこの中の点が関係あるのか?」
琥珀「この図形は何か別のものを表しているのでは?」
冬夜「うーん・・・丸・・・が太陽とかなら、この半月は月だよな。星型はまんま星なら・・・天体の何かを示しているのか?」
雄也「んじゃ、地上からの距離で並べてみようか。」
”ブブーッ”
雄也「またかよ!?難しくなってきたな・・・」
冬夜「むむむ・・・やはり中央の点に何かヒントが・・・」
数分後。
”ピンポンピンポンピンポーン!”
冬夜「っざけんなあああぁぁぁぁ!!!!」
雄也「ドチクショウめがあああァァァ!!!!」
正解したが、雄也と冬夜が激怒してる。
琥珀「あ、主!気持ちは分かりますが落ち着いて!」
ライザーク「落ち着け雄也!」
答えは『右に図形などない』と言う馬鹿げた答えだった。
雄也「何なんだあの答え!!今まで考えた時間を返せ!!」
ライザーク「まあ同感するけどな。」
正解し次の問題へ。
雄也・冬夜「またかよ!!」
数分後。次々と問題をクリアして奥深くへ進む。
冬夜「やっぱりここはバビロンの遺跡だ。問題がどれも嫌らしい。」
雄也「しかも不正解する旅に入り口へ逆戻りとは・・・あのエロ博士が考えそうな事だ。」
遺跡の最新部。
冬夜「やっとかよ・・・全く手間取らせてからに・・・」
雄也「あのエロ博士、実体化したらぶん殴ってやる。」
遺跡の転送陣を通って、新たな庭園に転移した。
雄也「やっと着いた。」
冬夜「さて、蔵か図書館かはたまた研究所か。」
庭園の奥へ進むと、驚くべき光景が広がった。
冬夜「うわ・・・!」
琥珀「これは・・・」
雄也「図書館だ!」
ここは図書館。リーンが探し求めていたあの図書館である。
ライザーク「おい誰か居るぞ?」
ソファーに座って黙々と本を読んでるメガネの端末が居た。
雄也「ここの端末か。」
冬夜「あの・・・」
端末「あと30分程で読み終わりますので話し掛けないで下さい。」
冬夜「あ、はい・・・仕方無い。待つか。」
端末が読み終わるまで、図書館の本を見てみる事に。
雄也「・・・古代魔法言語で読めねえ。」
冬夜「何だこれ?古代パルテノ語?リーディング/古代パルテノ語。」
リーディングで言語を翻訳。
雄也「おお!読める読める!・・・だが、難しくて分かんねえ。他の本は?」
『魔流体制御における干渉と考察』
『魔法学と飛躍』
『夜の手ほどき 初級者編』
雄也・冬夜「オイ。」
その中で1冊の本を手に取る。
冬夜「ふむふむ・・・ほ、ほほう・・・な、成る程・・・」
雄也「こ、これは・・・そう言う事か・・・」
その本に夢中になっていると。
端末「何を読んでいるので?」
冬夜「おわあっ!?」
雄也「ブゲラッチョ!?」
不意に声を掛けられびっくりして本を閉じた。
冬夜「あれ?もう30分経ってた!?」
端末「ようこそバビロンの図書館へ。私はこの図書館を管理する端末、名前をイリスファムと申します。ファムとお呼び下さい。」
冬夜「あ、ああファムね。僕は望月冬夜。宜しく。」
雄也「伊狩雄也だ。」
ファム「ここへ来たと言う事は、博士の問題を解いて来たと言う事ですね?条件を満たしたと認め、これより期待No.24。個体名イリスファムはあなた方に譲渡されます。宜しくお願いします。マスター。」
冬夜「やっぱりあの問題、博士の仕業だったのか。まあ余計なエロ攻撃に晒されないだけまだマシか・・・はっ!」
不意を突かれ接吻された。
雄也「あ、また恒例のアレか。んで俺も。」
今度は雄也も接吻された。
ファム「登録完了。マスターの遺伝子を記憶致しました。これより図書館の所有権はマスターに移譲されます。」
冬夜(くっ!学習能力がないのか僕は・・・!)
雄也(いい加減キス以外の移譲方法を考えてくれよ・・・!)
ファム「それで、現状バビロンはいかほど揃っているのですか?」
冬夜「え?えっと・・・庭園、工房、錬金棟、格納庫、城壁、塔の6つ。この図書館で7つ目だな。」
ファム「成る程。ではそちらの方へ向かうとしましょう。マスター、お願いがあります。この図書館に新たな本を入荷して頂きたいのですが・・・」
雄也「これ以上の本がいるのか?ってか、ここにある本だけで何冊?」
ファム「ザッと二千万冊は下らないかと。」
雄也「二千万!?
ファム「殆ど読んでしまったので、新しい物が読みたいのです。」
雄也「二千万冊を読んだのか!?凄え根気だなぁオイ!」
ファム「平均2時間で1冊読んで、5000年も続けていればそれ位はいきます。」
冬夜「いやいやいや!24時間休まないのかよ!」
雄也「よくも飽きずに!ってか寝まくってる奴も居たってのに!」
ファム「私はさほど動かないので。それでも5000年も稼働していると調子が悪くなってきますが、まあ研究所が見付かればちゃんとしたメンテナンスが出来るでしょう。」
冬夜「はあ・・・筋金入りの本好きだな。」
雄也「まあそれは結構として、リーンに念願の図書館発見の報告しに行くか。」
報告を聞き付けたリーンを城に招いた。
リーン「遂にキターーーーッ!!古代叡智の結晶!知られざる知識と歴史!その全てがこの手に!」
雄也「盛り上がってるとこ悪いが、一応図書館の本は閲覧制限しとくから。」
リーン「何ですと!?」
冬夜「いやいや普通に考えてさ、そもそもリーンはミスミドの大使な訳だし、そう古代の叡智とやらを簡単に持っていかれたらたまらないだろ。それにまだ何が収められているのか分からないしね。」
リーン「そう来たか・・・まあ分からないでもないけど。・・・そうね、じゃあこうしましょう。私をブリュンヒルドの宮廷魔術師として迎えて頂戴。」
冬夜「は?」
雄也「なぬ?」
冬夜「確かにウチにはまだ宮廷魔法師ってポストはなかったし、能力自体は相応しいんだけどさ。だけどリーンはミスミドの大使だし、亜人七族の長の1人として一応他国の中枢にいた人物な訳だし、色々と問題あるんじゃないか?」
リーン「問題ないわね。妖精族の長とは言っても実質上は殆ど名誉職みたいなものだったし。」
雄也「それ名誉職だったんだ。」
リーン「実務の大半はエリスがやっていたから、ミスミドの重要な機密や案件には全く関わってないのよ、私。」
冬夜「エリス?」
雄也「誰だその人?」
リーン「現ミスミド宮廷魔法師よ。この際だから妖精族の長の座も彼女に譲ってしまいましょう。これで完全に隠居して知識の探求に没頭出来るわ。」
冬夜「うーん・・・国家機密が漏れる心配はないって事で良いのか・・・?そもそもあの獣王様ならそんなの全く気にしなさそうではあるけど。」
リーン「他国でも亜人の地位向上を望んでいるから、寧ろ諸手を挙げて賛成するんじゃないかしら?」
雄也「そうだな。まあ役立つ役立たないは置いとこ。」
リーン「失礼ね。やる気になったら凄いわよ私は。図書館で得た知識をブリュンヒルドの糧となるように上手く活用してみせるわ。え、と・・・な、何なら私もあなたの奥さんになりましょうか?」
冬夜「いや、今の所間に合ってますんで。」
雄也「なぁ、リーンって結婚してないのか?」
リーン「・・・さらりと一世一代の告白を躱したわね・・・なら雄也はどうかしら?私が奥さんになりましょうか?」
雄也「無精子症を患ってる俺は止めといた方が身の為だぞ。」
リーン「もう・・・少しは考えるとかないの?鈍いにも程ってものが・・・」
冬夜「今更だけど、600年以上も生きてるなら、結婚の1つや2つしてるんじゃないのかなって。ひょっとして子供とかも居る?」
リーン「残念ながら結婚もしてないし子供も居ないわよ。前にも言ったけど、妖精族は十代後半から二十代前半で成長が止まるの。・・・私の場合それがかなり早かったんだけど・・・お陰でそう言う相手が見付からなくてね。変な趣味の男には何回か声を掛けられてたけど、そんなの相手にする程落ちてないわ。」
冬夜「あ〜・・・」
ライザーク「そりゃ大変でした事。」
リーン「・・・年上は嫌い?」
急な上目遣いで冬夜を見る。冬夜は少しドキッとした。
冬夜「いや・・・リーンの場合、年上とか感じないしそんなに気にならない。でも結婚となるとまた話は別だろ?リーンの事は信頼してるし嫌いじゃないよ。でも・・・」
リーン「あら。私はあなたの事かなり気に入っているけど。結婚しても良いって思う位に。それ位好きよ?」
雄也(随分なドスレートだな。)
するとリーンが、前触れもなく冬夜にキスをした。
冬夜「!?」
雄也・ライザーク「ワオ。」
リーン「ふふっ。その反応だと、脈が全くない訳じゃなさそうね。フィアンセが7人も居るのに、こう言う事には慣れてないってのはどうなのかしら?まあ、すぐに返事をってのも無理よね。何なら愛人ポジションでも良いかと思ったけど、やっぱり一生に一度位は結婚したいし。少しだけ真剣に考えてみて頂戴。意外と尽くすタイプよ、私。」
今度は冬夜の頬に小さくキスした。
冬夜(くっっ・・・可愛い!)
リーン「で、奥さんになれば図書館を自由に使ってもいいでしょ?ダーリン。」
冬夜「やっぱりそれが目的かよ!!」
リーン「勿論それだけじゃないわよ?あなたを好きなのは本当だし。信じられない?」
冬夜「あーもう・・・分かったよ自由に見ていいよ。でも内容を他の人達に勝手に広めるのは止めてくれよ?」
リーン「ありがと。愛してるわダーリン。」
冬夜「嘘くさい!!」
雄也「ダーリン・・・新たな呼び名が増えたな。」
ライザーク「羨ましいぜコイツ。」
冬夜「五月蝿い!(あれ?これって色仕掛けに屈したのか?いや、優れた人材を手に入れたと考えよう。決して言い包められた訳じゃない。)」
後日。フィアンセ達を図書館に招いた。
リーン「ふおおぉぉぉ・・・!」
ヒルデガルド「はわあぁぁぁ・・・!」
冬夜「ヒルダはバビロンに来るのも初めてだもんな。」
雄也「リーンが見た事ない目になってる。」
ヒルデガルド「一体これってどうなってるんです!?空に浮いてるって・・・!あ、フレームギアもここから!?」
ファム「すみませんが『図書館』ではお静かにお願いします。」
ヒルデガルド「あ、すみません・・・」
リーン「所でこの上の方の本ってどう取るのかしら?階段とか脚立は?」
雄也「棚に手を触れて見たい段を念じてみ?」
棚に触れて見たい段を念じると、棚が下に下がった。
リーン「成る程。こう言う仕組みなのね。ッ!これは・・・!!」
ある本を見付けて驚いた。
冬夜「何の本?」
リーン「古代魔法の教本よ!古代魔法言語で書かれているけど何とか読めるわ!今使われている魔法の大元になった魔法や、もう伝わっていない魔法も載っているわ!」
ライザーク「今まで以上のテンション・・・」
リーン「これって凄い事なのよ!?今までの・・・」
ファム「すみませんが『図書館』ではお静かにお願いします。」
リーン「あ、ごめんなさい・・・」
雄也「図書館のマナーに厳しいなあの嬢ちゃん。」
八重「それにしても凄い本の数でござるな・・・これでは目的の本を探すのも一苦労なのでは?」
冬夜「ああ。それも大丈夫。たとえば・・・そうだな。『剣に関する本を検索』。」
すると床に矢印が出現した。
冬夜「これを辿って行けば目的の本を探せる。」
ユミナ「でも殆ど私達には読めない言語で書かれていますね・・・これは冬夜さんに翻訳メガネを作って貰わないと・・・」
冬夜「作るのは構わないんだけどね。どんな言語が使われているか分からないと何とも。」
雄也「じゃあ聞いてみるか。おーいファムさんよー。ここにある本に書かれている言語はどん位あるんだ?」
ファム「魔法言語。精霊言語。パルテノ語。レミリア秘文字。聖ラスター語。ラルド辺境言語。福音文字。エステバ絵文字。アバ語。カルナー語。マルクル語。サリエリ商用語。ピライスラ共通語。ウルディニアス帝国語。ガズル文字。古代魔人語・・・そんな所でしょうか。後は覚えてませんね。」
雄也「多いな。」
冬夜(いや、地球の言語に比べたら遥かに少ないのか?ある程度統一された国家が成り立っていたのかも知れない。)
雄也「確かあのエロ博士が居た所は、古代パルテノ王国だったな。」
冬夜「確かそうだったはず。大陸の半分近くを支配していたって言う魔法王国だね。」
雄也「通りでパルテノ語で書かれた本が多い訳だ。5000年前に栄えていた王国か。それもフレイズの団体様の大侵攻で滅んじゃったって訳か。」
冬夜「・・・ん?ちょっと待てよ?フレイズに関する本を検索。」
するとその本がある方向を指す矢印が床に出現した。
雄也・冬夜「あるのか。」
フレイズに関する本を発見。
雄也「魔水晶。これがフレイズに関する本か。」
冬夜「国は滅んでも、生き残った人が後世の人達の為に書き留めてくれたのか。エンデから聞いた以上の情報はないか?・・・仕方ないか。お、これは・・・」
雄也「何かあったか?」
冬夜「見て雄也。フレイズの種類と能力の一覧だ。」
雄也「本当だ。これで少しは分かるな。」
下級種・数が多いが数人掛かりで戦えば人間でも倒せない訳じゃないレベル。
中級種・未確認のタイプが存在している。フレームギア2、3機で仕留めれるレベル。
上級種・以前見た鰐型を基本にすると、どれも大きくとんでもない力を秘めているレベル。
冬夜「ッ!?」
雄也「な、何だこれ!?」
本に衝撃の資料が記載されていた。
雄也「人型のフレイズ・・・!?」
冬夜「どう言う・・・事だ・・・?しかも強さが上級種を越えている・・・こんなのが居るってのか・・・?」
雄也「恐らく、今の俺達では倒せないレベルかも知れない。」
冬夜「うん。しかもこれが何体いるのか予想も付かない。もっと対策を練らないといけないな。」
後日。何もない平原。
リンゼ「炎よ来たれ、爆炎の連蓮、フレアバースト!」
フレアバーストが平原の地面を爆発した。
冬夜「凄・・・これが古代魔法の威力か。」
雄也「結構抉れてる・・・」
リーン「やったわね!やっぱり火属性のリンゼの方が合ってたってとこかしら?」
リンゼ「私だけではここまで出来ませんでした。リーンさんの助けがあったから・・・」
リーン「私、火属性って一番苦手なのよね。私だけじゃなく、妖精族は皆そうなんだけど。そもそも火属性を使える妖精族ってのが少ないもの。元々森で暮らしてた種族だから、潜在意識で忌避するものがあるのかしら?」
ライザーク「リーンは六属性の持ち主だったよな。闇属性がないってだけの。」
リーン「そうよ。召喚魔法が使えないんで、代わりにこの子を作ったの。」
ライザーク「ポーラか。」
雄也「リーンも何か古代魔法覚えたのか?」
リーン「ええ。私は水属性の方だけど。水よ来たれ、激流の大渦巻、メイルシュトローム!」
巨大な水の竜巻が発生した。
雄也「水の竜巻か。」
冬夜「広範囲殲滅魔法かあ。これも凄まじいな。」
リーン「魔力の消費量が高めなのが難点ね。ま、これに見合った効果はあると思うけど。」
冬夜(『図書館』の発見で色々パワーアップしてるな。ロゼッタとモニカも見付けた本から何やら試してるみたいだし。)
雄也「午後は冒険者ギルドに顔を出すか。」
冬夜「そうだね。何か新しい情報は入ってるかな?」
ブリュンヒルド公国。
冒険者A「てめぇ!やんのかコラァ!」
冒険者B「ああ!?上等だよやるかァ!?」
雄也「何やら楽しいパーティーが開かれてるな。」
冒険者ギルド。
冬夜「こんちは。」
雄也「お邪魔しまーす。」
受付嬢「あ!へい・・・あやや冬夜さんに雄也さん!こんにちはお疲れ様です!」
冬夜「最近はどんな感じです?」
受付嬢「そうですね。相変わらず雑事系の依頼が多いですけど、ちらほらと商人の護衛なんかも入って来てます。ただここでは大きく稼げないのが悩みの種ですかねぇ。お陰で皆さんすぐに旅立ってしまって、馴染みの人が居ないんですよ。だから初対面の人が多くて毎日のようにあんな感じに。」
冬夜「成る程。」
雄也「なんとまあご苦労な事。」
冬夜「ああ言うのに睨みを効かせるベテラン冒険者とかが居てくれるとい助かるんだがな・・・」
ギルドマスターの部屋。
雄也「ようレリシャ。久し振り。」
レリシャ「お久し振りです。良かった。丁度連絡をさせて頂こうかと思っていた所なんですよ。」
冬夜「何かあったんですか?」
レリシャ「情報が2つと提案が1つ。まず竜が現れました。」
冬夜「竜ですか?」
レリシャ「場所は大樹海の南サンドラ王国です。」
雄也「彼処には確か、クソボケアホクズカス三十路奴隷野郎が強制労働してる王国だな。」
ライザーク「まだ覚えてんのかよそのあだ名。」
レリシャ「砂漠の集落に突然飛来し、そこを荒らし回った挙句何処かへと飛び去ったそうです。同じようにユーロン、ロードメアでも竜が現れ、村や町が被害に遭ってます。しかも3匹共別の竜だったそうで。」
冬夜「竜が人里まで来て暴れるような事は滅多にないって話でしたよね・・・確かに妙っちゃ妙だな。」
レリシャ「まあただの偶然かも知れません。竜についてはまだ分からない事も多いので。こちらの方は調査を進めていますので何れまた。そしてもう1つの情報とそれに伴った提案があるのですが・・・」
そう言うとレリシャが、テーブルの上に地図を広げた。サンドラ王国の下の諸島に丸印が書かれている。
雄也「何だここ?」
レリシャ「サンドラ王国より南にある最近発見された諸島です。調査した結果、古代遺跡が幾つかの島々で見付かったのですが・・・なにぶん遠く、遺跡自体の調査、発掘が中々出来ずにいるのです。」
冬夜「大人数で船で渡っては?」
レリシャ「この島は長く滞在するのに適していません。気温差が激しく魔獣も多いのです。」
雄也「何でそんな島に古代遺跡があるんだ?」
レリシャ「恐らくですが、古代文明が栄えていた時はこの島々はもっと大きな1つの島ではなかったと・・・」
冬夜「長い時の中で島が沈み、島の人々はその地を捨て、結果魔獣が蔓延る無人島になってしまった・・・か。」
レリシャ「更に問題は、この古代遺跡がかなり広いダンジョンだと言う事です。」
雄也「ダンジョンんだと?」
レリシャ「ええ。恐らくは古代の魔導師か賢者辺りが作り上げたものかと思われるのですが、だとしたらどんな財宝が眠っていても可笑しくはないのです。これはギルドとしては見逃せない訳でして。通常、こう言ったダンジョンは冒険者に依頼を出し、探索をして貰うのが定石です。しかし場所が場所だけにそう簡単にもいかない訳でして。そこで提案なのですが、このダンジョンがある島とブリュンヒルドを公王陛下と公爵様にゲートで繋いで頂けないかと。」
雄也・冬夜「は?」
レリシャ「つまりダンジョンへ挑む冒険者達の玄関口として欲しいと言う事です。この国へダンジョン探索者が集まれば町は発展する。ギルドとしては冒険者を送れて、調査も進み、財宝や魔獣の素材を彼らから買い取れる。どうでしょう?」
冬夜「はあ。そう言う事ですか。」
雄也(ダンジョンで町興し。悪くない話だな。)
冬夜「質問が何点か。その島は何処かの国の領土ではないのですか?」
レリシャ「現在ギルドで監視してはいますが、何処の国のものでもありません。言ってみればギルドが所有している土地です。先ほどの提案が受け入れられれば、公国に譲渡しても構わないと考えています。勿論、遺跡に関する情報の提供や財宝の売却権利などを保証して貰えるならばですが。」
雄也「俺からも質問良いか?そんな情報を漏洩して、俺達が直接ダンジョンを探索して財宝を独占するとかは考えてなかったのか?」
レリシャ「ふふ。そんな事をする方が世界の王達を纏めフレイズを倒そうとするでしょうか?これでもギルドマスターとして人を見る目はあるつもりです。」
雄也(そう言ってくれるなら、期待を裏切る訳がないな。)
彼女の言葉に、雄也と冬夜がお互いを見て頷いた。
冬夜「分かりました。その提案受け入れましょう。」
レリシャ「ありがとうございます。」
提案を受け入れた2人。
ギルドを出た後。
冬夜「ダンジョンか・・・これで町が賑わえば良いけど。」
雄也「んじゃ、ちょっくら先行調査しに行きまひょか。」
ダンジョンへGO!!
『END』
キャスト
伊狩雄也:増田俊樹
望月冬夜:福原かつみ
リンゼ・シルエスカ:福緒唯
九重八重:赤崎千夏
リーン:上坂すみれ
ユミナ:高野麻里佳
ヒルデガルド:芹澤優
ライザーク:梅原裕一郎
レリシャ:小山百代
受付嬢:八木侑紀
イリスファム:幸村恵理