異世界はガウストとともに。   作:naogran

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33話「新たなダンジョン、そして新たな召喚獣。」

レリシャの言葉に乗り、雄也と冬夜は飛翔し早速ダンジョンへ向かった。

 

冬夜「お、見えて来た。」

 

ダンジョンがある島は、大海原のど真ん中にあった。

 

雄也「結構遠かったなぁ。ハネムーンにはもってこいな位置にあるな。」

 

冬夜「えっと、ダンジョンは確か3つあるんだっけか?」

 

ライザーク「お。冒険者の団体様が屯ってるぞ。」

 

 

 

 

ダンジョンがある島に着地。

 

雄也「よっ。監視のギルド員の団体様か?」

 

冒険者「だ、誰だ!?」

 

冬夜「レリシャさんから依頼を受けた者達です。あ、これギルドカードね。」

 

金のギルドカードを見せる。

 

冒険者「金・・・!?で、ではブリュンヒルドの・・・!失礼致しました!!」

 

冬夜(凄いなギルドカード。)

 

雄也「レリシャからダンジョンのある島とブリュンヒルドを繋ぐよう頼まれてな。って、本人呼んだ方が早いか。」

 

冬夜「ゲート。」

 

ゲートを開き、レリシャを呼んだ。

 

レリシャ「提案したのは確かにこっちですけど、こうも行動が早いと何か腑に落ちないですね。」

 

雄也「結構行動力が速いもんでね。」

 

冬夜「僕達はちょっとダンジョンに潜ってみますけど、皆さんはどうします?」

 

レリシャ「私はブリュンヒルドで手続きを進めます。申し訳ありませんが、この者達をサンドラ王国の港まで転移して貰えませんでしょうか?」

 

冬夜「了解です。」

 

早速船を出し、冒険者達をサンドラ王国の港へ送ってあげた。

 

雄也「んじゃ、道を作りながらダンジョンの観光へと参りますかな?」

 

 

 

 

ダンジョンに入ると、下に通ずる階段がある。

 

冬夜「ライト。」

 

雄也「プラズマボーイ。」

 

ライトとプラズマボーイのライトボールでダンジョンを照らす。

 

冬夜「暗いなあ。」

 

ライザーク「まあダンジョンだから当たり前だな。」

 

雄也「にしても、分岐が多いな。下手したら迷子確定だ。」

 

冬夜「まあ僕は迷っても『ゲート』で戻れるんだけど。アレ?ちょっと待てよ?・・・マップ表示。現在位置のダンジョン地下1階。」

 

スマホ『表示します』

 

ダンジョン地下1階のマップが表示された。

 

冬夜「されちゃったよ。」

 

雄也「マジ?」

 

ギアレットハンターでマップを表示させた。

 

雄也「俺も出来たよ。」

 

冬夜「うーむ。先が分かってると楽しみも半減だな。」

 

雄也「ダンジョンってのは先が分からないから面白いのによ。」

 

冬夜「この地図を売り出せば儲けられるような気もするが・・・止めとこう。冒険者達も自分達で調べたり見付けたりした方が面白いだろ。」

 

雄也「んじゃ、一旦帰宅!」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド公国・冒険者ギルド。

 

レリシャ「島とブリュンヒルドを繋ぐ門ですが、通行料とかはどうしますか?」

 

冬夜「通行料ですか?」

 

レリシャ「あちらは行き止まりなので、行く時だけお金を払うと言う形になると思いますが。」

 

冬夜「んー・・・そうですね・・・じゃあ銅貨1枚程で。」

 

レリシャ「随分と安いですね。」

 

冬夜「あまり高いと、あっちに行ったまま帰って来ない可能性もあるかなって。」

 

雄也「それに通行料で稼ぐのが目的じゃないし。出来たらこっちへちょいちょい戻って飯や宿を利用して貰いたいしな。」

 

冬夜(恐らく武器や防具が沢山必要になるだろうな。後は傷薬やポーションも・・・いい機会だし町に設療院を作るか。ちょっと楽しくなってきた。)

 

レリシャ「それから陛下。公爵。3つのダンジョンの名称を決めて頂けますか?」

 

冬夜「名前かあ。」

 

雄也「そうだなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

数日後。開通したダンジョンに多くの冒険者が利用している。

 

監視員「アマテラス。ツクヨミ。スサノオ。どのダンジョンも連日冒険者達で賑わっています。」

 

冬夜「何か問題は?」

 

管理人「今の所ありません。何組かのパーティが少々諍いを起こした位ですかね。」

 

ライザーク「人が増えた分、治安が少々乱れ始めてるみたいだな。」

 

雄也「なぁに。そこはウチの騎士団が遠慮なくこってり絞ってくれるさ。」

 

冬夜「武田忍びの皆さんも引き続き監視お願いします。次は・・・宿を増やさないとかな?」

 

 

 

 

銀月で改装開始。

 

ミカ「ふああ・・・相変わらず無茶苦茶ね・・・」

 

 

 

 

雄也『銀月をちょいとカスタムさせてくれ。』

 

 

 

 

ミカ「って来たと思ったら、2、3時間で終わっちゃうって・・・呆れて物が言えないわ。」

 

アエル「凄いですねぇ・・・」

 

雄也「後はデカくなった分、従業員を何人か雇用しないといけないな。」

 

ミカ「あ、それなた私に当てがあるわ。リフレットの知り合いが何人かこっちで働きたいって言ってるのよ。」

 

雄也「ミカの知り合いなら大丈夫だな。早速だがリフレットに行くか。」

 

 

 

 

 

 

リフレットに到着。

 

冬夜「後は武器や防具、道具類の充実かなあ。やっぱ輸送の効率を上げたいよな。」

 

 

 

 

服飾店・ファッションキングザナック。

 

ザナック「やあやあやあ!これは公王陛下に公爵様!リフレットまでお越しになるとはどうしたんですか?」

 

冬夜「あっちの『銀月』で働き手を探してましてね。ミカさんの知り合いを勧誘しに来たんですよ。時間があったのでちょっとこっちに寄ってみました。」

 

ザナック「それはそれは。では新しい従業員用に制服の発注を貰える訳ですな?」

 

雄也「あ、ああ頼む。後日ブリュンヒルド支店の方へ発注させて貰う。」

 

ザナック「そうそう。陛下に聞こうと思っていたのですが・・・実はロードメアの貴族様からドレスの注文がありまして。他に類を見ない珍しいデザインを求めていらっしゃるのですが、陛下なら何かそう言ったものをお知りではないかと・・・」

 

冬夜「ドレスのデザインですか。そうですねぇ・・・」

 

スマホでドレスのデザインを探していると、武器屋熊八店主のバラルが慌てて駆け込んだ。

 

バラル「ザ、ザナックの旦那!!竜だ!竜が現れた!早く逃げろ!」

 

雄也・冬夜・ザナック「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

リフレットに巨大な竜が上空を飛んでる。

 

雄也「種類はワイバーンか。よっと!」

 

ギアレットハンターの釣り糸を射出し、ワイバーンの首を絞める。

 

冬夜「フライ!」

 

フライで飛翔し、ワイバーンの目線に止まる。

 

ワイバーン『グルアァァァァァァァ!!!』

 

冬夜「グラビティ!」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!!」

 

グラビティの荷重とライトニングシャワーの押し落としと雄也の引っ張りが重なり、ワイバーンが地面に落ちた。

 

冬夜「ったく・・・人騒がせな。」

 

雄也「遊びたいならお祭りの時にしとけよな。」

 

ザナック「いやはや・・・やはり凄いですなあ。ワイバーンをあっと言う間に・・・お2人がこの町に居てくれて助かりました。」

 

ドラン「町が被害を受けなくて良かったが・・・ところでこれどうするんだ?」

 

冬夜「そうですね。肉はドランさんの所に差し上げますよ。確か竜肉は美味だって聞いた事があります。」

 

雄也「皮はザナックに差し上げる。レザージャケットとか色々なものに使えるし。骨はバラルに。武器の素材としては丁度良いし。」

 

ミカ「ちょ、ちょ、ちょっと分かってる!?竜って最高素材なのよ!?それをポンとあげてもいいの!?」

 

雄也「って言っても今の俺らには必要ないし。」

 

冬夜「それに皆には世話になったからね。恩返しって訳じゃないけど受け取ってくれれば。(この町で過ごした期間は長くなかったけど、この世界に来て初めに色々と教えて貰ったからな。こんなもので喜んで貰えるなら安いもんだ。)」

 

雄也「そうだ。剥ぎ取る時に尻尾の棘に注意しとけよ。そこ猛毒みたいだから。」

 

バラル「っと。そうか分かった。」

 

冬夜(しかし何だってこんな所にワイバーンが現れたのか・・・レリシャさんから聞いたこの頃頻発してる竜の目撃情報と何か関連が・・・?)

 

ワイバーンの解体中、バラルがある物を発見した。

 

バラル「・・・んん?何だこりゃ?」

 

それは、巨大な針のような金属だった。

 

雄也「何だそれ?針?」

 

バラル「ワイバーンの頭に打ち込まれていたようだが・・・」

 

冬夜「何やら魔力を帯びているな・・・ひょっとしてこれで竜を操っていた黒幕がいるのか?」

 

雄也(もしや『蔵』から落っこちたアーティファクトの類か?)

 

冬夜「また厄介子とが起こりそうな予感がする。」

 

 

 

 

 

 

針のような物をシェスカとロゼッタに見せた。

 

シェスカ「はっきり言いますと、この魔道具はバビロン博士の作品ではありません。」

 

雄也「って事は、蔵の落とし物じゃないって事か?」

 

シェスカ「はい。」

 

ライザーク「じゃあこの針は何なんだ?」

 

ロゼッタ「これは『支配の響針』でありますな。エルクス博士の作品ではあります。」

 

冬夜「エルクス?」

 

シェスカ「デボラ・エルクス博士。パルテノで一流のマイスターと呼ばれていた人です。まあバビロン博士には遥かに及びませんでしたが。エルクス博士は何と言いますか、バビロン博士に強い敵愾心を持っていまして、彼女のアーティファクトはバビロン博士に言わせると・・・」

 

 

 

 

バビロン『強力ではあるが安全性に難あり。汎用性に富むが、使用者に負担を強いる。目新しさがなく面白くない。』

 

 

 

 

シェスカ「とこんな感じでした。」

 

ロゼッタ「バビロン博士がより出来が良いものをあっさり作るもので余計に敵意を向けられていたようであります。」

 

冬夜「あの博士の事だから、相当おちょくったんだろうなあ・・・」

 

雄也「んで、この支配の響針ってのは何の効能があるんだ?」

 

ロゼッタ「これは魔獣を使役する為のアーティファクトであります。魔力を込めて頭に打ち込むと、その魔獣を自由に操れる代物でありますが、その力を限界まで引き出す代わりに魔獣の寿命を削り、魔獣と使用者の精神を無理矢理繋ぐ事から、使用者の精神に障害を与える可能性が判明したので廃棄処分になったと聞いたであります。」

 

雄也「成る程。強力が故に安全性に欠けるって訳か。」

 

冬夜「バビロン博士も『不死の宝玉』みたいなものを作っているもんだから人の事は言えないと思うけど・・・あのワイバーンの使役者はその辺りの事はしっているのかな?」

 

雄也「けどのワイバーンと言えど奴はドラゴンだ。最強の生物と言われるだけあって数を揃えられると厄介だぞ。」

 

冬夜「確かに。ミスミドの聖域にいた赤竜とかが襲って来たら面倒な事になりそうだ。」

 

紅玉「主、宜しいでしょうか?」

 

冬夜「?」

 

召喚獣の紅玉が提案を申し出た。

 

紅玉「竜の事ならば『蒼帝』を呼び出し聞いてみるのが良いかと具申します。」

 

ライザーク「蒼帝?琥珀の仲間で、四神の一。東の青竜・・・って合ってるよな?」

 

紅玉「はい。」

 

冬夜「確か琥珀は獣。珊瑚と黒曜は鱗族。紅玉は鳥を支配する神獣だったな。でも魔獣は対象外なんじゃ?」

 

紅玉「厳密に言うと竜は魔獣ではありません。それ自体が一つの種であり蒼帝の眷属です。それ以外には蜥蜴や鰐などがいますね。竜を相手にするのであれば呼んでおいて損はないかと。私も久し振りに顔を見たいので。」

 

琥珀「主!!私は反対です!!」

 

雄也・ライザーク「何じゃ!?」

 

突如激怒状態の琥珀が割り込んだ。

 

琥珀「あんな嫌味ったらしいのを呼び出さなくても主なら問題を解決出来ます!!どうかご再考を!!」

 

冬夜「何だ何だ!?って言うか大きいままで迫って来るな!怖い!」

 

珊瑚「嫌味かどうかは置いといて、蒼帝なら適任ではないか。」

 

黒曜「琥珀ちゃんは蒼ちゃんと仲悪いからねぇ。まあ必死だこと。プププ。」

 

琥珀「ぐっ・・・」

 

小さいサイズに戻った。

 

琥珀「確かにそうだが・・・我々の中にアイツが入ると面倒な事になるのが分からんのか!屁理屈ばかり抜かす捻くれ者だぞ!ああ思い出したら腹が立ってきた!!」

 

床に寝転がってジタバタする。

 

雄也「余程嫌いなのが伝わってくる・・・」

 

紅玉「直情的な琥珀と理性的な蒼帝は水と油です。仲が悪いと言うよりは馬が合わないと言いますか。それぞれ良い所を認め合っているはいると思うのですが、なにぶん2人共頑固で。」

 

琥珀「誰が!認めてるとしやたあの達者な口と空気を読まない無神経さ位だ!!」

 

冬夜「話が進まないっつの。琥珀の言い分は分かったけど、取り敢えず召喚してみるよ。」

 

琥珀「そんなー・・・」

 

雄也「まあ別に無理に仲良くしろだなんて言わないからさ。」

 

冬夜「でも口喧嘩ぐらいなら良いけど、本気で喧嘩するならどっちもお仕置きするからな。」

 

 

 

 

 

 

広大な草原。

 

冬夜「春と木。東方と大河を司る者よ我が声に応えよ。我の求めに応じ、その姿をここに現せ。」

 

魔法陣から青色の竜・蒼帝が現れた。

 

蒼帝「・・・ふむ。懐かしい気を感じてみればやはり君達か。こんな所で出会うとはね。一体どう言う状況なんだこれは?」

 

珊瑚「久し振りじゃ蒼帝!」

 

黒曜「蒼ちゃんお久し振り〜!」

 

紅玉「お元気そうで何よりです蒼帝。」

 

蒼帝「ふむ。挨拶も出来ない小物がいるようだがまあ許そう。私は心が広いからな。」

 

琥珀「ぬかせ!この青トカゲが!心が広いだと!?陰湿な言葉を吐く根性曲がりがよくも言えたものだ!」

 

蒼帝「私が根性曲がりと?なら君は根性が曲がり過ぎて輪になってるんじゃないのかね?」

 

琥珀「何だと!?」

 

冬夜「はいはいそこまで。」

 

怒りが頂点に達した琥珀を冬夜が宥めた。

 

蒼帝「察するに君が私を呼び出した者か。名前は?」

 

冬夜「望月冬夜。この国の国王をやっている。」

 

雄也「んで俺が伊狩雄也。この国で公爵をやってる。」

 

蒼帝「ほほう。炎帝はまだ分かるとしても、どうやって白帝や玄帝達の協力を仰いだか気になる所だが。」

 

黒曜「協力も何も。彼は私達のご主人様よぅ?」

 

蒼帝「・・・何?」

 

4人のご主人の冬夜をジッと凝視する。

 

蒼帝「・・・確かに妙な気配を感じるが・・・君は何者だ?」

 

琥珀「疑問に思うのならば、自らで確かめてみたらどうだ蒼帝。我が主はお前とも契約を結ぶつもりだからな。我らを従えたその力を試したくはないか?」

 

蒼帝「む・・・君の口車に乗るのは癪だが・・・確かに気になるな。良かろう。この者の実力を試してみようじゃないか。」

 

口車に乗った蒼帝に琥珀は密かにニヤリと笑んだ。

 

冬夜「で、どうするの?戦えば良い訳?」

 

蒼帝「ふむ。まあそうだね。君の実力が分かれば良い。ああ、殺しはしないから安心したまえ。」

 

黒曜・紅玉「ぷ・・・!」

 

この2人は吹いてる。

 

冬夜「まあいいか。じゃ行くよ。準備はいい?」

 

蒼帝「構わんよ。いつでも来たまえ。」

 

冬夜「そんじゃ遠慮なく。」

 

雄也「やったれ。」

 

冬夜「アクセルブースト!」

 

高速で蒼帝に急接近する。

 

蒼帝「なッ・・・!?」

 

冬夜「グラビティ!」

 

蒼帝「ぐふうっ!?」

 

グラビティに押され、地面に倒れた。

 

蒼帝「ぐっ・・・な、何だこの魔法は・・・!こんな強力な魔法を使って・・・何でそんな平然と・・・!」

 

琥珀「くはははは!蒼帝よ主の実力を見誤ったな!召喚されたはずの我らがこうして普通に顕現している事に疑問を持たなかったのか?」

 

雄也「琥珀お前はしゃぎ過ぎだろ。」

 

蒼帝「そう言えば・・・!バカな・・・君達全てを呼び出したまま顕現させておくなど・・・!どれだけの魔力を消費してるのだ!?」

 

琥珀「くっくっく。良い事を教えてやろう。我らを呼び出し、自由に存在させた上で。尚、主の魔力は少しも減ってはおらん。それどころか他に何百体もの召喚獣を使役しても何ともないのだ。」

 

蒼帝「バ、バカな・・・!」

 

琥珀「ふはははは!ざまあないな!思い知ったか!これが我が主!望月冬夜様の実力だ!殺さないから安心しろ?どの口が言ったのやら!」

 

黒曜「嬉しそうねぇ琥珀ちゃん。」

 

珊瑚「まあ分からんでもないが・・・」

 

紅玉「ちょっとアレは引きますね・・・」

 

ライザーク「何か見てるこっちが恥ずかしい・・・」

 

蒼帝「くっ・・・」

 

グラビティに対抗するように力んで体を起こそうとする。

 

冬夜「お、やるね。加重。」

 

蒼帝「ぐ、ぐふうっ・・・!」

 

起きあがろうとする蒼帝に加重で再び跪かせた。

 

雄也「お前無慈悲か。」

 

冬夜「そろそろ降参して欲しいんだけど?

 

蒼帝「・・・わ・・・分かり・・・ました。私の負けです。あなたと契約致しましょう。」

 

雄也「呆気なかったな。」

 

ライザーク「何時もの事だ。」

 

 

 

 

呆気なく蒼帝を打ち負かし、契約を結ぶ。

 

蒼帝「そのお力を見抜く事が出来ず、失礼致しました望月冬夜様。何卒私と主従の契約をし、どうか私に新たな名を授けて下さい。」

 

冬夜「名前か。そうだな・・・琥珀。珊瑚。黒曜。紅玉と来たから・・・ここはやっぱり瑠璃かな?」

 

蒼帝「瑠璃・・・でございますか?」

 

冬夜「そう。ラピスラズリとも言うけど、青い鉱石の名前でね。僕の国の言葉で瑠璃。」

 

瑠璃「分かりました。以後私を瑠璃とお呼び下さい。」

 

冬夜「ん。宜しく。」

 

蒼帝改め瑠璃と命名された。瑠璃がドラゴンから小動物の姿に変わった。

 

冬夜「あ、後琥珀とあんまり喧嘩しないように。喧嘩両成敗だからね。」

 

瑠璃「なるべく我慢致しましょう。」

 

琥珀「我慢するのはこっちだ!」

 

冬夜「あ〜〜〜もう。」

 

2体が小動物姿で喧嘩する。

 

雄也「はいはい喧嘩しないで仲良く仲良く。」

 

冬夜「何だってこんなに仲が悪いんだ?」

 

黒曜「女同士蟠りがあるのよぅ。そこら辺はご主人様や雄也様でも踏み込むと火傷するわよぅ。」

 

冬夜「全く・・・召喚獣でも女は怖いな・・・」

 

雄也「女の喧嘩は厄介なもんだねぇ・・・」

 

雄也・冬夜「・・・え?」

 

冬夜「あれ?女同士?」

 

雄也「ちょいと聞くが、お前ら性別は?」

 

黒曜「全員メスよぅ。」

 

珊瑚「嘘を吐くでない。貴様はオスだろうが。」

 

新たな真実。琥珀はメスだったのだ。

 

冬夜(僕、琥珀っててっきりオスかと・・・)

 

雄也(ライオンだったら性別見分けれるのになぁ。)

 

 

 

 

 

 

事が終わった後。

 

瑠璃「竜にも様々な種がいて、一概には言えないのですが。そもそも『支配の響針』で竜が支配されていたとしたら私は何も出来ません。上位竜の所謂エルダーと呼ばれる種であれば支配される事はないはずですが・・・」

 

冬夜「エルダー?」

 

雄也「高齢者の竜?」

 

瑠璃「竜は成長すると言うよりは、進化して大人になっていくものです。インファント。ヤング。アダルト。エルダー。それからエンシェント。」

 

ライザーク「エンシェント。古って意味か。」

 

瑠璃「エルダーに至るのは、上位竜と呼ばれる種のみで、下位竜、所謂ワイバーンのような竜が進化する事はありません。知能も差が激しく、ヤングなどは人の言葉は理解しても話す事は出来ません。冬夜様と雄也様が以前倒したと言う黒龍はヤングでしょうね。赤竜はエルダーに当たります。『支配の響針』の影響を受けないのは強い精神力を持つエルダー、エンシェントの類だけでしょう。」

 

冬夜「となると、かなりの数が危険なのか。兎も角どうなっているか事情を聞きに行くか。ミスミドの聖域とやらに赤竜が居るらしい。」

 

雄也「赤竜か。懐かしいな。」

 

 

 

 

 

 

ミスミド王国の聖域。

 

赤竜「蒼帝様に於かれましては、此度の顕現おめでとうございます。」

 

瑠璃「呼び出された理由が君達眷属の尻拭いってのがアレだけどね。で、我々が来た理由は分かっているのかな?」

 

赤竜「は。一部の者がしでかした不始末誠に申し訳なく。・・・竜とは推し並べて強くそして賢い。ではるが、それは時として傲慢さとなって表面化する。自分達が何よりも強く進化の頂点であると。初めは若い竜達の暴走にありました。ありがちな反抗期の1つとして、さして問題ににしてもいなかったのですが。」

 

冬夜「ミスミドで僕らが倒した黒竜と同じパターンか。」

 

赤竜「実はその黒龍が今回の件の切っ掛けらしいのです。」

 

雄也「何?」

 

赤竜「あの黒竜は若い竜の中でも下っ端ではありましたが、それでも仲間を殺されて黙っていられなかったのでしょう。すぐ様報復するべきだとの声が若い竜から上がりました。」

 

雄也「おいおい待てよ。最初に聖域から出て来て村でお祭り騒ぎを起こしたのはあっちの方だろ?」

 

赤竜「無論そんな事を言い出したのは若い竜の一部だけで。後の者は人間達と諍いを起こすべきではないと諌めました。その時は奴らも不承不承の態ではありましたが引き下がったのです。しかしそんなある日・・・」

 

 

 

 

ドラゴネス島から使いの竜が来訪してこう言った。

 

使いの竜『ドラゴネスの竜は『竜王』の配下となった。以後干渉不要。』

 

 

 

 

冬夜「竜王?あれ?竜って瑠璃の支配下にあるんじゃないの?」

 

瑠璃「普通の状態であれば。つまり普通の状態ではなかったって事ですね。そもそも人間達となるべく余計な争いをするべきではないと定めたのは私です。こうも露骨に逆らわれたのは初めてですね。」

 

赤竜「蒼帝様がお隠れになって既に何千年も経っておりますからな。若い竜はその存在さえも知らない者もおりますから。」

 

雄也「んで、その竜王ってのは何者なんだ?エンシェントの中の1匹とか?」

 

赤竜「いえ。竜人族の男だそうです。」

 

ドラゴネス島に現れ、その島の若い竜を支配し、島に生息するエルダー達を集団で皆殺しにした。そして残るアダルト達をも力付くで従えたと言う。

 

冬夜「その男が『支配の響針』を使っていると言う事か。」

 

赤竜「限界を超えた力と掟に縛られぬ自由を竜王からは与えられるそうです。我が聖域に不満を持っていた若い竜達はこぞって島へと赴き、戻って来た時には我々では押さえられない力を得ておりました。」

 

瑠璃「何とも情けない話ですね。僅か数千年の間に我が眷属はここまで馬鹿になったとは。」

 

赤竜「返す言葉もございません・・・」

 

ライザーク「話は大体分かった。竜王って奴がその騒動の元凶なんだな?竜達は自ら望んで人間と痴話喧嘩を始めちゃっていると。つまり、アイツらを退治しても文句はないな?」

 

赤竜「・・・『誇りを忘れた竜は蜥蜴にも劣る』。蒼帝様のお言葉でございますが、最早あやつらは竜にあらず。如何様にご処分されてもその意に従いましょう。」

 

瑠璃「誇りと傲慢さは似て非なるもの。自らを誇るあまり他人を見下したその瞬間からそれは傲慢さに変わる。私も最近痛い目に遭ったばかりです。」

 

雄也「説得力ある台詞。」

 

冬夜「それな。取り敢えず竜の動向を見てみるか。えーっと、『支配の響針』を打ち込まれている竜・・・」

 

支配の響針を打ち込まれている竜をマップに表示した。

 

雄也「こっちも同じのを。」

 

ギアレットハンターにも同じマップを表示した。

 

雄也「ん〜。カルガモの親子みたいにお散歩してる真っ最中だな。」

 

冬夜「それに、世界中に分散して皆好き勝手にやっている感じだ。数が特に多いこの場所がドラゴネス島か。」

 

雄也「ん?おい冬夜、こっちに向かってる一団がいるぞ。」

 

冬夜「え?本当だ!コイツらブリュンヒルドを目指しているのか!?瑠璃!雄也!ライザーク!皆が危ない!一旦戻るぞ!」

 

雄也「よっしゃ!」

 

ライザーク「合点承知!」

 

瑠璃「仰せのままに!」

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
        琥珀:甲斐田ゆき
        黒曜:二又一成
        珊瑚:松井菜桜子
        紅玉:桑島法子
        蒼帝:豊口めぐみ

     ライザーク:梅原裕一郎

   フランシェスカ:大久保瑠美
    ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
      レリシャ:小山百代
        ミカ:原紗友里
       アエル:吉岡茉祐
      ザナック:鈴木琢磨
       ドラン:金光宣明
       バラル:堂坂晃三

        赤竜:柴田秀勝
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