異世界はガウストとともに。   作:naogran

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34話「竜王、そしてダンジョンの不適者。」

スマホとギアレットハンターのマップが竜の大群の接近を確認。雄也と冬夜は緊急会議を開いた。

 

冬夜「と言う訳で、まもなく竜の大群がこちらへやって来ます。」

 

雄也「面倒だからサクッと遊ばせてお寝んねさせるぞ。」

 

山県「馬場殿・・・俺、何から突っ込めばいいのか分からねぇよ。」

 

馬場「安心しろ山県。儂も分からん。」

 

ニコラ「ちょ、ちょっと待って下さい陛下!公爵!竜ってあの空飛んで口から火を吐くあの竜ですか?」

 

雄也「そうその竜。どうやらこっちに向かって、俺達の国を滅ぼそうと祭りを開くそうだ。」

 

レイン「あの・・・大群って何匹位なんです・・・?」

 

冬夜「通常の竜が20位?後はワイバーンみたいな翼竜が100位か。此間のフレイズに比べたら大した敵じゃないだろ?」

 

ニコラ・レイン「いやいやいや。」

 

ノルン「これってあれよね?陛下と公爵がサクッと殺っちゃうって事よね?」

 

冬夜「初めはそう思ってたんだけど、序でなんでこれを利用しようかと思ってさ。」

 

ノルン「利用?」

 

冬夜「そう。氣志團の集団行動訓練をしようと思って。竜相手なら充分でしょ?」

 

全員「ええ!?」

 

雄也(驚くのも無理はない。正直のとこ、ウチの騎士団はかーなーり強いと思う。けど魔獣も少なく、友好国に囲まれて立地上殆ど戦闘の機会がない。ここらへんで経験値稼がせないとな。)

 

レイン「うちの騎士団は諜報部隊を合わせても100人行かないんですよ!?1人1匹以上倒すなんて無理です!それに空を飛んでる相手とどうやって戦うんですか!?」

 

雄也「それは案ずるな。飛んでるのは俺と冬夜が落とす。それとブレスには注意しろよ?」

 

冬夜「騎士団の盾には耐熱障壁が付いているから何とかなるでしょう。」

 

レイン「何とかって・・・」

 

冬夜「一応安全策として、瑠璃や琥珀達も投入する。」

 

雄也「俺からは数体のガウストを派遣する。俺と冬夜はサポート役を担う。」

 

冬夜「それにこれはチャンスだと思う。僕らは出来たばっかりの国だけど、そこの騎士団が100匹以上もの竜を撃退したと知れ渡れば、今後ユーロンみたいに手を出して来る国は減るかも知れない。」

 

ニコラ「ま、まあフレームギアがあれば竜ぐらい倒せますよね。なら・・・」

 

雄也「それなんだが、フレームギアは出さない。」

 

ニコラ・レイン「ええ!?」

 

雄也「理由としては、人間の底力を竜共にお披露目と言う面がある。奴らがおもちゃ同然と思ってる人間の力を思い知らせてやる。それと、これが1番大事な事だ。」

 

全員「?」

 

雄也「竜の素材は金になる。金があれば色々資金繰りが出来るし、何より美味い物が食い放題だ。」

 

冬夜「そして皆にボーナスも出せます。」

 

ニコラ「やるか!」

 

全員「おお!!」

 

ライザーク「何か単純だなこの騎士団。」

 

雄也「これ位が丁度良いさ。」

 

 

 

 

 

 

後日。竜の大群が見える荒野へやって来た。

 

瑠璃「見えました。後3分程でここに来るかと。」

 

雄也「団体様のお出ましか。豪華なコースが待ってるぜ?」

 

冬夜「何かギャアギャア言ってるなあ。」

 

瑠璃「『皆殺しだ!』とか『焼き尽くせ!』とか言ってますね。後は下品な笑い声が。ギャハハハとか。我が眷属とはとても思えぬ落ちぶれのようです。それともあの魔道具に何か狂気を齎す効果があるのか・・・」

 

冬夜「しかしまあそんな事言ってるなら、遠慮する必要はなさそうだな。」

 

雄也「よし!先手必勝!敵と定めたらやられる前にやるぜ!」

 

冬夜「嵐よ切り裂け!億万の風刃!テンペストエッジ!」

 

ルナフィン「乱れシャイニングムーン!」

 

テンペストエッジと乱れシャイニングムーンが竜達の翼を切り裂いた。翼を切り裂かれた竜達が地上に落下する。

 

ノルン「ブリュンヒルド騎士団!全員突撃ぃーーーーーー!!!」

 

騎士団「おおおおおおーーーーーー!!!」

 

ブリュンヒルド騎士団が突撃を開始した。

 

 

 

 

瑠璃「では私も参ります。琥珀ばかりに任せてはおけませんからね。」

 

冬夜「あくまで皆のサポートで頼むね。」

 

瑠璃「心得ております。」

 

そう言うと瑠璃が落ちた竜をブレスで焼き尽くした。

 

雄也「ありゃりゃ。こんがり美味しそうに焼けたな。」

 

冬夜「うーむ。そいつらはお金になるんだから、あんまり吹き飛ばしたりして欲しくないんだけどな。」

 

ユミナ「私達も支援魔法を。」

 

リンゼ「そうですね。炎よ退け!防炎の障壁!ファイアレジスト!」

 

ユミナ「風よ与えよ!祝福の追風!テールウインド!」

 

 

 

 

2つの防御魔法が、騎士団達を包み込んだ。

 

レイン「大盾隊前へ!突撃隊その後に続けぇ!」

 

騎士団「おお!!」

 

レイン「はあああああああああ!!!」

 

剣で落ちた竜を仕留めた。

 

レイン「よし!次行くぞ!」

 

騎士団「おう!」

 

 

 

 

雄也「順調に遊んであげてるな。」

 

冬夜(剣の神様に毎日指導して貰ってる成果は出てるな。)

 

諸刃「冬夜君。雄也君。やはり私も行ったらダメかな?」

 

雄也「いやアンタが先陣に出たら騎士団の訓練にならへんでしょ。」

 

諸刃「しかしだね。万が一と言う事もある。そんな状況に対応出来るように私は彼処に居た方が良いと思うんだ。」

 

体がウズウズしてる。戦いたくてしょうがない。

 

雄也「・・・どうする?」

 

冬夜「む・・・う。基本は皆のサポートですからね?無双しちゃダメですよ?」

 

諸刃「分かっている。分かっているよ。」

 

剣を受け取り、そのまま竜を無双し始めた。

 

冬夜「無双するなって言ったのに・・・」

 

雄也「言わんこっちゃない。」

 

冬夜「まあこれでこちらの負けはないだろ。」

 

エルゼ「私達は行っちゃダメなの?」

 

不参加のエルゼと八重とルーシアとヒルデガルド。

 

雄也「あのな。お前らまで行ったら本当に騎士団の晴れ舞台が無くなるんだぞ?だから大人しくしとけ。」

 

 

 

 

馬場「うらあああぁぁぁ!!!!」

 

山県「オラオラオラ!掛かって来いよ蜥蜴共!!!」

 

 

 

 

冬夜「テンション上がってるな。」

 

”ギャアギャア!”

 

雄也「ん?何て言ってんだ?」

 

黒曜「んー。罵詈雑言の嵐ね。『下等生物が!』とか『群れなければ勝てぬ弱者め!』とか。どの口が言ってるのやら。」

 

雄也「負け惜しみか。そのまま言わせてやれ。」

 

一方の瑠璃は竜を焼き尽くしてる。

 

雄也「おいおい黒焦げだ。金にならねえ・・・」

 

ライザーク「何やら怒りの感情が湧き上がってるみたいだ。」

 

黒曜「そりゃああんなのが自分の眷属なんて泣きたくもなるわ。」

 

 

 

 

しばらくして、竜の殆どが壊滅した。

 

黒曜「そろそろ終わりそうねぇ。」

 

冬夜「コイツら本当に上位竜程の力を持ってたのか?」

 

雄也「その割に頭悪過ぎだろ。」

 

黒曜「1匹1匹はそれに近い力を持ってたのかもねぇ。でも集団での戦い方がまるでダメ。各々勝手に暴れてるだけで、全く連携が取れてないんだもの。仲間の邪魔までしてるし。頭の悪さまでは引き上げられなかったようね。年上の『エターナルドラゴン』が1匹居たらまた違っていたかもだけど。」

 

 

 

 

騎士「勝鬨を上げろーーーーーー!!」

 

騎士団「おおおおおおおおーーーーーーー!!!!」

 

竜の大群は全滅。騎士団が勝利を手に入れた。

 

レリシャ「へ、陛下!公爵!これは一体・・・!」

 

そこにレリシャが驚いた表情でやって来た。

 

雄也「ようレリシャさん。」

 

レリシャ「ドラゴンの集団がこちらへ向かっているとの情報を得たのでお伝えしようと城へ行ってみたら、陛下と公爵は居ないし、騎士団も居ないし・・・!」

 

冬夜「ああ、それはすみません。入れ違いでしたね。」

 

雄也「安心しろ。もうお掃除は終わった。」

 

レリシャ「のようですね・・・」

 

雄也「んで。これら全部ギルドで買い取って貰えるか?」

 

レリシャ「これ・・・全部をですか!?いや、買い取るのは問題ないんですけど・・・今すぐ全部の代金は払えないのですが・・・」

 

冬夜「じゃあ残りはお金が用意出来た時にって事で僕が保管しておきます。」

 

 

 

 

上空に冬夜の雄也の顔が映し出された。。

 

冬夜『騎士団の皆さんお疲れ様でした。後で竜肉を焼きますので腹いっぱい食べて疲れを癒して下さいね。勿論ボーナスもちゃんと出しますよ。』

 

騎士「肉!肉!腹減った!」

 

騎士「これで借金が返せる・・・!」

 

騎士「ブリュンヒルドばんざーい!」

 

雄也『んで、明日はフレームギアでドラゴネス島の竜の巣でお祭り騒ぎを起こすので宜しく〜。』

 

騎士団「え!?」

 

 

 

 

 

 

翌日。ドラゴネス島。

 

瑠璃「ヴォオオオオオ!!!!」

 

竜の咆哮で竜を誘き寄せる。

 

雄也「うっひょー強烈〜!」

 

冬夜「ちょ!耳がキーンとするだろ!」

 

咆哮を聞いて、竜の大群がやって来てギャアギャアと喚き始めた。

 

雄也「瑠璃、さっき何て言った?」

 

瑠璃「誇りを忘れた愚竜共よ。粛清の時は来た。死ぬ覚悟はよいか。と。」

 

ライザーク「随分と挑発的だな。」

 

そこに、竜族の男が現れた。

 

竜族の男「これはこれは。一体何処の竜使いがやって来たのかな?」

 

雄也「お?アンタが竜王と名乗る大将さんかい?」

 

竜王「ほう?早くも我が名が広まっているとは喜ばしい限り。それで君達は何者かな?」

 

冬夜「ブリュンヒルドって言う小さい国の王様さ。」

 

雄也「同じく公爵様とは俺の事だ。」

 

竜王「・・・ほう。このような所で出会えるとは。先日は我が配下の者が大変お世話になったようで。」

 

冬夜「お世話って言うか、相手にもならなかったけどね。」

 

雄也「面白い事を教えてやるよ。アンタが使ってる『支配の響針』って不良品らしいぞ。そんなおもちゃ早く手放した方が良いぞ?」

 

竜王「なっ・・・!」

 

ライザーク「驚いてるな。」

 

雄也「んで、お前に聞きたい。お前が竜を操っている人形使いで間違いないよな?」

 

竜王「操っているとは心外だな。私は解放してやっただけさ!古き竜の掟に縛られていた彼らをね!竜とは何よりも強く!何よりも気高く!何よりも賢い生物なのだよ!その竜が何故人間なんかに遠慮しなければならない!?」

 

冬夜「賢いねぇ。ここに居る竜はうちの瑠璃以外全員馬鹿だと思うがな。」

 

瑠璃「同感です。」

 

雄也「その『人間なんか』にアンタの後輩ちゃん達はお手上げって訳なんだが。」

 

竜王「五月蝿い!1対1なら戦闘能力で竜が負ける訳がない!繁殖力しか能がない人間風情が偉そうに語るな!」

 

雄也「あのなぁ、その理屈でいくとな?個々の強さが竜の長所なら、繁殖力が人間の長所で強さなんだ。それにこの程度の竜なら俺らどころか俺1人で遊び相手になれるぞ?」

 

冬夜(僕らは半神化してるらしいから、厳密に人間なのか怪しい所だけど。)

 

竜王「それでこの島へ乗り込んで来た訳か。大した自身だが、頭が可笑しいと言わざるを得んな。それだけの竜の力を持ってすれば世界をこの手にするのも難しくはないのだぞ?どうだ?私の味方になるなら、世界の半分をお前にやろうじゃないか。だから・・・」

 

雄也・冬夜・ライザーク「プーーーーーッ!!」

 

3人が吹いた。

 

竜王「何が可笑しい!!」

 

冬夜「これだけの竜が統率されてりゃまだしも、単に力を抜き出しただけの野放し状態。これの何処に怖がる必要が?」

 

雄也「『竜を操る事は出来るが、それをせず自由にさせている』とか言う態度を取ってるみたいだけど、実際は1匹2匹なら操れるけど、それ以上になると身体中が不調状態になってんだろ?」

 

竜王「うぐっ!」

 

ライザーク「お。図星か?」

 

竜王「ふ、ふふふ。操る必要などないだろう。アンタらはこれら竜の仇『竜殺し』。ここに居る全ての竜がアンタらを殺そうとしているんだ。私が一言命令すれば・・・・・え?」

 

配下の竜に胴体を噛み千切られて絶命した。

 

冬夜「うおあ・・・」

 

雄也「オーマイゴッド・・・」

 

ライザーク「成る程そう言う事か。下位竜や若い上位竜は人間の言葉を話せないが理解する頭脳を持ってる。だが操れる危険が無いと分かった以上、大将に従う理由を失ったって訳か。」

 

噛み千切られた竜王の死体が転がってる。

 

冬夜「自業自得だけど・・・これで問題は解決したって事にはならないんだろうな。」

 

すると3人の周りを竜が囲んだ。

 

瑠璃「『血祭りにあげろ!』とか『人間風情が!』とか相変わらず罵詈雑言です。」

 

雄也「ああもう子供のお世話係じゃねぇんだぞ俺らはよ。」

 

冬夜「もう面倒臭いし纏めて片付けよう。」

 

ゲートを展開。騎士団搭乗のフレームギアを召喚した。

 

冬夜「全員に通達!遠慮は無用!勝ったら今晩も竜肉でバーベキューだ!」

 

騎士団「おお!!」

 

この一言で騎士団の士気が爆上がりし、竜の大群を一網打尽にする。そんな中、1頭の竜が瑠璃を睨んでる。瑠璃がその竜の前に立つ。

 

冬夜「瑠璃?」

 

瑠璃「主。この者の処罰は私に。大した覚悟もなく、竜としての誇りを汚した奴に真の竜の強さを思い知らせてやります。」

 

すると瑠璃が、その竜の首に噛み付き呆気なく勝った。

 

レイン『陛下。公爵。何匹かの竜が地面に伏せ抵抗を止めましたが。これは・・・』

 

雄也「おい瑠璃。これは降伏って意味か?」

 

瑠璃「はい。最後にもう1度だけ降伏勧告をしました。従う者は抵抗を止めろ。でなければ『蒼帝』の名に於いて1匹残らず塵に変えると。」

 

冬夜「塵にされるのはちょっと・・・」

 

雄也「資金源だぞ。自重しとけ。」

 

冬夜「無抵抗の竜には手を出すな。向かって来る奴は倒して良い。」

 

レイン『了解。』

 

その後、竜の抵抗はなく無事戦いは収束した。

 

 

 

 

 

 

支配の響針の回収完了。

 

雄也「こんだけあったなんてな。」

 

冬夜「廃棄処分する為に集めていた場所が幾星霜の時を経て発掘された・・・とかか?」

 

雄也「そこら辺の授業を受けたかったが・・・生憎、唯一真実を知る先生はもう天国へ逝っちゃったか。」

 

冬夜(道具の使い方を間違えると身を滅ぼすってのが良く分かる出来事だったな。僕も気を付けよっと。・・・既に手遅れか?)

 

 

 

 

 

 

竜の討伐を終えた後。

 

レリシャ「ではこれが、残りの竜の素材買い取り料になります。」

 

大量の金貨が入った袋を受け取った。

 

冬夜(おぉ!)

 

雄也(ガッポリだ!しかもドラゴネス島で倒した竜の形見はストレージに残してるんだよな〜。)

 

レリシャ「世間ではかなりの噂になってますよ。ブリュンヒルド騎士団が竜の大群を相手に圧勝したって。この国に変な干渉をして来る国は減ると思います。」

 

冬夜「それならありがたいですね。」

 

 

 

 

 

 

ギルドを出た後、ダンジョンの様子を見に行く。

 

冬夜「これで皆にボーナスが出せるな。」

 

雄也「おっす。」

 

途中で屋台の商人と出会った。

 

商人「お。今日は掘り出し物がありますよ。」

 

雄也「ほう。楽しみだな。」

 

商人「陛下。公爵様。ダンジョンで何人か死人が出ました。」

 

雄也「何?」

 

冬夜「・・・そうか。冒険者である以上仕方のない事だけどね。」

 

雄也「死因は魔獣か?」

 

商人「と思われます。行ったきり戻って来ないので。どれもランクの低い冒険者だったので、恐らく力量も考えず無茶な行動を取ったのではないかと。ただ妙な事が1つ。亡くなったその冒険者達なんですが、遺品がギルドカード以外全く無いんですよ。」

 

雄也「遺品がギルドカード以外無いだと?」

 

ライザーク「スライムに肉体は溶かされるとして、剣とか鎧とかの所持品も無くなってるって事か?」

 

商人「ええ。まあこう言ったら何ですが、冒険者の中にはハイエナみたいな奴らもいるので・・・見付かったギルドカードは10人分です。どいつもこいつもそれ以外は見付かってません。」

 

冬夜「・・・10人も亡くなったのか。」

 

雄也「こりゃあ妙な臭いがするな。」

 

冬夜「ダンジョン内に魔獣に襲われないセーフティエリアや、地上への転送陣を作っておいた方がいいかなあ。お?」

 

 

 

 

ダンジョンへ挑む4人の若い冒険者パーティを見た。

 

 

 

 

雄也「いかにも駆け出し冒険者って感じだな。」

 

ライザーク「けど、さっきの商人の話を聞いた後だから少々心配になるな。」

 

冬夜「・・・ここは追い掛けて行ってみるか?」

 

雄也「そんなストーカーみたいな行為しても良いのか?」

 

リーン「あら?冬夜に雄也?」

 

雄也「ようリーン。今日は散歩か?」

 

リーン「ええ。ちょっと買い物がてら覗きにね。そっちは?」

 

冬夜「あー・・・ダンジョンをちょっと改装しようかと。休憩出来るセーフティエリアとかあれば便利かなと思って。」

 

リーン「へえ面白そうね。付いて行ってもいいかしら?」

 

そう言って冬夜の腕を抱いた。

 

雄也(ここ最近のリーンは冬夜に積極的だな。もしや冬夜と結婚したいと本気で考えてるのか?)

 

 

 

 

 

 

ダンジョンに入る。

 

冬夜「さっきのルーキー4人組は・・・もう中か?」

 

雄也「先に行ってるかもな。地下3階までお邪魔しよう。」

 

 

 

 

地下3階にセーフティエリアを造った。

 

冬夜「よし、エンチャント完了。これでこの部屋は安全だろう。」

 

『この部屋には魔獣や魔物が入り込めないので安心して休憩を取って下さい ブリュンヒルド公国公王望月冬夜』

 

壁に看板を書いた。

 

雄也「そう言えばあの4人組の姿が無かったな。」

 

冬夜「まあ初心者だし、1階辺りをウロチョロしてるのかな?顔は覚えてるし、ちょっと検索してみるか。」

 

スマホで先程の4人組の位置情報をマップに表示した。

 

冬夜「お?意外だな、地下2階まで下りて来てるのか。」

 

雄也「ん?4人じゃないぞ。他に3人の冒険者が居る。しかも部屋の隅に居る。」

 

冬夜「このパーティに連れて来て貰ったのかな?」

 

ライザーク「いや、違和感があるな。明らかに動きが可笑しい。」

 

冬夜「もしかして魔物と戦っているのか?」

 

リーン「7人も居て手こずるってよっぽど初心者なのかしら?」

 

冬夜「少なくとも4人はド素人って感じだったけど・・・相手の数が多いとかかもな。どれ、魔物や魔獣を表示っと。」

 

魔物や魔獣の位置情報を表示した。だがその表示が無い。

 

冬夜「あれ?魔物が表示されない?いや、他の地図上にはちゃんと表示されてるぞ。」

 

雄也「・・・そうか分かった!」

 

リーン「どう言う事?」

 

雄也「この4人は襲われてる。3人の不埒な団体様にな。」

 

 

 

 

 

 

4人の冒険者達は、3人の男達に追い込まれていた。

 

男A「おいおい、あんまり傷付けんなよ?大事な商品なんだからよ。」

 

男B「分かってるっつーの。」

 

男A「ったく、お前が麻痺毒を忘れて来やがるからこんな面倒な事しなきゃならねぇんだぞ。」

 

男C「いいから早くしろ。魔獣なんか出て来たら更に面倒な事にイイッ!?」

 

男2人「なっ!?」

 

真横から誰かに蹴られた。

 

男A「何だテメェらは!!」

 

冬夜「それはこっちの台詞だよ。何だお前ら?」

 

雄也「楽しそうだな。俺らも入れてくれよ。」

 

リーン「あら、どうやら間に合ったようね。」

 

男A「ひひっ。中々の上玉じゃねぇか。こりゃツイてるな。」

 

男B「おいお前ら。命が惜しけりゃその娘を置いて行きな。」

 

ナイフで雄也と冬夜を脅すが。

 

雄也「よっと。」

 

ギアレットハンターの釣り糸で男を縛った。

 

男B「な、何だこりゃ!?」

 

雄也「あらよっと!!」

 

男B「グヘエッ!!」

 

壁に男を叩き付けた。

 

雄也「そこでお寝んねしてな。」

 

男C「て、てめえ!何しやがる!」

 

男A「俺達は青ランクの冒険者だぞ!勝てるとでも・・・!」

 

冬夜「グラビティ!」

 

グラビティで残り2人を重力で押さえた。

 

雄也「プークスクス♪青ランクの冒険者が負けてやんの(笑)」

 

ライザーク「駆け出し時代から出直して来な(笑)」

 

冬夜「大丈夫?」

 

ロップ「あ、はい!オイラは少し怪我をしてますが大丈夫です!でもクラウスとイオンが・・・」

 

冬夜「回復魔法を掛けるよ。」

 

怪我をしてるクラウスとイオンを回復してあげた。

 

4人「本当にありがとうございました!!」

 

雄也「それで、君らはどうしてアイツらと一緒に?」

 

フラン「ダンジョン内で声を掛けられて・・・安全な狩場を教えてくれるって言うから付いて行ったらこんな事に・・・」

 

雄也「不用心だな。まあ初心者だからしゃーないか。」

 

リーン「さっきの会話内容からして、こいつら人攫いかしらね。」

 

フラン「はい!私達を奴隷商人に売るって言ってました。」

 

雄也「よぉし楽しい楽しい尋問を始めよう。」

 

冬夜「分かり易くイエスかノーで答えろ。死んだと思われていた冒険者達はお前達が攫ってたんだな?」

 

男はコウコクと頷いて肯定する。

 

リーン「でも攫った所で転移門からは連れて行けないでしょう?一体どうやって・・・」

 

冬夜「恐らく奴隷船で直接ここまで来てるんだよ。」

 

雄也「ここはサンドラ王国の真南に位置する島。サンドラには奴隷制度があるからな。纏めて売るバイトをしてる。そうだろ?」

 

男はコクコクと頷いて肯定する。

 

雄也「で?今までに攫った冒険者達はサンドラへ送ったのか?」

 

男はブンブンと首を振って否定する。

 

冬夜「ならまだ助けるチャンスはあるか。船はここだな。」

 

マップで奴隷船を調べた。

 

イオン「あの・・・どうするんですか?ギルドか騎士団の方に連絡するなら私が行きますけど・・・」

 

冬夜「連絡はこっちでするから大丈夫。そう言えば自己紹介してなかったね。そっちの子がリーンで、小さなクマがポーラ。で、僕は望月冬夜。この国の王様をしている。」

 

雄也「俺は伊狩雄也。この国の公爵やってる。」

 

4人「王様に公爵様!?」

 

王様と公爵を前に4人が跪く。

 

冬夜「ああ立って立って。そう言うの気にしてないから。」

 

雄也「俺ら元々冒険者だから。いや今でも冒険者してるけど。」

 

冬夜「あ、これ証拠になるかな?」

 

雄也「ホレ。」

 

4人にゴールドのギルドカードを見せた。

 

イオン「金色だぁ・・・」

 

クラウス「すげえ・・・」

 

フラン「り、竜とかゴーレムとか大悪魔とか倒してる・・・」

 

ロップ「お父さん達に自慢出来るよぅ・・・オイラはロップって言います!」

 

フラン「私はフランです!」

 

クラウス「クラウスです!」

 

イオン「イオンです!」

 

雄也「お、おう。ご丁寧にどうも。」

 

ライザーク(さっきまで騙された時の雰囲気が消えたな。)

 

リーン「それでどうするの?勿論捕まっている冒険者達を助けるんでしょうけど。」

 

雄也「ああ。奴隷船の位置も分かったし少しお邪魔してパーティしようと思う。」

 

フラン「あ、あの!私達に何か出来る事ないですか!?」

 

クラウス「お、おいフラン!」

 

雄也(やる気に満ちてる・・・経験を積ませて鍛えたいと思うが・・・)

 

冬夜「相手は奴隷を扱う商人だ。銭湯奴隷なんているかも知れない。戦いになったら自分の身は自分で守らなきゃいけない。君達にそれが出来る?」

 

ぐうの音も出ないフランが落ち込む。

 

リーン「まあまあ。この子達にだって使い道はあるわよ?」

 

雄也「囮に使うとか言うんじゃないだろうな?」

 

リーン「ちょっと違うわね。わざと捕まったフリをして奴隷船にいる他の冒険者と接触するのよ。もうじき助けが来る事。その時に慌てないで脱出する事なんかを先に知らせてておけばスムーズに事が運ぶんじゃない?」

 

冬夜「成る程・・・でもコイツが言う事聞くかね?」

 

リーン「あなたがミラージュで幻影を纏ってコイツらに化ければいいんじゃないの?」

 

冬夜「あそうか。」

 

雄也「妙案だな。」

 

冬夜(悪い作戦ではないと思うけど・・・正直僕と冬夜がインビジブルで姿を消して潜入した方が手っ取り早いんだけどなあ。)

 

横を見ると、4人が期待の眼差しを冬夜に向けてる。

 

冬夜「じゃあやってみる・・・?」

 

4人「はい!」

 

冬夜(大丈夫かなあ。)

 

雄也(まあフォローするけど。)

 

 

 

 

 

 

その夜。ダンジョンの海岸沿いにある森。

 

冬夜「さて、じゃあ武器を寄越してくれ。捕まった相手が持ってたら可笑しいからね。」

 

ロップ・フラン・クラウス・イオン「はい!」

 

4人は武器を冬夜に預ける。

 

雄也「よしお預け完了。」

 

冬夜「代わりに皆にこれを渡しておくよ。」

 

ナイフと巻尺を渡した。

 

冬夜「まずはフレイズの欠片で作った何でも切れるナイフ。牢屋とかもこれ1本で切れるからね。それと巻尺。パラライズをエンチャントしてあるから、鞭として使えば敵を無効化出来る。」

 

雄也「んでこっちはルナフィンで船内の様子を把握する。ルナフィン、頼むぜ。」

 

ルナフィン「任せて!」

 

冬夜「そんで僕と雄也はミラージュで。」

 

ミラージュで3人の男の幻影を出現させた。冬夜と雄也はその内2人の幻影を操作する。

 

雄也「リーンはどうする?一緒にお縄を頂戴しとく?」

 

リーン「遠慮しとくわ。私は船から逃げ出す奴が居ないように見張っておくから。」

 

雄也「んじゃこれで行くか。」

 

冬夜「よし、じゃあ奴隷船の場所へ向かうか。」

 

 

 

 

奴隷船が停泊してる浜辺。4人の男達が焚き火をしている。

 

雄也「4人か。その内3人は戦闘バイトをしてる奴隷か。」

 

男「ん?おーう。今日もご苦労な事だな。一気に4人たあ頑張ったね。男は金貨2枚。女は金貨5枚って所か。」

 

冬夜「それで良い。金をくれ。」

 

男「おろ?今日は粘らねぇんだな?」

 

冬夜「ちょっと急いでいる。」

 

雄也(あまり話すなよ?バレるからな。)

 

冬夜(それに、これ以上あの顔を見ていたら殴ってしまいそうだ。)

 

 

 

 

4人を奴隷船に乗せる事に成功。

 

冬夜「まずは潜入成功かな?」

 

雄也「ルナフィンから映像が送られた。後は上手く他の捕まってる冒険者達と接触出来ればミッション完了だ。」

 

リーン「死んだとされているのは何人なの?」

 

冬夜「レリシャさんに確認したらやっぱり10人らしいよ。全員無事だと良いけど。」

 

男『ジャベール様。今日は4人でした。』

 

ジャベール『ほほう?中々じゃないか。男も女も若いし高値で売れそうだな。』

 

雄也「コイツか。奴隷売買のバイトをしてる肥満系親玉は。」

 

リーン「それも違法のね。奴隷を承認しているサンドラ王国でも拉致などで人間を攫って来る事は一応禁じているわ。表向きは。」

 

男『ほらこっちだ!グズグズするな!』

 

映像には、死んだとされた冒険者達が牢屋に閉じ込められている光景が映った。

 

雄也「どうやら全員無事みたいだな。」

 

冬夜「本当ならこのままゲートで転移してしまえば楽に片付くんだけどな。」

 

リーン「あの子達にも経験を積ませてあげなさいな。」

 

冬夜「経験って・・・船から脱出するだけだろ?」

 

リーン「あら。敵に見付からず周囲に気を配り、その都度状況を判断して行動する。大事な経験よ?」

 

雄也「お前にしちゃあ正論だな。」

 

冬夜「じゃあそろそろ僕達も動くとするか。その方があの子らも動き易いだろうし。」

 

リーン「行ってらっしゃい。」

 

雄也「行って来まーす。」

 

冬夜「弾はまずはこっちにしとくか。エクスプロージョンの爆裂弾。」

 

銃剣ブリュンヒルドに爆裂弾を装填する。

 

雄也「んじゃこっちは、ジャックビリー。」

 

ギアレットハンターからジャックビリーの銃が出現した。雄也が銃を握る。

 

雄也「んじゃ始めるか。」

 

冬夜「うん。せーの。」

 

両者の弾丸が奴隷船の主柱を爆発させた。

 

 

 

 

奴隷船。

 

ジャベール「な、何が起こった!?」

 

男「分かりません!いきなり爆発が・・・」

 

雄也「お邪魔しまーす!」

 

そこに雄也と冬夜が奴隷船に着地した。

 

ジャベール「だ、誰だ!?」

 

冬夜「ブリュンヒルド公国公王・望月冬夜。」

 

雄也「ブリュンヒルド公国公爵・伊狩雄也。」

 

冬夜「この島はブリュンヒルドの領地だ。勝手な商売は辞めて貰いたいね。」

 

ジャベール「か、勝手な商売!?」

 

雄也「おっと!惚けても無駄だよ?ダンジョンで新人冒険者だけを攫って奴隷として金儲けしようとしてたのは分かってるんでね。」

 

冬夜「正直、ウチは小国だからさ、法とか刑罰とかハッキリしたものは今まで無かったんだよね。だから今回の事は反省している。」

 

雄也「だからその反省を活かして、ちょっくらお前達の遊び人として参ったって訳。」

 

冬夜「ん?ロップ達が無事に脱出したか。」

 

数艘のボートが奴隷船から遠ざかるのが見えた。

 

雄也「んじゃ、遠慮なく遊んでやるぜ。ライザーク!」

 

ライザーク「よっしゃ!」

 

隣にライザークが出現した。

 

ジャベール「くっ!公王と公爵がこんな所に居るはずがない!お前達やってしまえ!」

 

冬夜「スリップ!」

 

スリップ発動。男達が滑り続ける。

 

ジャベール「な、何をしている!!」

 

冬夜「んん?スリップの効果が前よりも長くなっているような・・・これも『神気』の影響か?」

 

ジャベール「巫山戯てないで早く片付けろ!」

 

男達に着けられてる隷属化の首輪が反応した。

 

雄也「隷属化の首輪。忌々しいおもちゃだな。ライザーク!」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!」

 

ジャベール「ぎゃああああ!!」

 

ライトニングシャワーでジャベールを転ばせた。

 

雄也「さぁて、どう料理してやろうかな?」

 

ジャベール「お、お許しを!ほんの出来心で・・・!!」

 

雄也「お許しだと?神様が許しても俺達は永遠に許さんぞ。」

 

冬夜「それに、お前のその出来心とやらで罪も無い人達の人生を食い物にして来たとしたら、お前を許す価値はあるのかな?いやもう雄也の言う通り永遠に許さないけどね。」

 

ジャベール「た、助けて・・・」

 

雄也「この期に及んで命乞いか?情けねえ商人さんだな。」

 

冬夜「そして奴隷にされた人達はお前を許す事に三栄するかな?ま、話すだけ無駄か。リロード。」

 

ジャベール「びぎゃっ!」

 

スタン弾がジャベールを痺れさせた。

 

雄也「そこで反省してな。電気マッサージを受けながらな。」

 

冬夜「よし、甲板は制圧出来たか。」

 

雄也「ルナフィン、船内にまだ残り物はあるか?」

 

ルナフィン『中に男3人居るけど、ロップ達が痺れさせてるから大丈夫だよ。』

 

雄也「OK。報告ご苦労。」

 

冬夜「これで大丈夫だね。そう言やロップ達を連れて行った出っ歯は何処行った?」

 

???「ふぎゃっ!」

 

雄也「お?浜辺からか?」

 

 

 

 

 

 

浜辺では、リーンが男達を戦闘不能にさせていた。

 

リーン「片付いたようね。まだ色々後始末が残っているけどね。」

 

雄也「いや上出来だ。」

 

ロップ「あ、あの陛下!公爵!攫われた冒険者は全員無事です!」

 

雄也「よし。ミッションコンプリートだ。」

 

冬夜「回復魔法を掛けたら宿屋に転移させるよ。ロップ達もお疲れ様。」

 

雄也「詳しい話はまた後日に聞く。今日は宿でたっぷり休んでくれ。」

 

冬夜「そしたら後は・・・ギルドに行ってレリシャさんに報告だな。」

 

 

 

 

 

 

ギルドに帰還し、レリシャに全てを報告した。

 

レリシャ「今回の事はギルドのとしても誠に遺憾でした。ギルドはあくまで依頼者との仲介者であり、冒険者を処罰する事は出来ません。冒険者としての資格を取り上げ、その者との取り引きを一切しないんどの処置しか表向きは出来ないのです。」

 

雄也・冬夜「・・・表向きは?」

 

レリシャ「ここだけの話。ギルドに害を及ぼすと判断された場合、ギルド所属の裏部隊が動く事もあります。今回も陛下と公爵が処置しなければここに派遣されたかも知れませんね。」

 

雄也・冬夜「・・・裏部隊?」

 

 

 

 

 

 

仕事を終え、家路を歩く。

 

冬夜「すっかり遅くなっちゃったなあ。」

 

雄也「あ〜腹減ったぁ・・・」

 

冬夜「うわ、12時をだいぶ回ってる。どうりでお腹が空いた訳だ。こんな深夜に城で作って貰う事も出来ないし、ちょっと食べて行くか。」

 

雄也「お、丁度そこにレストラン発見。」

 

冬夜「リーンはどうする?何なら奢るけど。」

 

リーン「そうね。御相伴に預かるとしましょうか。」

 

 

 

 

レストランで腹を満たし、家路を歩く。

 

冬夜「奴隷制度って何とかならないもんかねぇ・・・」

 

雄也「改革したら奴隷商人に何て言われるか分からねえし。」

 

リーン「あなた達がカサンドラ王国を潰せばある程度は無くなると思うけど?」

 

冬夜「いやいやそう言う訳にも・・・」

 

雄也「コイツ酔い潰れてやがる。」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド城へ帰宅。

 

冬夜「ただいま〜。」

 

リプル「マスター!」

 

雄也「どうしたリプル?」

 

リプル「緊急事態ですぅ!マスターの身に危険が迫っていますぅ!速やかに対処を・・・あああ、もはや手遅れですぅ・・・」

 

冬夜「何だ何だ?一体どうした?」

 

雄也「何があったか詳しく説明してくれ。」

 

リプル「ハッ!ご武運を!」

 

何かを見たリプルが姿を消した。

 

雄也「どうしたんだアイツ?」

 

ユミナ「おかえりなさい冬夜さん。雄也さん。遅かったですね?」

 

2階からユミナの声が聞こえた。

 

冬夜「ああユミナか。ただいま・・・」

 

雄也「ちょいと遅れてすまな・・・」

 

2階に顔を向けると、ユミナ達婚約者達が怖い笑顔で出迎えてくれていた。

 

雄也「ど、どうした君ら・・・?」

 

冬夜「あ、あの・・・」

 

ユミナ「ちょっとお話があります。こちらへ。あ、リーンさんも。」

 

リーン「え?あ、はい。」

 

 

 

 

2階へ上がると、八重とヒルデガルドが冬夜の両腕を掴んで運ぶ。更にエルゼとリンゼは雄也の両腕を掴んで運ぶ。

 

ヒルデガルド「すみません冬夜様。決定事項ですので。」

 

八重「まあまあまあ冬夜殿。観念するでござる。」

 

冬夜「いやいやいや!何の話!?」

 

雄也「っつーか何で俺まで!?」

 

エルゼ「雄也も大人しくしてなさい。」

 

リンゼ「悪いようにはしませんから。」

 

 

 

 

 

 

リビング。冬夜と何故か雄也も正座で待たされてる。

 

冬夜(慣れてきたな正座。)

 

雄也(早く寝たい・・・)

 

ユミナ「この前から冬夜さんとの間に何か変化があったのは気付いてました。リーンさんも冬夜さんを好きなんですね?」

 

リーン「・・・ええ。あなた達程情熱的にとはいかないけれど、私は私なりに彼を気に入っているし、添い遂げたいと思っているわ。」

 

ユミナ「それは・・・」

 

リーン「勿論彼の地位とかバビロンの移籍が目当てなんじゃないわよ?それも魅力的なのは確かだけれど、私が好きになったのは彼と言う一個人。そこに嘘はないわ。」

 

彼女の本心を聞いたユミナは、真剣な顔から優しい笑顔になった。

 

ユミナ「分かりました。私はリーンさんが冬夜さんのお嫁さんになる事に賛同します。皆さんはどうですか?」

 

八重「拙者も構わないでござるよ。」

 

ヒルデガルド「わ、私も問題ありません。」

 

エルゼ「私も構わないと思うけど。」

 

ルーシア「私も異存はありませんわ。」

 

リンゼ「わ、私も同じく。」

 

ユミナ「この場にスゥは居ませんが、恐らく反対する事はないと思います。リーンさん、これから宜しくお願いしますね。」

 

リーン「ええ。宜しく。」

 

こうしてリーンが、冬夜の8人目の婚約者になった。

 

冬夜(何かもう本当に僕が口を挟む余地がないな。いや別に反対する理由はないんですけれどもね・・・しかし・・・とうとう8人目か。リーチ掛かっちゃったよオイ。)

 

雄也(足痺れた・・・・・)

 

ユミナ「さて、これでリーンさんは私達と同じ冬夜さんのフィアンセです。仲間です。同志です。」

 

リーン「え?あ。そ、そうね。」

 

ユミナ「で・・・今の今まで3人でどちらへ?」

 

リーン「ふえ?ち、ちょっと待って?あなた達何か勘違いしていない?」

 

八重「このような深夜まで3人・・・その他にどのような理由があるのでござる?」

 

エルゼ「ひ、ひょっとして・・・」

 

リンゼ「し、しちゃったんですか!?」

 

冬夜・リーン「はあっ!?」

 

雄也「めっちゃ誤解生んでるんですけど!?」

 

リーン「な、な、何を、何を言ってるのよ!そ、そんな訳ないじゃないの!」

 

ライザーク「こんなタジタジになるリーン初めて見たわ。」

 

冬夜「ぼ、僕が説明するから・・・」

 

 

 

 

ダンジョンでの出来事を洗いざらい説明した。

 

ユミナ「事情は分かりました。が、こんなに遅くなるなら連絡の1つでも寄越すべきでは?」

 

冬夜「すいません・・・」

 

ユミナ「琥珀ちゃん達を通せば簡単に連絡を寄越せたのでは?」

 

冬夜「以後気を付けます・・・」

 

エルゼ「放っておくと何をするか分からないからねアンタと雄也は。」

 

八重「でござるなあ。」

 

ユミナ「兎に角これからは遅くなるなら連絡を入れる事。出来る限りでいいですから。分かりましたね?」

 

冬夜「了解っス・・・」

 

雄也「なぁ、1つ聞きたい。何で俺まで正座させられてるんだ?俺何かしたのか?」

 

ユミナ「雄也さんは、冬夜さんとリーンさんの仲介人の役を担っているかと思っておりまして。」

 

雄也「んな訳ねーだろ!!」

 

冬夜(自業自得だし、僕の事を思ってのお説教だから反論もしないけど・・・何だろう・・・1人1人だと可愛いし優しいし一緒にいて心安らぐんだが、皆揃うと勝てる気がしない・・・)

 

フィアンセコンプリートまで後一歩!

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
    ヒルデガルド:芹澤優
        瑠璃:豊口めぐみ

     ライザーク:梅原裕一郎
     ルナフィン:村瀬歩

 レリシャ・ミリアン:小山百代
       レイン:平山笑美
       ノルン:伊波杏樹
       ニコラ:土屋神葉
        馬場:浜田賢二
        山県:伊藤健太郎
       ロップ:佐藤元
       フラン:稲垣好
      クラウス:大塚剛夫
       イオン:会沢紗弥

        竜王:橘龍丸
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