異世界はガウストとともに。   作:naogran

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35話「蔵発見、そして未来透視。」

奴隷事件解決から数日後。雄也と冬夜はロップ達とお茶会をしている。

 

冬夜「へぇ。君らの村にもダンジョンがあったのか。」

 

ロップ「ダンジョンって程じゃないですけど、小さな洞窟って感じで。でも何かの遺跡だったのは確かです。子供の頃から入り込んで冒険ごっこをして遊んでました。」

 

フラン「何回か狼とか大コウモリに遭遇した事もありましたけど、私ら4人で退治したりして。だからちょっとは自信があったんですけど・・・ここに来てどれだけ自分達が甘かったか思い知りました・・・」

 

慢心して危険を招いてしまった事を深く反省する。

 

雄也「まあ無理せず出来る事からコツコツする事が大事だ。人間は失敗から学んで成功を掴む生き物だ。出来る範囲でやれる事をやるだけだ。」

 

ライザーク「それと、この世に美味い話なんてない。タダより高い物は無いから肝に銘じろよ?」

 

他の3人もその言葉を深く受け止める。

 

イオン「あの、陛下。それでこの子の事なんですけど・・・」

 

奴隷事件でロップ達に預けていたネズミ。

 

冬夜「ん?ああ。忘れてたな。(まだこの子らは心配だからなあ。)そいつは君達に預けるよ。結構頭が良いし、危険を察知出来るから探索の役に立つと思う。それと僕と雄也との連絡役にもなるから、もし何かあったらそいつに頼むと良い。」

 

 

 

 

お茶会を終えた雄也と冬夜が街中を歩く。

 

冬夜「4人の村の洞窟にあったって言う遺跡。どうもバビロンの遺跡に似ている気がするんだよな。早速行ってみるか。」

 

雄也「と、皆に連絡してから行こうな?」

 

冬夜「そうだった。あの時の二の舞は味わいたくない・・・」

 

 

 

 

 

 

連絡後。2人はロップ達の故郷の村に存在する洞窟を探索する。

 

冬夜「間違いないな。バビロンの遺跡だ。」

 

雄也「まさか助けた子達の故郷にあるなんてな。」

 

冬夜「何処かに中に入るスイッチみたいなものがあるはずだ・・・」

 

雄也「前後左右。上にもないな。残るは・・・下か?」

 

地面を掘って、遺跡の下を見る。

 

雄也・冬夜「底かよ!」

 

 

 

 

バビロン遺跡の中へ入る。

 

冬夜「ん!?」

 

雄也「あれ!?」

 

転送陣が何故か壁にあった。

 

冬夜「ちょっと待てこれって本来こっちが下なんじゃないのか!?」

 

雄也「何かの弾みで横に倒れたってか?」

 

冬夜「ったく、ちゃんと設置しろよな・・・」

 

雄也「今回は違う予感がするな。」

 

そう言いながら壁の転送陣に触れて転送された。

 

 

 

 

 

 

バビロンに転送された。

 

雄也「ここが今回のバビロンか。一体何だ・・・」

 

???「ようこそバビロンのはわっ!?」

 

冬夜「うぐうっ!?」

 

横から端末が冬夜に激突し冬夜と端末が倒れた。冬夜が端末にマウントポジションされてる。

 

端末「わわわ申し訳ないです!出迎えようと思ったら躓いてしまったですよー!」

 

冬夜「分かった分かったから取り敢えず退いてくれ!」

 

端末「すぐどくです!と、ととっ!」

 

立ち上がった瞬間にバランスを崩し。

 

冬夜「おぐぉあぁッ!?っか・・・!!ッ・・・!ッ・・・!」

 

端末の右足が冬夜の大事な部分を踏ん付けてしまった。冬夜が悶絶してる。

 

雄也「うわぁ〜痛そぉ〜・・・」

 

その横で雄也が引いてる。

 

端末「あの・・・大丈夫ですか?」

 

冬夜「な・・・訳・・・あるか・・・」

 

 

 

 

数分後。痛みが引いた冬夜。

 

冬夜(この世界に来てから1番のダメージを喰らった・・・)

 

端末「では改めまして。ようこそバビロンの『蔵』へ!自分はこの『蔵』を管理する端末『リルルパルシェ』です!『パルシェ』と呼んで下さいです!」

 

雄也「ほうほう。ここは蔵なのか。・・・ん?蔵!?」

 

雄也・冬夜「お前かぁぁぁーーーーーーー!!!!!」

 

パルシェ「ふぇえぇえぇええ!?」

 

蔵だと知った途端、雄也と冬夜が声を荒げた。

 

冬夜「お前が『蔵』の管理人か!」

 

雄也「そこで正座しろ!今から説教時間だ!」

 

パルシェ「な、何ですか!?何で自分が怒られるんですかー!?」

 

冬夜「自覚なしかよ!?」

 

雄也「不死の宝玉に吸魔の腕輪と防壁の腕輪と魔法生物・・・テメェが落としたアーティファクトでどれだけの人がしっちゃかめっちゃかを被ったか!俺達がどれだけ巻き込まれたか!それ含めて説教してやるから早く正座しろ!!」

 

 

 

 

 

 

数分に渡る説教を受けたパルシェが落ち込んだ。

 

パルシェ「申し訳なかったです・・・まさかそんな事になってるとは思いもしなかったですよ・・・」

 

雄也「ちょい言い過ぎたな。」

 

冬夜「まあ何だ。これからは気を付けるように。バビロンの皆だって『蔵』が墜落したんじゃないかって心配してたんだぞ?」

 

パルシェ「およ?自分以外にもバビロンの皆がいるんですか?」

 

雄也「ああ。現時点で『研究所』以外全員だ。」

 

冬夜「紹介が遅れたけど、僕は望月冬夜。」

 

雄也「俺は伊狩雄也。」

 

冬夜「バビロンの皆は僕と雄也をマスターとして認めてくれたよ。」

 

パルシェ「ほうほう!では自分も適合者として認めざるを得ないですね。了解です!これより機体ナンバー26!個体名『リルルパルシェ』はあなた方に譲渡されるです!宜しくですマスター!」

 

冬夜「切り替え早。本当に反省したか?」

 

するとパルシェが目を瞑ってずいっと顔を寄せる。

 

冬夜(あー、これがあったか・・・)

 

接吻と同時にパルシェの右足が冬夜の左足を踏ん付けてしまった。

 

冬夜「いいっ・・・!!」

 

雄也「わお痛そ〜・・・」

 

冬夜(雄也め!他人事みたいに言いやがって!)

 

パルシェ「登録完了したです!では次はあなたです!」

 

雄也「ああちょっと待って?ルナフィン。持ち上げてくれ。」

 

ルナフィン「任せて。」

 

ギアレットハンターからルナフィンが飛び出し、雄也を持ち上げて体を水平にする。

 

雄也「良いぞ。やってくれ。」

 

水平に浮いてる雄也にパルシェが接吻する。

 

パルシェ「登録完了したです!マスターの遺伝子を記憶したですよ!これより『蔵』の所有権はマスター達に移譲されるです!」

 

冬夜(雄也め・・・自分だけ逃げやがって・・・!!僕もコイツと会相対する時は『シールド』を張った方が良いのかも知れない・・・)

 

パルシェ「『蔵』へ案内するですよ!こっちです!」

 

走った瞬間べしゃっと転んだ。

 

ルナフィン「大丈夫かなこの管理人?」

 

雄也「さあ?」

 

 

 

 

 

 

蔵にある保管室。

 

パルシェ「博士の開発したアーティファクトや個人的なコレクション。お金、素材、各種の記録などは全部この地下に保存されてるですよ。1回外壁ごと壊れてしまったですが、もう修理済みです。」

 

冬夜「その時不死の宝玉やら何やら色々落としたんだな。」

 

雄也「今度壊れそうになったら中のコレクションを確認しなきゃな。」

 

パルシェ「この装置で地下の保存倉庫から呼び出すんですよ。えーっと・・・」

 

パネルのボタンを操作し、保存倉庫から箱を出した。

 

パルシェ「この箱は自分かマスター達でなければ開けられないです。例えバビロン博士が居たとしても開ける事は出来ないですよ。」

 

雄也「ほう。どれどれ?」

 

自分達しか開けられない箱を開けてみると、中には大量の金貨が入っていた。

 

冬夜「おおお・・・!」

 

雄也「凄え!大量の金貨だ!」

 

冬夜「この金貨、エンデが持っていた銀貨に似てる。って事はこれはパルテノ金貨か。っとそうだ。ここにフレームギアの設計図ってあるか?」

 

パルシェ「フレームギアの設計図ですか?あるですよ。えーっと・・・」

 

設計図が入った箱を出した。中を開けると、設計図・・・ではなくバビロン博士の危ない趣味が入ったコレクションが入っていた。

 

雄也「うげっ!」

 

冬夜「パルシェ・・・これ違う・・・間違えてる・・・仕舞って早く・・・」

 

パルシェ「え?あ、本当です。番号間違えたです。」

 

冬夜「もう嫌あの博士・・・」

 

雄也「変な趣味が無ければ最高の博士なのに・・・」

 

今度こそフレームギアの設計図が入った箱を出した。

 

雄也「今度はちゃんと設計図だな?」

 

設計図が入った筒が箱に入っている。

 

雄也「ほほ〜。こりゃあ多いなぁ〜。」

 

冬夜「これで遂にフレームギアも一段階上の機体が作れるぞ。今までは既存の機体をいじる事しか出来なかったけど、1から作り上げる事が出来る。つまり特化型や個人専用機を作れるって事だ。」

 

雄也「創作意欲が湧くな〜。重装甲型に高機動型に後方支援型に狙撃特化型に接近特化型。」

 

冬夜「やばい・・・聞くだけでわくわくしてきた。ロゼッタに相談しようっと。」

 

 

 

 

 

 

設計図を持って工房へ赴いた。

 

冬夜「コイツでどう言った事が出来る?」

 

ロゼッタ「そうでありますな・・・まずエーテルリキッドを不要に出来るでありますな。あいや、いらなくなると言う訳ではなく、交換する必要が無くなると言う意味であります。光や大気から魔素を取り込み、魔力を増幅する装置が新型の中核には取り付けられるでありますよ。素材はフレイズの欠片であります。」

 

雄也「成る程。簡単に言うと乾電池が太陽電池になった感じか。」

 

ロゼッタ「新型はメインシステムとなる中核のコア。それと骨組みになる数種のボーンフレームに、それぞれ特性の付いたパーツを組み立てて作り上げていくコンセプトになっているでありますよ。つまりこれと言って決められた形がないと言う事であります。」

 

冬夜「自由に作れる・・・いや、逆に言えばどんな機体にするか決めないと作りようがないって訳か?」

 

ロゼッタ「その通りで。適当に作れと言われたら作れるでありますが、使えない駄作が出来るだけでありますよ。」

 

雄也「そうなったら才能の無駄遣いになるな。最初はやっぱり分かり易いのを作らないとだな。」

 

ロゼッタ「機動性、出力、装甲、魔力変換率、精密性、装備・・・色んなバランスを取らないといけないであります。マスターのようなバカみたいな・・・いや、えー、凄い魔力量があれば色んな補助魔法を起動してなんとでもなるでありますが。」

 

雄也・冬夜「バカみたいで悪かったな。」

 

冬夜「しかしどうするかな?僕と雄也のはどうとでもなるみたいだけど、皆のはやっぱりその特性を活かした機体の方が良いよな。」

 

ロゼッタ「新機体は完全に個人に合わせて作るので、他の人間では動かすのも一苦労になるであります。搭乗者の魔力を同調させて反応を高めるので。」

 

冬夜「そうだな・・・まずはエルゼの機体から作ってみよう。戦い方がシンプルだから分かり易いよな。パワーとスピードを重視して腕部と脚部の装甲を頑丈に。魔力変換率はそれ程気にしなくていい。後は作ってから調整かな?」

 

ロゼッタ「分かったであります!『蔵』にあったミニロボを回収して手伝わせるでありますよ!」

 

雄也「俺のフレームギアは・・・やっぱりガウストの力が使えるようカスタムしなきゃな。こりゃあ後々楽しみだなぁ〜。」

 

 

 

 

 

 

蔵に戻った。

 

パルシェ「マスター!お疲れ様です!『蔵』にあるものの一覧表を作っておいたです。全部で1093点ですね。」

 

冬夜「結構多いな。」

 

雄也「どれどれ?」

 

一覧表を記した手帳を読む。

 

雄也「博士の『決戦用下着』、『危な過ぎる水着』、『ビキニアーマー』・・・これら封印で良かね?」

 

冬夜「その内きちんと整理して分野ごとに分けた方が良いなコレ。」

 

雄也「ん?パルシェ、このリストにある斜線は何だ?」

 

パルシェ「はぁ・・・落っことした点数です・・・」

 

雄也「っつー事はこの、『治癒の剣』ってのが聖剣レスティア。リプルは『生命の額縁』か。」

 

冬夜「他にも数点行方不明のものがあるみたいだけど・・・名称だけ分かっても僕の検索魔法は使えないからなあ。しかし、色んな物が入ってるんだなあ・・・」

 

パルシェ「バビロン博士は天才ではありましたが、整理整頓が苦手でしたです。様々な物を思い付きで造り、次々と飽きて『蔵』へと放り込むのもザラでありました。」

 

雄也「潔癖な人なら激怒案件だな。」

 

パルシェ「どれもこれも世に出せばかなりのお金になるのにです。」

 

冬夜「金には無頓着だったんだな。まあ金貨があの有様だもんな。」

 

雄也「なんとまあ勿体無いお人だ事。」

 

パルシェ「お金には全く興味を持たない方でしたが、気になった事はとことん追求する方で。一度とある国と全面戦争になり掛けた事もありましたです。」

 

冬夜「やっぱりちょっと可笑しい人って事は分かった。」

 

雄也「一体何をやってたんだあのエロ博士?・・・あ、そうだ。前にモニカが未来視の宝玉で俺らの未来を視たって言ってたな。『蔵』にそれとかあるのか?」

 

パルシェ「未来視の宝玉。勿論ありますですよ。」

 

未来視の宝玉が入った箱を開ける。

 

冬夜「これが未来視の宝玉か?」

 

パルシェ「そです。魔力を込めて念じると、未来にいる自分と同じ魔力の生体波動の者を映し出す事が出来るですよ。映る対象が全くランダムである上、未来は不確定要素が多いです。なので同じ人物を映し出す事はほぼないのですが、博士はいつも同じ人物・・・多分マスターの事を映し出していたみたいですね。」

 

冬夜「あんな変態博士と生体波動が同じってのはちょっとげんなりするが・・・」

 

未来視の宝玉に魔力を込めて念じてみるが、何も映らない。

 

冬夜「あれ?何も映らない。」

 

雄也「俺にやらせてみろ。」

 

今度は雄也が魔力を込めて念じてみるが。

 

雄也「ありゃ?俺にも何もない。壊れてんのか?」

 

パルシェ「いえ。マスターと同じ生体波動の人物が少なくとも5000年程現れないと言う事だと思いますです。勿論未来は揺れ動いているので確定ではありませんが。」

 

冬夜「金属性持ちはこれから5000年間は生まれて来ないって事?」

 

パルシェ「いえ。それも要素の1つに過ぎませんです。金属性持ちでもマスターの波動に合わなければ補足出来ない訳ですから。」

 

冬夜「成る程・・・残念だな。うーん・・・やっぱりちょっとでも良いから未来を視てみたいな。未来のブリュンヒルドが視れるかも知れないし。」

 

 

 

 

 

 

未来視の宝玉を借りてブリュンヒルドに持って帰る。

 

リンゼ「これに魔力をですか?」

 

エルゼ「未来を視れるって事?へぇ〜。面白そうじゃない。やってみたら?」

 

リンゼ「じゃ、じゃあちょっとだけ。」

 

宝玉に魔力を込めると未来が見えた。1人の老人が畑を耕している未来。

 

雄也・冬夜・エルゼ・リンゼ「・・・・・?」

 

パルシェ「あやや!時間と範囲を設定するのを忘れていたです!」

 

冬夜「今のは?」

 

パルシェ「えと・・・大体5000年から100年先の未来視です。場所はリーフリースからレグルスあたりまでの何処か?だと思いますです。」

 

リンゼ「あのお爺さんと私、同じ生体波動・・・何ですか・・・?」

 

雄也「落ち着け落ち着け。数多く存在する同調者の1人ってだけだから落ち着け。」

 

パルシェ「設定し直したです!範囲は10年以内。場所も国内までに絞っておきましたですよ。」

 

エルゼ「じゃ、次は私がやってみるわ。」

 

今度はエルゼが魔力を込める。ブリュンヒルドの未来が視えた。1人の女性の後ろに、ビッグベンのような時計塔が建てられている。

 

エルゼ「これって城下町かしら?」

 

八重「大きな時計塔があるでござるが・・・ブリュンヒルドにはそんなの無いでござるよ?」

 

ユミナ「あ!今ちょっとだけですけど『銀月』が映りましたよ!やっぱりうちの町です!」

 

エルゼ「って事は、10年以内に時計塔が建つのかしら?」

 

雄也(明らかにビッグベンのような時計塔だったなあれ。)

 

ルーシア「あの・・・これって声も聞こえてませんか?今『安いわね』って聞こえた気がしたのですけれど・・・」

 

パルシェ「対象者との接続次第ですが音声も拾うですよ。たまに鮮明に聞こえたりするらしいです。」

 

すると宝玉の映像に砂嵐が起こった。

 

パルシェ「あやや。対象者との接続が切れましたです。手を離すと切れてしまうんですよ。」

 

冬夜「さっきの続きを視る事は出来ないのか?」

 

パルシェ「ほぼ不可能ですねー。範囲10年以内の対象者をランダムにですから。」

 

八重「どれ。では次は拙者が。魔法の適正を持っていない分、同調する対象者は多いはずでござる。」

 

冬夜「その分ランダム性も増しちゃうけどね。」

 

宝玉に触れると未来の映像が映った。

 

八重「お。映ったでござるよ。」

 

映った映像はブリュンヒルド城内。

 

八重「これは・・・この城の中でござるか?」

 

そして城の廊下を歩く1人のメイド。

 

雄也「見ない顔だ。10年以内に新規雇用したメイドか?」

 

エルゼ「あんまり城の中は変わらないわね。」

 

冬夜「いやいや、来年の映像かも知れないんだぞこれ。10年後だってそんなに変わるもんじゃないだろ?」

 

八重「んん!?」

 

突然八重が驚いて声を上げた。

 

八重「い、今駆け抜けたのって・・・」

 

雄也「どうした八重!?」

 

冬夜「え、何?どうした?」

 

リンゼ「あ、ええと・・・このメイドさんの横をですね。小さな子供がピューッと。」

 

冬夜「子供?城に子供なんて・・・え?まさか・・・つまりそれって僕の・・・ちょちょちょっと待って!今の子もう1回映せないか!?」

 

パルシェ「む、むむ無理ですぅ!あくまで対象者はそのメイドさんですからして!」

 

雄也「それで、どんな子が横切ったんだ?」

 

ユミナ「えっと、女の子でした・・・よね?」

 

八重「うむむ、可愛い男の子とも見えたでござるが・・・」

 

リンゼ「髪は少し長めでしたし、女の子じゃ?」

 

ルーシア「半ズボンのようなキュロットのようなものを穿いてましたわね。」

 

エルゼ「髪は黒かったような気がするけど・・・」

 

ヒルデガルド「ととと、と言うか!母親は誰なんでしょうか!?」

 

女性陣「・・・・・」

 

リンゼ「ちょっと八重!もう1回あの子を映しなさいよ!」

 

八重「そんな無茶な!拙者だって見れるもんならもう1度見たいでござるよ!」

 

リンゼ「あぁあ!や、八重さん手を!手を離さないで!接続が、き、切れちゃうからあ!」

 

ルーシア「ど、何処となく私に似てた気もしません事?」

 

ユミナ「う、うーん、一瞬でしたし・・・」

 

ヒルデガルド「剣とか持ってたら間違いなく私の子でしたのに・・・」

 

ライザーク「お前ら静かにしろ。会話が聞こえる。」

 

2人のメイドの会話を静聴する。

 

未来のメイドA『ーーー様なら先程あちらへ駆けていきましたが・・・』

 

未来のメイドB『もう!今日はあれ程部屋に居てくださいって言っておきましたのに・・・!じっとしていない所は陛下と公爵様そっくりです!』

 

雄也(何やってんだよ未来の冬夜!)

冬夜(何やってんだよ未来の僕!)

 

ユミナ「これではっきりしましたね。名前を聞き取れませんでしたが、あの子は間違いなく冬夜さんの子です。」

 

冬夜「その子僕は見てないんだけど・・・」

 

雄也「俺も見損ねてしまった。」

 

エルゼ「あ!クレアさんだわ!」

 

コックのクレアが映っている。

 

ルーシア「わ、私は映ってません事!?」

 

未来を凝視して自分が映ってないか確認するが、ルーシアの姿はない。

 

ルーシア「厨房なら私が居ても可笑しくないと思ったんですが・・・」

 

冬夜「そんなに気にするなって。どんな風になってたってルーはルーなんだからさ。」

 

ルーシア「未来の大人になった私を冬夜様に見て頂きたかったのに・・・」

 

冬夜「それはじっくりと年月を掛けて見せて貰うよ。」

 

八重・ユミナ・ヒルデガルド「あっ!?」

 

雄也「今度はどうした!?」

 

ヒルデガルド「い、今小さなお弁当箱を持った女の子が厨房から出て来ましたわ・・・」

 

ユミナ「え、ええ。長い銀髪の・・・」

 

ルーシア「何ですってえっ!?」

 

銀髪のルーシアがびっくりした。

 

ルーシア「ど、ど、ど、どこに行きましたの!?」

 

八重「だから出て行ったでござるよ厨房から!」

 

ルーシア「追い掛けて下さいまし!」

 

八重「そんな無茶言われても・・・」

 

冬夜「僕また見逃した・・・」

 

雄也「俺も見れなかった・・・」

 

エルゼ「ちょっと落ち着きなさいよ。銀髪って事は、私たちの子供かも知れないでしょ?」

 

同じ銀髪のエルゼとリンゼ。

 

ルーシア「いいえっ!きっと小さな頃から私が料理の英才教育を施したに違いありませんわ!だから子供でも厨房に出入りしているんです!」

 

冬夜(まあ僕もエルゼの子供が料理好きだとはちょっと考えられない・・・か?リンゼは兎も角・・・)

 

ルーシア「むぐぐ・・・このルーシア・レア・レグルス一生の不覚!自分の事など探している場合ではなかったですわ〜!」

 

雄也「どうどう。」

 

すると宝玉の映像が途切れた。

 

冬夜「あれ?」

 

八重に眩暈が起こった。

 

冬夜「マズい!魔力切れか!?」

 

眩暈がして倒れそうになる八重を受け止める冬夜。だが八重の手が宝玉を落としてしまった。

 

雄也「宝玉が!」

 

しかしパルシェが飛び込んで宝玉をギリギリキャッチ。だが一緒に紅茶のポッドが零れた。

 

パルシェ「ぅ熱っちゃあですぅ!!」

 

あまりの熱さに宝玉を投げてしまい、床に落ちて割れてしまった。

 

全員「あああーーーーーーー!!!!」

 

雄也・ライザーク「割れちゃったーーーーー!!」

 

パルシェ「す、す、す、すみましぇん!!ごめんなさいですぅぅ!!」

 

精一杯の土下座で謝罪する。

 

雄也「落ち着けパルシェ。壊れたもんはしょうがない。気にすんな。元々あのエロ博士の覗き見道具だしな。」

 

パルシェ「でもですね・・・」

 

雄也「自分を責めるな。あくまであれは可能性であって、本当の未来はまだ分からないんだし。」

 

ユミナ「そうですね。あの未来は悪くはなかったですけど、もっと素晴らしい未来だって作れるはずです。」

 

八重「でござるな・・・」

 

雄也「八重大丈夫か?」

 

八重「大丈夫でござる・・・」

 

冬夜(しかし、仮定の未来とは言え、子供達の姿を見れなかったのは少し残念ではある。可愛かったのかなあ?可愛いに決まってるよな。うん間違いない。)

 

”コンコン”

 

ノックと同時に、メイドのラピスが入って来た。

 

ラピス「失礼します。陛下。公爵様。先日話していた新しいメイド達が揃いましたのでご挨拶に参りました。宜しいでしょうか?」

 

冬夜「ああ例の。」

 

雄也「分かった。通してくれ。」

 

新しく雇ったメイドが入る。

 

全員「あああーーーーーー!!」

 

そのメイドを見て全員がビックリした。

 

新人メイド「ふええっ!?な、な、何でしょうか!?私が何か!?」

 

その新人メイドは、先程未来視の宝玉の映像に映っていたメイドと同一人物だった。

 

 

 

 

 

 

その後のリビング。

 

ユミナ「驚きましたねぇ・・・」

 

八重「となると、さっき見た未来はやはり本当なのでござろうか?」

 

エルゼ「まあ悪い未来じゃなかったし良いんじゃないの?」

 

雄也「俺の未来の子供が楽しみになってきた。」

 

冬夜「あの子達に会う為に僕らも頑張らないとね。」

 

その言葉で女性陣が”しーん”となった。

 

冬夜「え?何?」

 

ユミナ「ま、まだ結婚式も挙げてませんし、早過ぎるかと・・・」

 

エルゼ「た、確かにあの子達は可愛かったけどさ、その・・・」

 

リンゼ「が、が、頑張るって言われても・・・こ、心の準備が・・・!!」

 

冬夜「え?」

 

雄也「あ、そう言う意味で理解してる。」

 

冬夜「いやいや違う!そう言う『頑張る』じゃない!違うよ!?頑張るってあの未来に辿り着く為に『国作り』を頑張るって事だよ!?」

 

ユミナ「そ、そうですよね!そっちですよね!」

 

八重「せ、せ、拙者は初めから分かってたでござるよ!本当に!」

 

雄也「皆声ガチガチだぞ〜?」

 

冬夜(気まずい・・・!未来の子供達・・・お父さんとお母さんが君達に会うのはまだまだ先のようだよ・・・)

 

ブリュンヒルドの未来に栄光あれ!

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重:赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
    ヒルデガルド:芹澤優

     ライザーク:梅原裕一郎
     ルナフィン:村瀬歩

    ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
   リルルパルシェ:大和田仁美
       ロップ:佐藤元
       フラン:稲垣好
       イオン:会沢紗弥
       ラピス:茜屋日海夏
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