異世界はガウストとともに。   作:naogran

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37話「暴走、そして新兵器。」

ロードメア連邦との交渉から数日後の会議室。

 

冬夜「レスティアの聖騎士団はフレームユニットに慣れましたか?」

 

ラインハルト「はい。皆ある程度乗りこなせるようになりました。」

 

雄也「ブリュンヒルド。ベルファスト。レグルス。リーフリース。ミスミド。ラミッシュにリーニエにレスティア。合計8カ国の同盟軍だ。以前のようにフレイズ達を分散しなくても何とかなるかもな。」

 

冬夜(問題は出現する上級種がどういったタイプの奴かだ・・・新型機製作はエルゼの機体とエンデのドラグーン改修だけでいっぱいいっぱいだろうけど、その内飛行型のフレームギアってのも考えないとダメかもなあ。)

 

ジャムカ「しかし・・・ユーロンに続いてロードメアもかよ。こりゃあますます他人事じゃあなくなってきたな。」

 

リグ「なあ冬夜殿。雄也殿。フレイズの出現を教えてくれたと言う者はこれからも協力して貰えんのか?」

 

冬夜「うーん、それは難しいと思いますよ?」

 

雄也「何せソイツは風来坊。完全にこっち側の存在って訳じゃないしな。」

 

リグ「そうか・・・」

 

冬夜(エンデに頼り切りになるのもな・・・あ、ひょっとしたら『蔵』にその手の察知系のアーティファクトがあるかも知れないな。探してみるか。)

 

エリアス「で、ロードメアから連絡はあったのですか?」

 

冬夜「まだ正式は許可はありませんね。丘陵州の州総督からは暫定的に許可は貰いましたけど。最悪中央州に踏み込めば領土侵犯となる可能性もあります。」

 

ラインハルト「案外それを狙っているのかも知れませんねぇ。」

 

雄也「全てが終わってから自分達で何とか出来たのにって理不尽な発言をしてくるかも知れないな。」

 

冬夜「そこまで厚顔無恥じゃないと思うけど、出現するまで回答を延ばすってのはありえるな。取り敢えず各国に指揮官用のナイトバロンを2機。シュバリエを18機。計20機を貸し出しますので搭乗者を選出しておいて下さい。ブリュンヒルドからは60機。計200機で行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

その後。改修したドラグーンをエンデに渡した。

 

エンデ「おお!?色まで変えちゃったのかい?へぇ〜。赤も良かったけど、確かにこっちの方が僕好みだな。」

 

改修ドラグーンの色は赤から黒になってる。

 

冬夜「まあぶっちゃけ今作ってるエルゼ樹と色が被るから序でに変えたんだけどな。改良しておいたからもう燃料補給はいらないはずだ。通信装置も付けておいたから余程離れてなければ連絡も出来る。後エンデ以外には真面に動かせないから他人には譲渡出来ないぞ。」

 

エンデ「そんな事しないって。これでもかなりこいつを気に入っているんだよ?」

 

雄也「そうだ。前回貰った『王』の声はもうないのか?」

 

エンデ「ない訳じゃないんだけど。ただ残り少ないからちょっと分けられないかな。」

 

雄也「そうか。そもそもお前は何でフレイズの出現予知が出来るんだ?何か出現の前触れみたいなものがあるとか?」

 

エンデ「今回のはたまたまだけど、まず空間に微妙な歪みが出来るね。まずこれで何日位でここに空間の綻びが出来るか分かる。それと『音』。」

 

雄也「音?」

 

エンデ「そう。フレイズは特殊な『共鳴音』を放って仲間を判別してる。と言っても人間の耳じゃ聞き取れないだろうけど。」

 

雄也「クジラみたいだな。」

 

冬夜(『歪み』と『共鳴音』か。それを感知する道具があれば、今回みたいに予測を立てられるかも知れないな。って言うか、人間に聞こえない音を聞き取るって本当に何者なんだろうコイツ・・・)

 

エンデ「じゃあ僕は用事があるんで行くよ。フレイズが現れたら駆け付けるから。」

 

雄也「OK。また後でな。」

 

冬夜「さてと・・・後は上級種の対策だな。あの荷電粒子砲みたいなもんを何とか出来るかどうか・・・」

 

 

 

 

 

 

図書館へ移動して上級種に対抗出来そうな資料を探した。

 

冬夜「使えそうな無属性魔法が見付かって良かった。これで何とか対抗出来ればいいけど・・・」

 

 

 

 

資料を持って工房へ。

 

雄也「工房の方はどうだ〜?」

 

工房へ着くと、ロゼッタとモニカが考え事をしている。

 

雄也「ん?お前らどうした?」

 

ロゼッタ「エルゼ殿の機体でありますが、接近格闘戦用となると主な武器は拳になるのでありますが・・・」

 

モニカ「ただ硬いだけの拳で殴るってのも芸がないと思ってな。やっぱりこう言うのは一撃必殺の威力が必要だろ?」

 

雄也「確かに。素手でフレイズを殴っても倒せず反撃されるリスクが高まるしな。」

 

ロゼッタ「一撃目でフレイズの身体を砕き二撃目で核を砕く・・・拳だとどうしても2つの工程が必要になるであります。」

 

モニカ「これが剣や槍なら身体ごと破壊ってのもありなんだけどな。」

 

ロゼッタ「こう・・・拳を撃ち込んだ後に核へ向けて何かを発射すれば一撃で仕留められると思うのでありますが。」

 

冬夜「うーん・・・普段は腕に収納していて攻撃時に飛び出すような短い槍とか?」

 

雄也「いや、1つだけあるぞ。パイルバンカーだ。」

 

冬夜「パイルバンカー?あ、あの武器か。」

 

スマホでパイルバンカーを検索して、モニターに表示した。

 

ロゼッタ「槍や杭を高速射出する事により敵の装甲を打ち砕く武器・・・でありますか。」

 

雄也「そう。エルゼの場合は装甲を打ち砕いてから本体をぶち抜く為の武器になる。コイツをコンパクト化して腕に装備させる事は可能か?」

 

モニカ「出来るんじゃねぇかな。火薬とかじゃなくて魔力により射出にして晶材で作れば破壊力は申し分ねぇだろ。ちっとばかしゴツくなるかも知れねぇけどな。」

 

雄也「問題ないだろう。撃ちっ放しで戻って来ない弾丸射出系と違って晶材が無駄にならないのも好都合だ。」

 

ロゼッタ「しかし奇抜な武器でありますな・・・マスターは何処でこんな情報を?」

 

雄也「たまたまだたまたま。」

 

冬夜(そう言やまだ誰にも僕と雄也が異世界から来たって言ってないな。教皇猊下とフィリスさんは神様の事は知ってるけど。)

 

モニカ「よし!じゃあパイルバンカーとやらを作ってみるか!おい皆集まれ!」

 

ロゼッタ「かなり凶悪な武器になりそうでありますな。」

 

冬夜「良いんじゃないの?何せパイルバンカーは男のロマンらしいからな。」

 

ロゼッタ「エルゼ殿は女性でありますよ・・・?」

 

雄也「それな。」

 

 

 

 

後日。エルゼ専用機が完成した。新機体『ゲルヒルデ』。

 

冬夜「どうだ?」

 

エルゼ「ちょっとバランスに違和感があるけど、動きに支障はないわ。ナイトバロンより反応が早いし動きやすいわね。パイルバンカーも問題ない。」

 

雄也「申し分ないみたいだな。」

 

ロゼッタ『マスター。データ収集完了であります。』

 

冬夜「これでエルゼの機体は取り敢えず完成だな。後はこのデータを元に調整。そして次の機体の製作に活かせる。」

 

エルゼ「次は誰のを作る予定?」

 

冬夜「まずは銭湯をメインにした機体を揃えたいからなあ。八重とヒルダかな。」

 

ルナフィン『雄也雄也!』

 

雄也「お、ルナフィン。どうした?」

 

ルナフィン『ロードメアの丘陵州総督から連絡を貰ったよ!』

 

雄也「連絡?もしかしてロードメアの中央州にフレームギアの立ち入り許可が入ったか?」

 

ルナフィン『そうじゃないんだ!助けを求めてるんだ!中央州の首都が武装したウッドゴーレムの暴走被害が相次いでいるんだ!』

 

雄也「何だと!?」

 

冬夜「どうしたんだ?」

 

雄也「ルナフィンから連絡が入った。武装したウッドゴーレムが中央州の首都で暴走して被害を拡大している。」

 

冬夜「何だって!?」

 

雄也「兎に角急いで現場へ行こう!エルゼ、ゲルヒルデの初陣になりそうだが大丈夫か?」

 

エルゼ「問題ないわ。相手は『剪定の儀』の時の奴でしょ?私のゲルヒルデなら楽勝よ。」

 

雄也「そうか。一応俺のハンターで援護する。数が多いかも知れないから。」

 

エルゼ「そうね。助かるわ。」

 

 

 

 

 

 

ロードメア・中央州の首都。

 

ルナフィン「あ!皆来た!見てよアイツら!」

 

雄也「ああ。かーなーり遊んでやがるぜ。」

 

冬夜「取り敢えず平原の方へ転移させよう。倒すにしろ街中だと被害が大き過ぎる。全部で24体か。」

 

全ての暴走ウッドゴーレムをゲートで平原へ転移させた。

 

冬夜「よし。」

 

オードリー「公王陛下!公爵殿!」

 

雄也「オードリー総督。」

 

冬夜「一体これはどうなっているんですか!?何で武装ゴーレムが都を破壊してたんです!?」

 

オードリー「暴走です。陛下と公爵のフレームギアに負けたのが余程悔しかったのでしょう。ボーマン博士が無茶な改造を武装ゴーレムに施したらしいです。結果失敗し、ゴーレムを制御出来なくなってしまったらしいです。」

 

冬夜「はあ!?何やってんだ全く!」

 

雄也「アイツ、プライドだけは一丁前と見えるな!それでボーマン博士は何処に?」

 

オードリー「行方不明です。全州総督が必死に探しておりますが、ひょっとしたら既に死んでしまっているやも・・・」

 

雄也「いや、すぐに見付ける。」

 

ギアレットハンターのマップでボーマンの行方を探る。

 

雄也「ここだな。彼はまだ生きているようだ。」

 

オードリー「ここは・・・使われていない倉庫です。どうしてこんな所に・・・?」

 

リミット「と、取り敢えず身柄を確保して来い!」

 

兵士「はっ!」

 

雄也「ウッドゴーレム破壊前に鎮火しないと。ライザーク。」

 

ライザーク「おう!」

 

燃え盛る首都の上空から。

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!!」

 

渾身のライトニングシャワーで燃え盛る首都を1つ残らず鎮火した。

 

ライザーク「終わったぜ!」

 

雄也「サンキュー。これで全て鎮火した。後は怪我人の救助を。」

 

冬夜「僕達は転移させたゴーレムを片付けて来ますので。」

 

オードリー「はい、分かりました。お気を付けて。」

 

ゲートからハンターとゲルヒルデを召喚した。

 

エルゼ「確か24体だったわよね。雄也、半分ずつ片付けましょう。」

 

雄也「それで行こう。」

 

冬夜「1人で12体なんて大丈夫か?」

 

エルゼ「任せなさいよ。丁度良い前哨戦だわ。軽く捻ってやるわよ。」

 

2人がそれぞれのフレームギアに搭乗。雄也がギアレットハンターをホルダーに装填した。

 

エルゼ「行くわよゲルヒルデ!」

 

雄也「ハント開始!」

 

2機のフレームギアが平原へ転移されたウッドゴーレムを倒しに向かった。

 

 

 

 

平原。

 

エルゼ「ひとぉつッ!!ふたぁつッ!」

 

2体のウッドゴーレムをパンチで殴り、腕からパイルバンカーを射出して破壊した。

 

エルゼ「ブースト!」

 

ブーストを発動し、次々とウッドゴーレムを破壊する。

 

冬夜「凄えなパイルバンカー・・・」

 

エルゼ「砕いて砕いて砕いて砕く!私の正面に立つならバラバラになる覚悟を決めなさいよ!粉・・・砕ッ!!」

 

そして最後のウッドゴーレムを粉々に砕いた。

 

冬夜「いやぁ・・・対上級種戦の心強い味方が出来たな。」

 

雄也「相手が大木なら燃やすのみ!ギルガドランブレスト!!」

 

ハンターの胸の放熱版から超高温の炎を放射し、残り12体のウッドゴーレムを一瞬で焼却した。

 

雄也「どうだ?日焼けしてバカンス気分味わったか?」

 

 

 

 

 

 

その後。確保されたエドガーに追及するが。

 

エドガー「わ、私のせいじゃない!これは不幸な事故が重なっただけなんだ!」

 

雄也「コイツ否認しやがった。」

 

リミット「まだ試験段階だった寄生生物による強制的な強化で武装ゴーレムの意識が乗っ取られ暴走したと。かなり無茶な融合をさせたみたいですね。研究所員の反対を押し切っての独断のようです。」

 

エドガー「この暴走は事故なんだ!私は悪くない!街を破壊したのは私じゃないぞ!」

 

オードリー「そもそもゴーレムを今すぐ改良する必要性はあったのですか?フレイズの事はブリュンヒルド公国の力を借りると言う事でほぼ話が進んでいたはずです。明日にでも州総督全員で決を取り、正式な発表を。っとなっていたではありませんか。」

 

冬夜(へえ、そこまで決まっていたのか。)

 

リミット「公国のフレームギアに負けた事で武装ゴーレムの研究に疑問の声が上がっていましたからね。国の予算を無駄に使うべきではないと。せめてゴーレムを強化して、こちらもフレイズを倒さないと研究費が下りなくなる・・・そんな所でしょう。」

 

ライザーク「プライドじゃなく金の欲しさ故の独断か。」

 

エルゼ「どの道、あんなゴーレムじゃ話にならないわよ。私と雄也2人で全部片付けちゃったし。弱過ぎ。」

 

エドガー「あの強化した武装ゴーレムを倒した・・・?たった2人で?そんな・・・」

 

雄也「あんな強さじゃ準備運動やダイエットにもならなかったし。」

 

オードリー「制御出来ない力など使うべきではなかった。この罪は重いですよボーマン博士。独断でゴーレムを改良し、この惨劇を生み出した責任は取って貰います。全ての役職を解任。博士号を剥奪の上、山岳州の鉱山行きです。いいですね全州総督?」

 

フォルク「あ、ああそうだな。責任は取らなくては。」

 

オードリー「それと全州総督。中央州レセプトの町から住民の避難を。事態は一刻を争います。早馬を出して下さい。」

 

フォルク「ちょ、ちょっと待ちたまえ!避難させておいてもしも何もなかったらどうするのかね?町の住民が黙っちゃいないぞ!?」

 

オードリー「この期に及んで何を馬鹿な事を・・・何もなかったら騒がせた事を詫びて賠償し責任を取れば良いだけの事です。寧ろ出現を知っていながら何もしなかったと、後で分かった場合どうなるか・・・そちらの方が大問題ですよ?公王陛下。公爵。丘陵州のリムルードとエミナス。中央州のレセプト。ここから全ての住民を避難させます。それとフレームギアの国内配置を期間限定で許可致します。全州総督いいですね?」

 

フォルク「あ、ああ勿論。」

 

冬夜(これじゃあどっちが国の指導者か分からんな。)

 

雄也(もうオードリーを全州総督に拝命した方が良くね?)

 

 

 

 

 

 

後日。フレームギアが各州に配置された。

 

ニコラ「来ますかね?」

 

雄也「さあな。来なきゃ来ないで良い事なんだけどな。」

 

冬夜「でもここまでお膳立てした以上、来て貰わないと色々とこっちが困りそうだ。」

 

ニコラ「今回の戦いに諸刃様は参加されないのですか?」

 

冬夜「ん〜。諸刃姉さんはフレームギアの操縦は出来ないからなあ。あの人剣以外からっきしだから・・・でも参加するとは言ってた。晶材の剣も渡してあるし、それなりに働いてはくれるんじゃないかな?」

 

ニコラ「参加って・・・生身ですか?」

 

冬夜「生身で。」

 

するとそこに、クリスターから緊急連絡が。

 

クリスター『雄也様!空間に亀裂を確認!フレイズが出現しようとしています!』

 

雄也「お?来たか。」

 

空が亀裂が起こり、穴が出現した。

 

雄也「どう思う?」

 

冬夜「ん〜。殆どが下級種と中級種だが・・・上級種はどうした?」

 

エンデ「上級種は出現までに時間が掛かる。前もそうだったろ?」

 

冬夜「ああそう言う・・・わあっ!?何時の間に!?」

 

雄也「成る程な。」

 

エンデ「出現までの時間は30分ってとこかな?それまでにアイツらを片付けておきたい所だね。じゃ。」

 

雄也「おう。」

 

一旦エンデと別れた。

 

冬夜「数は841体。」

 

雄也「ユーロンの刻の6割程か。」

 

ロゼッタ「今回は全てのフレームギアに晶材による武器を装備させたから、かなり悠里だと思うでありますよ。」

 

雄也「それはありがたいね。」

 

クリスター『雄也様。動き始めました。』

 

雄也「OK。冬夜。」

 

冬夜「うん。じゃあ始めるか。全機戦闘開始!各指揮官に従いフレイズを殲滅掃討せよ!!」

 

兵士達「おおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

雄也「んじゃ俺達も始めるか。」

 

ハンターに乗り、ギアレットハンターをホルダーに装填した。

 

 

 

 

 

 

北側では、フレームギアの攻撃でフレイズが次々と討伐されている。

 

冬夜「北側は心配なさそうだ。雄也、南側は?」

 

雄也「ちょっと待ってろ?」

 

レーダーで南側の状況を確認する。

 

雄也「おお。エンデの完全なソロプレイショーが開演中だ。」

 

冬夜「なら大丈夫だろ。となると、中央の部隊を僕と雄也がフォローすれば・・・って、あれ?」

 

諸刃が高速プレイでフレイズを次々と駆逐している光景が見えた。

 

雄也「WOW。華麗なステージだねぇ。」

 

冬夜「僕達が必要ないような気がします・・・」

 

雄也「ロゼッタ。フレイズの数は?」

 

ロゼッタ「全部で4388体です。」

 

雄也「倒したのはざっと半分か。」

 

エンデ『あーあー。冬夜、雄也聞こえる?』

 

ソロプレイ中のエンデから通信が入った。

 

冬夜「エンデか?どうした?」

 

雄也「はいこちら雄也。どうされたんでありんす?」

 

冬夜(急にキャラ変わってる・・・)

 

エンデ『そろそろ上級種が出現しそうだ。ここから北東の方。空間に歪みがあるのが分かるかい?』

 

雄也「ああ。あれか。」

 

北東の空に歪みが起きている。

 

冬夜「北側に展開中のブリュンヒルド及びレスティア部隊に通達。そこから西方面へ移動せよ。そして全部隊で通達。今より十分程で上級種が出現する予兆あり。注意されたし。」

 

空の歪みが割れ、空間から巨大な上級種フレイズが出現した。

 

冬夜「ゴリラ型・・・か?」

 

ゴリラ型の上級種フレイズが衝撃波を発生した。

 

雄也「おわっち!?」

 

冬夜「あれは・・・!!」

 

上級種フレイズの体内の核が見えた。上級種フレイズが核に魔力を集め始めた。

 

冬夜「全員上級種の正面から散開!逃げろ!」

 

雄也「ぶっつけ本番!やるしかねぇ!」

 

上級種フレイズがハンターにビームを放った。

 

雄也「コロガドランガード!」

 

コロガドランの力を宿したシールドでビームを防いだ。

 

雄也「コイツぁ一筋縄じゃいかねぇみたいだ。」

 

上級種フレイズがハンターに向かって走り出した。

 

エルゼ「ブースト!」

 

ゲルヒルデがブーストを発動して、ハンターへ走る上級種フレイズをパンチでダメージを与えた。

 

エルゼ「雄也大丈夫!?」

 

雄也「エルゼ!助かった!」

 

上級種フレイズが眩い発光を発動した。

 

エルゼ「うっぐっ!?」

 

雄也「うおっ!眩し!」

 

冬夜「スリップ!」

 

スリップで上級種フレイズを転ばせた。諸刃がフレイズの剣で上級種フレイズの核を破壊しようと突き刺した。だが核まで届かなかった。

 

諸刃「ふむ、2本分でも足りないか。思ったより胸板が厚いね。冬夜君、雄也君。流石にこれは私でも手に余るなあ。力を使わない状態では無理っぽい。」

 

冬夜「神の力をって事?出し惜しみしないで使ってくれて良いですけど。」

 

諸刃「うーん。でもここら一帯が吹っ飛ぶし大陸が裂けるかも知れないけど良いのかい?」

 

雄也・冬夜「却下!」

 

諸刃「それに神力をこの世界で使い切ってしまうと存在を保てなくなるからねぇ。出来ればやりたくないな。」

 

雄也「やりたくないなら引っ込んでくれ。」

 

上級種フレイズが胸を開いてビームを放とうとする。

 

雄也「来る!」

 

冬夜「リフレクション!」

 

巨大なバリアを張った。それを見た上級種フレイズが胸を閉じて両腕で塞いだ。

 

冬夜「何!?」

 

するとビームが水晶の両腕を伝って周囲に拡散放射した。

 

雄也「水晶の腕を利用して周囲に拡散放射だと!?」

 

冬夜「くっ!こうなったら・・・全員上級種より退避!距離を取れ!メテオレイン!」

 

上空の魔法陣から無数の魔法弾を降り注ぎ、上級種フレイズの全身に穴を開けた。穴を開けられた上級種フレイズが苦しみ悶える。

 

雄也「大人しくしやがれ!ギルガドランウィップ!」

 

ギルガドランの力が宿った炎の鞭で苦しみ悶える上級種フレイズを縛り上げ、そのまま全身を炎で炙る。

 

雄也「このまま燃やして溶かしてやる!」

 

そこにエンデの乗ったドラグーンが加勢に入り、ソードで上級種フレイズの胸板を突き刺した。

 

エンデ「シャール!」

 

上級種フレイズの胸板が開き、核が出て来た。

 

雄也「今だエルゼ!」

 

エルゼ「一撃粉砕!!」

 

最後はゲルヒルデのパンチで上級種フレイズの核を破壊した。核を破壊された上級種フレイズが跡形も無く崩れた。

 

エルゼ「いよっし!!」

 

冬夜「ははは・・・やってくれたなあ・・・」

 

上級種討伐完了し、残りのフレイズを排除する掃討戦に入った。

 

諸刃「どれ、じゃあ私も手伝って来るかな。」

 

エンデ「ごめん2人共。ドラグーン腕が壊れちゃったよ。」

 

冬夜「いや、あれがなかったらヤバかったかも知れないし助かったよ。直しておくから、また少ししたら取りに来てくれ。」

 

雄也「しかしお前、さっき何をやったんだ?」

 

エンデ「魔力の音・・・と言うか振動をね。一点集中させて直接撃ち込もうとしたんだけど、その前に腕が吹っ飛んじゃったんだよ。加減を間違えた。」

 

冬夜「成る程。僕がナイトバロンに乗って魔法を全力で使った時と同じか。エンデの魔力の強さに耐えられなかったんだな。この際だから完全に改修するか。」

 

雄也「・・・ん?何だ?今の感覚?」

 

エンデ「・・・冬夜。雄也。ちょっとマズい事になりそうだよ。」

 

雄也「おいおいお前。まさかもう1体お客様ご来場とか言うんじゃねぇだろうな?」

 

エンデ「上級種じゃないよ。あれは・・・来る!」

 

空間が割れて現れたのは、全身に結晶を纏った女。

 

冬夜「おい・・・何だよあれは・・・」

 

雄也「何だあの女?」

 

エンデ「上級種より上のフレイズ・・・支配種だよ。」

 

冬夜「支配種!?」

 

支配種「ーーーーーーーーー!!!」

 

こっちを見た支配種が謎の言語を発してダッシュで接近。

 

エンデ「ちぇっ。よりにもよって出て来たのが彼女とはね・・・」

 

支配種のパンチを右手で受け止めた。

 

雄也「おいお前の友達なの!?」

 

エンデ「まあね。だけど仲は良くないんで退いてはくれないと思うよ。」

 

雄也「見りゃ分かるわ。」

 

支配種「ーーーーーーーーーーーー!!」

 

冬夜「いや僕達に聞かれても・・・」

 

雄也「誰か翻訳家連れて来て・・・」

 

支配種が口に魔力を集め始めた。

 

雄也「や、ヤベェかも!フグミラン!」

 

フグミランが現れ、鏡で支配種のビームを弾いた。弾いたビームが支配種の後ろの山の一部を破壊した。

 

冬夜「冗談だろ・・・何て威力だよ・・・」

 

雄也「あれは・・・火傷じゃ済まなさそうだ・・・」

 

エンデ「冬夜、雄也。悪いけどこれで失礼するよ。ドラグーンは後日取りに行くから修理を宜しく。」

 

冬夜「お、おい!?」

 

エンデが支配種と共に瞬間移動で姿を消した。

 

雄也「行っちゃった・・・」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド公国に帰還した。

 

冬夜「支配種・・・あれは何だったんだろう。」

 

雄也「エンデと会話してたみたいだし、話せない相手ではなさそうだ。」

 

 

 

 

戦闘は終息し、事後処理も粗方片付いた。ロードメアはフレイズの被害を然程受けず済んだが、武装ゴーレムによる首都破壊の方が痛手だったようだ。

 

最終的に全州総督フォルク・ラジールは地位を失い、新たなロードメア全州総督として選ばれたのが、今回の問題解決に迅速に対応した丘陵州総督オードリー・レリバンだった。

 

そしてロードメア連邦の東西同盟への参加も決まった。

 

 

 

 

冬夜「こちらとしてもオードリーさんがトップの方がまあやり易いか。」

 

格納庫に来た2人。

 

ロゼッタ「マスター。ちょっと宜しいでありますか?」

 

雄也「どうした?」

 

ロゼッタ「実は先日の戦いでちょっと妙な事か。」

 

雄也「妙?」

 

ロゼッタ「今回の戦いで大破、中破し本陣へ転送された人数は36名。そして戦闘終了後戦場でマスターが回収された壊れたフレームギアが35機。」

 

雄也「36名と35機。あれ?1機足りねえ。」

 

冬夜「何?パーツまで指定して『ストレージ』で回収したんだぞ?その現場に無かったとって言うのか?」

 

ロゼッタ「性格には頭部、胸部メインユニット、左上腕部、右全脚部とバラバラでありますが、全部シュバリエの部品でありますね。」

 

雄也「乗ってた騎士の誰かがあの戦いの中で盗人になっちまったって事か?」

 

ロゼッタ「いえ。と言うよりパーツごとバラバラと言う事から見て、壊れたフレームギアを他の誰かが回収したのではないかと。」

 

 

 

 

格納庫のモニター部屋。

 

ロゼッタ「これを見るであります。先日の戦いの上空映像でありますが・・・」

 

パソコンに上空撮影した映像を見せる。映像に映ってるシュバリエのパーツが一瞬にして消えた。

 

冬夜「消えた?」

 

雄也「一部パーツが?」

 

ロゼッタ「これを魔力感応画面に切り替えると・・・」

 

魔力感応画面に切り替えると、シュバリエのパーツを透明の集団が映った。

 

冬夜「あ!」

 

雄也「見えた。」

 

ロゼッタ「どうやら姿を消す魔法かアーティファクトを使っているようであります。魔力感知にはバッチリ引っ掛かっているのでありますが、フレームギアまでバッチリ映っているでありますな。」

 

冬夜「フレームギアの装甲は魔力ペンキでカラーリングされてるからな・・・」

 

雄也「にしてもコイツら何者なんだ?東西同盟の手の者とは考え難いし貸し出ししてる訳だし、一体何処の鼠なんだ?」

 

冬夜「となるとそれ以外の国か?今回の戦いは何日も前から判明していた。」

 

雄也「そう考えると、今回の戦いに乗じて動いた奴らが居たって訳か。」

 

冬夜「全く火事場泥棒みたいな真似をしてくれる・・・検索。フレームギアの壊れたパーツ。」

 

スマホでフレームギアの壊れたパーツを検索したが、該当はない。

 

冬夜「表示されないな。」

 

ロゼッタ「恐らく妨害の魔力障壁が張られているんでありますよ。バビロンのと同じタイプの奴であります。」

 

雄也「チェイス不可能か。盗まれたパーツからフレームギアを作る事は可能か?」

 

ロゼッタ「無理でありますな。時間を掛ければ組み立てる位は出来るかも知れないでありますが、量産は不可能でありますよ。ただフレームギアに使われている技術は応用される恐れがあるかと。粗悪な類似品なら作られる可能性があるかもであります。」

 

雄也「なんとまぁ面倒な事。」

 

モニカ「一応各国には盗まれたって事を伝えておいた方が良いんじゃねぇのか?偽物のシュバリエが暴れ回るなんて事になって濡れ衣を被せられたら溜まったもんじゃないぜ?」

 

雄也「だな。」

 

冬夜(フレームギアの偽物か・・・エーテルリキッドも無いんだし動かすのだってそう簡単にはいかないと思うけど、嫌〜な予感がするなあ・・・)

 

ロゼッタ「まあどう頑張った所でシュバリエより優れた機体を作るのは無理でありますからほっとくであります。」

 

雄也「それもそうだな。フレームギアはバビロンの技術の結晶。所詮素人が作るのは無理だし。」

 

ロゼッタ「それよりも八重殿とヒルダ殿の機体でありますが、今のままで進めるでありますか?」

 

冬夜「ん。変更はない。」

 

ロゼッタ「その後は誰の機体を?」

 

スゥ「妾じゃ!」

 

格納庫に突然スゥがシェスカと共にやって来た。

 

冬夜「びっくりした。」

 

雄也「シェスカが連れて来たのか。」

 

スゥ「いい加減妾もフレームギアに乗せんか!もうフレームユニットで練習は飽き飽きじゃー!」

 

冬夜(ううん、スゥのかー・・・スゥの乗り手としての腕前は天才級なんだよな。だけどそれはフレームユニット内の対戦成績の話だ。実際の戦場とは違う。)

 

雄也「なぁスゥ。いいのか?戦場に出れば死ぬかも知れないぞ?」

 

スゥ「何を言うか!妾だって冬夜の婚約者!戦うべき時には戦う!安全な所に引っ込んでお飾りの妻になどなる気は無いぞ!妾も皆を守りたいのじゃ!」

 

雄也「だそうだ。どうする冬夜?」

 

冬夜「・・・分かったよ。じゃあスゥの専用機体を作ろうか。どんなのが良い?」

 

スゥ「兎に角で強いのじゃ!」

 

雄也・冬夜「漠然としてんなあ。」

 

スゥ「でっかいのが良いのう。エルゼみたいに相手をガンガン壊せるのが良い。あ!2人に見せて貰ったあの普通の機体が色々合体していってでっかい奴になるのとか!」

 

雄也「え?そんなの見せたっけ?」

 

スゥ「そんで妾もフレイズの核をこう抉り出したり、回転した腕が飛んでいって相手を破壊したりしてみたいのじゃ!あ、後黄金のハンマーも作ってくれ!」

 

冬夜「ああ、何となく分かったアレか・・・」

 

雄也(勇者王・・・)

 

冬夜「ううん・・・まあ物は試しだ。やってみるか。」

 

スゥ「やった!やっぱり冬夜は最高の旦那様じゃ!」

 

頬にお礼のキスをした。

 

冬夜(何か段々ませてきたなあ。)

 

雄也「シェスカ。お前の入れ知恵か?」

 

シェスカはサムズアップした。

 

冬夜「教育に悪い・・・」

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
      スゥシィ:山下七海

     ライザーク:梅原裕一郎
     ルナフィン:村瀬歩
     クリスター:石上静香

    ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
    フレドモニカ:花井美春
      フォルク:三宅健太
     オードリー:新谷真弓
      リミット:岡咲美保
      エドガー:増岡大介
       ニコラ:土屋神葉
      ジャムカ:稲田徹
    ラインハルト:今井文也
        リグ:てらそままさき
      エリアス:高嶋雅羅

       エンデ:内田雄馬
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