異世界はガウストとともに。   作:naogran

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39話「新装備、そしてイーシェン騒動。」

数日後。ブリュンヒルド公国で会議。

 

ジャムカ「これがフレイズの出現を予測出来るアーティ・ファクトか。」

 

冬夜「はい。感知板と名付けました。」

 

各国の代表に黒いプレートを1枚ずつ配った。

 

雄也「フレイズの出現を感知すると、その方向の距離や出現予測時間や種別と数が表示される道具だ。コイツを各国のギルドに設置して貰う。」

 

冬夜「下級種のみの場合は、ギルドからの依頼として冒険者に。中級種を含む場合はフレームギアでその国を挙げて対処。上級種を含む場合は、東西同盟全体で事を当たるとしたく思っています。勿論あまりにも数が多ければこの限りではありませんが。」

 

レリシャ「ギルドとしては問題ありません。ユーロンの時のように予測出来ずに被害を被るのは避けたいですからね。」

 

ゼフィルス「ふむ。これがあればフレイズの襲撃があってもある程度国内で対処出来るな。」

 

ジャムカ「それとフレイズの破片・・・晶材だったか?それも使いようによっては何かと便利そうだし。」

 

冬夜「今まではフレームギアで倒した分の晶材は殆ど僕らが貰っていましたからね。」

 

雄也「なので今回は自国で倒した場合、フレイズの晶材は8割はその国の物。残り2割はフレームギアのレンタル料としてブリュンヒルドへ。フレームギア無しで倒した場合は全部自国の取り分と言う事で宜しく。」

 

冬夜「では今日の会議はこれで・・・」

 

オードリー「すいません。1つ報告が。」

 

ロードメア総督のオードリーから報告が入った。

 

オードリー「一応伝えておいた方が良いとおもいまして。先日起きた我が国に於いて武装ゴーレム暴走事件。このゴーレムの研究・培養の全責任者であったエドガー・ボーマンが鉱山収容所より脱走致しました。」

 

雄也「なぬ?あの野郎脱走したの?」

 

オードリー「どうも外部からの手引きがあったらしく、その行方は未だ掴めません。国外逃亡もありえますので一応報告をと。」

 

冬夜「検索。魔工学士エドガー・ボーマン。」

 

スマホ『検索終了。該当なし。』

 

冬夜「ぬう。」

 

雄也「・・・だめだ。ギアレットハンターにも反応無い。」

 

オードリー「既に死んでいる・・・と言う事でしょうか?」

 

雄也「個人判別出来ないような死体になってなければな。それか魔力障壁が張られてる場所に逃げ込んだか、張れる道具を持っているかは分からない。」

 

冬夜(また厄介事が増えそうだな・・・)

 

 

 

 

 

 

その後。各国代表にある乗り物をプレゼンする。

 

リグ「ほほう。これが手漕ぎトロッコと言う物か。」

 

雄也「そうだ。レバーを上下に動かすと台車がレールの上を進む。重い荷物を運搬する為の道具だ。」

 

リグ「成る程。構造は然程難しくないな。しかし、これはあまり量を運ぶ事は出来ないのではないかな?」

 

冬夜「今はそうですね。しかしトロッコに代わる高速で大量に運べる物を考えてありますので。今はこれを皆さんに公開しといて問題がなさそうなら計画を進めようかと。」

 

まずは線路とその上を走る物があるって認識を共有。いきなり蒸気機関車なんか作って事故って脱線したらひとたまりもない。

 

冬夜「土魔法を使える者ならレールを敷く際に道を平坦にするのも簡単でしょうし。鉱山内で掘り出した鉱石を外へ運ぶのにも便利ですよ。」

 

雄也「ただ守って欲しい事がある。レールの幅は大きい。これは出来れば統一して貰いたい。いずれはリーフリースやロードメアまで線路を伸ばせれば流通がかなり楽になるからな。作り直すの大変だろ?」

 

島国の代表「ウチの国は皆さんの国と接してませんけど・・・」

 

雄也「同じレール幅にしといた方が他の国で使っていたトロッコとか流用出来るぜ。」

 

島国の代表「あそうか。」

 

冬夜「んじゃ説明書と図面を配ります。」

 

説明書と図面を配った。

 

 

 

 

それらを一通り目に通した後。

 

冬夜「と。注意事項は色々ありますので、事故には充分気を付けて下さいね。」

 

雄也「んじゃ今日はこれで・・・・」

 

一部の代表がトロッコに乗りたがりたい程ワクワクしている。

 

雄也「・・・乗ってみる?」

 

トロッコを全速力で走らせ、レールの端で脱線した。

 

雄也・冬夜「子供か。」

 

 

 

 

 

 

数日後。ブリュンヒルド公国に椿が情報を持って来た。

 

椿「陛下。公爵。少しお耳に入れておきたい情報がございまして。」

 

雄也「何かあったのか?」

 

ライザーク「面白い情報か?」

 

椿「いえ。イーシェンで戦が始まったようです。」

 

冬夜「イーシェンで?」

 

雄也「戦ってるのは?」

 

椿「織田。羽柴。長宗我部。毛利。島津。徳川。上杉。伊達の八領主の内、長宗我部が織田・羽柴連合軍に敗れ領土を奪われました。その後すぐに織田の領主織田信永が暗殺され、羽柴の領主は芝秀儀が織田を乗っ取り、一大勢力となったとの事です。これに対し、徳川は伊達と同盟を組んで抵抗しています。」

 

冬夜「織田の領主を殺ったのは配下の明智さん?」

 

雄也「夜分に織田は明智に襲われたとか?」

 

椿「・・・はい。明智満秀と言う者に本納寺と言う寺で宿泊中に謀反に遭い・・・何故知っているのです?」

 

冬夜「んー。まあそんな気がしたんで。」

 

雄也(本能寺の変がこの世界で起こったとは。)

 

冬夜「それで羽柴軍はどうなりました?」

 

椿「そのまま毛利、島津を勢力下に治め、残るは徳川、伊達、上杉のみとなりました。ですが・・・」

 

雄也「何かあったのか?」

 

椿「羽柴軍はイーシェン東部へと軍を向けつつも、一方では軍船を造っております。どうやら海を渡りユーロンへと攻め込む考えもあるようで・・・」

 

冬夜(あれ?今の状況下で攻められたらユーロンやばくね?)

 

雄也「ユーロンは今どうなってるんだ?」

 

椿「首都壊滅後、天帝不在となり有力な貴族が天帝の庶子だと言う者をそれぞれ新天帝に立て勢力争いをしています。少し前のイーシェンに似てますね。」

 

雄也「近隣国の動きは?」

 

椿「今の所何も。ホルン王国は武力侵攻を是としない国だそうで。ゼノアスは他国へ不干渉。ハノックは元々ユーロンとは一線を引いています。フェルゼンに関しては西にロードメア。南にレスティアと言う大国が控えてますので、そう簡単に動けないかと。」

 

雄也「成る程な。」

 

冬夜(となると羽柴軍のこの行動はそれを見越しての動きか?それとも何か目的があって・・・あんな島国1つ制圧出来てないのに外の国へ乗り出すかね?)

 

雄也「そうだ。秀儀ってどんな奴なんだ?」

 

椿「よく分かっておりません。何時の間にか領主の地位を帝から賜っておりました。その後織田に取り行り連合軍を結成したと思ったら内戦が始まりました。金の瓢箪を馬印にした猿顔の小男と言われてますが、羽柴の者以外で見た者はおりません。」

 

冬夜「見た者がない?」

 

雄也「暗殺を警戒しての身籠りか?」

 

ライザーク「徳川家泰はどうしてんだ?」

 

椿「伊達を手を結び、更に今では上杉とも結ぼうとしているようです。我ら武田・・・いえ元。武田に匹敵する軍を持つ上杉を味方に付けて羽柴軍に備えておきたいのでしょう。」

 

冬夜「うーん・・・さっくりと家泰さんがイーシェンを統一するかと思ってたんだけどな。」

 

椿「如何致しますか?」

 

雄也「今は様子見だな。羽柴軍が本気でユーロンや家泰の所に侵攻するようだったらまた連絡頼む。」

 

椿「はい。」

 

冬夜「何だか色んな所がきな臭いなぁ。」

 

 

 

 

 

 

数日後。ブリュンヒルド公国に巨大な時計塔が完成した。

 

冬夜「よし!取り敢えずこんなもんかな?『未来視の宝玉』にも映ってた時計塔。」

 

雄也「まさにイギリス・ロンドンのビッグベンだな。この町のシンボルとして親しまれるだろう。」

 

冬夜「季節もそろそろ春か。暖かくなって旅人の数も増えてきたな。」

 

雄也「ああ。最初どうなるんじゃと思ってたが、この国も中々発展したな。」

 

オルバ「おお。これはまた立派な時計塔ですなあ。」

 

商人のオルバとオリガの妹のアルマと出会った。

 

雄也「ようオルバ。アルマも。」

 

オルバ「今日は鋼材の納品に来ました。」

 

ライザーク「おお。ご苦労様。」

 

オルバ「それと・・・この間の頼まれ事ですが・・・」

 

冬夜「何処か引っ掛かりましたか?」

 

オルバ「フェルゼンですね。」

 

雄也「フェルゼン王国か。フレームギアを無断でお持ち帰りした連中がそこに居るって訳だな。」

 

オルバには以前オリハルコンを大量に市場に流して貰うよう頼んであった。オリハルコンはフレームギアの各部パーツにも使われている希少金属。フレームギアのパーツを盗んだ奴がまずやる事は、分解して構造を知る事。そしてその次には自分達で模造品を造ろうと画策すると思っていた。

 

オルバ「売った先はラオ工房。調べてみましたが、そんな工房は存在しませんでした。」

 

雄也「架空工房の類か。」

 

オルバ「はい。オリハルコンはそのままフェルゼンへと送られ、そこからの追跡は出来ませんでしたが・・・」

 

冬夜「どうしてです?」

 

オルバ「あの国は商人ギルドが居ないんですよ。商売も魔工商会が仕切ってますしね。フェルゼンの魔法使い、職人、商人。全てを取り仕切る巨大ギルドなんですが、商人ギルドと違いフェルゼン国内のみの商会なので。」

 

冬夜「って事は、オリハルコンの買い手は誰か分からないって事か・・・」

 

雄也(架空工房を名乗った事から判決は黒。かなりの資金力があるって事は確かだな。)

 

冬夜「これがフェルゼン王国主導の事なのか、それとも一部の組織の事なのか。」

 

雄也「どっちにしても確証が得られないな。」

 

オルバ「フェルゼン王国は魔法やアーティファクト研究でも有名な国ですよ。東方では『魔法のフェルゼン、剣のレスティア』と言う位で。」

 

冬夜「う〜ん・・・パーツを盗まれた時の変な視覚遮断の魔法もフェルゼンの技術か?オルバさん。フェルゼンで何か変な動きがあったら教えて下さい。お礼はしますので。」

 

オルバ「いえいえそんな。ただでさえこんなに儲けさせて頂いているのに、これ以上頂いだたら罰が当たります。」

 

冬夜「そうですか?雄也。」

 

雄也「おう。実はあったけぇ飲みモンや冷てぇ飲みモンなどを長期保存出来る水筒があるんだけど。」

 

オルバ「詳しくお聞かせ願いたいですな!」

 

雄也・ライザーク「現金な商人です事。」

 

 

 

 

 

 

オルバとアルマと別れた後、町を散策していると。

 

冬夜「お?あれは・・・」

 

前の4人組に目を付けた。

 

雄也「ロップ達じゃねぇか。」

 

嘗てダンジョンで奴隷商人に誘拐されそうになった所を雄也と冬夜に助けられたロップ達の姿があった。

 

冬夜「やあ。元気だったかい?」

 

ロップ「え?あ!へ、陛下!公爵様!」

 

雄也「久し振りだな。」

 

冬夜「そいつ役に立ってる?」

 

4人と一緒に居る小さな白いネズミ。

 

フラン「はい!スノーは魔獣の接近を感知してくれますし、罠だって見破って警告してくれるんです。」

 

雄也「ほう。中々有能だな。名前も貰ったんだな。」

 

ネズミのスノーはドヤ顔した。

 

イオン「お陰で昨日の探索で私達紫ランクに昇格したんです!」

 

冬夜「おー!初心者卒業か!」

 

イオン「スノーが隠し通路を見付けてくれて、その先に宝箱があってこれを見付けたんですよ!」

 

懐からミスリル製の剣を出して2人に見せた。

 

冬夜「ミスリル製か。」

 

雄也「価値ありそうだな。」

 

冬夜「これどうするつもり?」

 

イオン「皆とも相談したんですけど、折角だし私が装備して使おうかなあって・・・」

 

雄也「いや、売れ。」

 

イオン「え?」

 

雄也「幾ら昇格した身とは言え、お前達はまだ駆け出しの若い冒険者パーティだ。そんなひよっこが売ればかなりの価値になるミスリルの剣を持ってみろ。金に困ってるチンピラ冒険者共に集られて盗まれるのがオチだ。」

 

イオン「そっか・・・」

 

雄也「盗まれるならまだしも、お前達が襲われる可能性は0ではない。目を付けられないようにした方が良いと思うが、目を付けられても捩じ伏せられれば問題はないけどな。」

 

イオン「うーん、私この剣気に入っていたのになあ・・・」

 

ロップ「だが僕らにとってリスクが大き過ぎる。危険は避けた方が良い。」

 

イオン「そうだけどぉ・・・」

 

雄也「そこで俺から提案がある。ソイツを売った金でお前達の装備品を新調するのはどうだ?見た所防具とか傷み始めてるだろ?」

 

イオン「・・・そうですね。皆で見付けたのに、私だけ新しい剣ってのもちょっと悪い気がしてたし、売る事にします!」

 

雄也「よし。んじゃあ俺達がその剣を買おう。相場より言い値で買おう。昇格祝いだ。」

 

冬夜(いや待て?この子らにいきなり大金を持たせるのはちょっと・・・)

 

大金を持った彼らを想像して嫌な予感がした。

 

冬夜「雄也雄也。」

 

雄也「ん?」

 

耳元で雄也に助言する冬夜。

 

雄也「あ、その方がエエな。」

 

ロップ・フラン・クラウス・イオン「?」

 

雄也「それとも金で買い取るより、その剣と交換で俺達がお前達の装備を新調してやるってのはどうだ?」

 

ロップ・フラン・クラウス・イオン「本当ですか!?」

 

冬夜(何かこの子らからミスリルの剣を取り上げてるみたいで胸が痛むな。相応の仕事はしないとなあ。)

 

 

 

 

 

 

ミスリルの剣との交換で彼らの為に装備を新調してあげた。

 

ロップ・フラン・クラウス・イオン「こ・・・これが・・・!?」

 

普通の武器や衣装や防具。

 

イオン「・・・何か・・・」

 

期待してたのより地味でガッカリしてしまった。

 

冬夜「見た目は地味だけど大丈夫だから!」

 

雄也「装備ってのは見た目じゃなく中身が大事なんだ。魔法は色々付与してあるし、重量も調整済み。それに刃の部分は薄く晶材でコーティングしてある。ホラ、これとか魔石に見えて実は晶材で出来てる。見えない部分に竜の鱗を使ってみたんだ。」

 

新しい武器にロップ、クラウス、イオンが目を輝かせてる。

 

冬夜「他の冒険者には教えない方が良いぞ。一応世界に1つだけの装備だからな。」

 

雄也「ただもし売りたい場合は、オルバのストランド商会で買取して貰いな。」

 

冬夜「それと序でに竜の肉もあげるよ。丁度お昼時だし『銀月』のミカさんに料理して貰いな。」

 

ロップ・フラン・クラウス・イオン「ありがとうございます!!」

 

”リーンゴーン”

 

時計塔の鐘が町に響いた。

 

冬夜「僕らも城に帰って昼飯にありつこうっと。」

 

雄也「そうだな。あ〜腹減った〜。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後。完成した高速飛行艇グングニルの飛行試験に参加した。

 

冬夜「結構スピードが出るもんだな。」

 

モニカ「だろ?」

 

雄也「時速は凡そ300km位か。」

 

冬夜「この機体がスゥのフレームギアと合体するんだろ?」

 

モニカ「この機体は背中のパーツに変形するな。最もその時は自動操縦で合体するから俺達は不必要だぜ。一応障壁も張ってあるから、飛行中は見えないはずだぜ。ま、飛行音は聞こえるだろうけどな。」

 

雄也「なぁ。グングニルに他の装備とかあんのか?」

 

モニカ「何もねえよ。でも頑丈だから体当たりでフレイズも倒せるぜ。」

 

雄也・ライザーク「最早特攻。」

 

冬夜「この辺りはユーロンか。荒野と廃墟が目立つなぁ・・・」

 

雄也「まぁフレイズがしっちゃかめっちゃかやったやらかしたから無理もねえよ。」

 

琥珀『主。』

 

クリスター『雄也様。』

 

冬夜「ん?琥珀か?」

 

雄也「ん?クリスター?」

 

突然琥珀から通信が入った。

 

琥珀『八重様が主と雄也殿と話されたいと申され・・・ぐうぇ!』

 

クリスター『八重様お気を確かに!』

 

八重『冬夜殿!雄也殿!聞こえるでござるか!』

 

冬夜「聞こえる。聞こえるからあんまり琥珀とクリスターを乱暴に扱うなよ。」

 

八重『先程ゲートミラーで母上から手紙が届いたのでござる!オエドへと羽柴が侵攻を開始し、戦が始まったと!羽柴軍は二十万!徳川・伊達連合軍は六万!三倍以上の戦力差がある上、初戦で家泰様が怪我を負ったと・・・』

 

冬夜「何だって!?」

 

雄也「マジかよ!?」

 

八重『拙者が『シュヴァルトライテ』で乗り込み羽柴軍を蹴散らすでござる!』

 

雄也「いや止めとけそれだけは。おいモニカ、イーシェンのオエド方面へ進路変更を頼む。」

 

モニカ「了解だぜ!」

 

進路をイーシェンのオエドに変更した。

 

冬夜「兎に角ゲートを開くから。」

 

ゲートを開き、八重を来させた。琥珀とクリスターと一緒に。

 

八重「冬夜殿!雄也殿!・・・って、ここは何処でござる?」

 

雄也「飛行艇の中だ。飛行試験中だけどな。今イーシェンに向かってる。」

 

八重「辱い・・・父上と兄上も戦に向かったとの事だったので・・・」

 

冬夜「しかしどうしたもんかな?国内の戦争だからなあ。」

 

雄也「他国の人間が首突っ込む訳にはいかねぇし。」

 

冬夜「僕が家泰さんに肩入れするのもマズいかな?ここはやっぱり通りすがりの仮面と武将とかに化けるかねぇ。」

 

ストレージから甲冑と陣羽織と仮面を取り出し、それらを装着した。

 

八重「仮面の・・・でござるか?」

 

冬夜「よし。中々格好良いんじゃないか?どう?」

 

鬼武者の格好をした冬夜に八重は。

 

八重「どうと言われても・・・まあイーシェンの人間には見えるでござるが・・・」

 

冬夜「え?そんな変?」

 

雄也「じゃあ俺も、仮面だけ着けとくか。」

 

キングソウルの顔を模した仮面を着けた。

 

雄也「これでOK。」

 

モニカ「マスター。イーシェン上空だぜ。」

 

雄也「お、来たか。」

 

モニカ「人が集まってやがるな。恐らく彼処が戦場だぜ。」

 

雄也「よし、急行開始。」

 

 

 

 

 

 

イーシェン上空から下を見下ろす。羽柴軍が城門前まで迫って来ている。

 

冬夜「あれが羽柴軍か。八重は城内に入って重兵衛さんや重太郎さんに僕らが来た事を伝えてくれ。あ、他の人達には内緒な。僕と雄也は琥珀達と城門前に居る奴らを蹴散らす。」

 

八重「分かったでござる。・・・拙者はその仮面を被らないでも大丈夫でござるな?」

 

冬夜「大丈夫だろ。ユミナ達と違って八重との婚約は大々的に発表してないしな。何?被りたいの?」

 

八重「ご冗談を。父上と兄上に心配されるでござる。」

 

冬夜「どう言う意味かな?」

 

雄也「お2人さん、そろそろ行動開始するぜ。」

 

 

 

 

 

 

城門前。羽柴軍が城門を破壊しようとしたその時、雄也と冬夜、ガルフレイムと琥珀がテレポートで現れた。

 

雄也「頼もー!」

 

羽柴軍兵A「なっ!?」

 

羽柴軍武将「ええい!邪魔だ!どけえぇ!」

 

雄也「あらよっと。」

 

キックで丸太を受け止め。

 

雄也「はいさよならー。」

 

そのまま蹴り上げて丸太を軽く飛ばした。

 

羽柴兵B「な、ななっ!?」

 

雄也「テメェらに忠告する。こっから潔く撤退しろ。さもなくば・・・」

 

羽柴軍武将「さ、さもなくば何だと言うのだ!」

 

冬夜「スリップ。」

 

羽柴兵達「どわっ!?」

 

スリップで延々と転び続ける。

 

冬夜「おお。流石にこの人数が一斉に転ぶと壮観だな。」

 

雄也「お前本当腹黒いな。」

 

羽柴軍武将「何をしている!立て!」

 

冬夜「ストレージ!」

 

ストレージからイーシェン風の槍を出した。

 

冬夜「さて、たまには運動もするか。ある程度痛め付けて撤退して貰う事にしよう。」

 

雄也「そんじゃ、お伴致しますか。ジャックビリー。リボルバーを貸してくれ。」

 

ギアレットハンターからジャックビリーのリボルバーを借りた。

 

冬夜「準備は良いか琥珀。一気に敵陣を突っ切るぞ。」

 

琥珀「御意!」

 

琥珀の背中に乗った冬夜。

 

雄也「ガルフレイム。第三勢力として大暴れするぞ。」

 

ガルフレイム「おう!腕が鳴るぜ!」

 

ガルフレイムの背中に乗った雄也。

 

冬夜「銀の鬼武者!推して参る!」

 

雄也「黒の落武者!尋常に参る!」

 

2人の号令と共に琥珀とガルフレイムが走り出した。

 

冬夜(一度言ってみたかった。)

 

 

 

 

城門周辺の敵陣に突っ込む。

 

冬夜「まだまだうじゃうじゃと残っているな。風よ渦巻け、嵐の旋風サイクロンストーム!」

 

竜巻魔法で周囲の敵を一網打尽にする。

 

雄也「鉄砲兵のお出ましだ!」

 

二丁のリボルバーを乱射して周囲の敵を気絶させた。

 

雄也「安心しろ。気絶弾だ。」

 

羽柴軍武将「何をしている!相手は2人だ!囲んで一斉に串刺しにしろ!」

 

2人の周囲を羽柴軍が囲んだ。だがガルフレイムと琥珀が大ジャンプした。

 

雄也「俺からの土産だ!受け取れ!」

 

リボルバーから閃光弾を撃った。

 

羽柴兵達「ぐわああ!目がああ!」

 

冬夜「風よ貫け、螺旋の槍刃スパイラルランス!」

 

槍の刃を高速回転させて一気に突っ切る。

 

羽柴兵C「お、鬼だ!鬼武者だ!落武者だ!」

 

羽柴兵D「殺されるぞ!皆殺されるぞ!」

 

敵陣を突っ切った。

 

冬夜「人聞きの悪い。麻痺させてるだけだから死んでないぞ。槍の刃だってわざわざ落としてある。」

 

羽柴軍武将「徳川軍が打って出て来たぞ!応戦しろ!」

 

羽柴兵E「ダメです!右翼の陣形が崩れたままです!迎え撃てません!」

 

羽柴軍武将「ひ、引き上げろ!撤退!撤退じゃ!全軍撤退!」

 

これ以上の戦闘は不可能と判断したのか、羽柴軍が一斉撤退した。

 

冬夜「取り敢えず撃退出来たか。」

 

雄也「案外強くなかったな。」

 

そこに、八重と彼女の兄の重太郎が駆け付けた。

 

雄也「お、重太郎。久し振り。」

 

重太郎「冬夜殿。雄也殿。お力添え辱い。本当に助かった。その恰好は・・・」

 

冬夜「一応立場ってものがあるんで、ブリュンヒルドが絡むと面倒なんですよ。ですから謎の鬼武者と言う事で。」

 

雄也「因みに俺は落武者って設定で。」

 

重太郎「はあ・・・何とお呼びすれば?」

 

冬夜「名前?んーと・・・じゃあシロガネで。」

 

雄也「俺はクロガネで頼む。」

 

冬夜「それより、家泰さんは大丈夫なんですか?怪我したって聞きましたけど。」

 

重太郎「あ、はい。殿は肩に矢を受けて負傷しましたが、命に別状はありません。」

 

雄也「なら会わせてくれるか?冬夜の回復魔法で完治出来るし。」

 

重太郎「それはありがたい!城で父も待っています!」

 

 

 

 

 

 

城を訪れ負傷した家泰と再会し、彼を完治してあげた。

 

家泰「いや申し訳ない。冬・・・シロガネ殿とクロガネ殿にはまた借りが出来たな。お噂はイーシェンまで聞こえておりますぞ。中々派手にやっているようで。」

 

雄也「・・・どんな噂だ?」

 

家泰「色んな国の姫を虜にしているとか。悪魔の軍団をたった2人で殲滅したとか。巨人を操り一国を滅したとか。あげたら切りが無いが。」

 

家臣「殿。その方々は一体・・・」

 

家泰「おう。この2人はシロガネ殿とクロガネ殿と言ってな。そこの九重重兵衛の客人じゃ。皆も先程見た通り、その強さは天下無双!まさに一鬼当千の強者じゃぞ!我らの危機を知ってわざわざ駆け付けてくれたのだ!」

 

雄也(一鬼当千。上手い事言ったな。)

 

世間話は終わりにして、冬夜が本題の話に移す。

 

冬夜「あー、家泰殿。それで戦況は?」

 

家泰「ふむ、圧倒的に不利じゃな。数の上では羽柴軍は我らを遥かに上回る。勝てるとすれば、相手の結束の弱さを突くしかない。」

 

冬夜「結束の弱さ?」

 

家泰「羽柴軍とは言うが元々は織田、毛利、島津、長宗我部の兵が殆どだ。大半は忠義によって従っている訳ではない。皆秀義の力を恐れているだけだ。」

 

雄也「そんなに強いのか?」

 

家泰「秀義は黄金の瓢箪で不思議な術を使うと言う。その力には誰も逆らえず、皆従うしかないらしい。織田信永殿が暗殺されたのも、その力に明智満秀が操られたからと言う噂もある。」

 

雄也「黄金の瓢箪・・・?」

 

冬夜「アーティファクトかな?」

 

黄金の瓢箪が蔵から失くなってないかスマホで調べてみた。

 

冬夜「蔵から落ちら行方不明リストには・・・載ってないな。別製作者の作品か?」

 

雄也「っつー事は、黄金の瓢箪をどうにかしたら相手側が瓦解する訳だな?」

 

家泰「恐らく。と言っても、秀義は自分の城から一歩も出た事がない。同じ領主のこの私でさえ姿を見た事がないのだ。これも噂じゃが、かなりの猿顔らしいので人前に出たがらないとか。」

 

冬夜「それで秀義は何処に?」

 

家泰「オオサカ城。秀義が作らせた黄金の城に。」

 

雄也「調べてみよう。」

 

ギアレットハンターからマップを表示させた。

 

雄也「随分ご丁寧に結界が飾り付けされてんな。ゲートで飛び込むのは不可能だな。」

 

冬夜「だったら飛行艇『グングニル』で直接乗り込んでやるか。」

 

家泰「シロガネ殿とクロガネ殿は一体何をなさる気で?」

 

雄也「決まってる。直接秀義に会ってご挨拶したいだけ。」

 

冬夜「天守閣に直接グングニルをぶつけるのはマズいか・・・全部吹っ飛んじゃうもんなあ。」

 

雄也「面倒だけど何処からか入って城内にお邪魔するしかないな。」

 

家泰「聞くのも今更だが、そんな事が出来るのかね?」

 

雄也「可能だ。」

 

冬夜「作戦としては城に乗り込んで秀義を探し、後は黄金の瓢箪を何とかするだけですが・・・」

 

???「その作戦拙者も連れて行って貰えぬか!」

 

突然2人の男が入って来た。1人は長身、もう1人は右目に眼帯をしている。

 

冬夜(隻眼でこの出で立ち・・・まさか・・・)

 

???「シロガネ殿とクロガネ殿と申したか。先程の戦い実に見事であった。申し遅れたが、拙者伊達領領主、伊達冬次郎正宗と申す。以後お見知り置きを。」

 

冬夜(やっぱり。)

 

雄也(伊達政宗の別世界バージョンだ。)

 

冬夜「じゃあそっちの人は・・・」

 

正宗「家臣の片倉孤十郎蔭綱だ。」

 

蔭綱「お初にお目に掛かります。」

 

冬夜(やっぱり。)

 

雄也(こっちは片倉景綱の別世界バージョンか。)

 

冬夜「連れて行ってくれって・・・オオサカ城にですか?」

 

正宗「如何にも。一度秀義とやらに拝んでみたかったのでな。それとその黄金の瓢箪とやらに興味がある。」

 

ニヤリと不敵に笑った。

 

家泰「正宗殿。大方黄金の瓢箪を手に入れて自分で利用しようとか考えているのであろうが止めといた方が良い。」

 

正宗「ぬうっ!?何故拙者の心の内を!?」

 

蔭綱「正宗殿。考えが見事に顔に出ておりました。」

 

雄也「言っとくけど、場合によっては瓢箪は俺らが壊す。ろくでもないアーティファクトらしいからな。」

 

正宗「むうう・・・仕方あるまい。シロガネ殿とクロガネ殿の言う事も最もだ。従おうじゃないか。」

 

また不敵にニヤリと笑った。

 

雄也「壊す前に横からゲットしようと思ってんじゃねえぞ。」

 

正宗「ぬうっ!?何故拙者の心の内を!?」

 

ライザーク(コイツ、心の声が顔に出るタイプか。)

 

冬夜「しかし家泰さん。伊達の領主を敵陣の真っ只中へ連れて行って良いんですかね?」

 

家泰「それに関しては伊達家の問題なのでワシには何ともな。と言うかオオサカ城へはワシも行きたい。戦いを全て客人に任せて踏ん反り返っている程恥知らずではないぞ。」

 

冬夜(むう・・・確かに僕と雄也の2人だけでカタを付けてしまうのもな。)

 

雄也「じゃあオオサカ城を包囲して城の兵の気を引いて貰えるか?その隙に俺達が瓢箪を何とかするから、後は家泰達にお任せするって事で。けど秀義を何とかしても内乱は終戦するんかね?」

 

家泰「元々は織田が始めた争いを羽柴が引き継いで今の状態になっておる。羽柴を何とかすれば戦いは終わると思うんじゃが・・・」

 

正宗「しかし帝にこの国を治める力はない。さて、天下の紙風船は誰の手に落ちるかのう。」

 

またまた不適にニヤリと笑った。

 

雄也「また顔に出てる・・・」

 

冬夜「まあ考えたって仕方無いか。兎に角『グングニル』でオオサカ城とやらに行ってみるか。」

 

 

 

 

 

 

その後、雄也達は噂のオオサカ城に到着した。

 

冬夜「あれがオオサカ城・・・」

 

雄也「金色とか趣味悪いな・・・」

 

冬夜「それじゃ徳川・伊達の皆さんを転移させますんで。」

 

城門前に徳川・伊達軍を転移させて進軍させた。

 

冬夜「よし、今の内に城へ侵入するか。」

 

八重「あのぅ・・・オオサカ城は結界が張られていて転移魔法では入れないんでござるよね?となると、どうやって・・・まさか・・・」

 

雄也「飛ぶ。」

 

飛ぶ。その言葉を聞いて八重が嫌そうな顔をした。

 

雄也「そんなに嫌か?何ならお前だけでも残ってても構わんが。」

 

八重「いや、拙者も行くでござるよ。冬夜殿の未来の妻として、夫と運命を共にするなら本望でござる!」

 

冬夜「死にに行く時の言い方止めて?」

 

雄也「覚悟が早い。」

 

4人は飛んで(八重は琥珀に乗ってる)、オオサカ城に侵入した。

 

 

 

 

 

 

オオサカ城内に侵入成功。秀義の待つ部屋へと向かう。

 

冬夜「おわぁ。中まで金ピカ。」

 

八重「悪趣味でござるなあ・・・」

 

雄也「目がチカチカする・・・後で一部剥いで金に換えたろ。」

 

 

 

 

一行は秀義の居る部屋に到着。冬夜が襖を少し開けて秀義の顔を覗く。

 

冬夜「・・・え?」

 

八重「どうしたでござる?」

 

誰も知らない秀義の顔。それは・・・

 

 

 

 

 

 

猿だった。

 

 

 

 

 

 

八重「猿でござる。」

 

雄也「どう言う事だ?秀義って誰かが飼ってるあのペットの名前か?」

 

秀義「そこに居るのは何者か?」

 

雄也「あ、気付かれた。」

 

気付かれて、素直に部屋へ入った。

 

秀義「ほぅ。鬼に落武者に女に白虎かえ。これまた珍しい客人だ。表で騒いでいる奴らの仲間か。」

 

雄也「単刀直入に訊こう。お前が秀義か?」

 

秀義「かかか。如何にも。ワシが羽柴筑善守秀義よ。よくぞここまで来れたものだ。褒めてやろう。褒美にワシの側近に取り立ててやろうぞ。」

 

冬夜「そりゃありがたい事で。」

 

雄也「だが断る。」

 

秀義「断れんよ。お前らは。」

 

突然秀義から白い光が発生し、八重と琥珀がその光で動きが止まってしまった。

 

雄也「何!?」

 

冬夜「お前何をした?いやそれよりもこの気・・・」

 

秀義「ぬ!?何故貴様らは平気でいるのだ!?」

 

再び白い光を発生させて雄也と冬夜を動けなくさせようとしたが。

 

秀義「何故だ!?何故効かぬ!?」

 

雄也「お前ただの猿だな。本体はそっちの瓢箪。いや、正体を表せ。従属神!」

 

秀義「貴様!何者だァーーーーー!!」

 

懐から瓢箪の形をしたアイテムが出て来た。

 

冬夜「やっぱり神気だな。」

 

雄也(下っ端とは言え奴は神だ。人間操るなんて造作もないか。)

 

冬夜(でも僕らには神力があったから抵抗出来たんだな。瑠璃聞こえるか?)

 

瑠璃『はい主。何でしょうか?』

 

テレパシーで瑠璃と交信する。

 

冬夜(今すぐ花恋姉さんが諸刃姉さんを探して伝えてくれ。従属神を見付けたって言えばすぐ分かる。)

 

瑠璃『御意。』

 

冬夜(そう言や僕と雄也の神力とやらも盛れてるはずだけど、コイツ気付かなかったのかな?)

 

雄也(多分ある程度コントロール出来るようになったとか?)

 

冬夜「じゃあ、試してみるか。」

 

雄也「俺も。」

 

2人は意識を集中させ、神力を解放した。その瞬間、周囲が眩しい光に包まれた。

 

冬夜「う・・・え?髪?」

 

雄也「うぇ?何じゃこりゃ?」

 

目を開けた2人の髪が長くなっている。冬夜は金髪。雄也は銀髪。

 

従属神『き、貴様ら!その、その神力は!神界の遣いか!?』

 

瓢箪から従属神らしき男が現れた。

 

従属神「しぇやッ!!」

 

両手から神気を放射した。

 

冬夜「ッ!」

 

雄也「あらよっと!」

 

2つの神気を冬夜が左掌、雄也が右裏拳で神気を発生させて相殺させた。

 

”ガラガラガラガラ!!”

 

雄也「八重!琥珀!」

 

冬夜「おっと!」

 

崩れる部屋。冬夜が八重と琥珀を浮遊させた。猿は崩れる部屋と共に落ちて行った。

 

冬夜(あれ?僕らって今魔法を使わずに浮かんでるな。)

 

雄也(神力の効果ってか?)

 

従属神「貴様ら一体・・・神界からワシを捕まえに来た下級神か従属神・・・」

 

雄也「生憎、俺らはどっちでもない。だがお前を捕まえる使命を与えられているのは確かだ。」

 

冬夜「と言う訳で大人しく捕まったら?勝手に地上に降りて来るのはダメなんだろ?おまけに干渉しまくりやがって。イーシェンがメチャクチャじゃんか。」

 

従属神「五月蝿い!来る日も来る日も退屈な日々を享受する苦痛が貴様らに分かるか!何の神にもなれない虚しいワシらの渇きを!」

 

冬夜「あ〜。下級神のそのまた下ってのは役職が無いって事なのか。」

 

雄也「って事はお前、ニートで無職。」

 

従属神「ワシはまだ本気を出してないだけだ!相応しい立場と力があれば誰もが崇める神になれるものを・・・!!」

 

雄也「うわぁ〜無職野郎の言い訳言ってやがるぜコイツ。神界での扱いが不満で地上にお邪魔してこっそり世界を変革させて、それを手土産に就職。或いは下級神になってやるぜって魂胆か。」

 

冬夜「どの道アンタのやった事は神界のルールに触れる事なんだろ?大人しく自首した方が良いと思うぞ。」

 

従属神「ふん。感じるぞ・・・貴様らの神気はまだムラがある。大方神になってまだ日が浅い新神だな?そんな奴らにワシが捕まると思うてか?」

 

冬夜「いやだからそれは僕らの役目じゃなくてだな・・・っ!?」

 

雄也「んにょ!?」

 

突然3人が謎の空間に閉じ込められた。

 

冬夜「ここは・・・」

 

???「精霊界なのよ。」

 

そこに花恋と諸刃が現れた。

 

花恋「ここなら神力を使っても地上に影響を与える事はないのよ。」

 

諸刃「八重と琥珀なら催眠状態を解除して、味方の陣に送ったから心配いらないよ。」

 

従属神「恋愛神様に剣神様!?な、何故このような所へ・・・!?」

 

諸刃「何故も何も。地上に迷惑を掛けているお前を捕らえに来たに決まってるだろう?中々上手く私達の目を誤魔化していたみたいだけど、年貢の納め時だね。」

 

花恋「地上で神の力を行使するには色んなルールがあるのよ。あんたはそれを破ったのよ?って言うか無職なんだから使っちゃダメなのよ。」

 

従属神「ぐぬぬ・・・無職無職無職と・・・!どいつもこいつも・・・!」

 

諸刃「さて、大人しく捕まってくれると私達も楽なんだけどな。聞く限り情状酌量の余地はなさそうだけど。」

 

花恋「下等生物への転生刑1億年位なのよ。」

 

従属神「くっ・・・巫山戯るな!!」

 

2人の髪に逆らおうと右腕を伸ばした瞬間。

 

従属髪「ぐぅぅぅぅっ!?」

 

諸刃の高速斬撃で右腕を切断されてしまった。

 

雄也「おお。見事な早業。」

 

ライザーク「流石神さんだぜ。」

 

諸刃「これ以上ゴネるとその首を落として連れて行くよ。きちんと罪を償えば、また神として転生されるかも知れないけど、消滅の方をお望みかい?」

 

従属神「下等生物なんぞに生まれ変わるくらいなら、最後まで足掻かせて貰うぞ!!はあッ!!」

 

足掻こうとした瞬間、諸刃の斬撃が従属神を一刀両断した。

 

冬夜「うおわ・・・」

 

雄也「容赦ねぇ〜・・・」

 

従属神「くふっ・・・次はこうはいかんぞ・・・」

 

そう言い遺して胴体が消滅した。

 

諸刃「次だと?」

 

花恋「諸刃ちゃん!そいつの腕!」

 

残された右腕は消滅せず、何処かへ瞬間移動して姿を消した。

 

諸刃「くっ。悪知恵の回る奴だな。」

 

花恋「・・・ダメなのよ。神気を断ってるのよ。」

 

冬夜「え?今のどうなったの?」

 

諸刃「アイツは自分の神格や神力を殆ど右腕に移し替えて分身として地上へと転移させたのさ。しかもまた神力を消し、何かに擬態している。」

 

花恋「つまりは元の木阿弥。初めっからやり直しって訳なのよ。」

 

雄也「あれまそれは大変だな。」

 

花恋「にしても・・・冬夜君?雄也君?何なのよその恰好?」

 

冬夜「変装だよ。」

 

雄也「どうだ?似合うだろ?」

 

冬夜「っと、それよりこれ何?いきなり髪の色が変わって伸びて来たんだけど!?」

 

雄也「俺なんてイカした銀髪になってオシャレになっちゃってるけど!?」

 

諸刃「ふむ。覚醒した神力が髪を変質させたんだろう。」

 

ライザーク「ほほう。その長髪は神力を表してるのか。」

 

諸刃「そう。因みに2人は気付いてないかも知れないけど、目も金色と銀色になってるよ。」

 

冬夜「ええ・・・」

 

雄也「マジ・・・」

 

金色の目の冬夜と銀色の目の雄也。

 

雄也「なぁ、お色直しは出来るのか?」

 

花恋「神力を断てば元に戻ると思うのよ。コントロール出来るようになったんでしょう?」

 

諸刃「おっと、精霊界では止めた方が良い。人間がここに居ると分かったら精霊や幻獣達が寄って来て面倒な事になる。」

 

冬夜「そうなのか。」

 

雄也「また俺らのファンが増えるって事か。」

 

”ブーブー”

”ピリリン”

 

突然冬夜のスマホと雄也のギアレットハンターに着信が入った。着信元は神様。

 

冬夜「もしもし?」

 

雄也「どうした神さん?」

 

神様『やあ冬夜君に雄也君かね?神力が覚醒したようじゃな。』

 

雄也「これってあれか?副作用的な何かがあったりする?」

 

神様『うんにゃ?神になったと言う訳でもないし、特に問題はないじゃろ。ただ君達の身体を神界に持って来て修復したのはワシじゃから。神気がワシと同じ質になっておるがのう。ふむ、どうしたもんかの。同じ質の神気となると完全に眷属となってしまうが・・・ま、良いかの。2人なら問題あるまい。』

 

冬夜「どう言う事です?」

 

神様『君ら2人は人間でありながら神の力を持った。一応神界での立ち位置をはっきりさせとかんとな。「〜神」と言う位を与える訳にもいかんし、かと言って従属神って訳にもいかんから、ワシの眷属って事にしとくよ。』

 

花恋「つまりは家族って事なのよ。」

 

神様『深く考えんでも良いよ。もう既に姉が2人居るんじゃし、新しく祖父が出来たとでも思えば良い。』

 

冬夜「いや結構ハードル高いっスけど。世界神様の家族って・・・」

 

雄也「それに俺2人の弟でもないし。あ、そうだ。トンズラしたあの腰抜け神の行方とか分かるか?」

 

神様『分からんなあ。砂粒のような気配じゃったし、それにそれはワシの仕事じゃないしの。見付けたら見付けたで周りの神々から何か言われそうじゃしのう。』

 

雄也・冬夜「?」

 

諸刃「地上に降りる大義名分が無くなると言う事さ。私も表向きは花恋姐さんの手伝いと言う事だからね。」

 

冬夜「エーそんな理由・・・」

 

雄也「ん?ひょっとしてアンタ・・・」

 

諸刃「違う違う!わざと逃した訳じゃないよ?そこまで行使近藤する訳がないじゃないか!」

 

神様『兎に角そう言う事だから宜しく頼む。ではな。』

 

通話が切れた。

 

冬夜「あ、切られた。」

 

花恋「それじゃひとまず地上に戻るのよ。」

 

雄也「サーイエッサー。」

 

冬夜(うーん、取り敢えずこの神モードの時に何が出来るのか把握しておかないとなぁ。)

 

 

 

 

 

 

皆と合流した時は、2人の髪は色が戻ったものの長髪のまま。

 

八重「その頭はどうしたのでござる!?」

 

冬夜「色々あってね・・・」

 

雄也「一応秀義はとっちめた。俺達はお暇しよう。こっから先はイーシェンの問題だからな。」

 

冬夜「そうだね。あー何か疲れたな・・・」

 

雄也「俺もちょいと疲れちまった・・・帰って寝るか・・・」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド公国に戻った雄也と冬夜は、それぞれの部屋で寝る事に。

 

ユミナ「冬夜さんと雄也さんが体調を崩したって本当ですか!?」

 

フローラ「風邪の症状に似てますが、どうも違うようですの。熱っぽいと言われますが熱はないですの。」

 

冬夜「ぼうっとして食欲もなくて・・・兎に角だるい・・・リカバリーとかリフレッシュとか使ってみたけど・・・効かなくて・・・」

 

ユミナ「な、何かの病気でしょうか!?ど、どうすれば・・・」

 

冬夜「はは・・・ユミナもこんなに慌てる事もあるんだな・・・てか、君ら集まり過ぎ・・・」

 

婚約者達が部屋に入って来てる。

 

花恋「はいはい。冬夜君は大丈夫だから、皆お仕事に戻るのよ。昨日の疲れが出ただけだから問題ないのよ。後は私に任せて欲しいのよ。」

 

婚約者達を部屋から出してあげ、2人だけになった。

 

花恋「その身体の不調は恐らく神力を初めて発動させた反動なのよ。1日も寝てれば身体が慣れるから、今日は大人しく寝てると良いのよ。」

 

冬夜「あーやっぱりか・・・」

 

花恋「ゆっくりおやすみなさいなのよ。」

 

それを聞いて安心した冬夜はゆっくりと目を閉じて眠りに入った。

 

 

 

 

 

 

一方の雄也も。

 

雄也「なぁ・・・何で君らがここに居んの?」

 

冬夜の婚約者達が雄也の見舞いに来ていた。

 

ユミナ「冬夜さんもそうですけど、雄也さんも心配で。」

 

雄也「そっか・・・まぁ心配するな・・・明日になれば体調は快調になる。」

 

諸刃「こっからは僕が看病するから、皆は仕事に戻ってね。」

 

冬夜の婚約者達を部屋から出した。

 

雄也「このだるさ、神の力の副作用的な奴か・・・?」

 

諸刃「そうだね。でも1日寝てればすぐに良くなるよ。」

 

雄也「そうか・・・それを聞いて安心した・・・」

 

諸刃「さて、僕は出るからゆっくりおやすみなさい。」

 

雄也「ああ・・・おやすみ・・・」

 

 

 

 

 

 

冬夜の部屋。しばらく寝て目が覚めると。

 

リンゼ「あ。目が覚めました?お水飲みますか?」

 

冬夜「あー、ありがと・・・」

 

看病に来たリンゼが冬夜に水を飲ませて、冬夜の汗を拭いてあげる。

 

リンゼ「熱はないんですけどね・・・本当に大丈夫でしょうか?」

 

冬夜「あ〜大丈夫大丈夫・・・寝てれば治るってさ〜。」

 

リンゼ「でも冬夜さんと雄也さんでも寝込む事があるんですね。安心しました。」

 

冬夜「人を化け物みたいに・・・(って似たようなもんか・・・その内きちんと話さないとなあ〜・・・)」

 

リンゼ「何だか不思議ですね。冬夜さんと初めて会ったのはリフレットの裏路地で、雄也さんと会ったのはその直後。それからお2人どんどん活躍していって今じゃ一国の王様と公爵ですもの。何だから遠い人になってしまったような気がたまにあるんです。だから不謹慎ですけど、弱ってる冬夜さんを見るとちょっと身近に感じて安心するんですよ。」

 

冬夜「・・・僕と雄也は何も変わってないよ。何時だってリンゼ達のそばにいる・・・だからリンゼも僕の傍に何時までもいて欲しい・・・君達がいてくれれば僕は強くなれる・・・必ず・・・幸せにするから・・・」

 

途中でまた眠りに入った。リンゼは眠った冬夜の頬に優しくキスをした。

 

 

 

 

 

 

翌日。雄也と冬夜の体調は回復し、それぞれの部屋から出て出会った。

 

冬夜「本当に1日寝てたら治ったな。」

 

雄也「昨日の辛さが嘘みたいだ。」

 

レネ「あ!もう大丈夫なの?冬夜兄ちゃん。雄也兄ちゃん。」

 

冬夜「大丈夫。もう何ともないから。心配してくれてありがとう。」

 

出会ったレネに撫で撫でして去った。

 

冬夜「色んな人に迷惑掛けちゃったな。取り敢えず神気の事を詳しく聞かないと。」

 

雄也「花恋は寝てると思うから、ここはやはり諸刃か。」

 

 

 

 

 

 

早速諸刃に会って、神気について聞いてみる。

 

諸刃「神気の使い方と言ってもねぇ。神それぞれだからなあ。私の場合は、そのまま相手に叩き付けて牽制に使ったりもするけど、やっぱり一番は武器生成かな?こんなふうに。」

 

1本のナイフを出した諸刃が、刃を一瞬で伸ばした。

 

冬夜「おおお!」

 

雄也「フォースでも持ってんのか?」

 

諸刃「基本的に使い方なんてないよ。どうとでもなる神の力だしねぇ。ただ、あまり多用するのはオススメしないかな。」

 

冬夜「何で?」

 

雄也「何かデメリットがあんのか?」

 

諸刃「そう。まず地上にない力と言う事が1つ。魔力を使ってないから間違いなく魔法でないとバレる。次にやはり身体に負担が掛かると言うのが1つ。だんだんと慣れてはくるだろうけど、無理しないに越した事はない。最後に、そんなに早く神様側に来なくても良いんじゃないかって事さ。」

 

雄也「成る程。言い得て妙だ。」

 

冬夜(それはまあ・・・リンゼにも言われたしな。)

 

雄也「まぁ俺達は、そんなデメリットがある事は構わねえな。」

 

冬夜「うん。いざと言うときに力がなくて悔やむのは嫌だ。その為にもやれる事はやっておきたい。」

 

雄也「早速始めよう。」

 

2人が意識を集中させて神力を解き放つ。2人の髪が更に長くなってそれぞれ金と銀の髪になった。

 

冬夜「やっぱりまた伸びた・・・」

 

雄也「またヘアアレンジ出来る程伸びちゃったな。」

 

冬夜「繰り返したらその内髪が尽きるんじゃないだろうか・・・」

 

雄也「挙げ句の果てにハゲちゃったり?」

 

冬夜「それだけは嫌だ・・・これ何とかならないかな?」

 

諸刃「うーん。変に手を加えると神気を出す度に逆に抜け落ちるようになるかも・・・」

 

雄也・冬夜「このままで良いです。」

 

冬夜「器用なルー辺りに後でバッサリと切って貰おう。」

 

雄也「じゃあ行くぞ。」

 

握ったナイフに神気を注ぎ込む。

 

冬夜「ん〜〜・・・」

 

雄也「グギギギ・・・・!」

 

神気が思うように上手く行かない。

 

冬夜「魔力を流すよりも難しいな。」

 

雄也「伸ばせたけど刃は伸びてないな。まだ実戦向きではないな。」

 

諸刃「その内なれてくれば使いこなせるよ。」

 

冬夜「そう言えばこの状態だと魔法を詠唱なしで使えたりするんだけど、そう言うもんなの?」

 

諸刃「さあ?私達は魔法なんか使った事ないからね。」

 

雄也・冬夜「全く参考にならない。」

 

冬夜「結局自分達で何とかしていく事しかないって事か。」

 

 

 

 

 

 

その後。起きたルーシアとジャックソードザークに散髪を頼んだ。

 

ルーシア「何で昨日の今日でこんなに伸びるんですの!?」

 

冬夜「何だろうねぇ。僕も知りたい。」

 

雄也「成長期でも入ったかもな。」

 

ルシアは冬夜の散髪。ジャックソードザークは雄也の散髪。雄也は冬夜の隣にある椅子に座ってジャックソードザークに髪切って貰っている。。

 

冬夜「そんなに慎重に切らなくてもいいのに。(最悪失敗してもまた伸ばせるし。毛根だけが心配だけど・・・)」

 

ルーシア「どうかしましたか?」

 

冬夜「いや、将来ハゲないといいなあってね・・・」

 

雄也「ハゲてる俺らなんて嫌だろ?」

 

ルーシア「私は気にしませんわよ?ハゲたって太ったって冬夜様は冬夜様。雄也様は雄也様ですもの。」

 

雄也「う〜ん・・・何だろう?励まされてないような・・・」

 

冬夜(ハゲは仕方ないとしてもデブにはならないように頑張ろう・・・)

 

ルーシア「そう言えば冬夜様。雄也様。この前フェルゼン王国の事を尋ねてましたが、何かあったのでしょうか?」

 

冬夜「あー。うんちょっとね。何か気になる事でも?」

 

ルーシア「ええ。姉様の留学先なので少し気になって。もし何か起こる予兆があるのでしたら帰国させた方が良いのではと思ったものですから。」

 

雄也「そうか。ルーのお姉さんの留学先がそこだったな。まだ会った事ないが。」

 

冬夜(しかしそうなるとちょっと不安かな・・・?まだ国自体が黒と決まった訳じゃないが、フレームギアを盗んだ奴らが潜伏しているのはほぼ間違いない。流石にレグルスの皇女をどうにかなんて事にはならないと思うけど・・・)

 

雄也「なぁルー。レグルスとフェルゼンは友好関係にあるのか?」

 

ルーシア「そうですね。友好関係・・・と言うか持ちつ持たれつと言うか。それなりの交易をしてますから。」

 

雄也「お互い助け合ってるのか。フェルゼンの国王に会った事あるのか?」

 

ルーシア「一度だけあちらの式典に呼ばれた時に。」

 

雄也「どんな印象だったんだ?」

 

ルーシア「印象ですか?何と言うか・・・魔法使いっぽくない方でした。屈強な傭兵と言う感じで。」

 

冬夜「傭兵!?」

 

雄也「国王なのに傭兵!?」

 

ルーシア「フェルゼン王国の先王は魔術研究に没頭し研究中の事故により崩御したのですが、その後を継いだのがその弟であった現国王です。ご趣味は肉体トレーニングだとか・・・」

 

冬夜「よく分からん王様だな・・・」

 

雄也「その国王脳筋じゃないだろうな・・・?」

 

 

 

 

 

 

2人の散髪が完了。

 

雄也「ふぃ〜さっぱりした。」

 

冬夜「ふむ。確かフェルゼンはレスティアとも交易があるらしいし。」

 

雄也「ツテがあるならこっちからお邪魔する?」

 

冬夜「それが良いな。」

 

フェルゼン王国へ、GO!!!

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
       リンゼ:福緒唯
      九重八重:赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑

     ライザーク:梅原裕一郎
    ガルフレイム:前野智昭

    ベルフローラ:金元寿子
    フレドモニカ:朝日奈丸佳
      レリシャ:小山百代
         椿:小林ゆう
     九重重太郎:井上雄貴
      徳川家泰:玄田哲章
      伊達正宗:増岡大介
      片倉蔭綱:平川大輔
       従属神:田中進太郎
     オードリー:新谷真弓
      ジャムカ:稲田徹
        リグ:てらそままさき
       ロップ:佐藤元
       フラン:稲垣好
      クラウス:大塚剛夫
       イオン:会沢紗弥

      望月諸刃:ファイルーズあい
      望月花恋:堀江由衣

        神様:立木文彦
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