異世界はガウストとともに。   作:naogran

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40話「婚姻報告、そして交易の架け橋。」

イーシェン騒動が終結した数日後。雄也と冬夜はフェルゼン王国へ向かう前に、フェルゼンにツテがあると言うヒルデガルドの兄のラインハルトに会って、馬車に乗ってフェルゼン王国へ出発した。

 

冬夜「無理を聞いて貰って申し訳ありません。」

 

ラインハルト「いえいえ。お気になさらず。」

 

雄也「フェルゼンは魔法技術が発達してると聞いたんだけど。」

 

ラインハルト「そうですね。アーティファクトや古代魔法の研究。刻印魔術、付与魔術、符術、忍術、獣操魔術と言った廃れてきている魔術も研究しているとか。冬夜殿と雄也殿もお持ちですが、魔法が付与された武器や防具のほぼ6割はフェルゼンで作られています。」

 

雄也「マジで?」

 

ラインハルト「お2人のエンチャントと違って、成功率が1割も無いので安定した量産が出来る程ではないのでしょうが。」

 

雄也「それであんな高価なんだな。」

 

冬夜(エンチャントするアーティファクトを僕が作って売り出せば大儲け出来そう・・・いや、フェルゼンが大打撃を受けるか。止めとこう。)

 

 

 

 

 

 

フェルゼン王国に到着。

 

???「ようこそフェルゼンへ!レスティアの騎士王とブリュンヒルドの若き公王と公爵よ。」

 

王城で出迎えてくれたこの男はブランジェ・フロスト・フェルゼン・フェルゼン王国の国王である。

 

 

 

 

招かれた3人は会議室へ。

 

冬夜「本日お話したいのは、ブリュンヒルドからのこちらの提案なのですが・・・」

 

雄也がギアレットハンターから世界地図を映し出す。

 

冬夜「ロードメア。フェルゼン。ライル・レスティアの四国の中央、ロンド海に浮かぶエンラッシュ島について。この島を中心にして4つの国を橋で繋げてしまおうと言う案です。橋は僕達が造ります。」

 

と言うのが表向きの訪問理由。

 

冬夜「各国間の交易路として有用なのは勿論。現状、持て余し気味と言うエンラッシュ島自体の発展も見込めるかと。レスティア、ロードメアとライルからは既に合意を貰っています。」

 

ブランジェ「成る程エンラッシュに橋をな。確かにそれが成ればそれぞれの国に齎される利益はかなりのものになるだろう。しかし・・・橋が架かったとしても、エンラッシュはレスティアの領土だ。と言う事は、レスティアの思惑次第で他国の交易の停止も可能ではないのか?」

 

冬夜「それについてはご心配なく。橋が出来た時点であの島を4分割し、それぞれの国へ譲渡します。」

 

ラインハルト「その代わり自国への通行税の1割をブリュンヒルドに払って貰いますが。」

 

冬夜「橋の建設費の返済と言う形ですね。」

 

???「しかしブリュンヒルド公王。橋を、しかも各国に1本ずつ計4本。本当に架ける事が出来るのですか?」

 

フェルゼン宰相のアモンドが疑問を投げ掛けた。

 

冬夜「材料さえ揃えば3日もあれば出来ますよ。」

 

アモンド「幾ら何でも3日とは言い過ぎではないかと・・・公王陛下と公爵の持つフレームギアと言う巨人を使ったとしても、出来るとは思えないのですが・・・」

 

冬夜「建設にフレームギアは使いません。素材を取り込んで指定した形に転送出来る物があるんですよ。」

 

???「・・・それはアーティファクトですか?」

 

フェルゼン宮廷魔術師のルドーが食い付いた。

 

冬夜「まあそんなものです。僕と雄也にしか使えませんがね。」

 

ルドー「そうですか・・・残念です。」

 

しょんぼりした。

 

???「公王陛下と公爵は巨人兵と言い、素晴らしいアーティファクトをお持ちなのですなあ。やはり何処かの遺跡から発見されたのですか?」

 

魔工商会ギルドマスターのイーゼスが感心する。

 

冬夜「全部が全部そうではありませんが、僕自身が造ったものもありますよ。」

 

イーゼス「ああ成る程。公王陛下はエンチャントをお持ちの上に全属性持ちであらせられましたな。実に羨ましい。」

 

雄也(黙って聞いていたが、この4人の中に黒幕がいるのか?)

 

ブランジェ「橋の件は了承した。建設が終わったのなら、他の三国と同じように通行税の一部を払うとしよう。」

 

アモンド「陛下、宜しいのですか?」

 

ブランジェ「ここで我が国だけ乗らなければ大損する事になるかも知れん。他の三国が共謀して我が国を侵略すると考えるには手が込み過ぎているしな。あのブリュンヒルド公王が仲介に立っているのだし、何かあれば公国が助けてくれるのだろう?」

 

冬夜「もしそんな事になればですけどね。」

 

ブランジェ「さて、橋のことはこれで良いとして。ブリュンヒルド公王と公爵に見せて貰いたいものがあるのだが、構わんかな?」

 

雄也・冬夜「?」

 

 

 

 

 

 

案内された場所は、武器保管庫。

 

冬夜「これは・・・」

 

雄也「武器保管庫か・・・」

 

ブランジェ「どうだ?中々のものだろう?」

 

冬夜「凄い数のコレクション・・・」

 

その中でブランジェが1本の斧を手に取る。

 

ブランジェ「こいつは500年前の英雄、ドラゴンスレイヤーのバクラムが使っていた斧だ。ファイアボールの付与が付いていて、魔法が使えないバクラムが大層重宝したと言う話だ。」

 

冬夜「フェルゼン国王は武器が好きなんですね。」

 

ブランジェ「おっと。勘違いされちゃ困るが、ワシは武器が好きなんじゃない。それを使いこなし大業を成し遂げた英雄達の生き様が好きなのだ。武器を取り、それを備えて戦った英雄達に思いを馳せると年甲斐もなく興奮するのだよ。ワシは英雄譚などの話が好きでな。子供の頃は夢中になって読んだもんさ。」

 

雄也(とことん魔法に不向きな国王陛下だな。)

 

ブランジェ「子供のことは自分を勇者だと信じて疑わなかったからな。調子に乗って勝手に魔獣の棲む森へ入り、無謀にもタイガーベアに喧嘩を売った。その代償がこれよ。」

 

左頬に刻まれてる切り傷。

 

ブランジェ「正直ワシは2人が羨ましい。竜を倒し、ゴーレムを倒し、悪魔を屠る冒険の連続だ。ワシも兄さえ倒れ何だらそんな生活をしてみたかった。時に公王は、変わった武器を使うとか。その腰の物を見せてはくれんか?」

 

腰のガンブレードのブリュンヒルドを見せてあげた。

 

ブランジェ「おお・・・!これを自ら作ったのか・・・?うむうむ信じられん・・・」

 

ラインハルト「ブリュンヒルド公王は武器職人としても一流なのですよ。私の剣も公王に作って頂きました。」

 

ミスリルの晶材で作った剣を見せた。

 

ブランジェ「おお!これは素晴らしい!気品溢れる剣だ・・・!」

 

ラインハルト「私の戴冠式に贈って頂いて依頼、常に持ち歩いています。どんな魔獣にも勝てるような気がしてしまうのが難点ですね。」

 

ブランジェ「どうだろう公王陛下!ワシにも1つ作って貰えんだろうか?それなりの礼はするぞ?」

 

冬夜「(まあ晶材の事はもう結構な数の人に知られているし、武器1つ渡す位なら問題ないか。)構いませんよ。何を作れば宜しいのですか?」

 

ブランジェ「ほ、本当か!?そうだな・・・やはり剣が良いが・・・何か付与も付けられるのかな?」

 

冬夜「出来ますよ。」

 

ブランジェ「毒とか麻痺とか・・・そう言った状態異常を回復出来る魔法は付与出来るだろうか?」

 

冬夜「出来ますけど・・・」

 

雄也(毒に麻痺?偉い物騒な話だな。)

 

冬夜「本当にそれで良いので?」

 

ブランジェ「ああ!剣の幅広の・・・そうだなこんな感じで。」

 

モデルの剣を冬夜に見せる。

 

ブランジェ「これは400年程前の流浪の豪傑ガンダルの剣でな。振れば砂塵を巻き起こし・・・」

 

冬夜「はい。じゃ早速製作しますね〜。」

 

雄也(無慈悲。)

 

 

 

 

早速剣が完成した。

 

ブランジェ「素晴らしい剣だ!」

 

冬夜「剣の柄に手を置いて魔力を流せばリカバリーが発動します。かなりの魔力を持っていかれますが。」

 

ブランジェ「成る程。試してみよう。」

 

冬夜「え?試すって?」

 

壁にある短剣を持って、自分の腕に傷を付けた。

 

冬夜「ちょ!?」

 

雄也「陛下!?」

 

ブランジェ「こ、これは義賊アレハンドロがつか、使っていた短剣でな・・・ど、毒の付与がか、か、掛けられているのだ・・・こ、この、のこ剣を使ってアレ、アレハンドロは・・・」

 

冬夜「蘊蓄はいいから早くリカバリーを!!」

 

雄也「この国王アホ過ぎるだろ!?」

 

作って貰った剣の柄に触れてリカバリーを発動。毒が消え傷口が塞がれた。

 

ブランジェ「うむ!確かに回復している!大丈夫なようだな!」

 

冬夜「ちょっと勘弁して下さいよ・・・ここで陛下に何かあったら僕らが犯人にされるでしょうが。もし魔力が足りなかったらどうするつもりだったんですか?」

 

ブランジェ「ワシも王家の人間だからな。魔力量だけはそこそこあるらしい。足りなかったとしても、公王がいるのだから治せるだろ?」

 

冬夜「そらそうだけど!」

 

雄也(冬夜が剣にリカバリーを付与しないとか。倒れたアンタに魔法を掛けないとか考えてないのか・・・?)

 

冬夜「それにしても状態異常、回復魔法とか・・・何か毒でも盛られる危険がおありで?」

 

ブランジェ「ん?まあ転ばぬ先の杖と言う奴だ。」

 

雄也(嘘だな。命の危険を多少なりとも感じてるのか?まあでも腹芸が出来るようなお人じゃなさそうだし、フレームギア盗難の犯人とは思えないな。)

 

ブランジェ「それよりもだな。実はブリュンヒルド公王が来ると聞いて1つ相談があったのだ。」

 

冬夜「相談?」

 

雄也(まさか盗まれたフレームギアの情報か?もしくは毒殺の予兆についての相談か?)

 

ブランジェ「あー・・・その〜・・・何だ。ワシは今年で42になるのだが未だ独り身でな。」

 

冬夜「・・・はあ。」

 

ブランジェ「若い頃は王位を継ぐのは兄上と決まっていたので、婚約者もいなかったしワシもあまり関心がなかったしな。これと言って相応しい相手も見つからなかったので面倒だし後回しにしてしまったと言う事もあるのだが・・・まあ何と言うか・・・遅過ぎる春の来訪と言うか、出会いは運命と言うか・・・」

 

雄也(何が話したいのこの人は!?)

 

ラインハルト「もしかしてご結婚なされるので?」

 

ブランジェ「うん。まあそうなのだ。」

 

冬夜「それはおめでとうございます。で、僕に相談と言うのは?」

 

ブランジェ「あ、うむ。それなんだが・・・ちょっと待ってくれるか?会って貰った方が早い。」

 

 

 

 

その婚約者を連れて来た。

 

ブランジェ「あ〜こほん。彼女が婚約者のエリシアだ。」

 

エリシア「お初にお目に掛かります。ブリュンヒルド公王。レスティア騎士王両陛下。ブリュンヒルド公爵。お会い出来て光栄ですわ。」

 

その婚約者は、かなり若い女性。

 

冬夜(あれ?この人どっかで見たような・・・?)

 

エリシア「特にブリュンヒルド公王と公爵には妹がお世話になっておりますし、是非一度お会いしたかったので嬉しいですわ。」

 

冬夜「え?」

 

雄也「失礼だが、本名は?」

 

エリシア「あ。自己紹介が遅れました。私、エリシア・レア・レグルスと申します。」

 

雄也「レグルス?って事は、ルーのお姉さん!?」

 

エリシア「はい。ルーシアは元気でしょうか?」

 

実はエリシアはルーシアの姉。つまり冬夜の義姉に当たる人物である。

 

冬夜(あれ?ちょっと待って?って事はエリシアさんは僕の義理の姉に当たる事になって・・・その結婚相手のこの髭筋肉のおっさんが義理の兄になるの!?えええ!?)

 

ラインハルト「どうかしましたか?」

 

冬夜「義兄さん。僕・・・ラインハルト義兄さんと重太郎義兄さんだけで良かったよ・・・」

 

ラインハルト「え?」

 

雄也「ああこっちの話。気にするな。」

 

冬夜(あ。レグルスのルクス義兄さんもいたっけ・・・)

 

雄也「それで、相談と言うのは?」

 

ブランジェ「うむ。その〜だな。エリシアとの婚姻なんだが・・・実はまだレグルスには伝えておらんのだ。」

 

雄也「何?真っ先に肝心な婚姻報告をまだされておらぬと?」

 

エリシア「私は魔法工学を学ぶ為にこの国へ留学に来ました。フェルゼン国王も快く受け入れて下さって何とか相談に乗って貰っている内に、その・・・」

 

ブランジェ「レグルス皇帝陛下は純粋に魔法工学を学ばせようと、ワシを信頼して大切な姫を預けて下さったのにこのような事になってしまった。後悔はしておらんが申し訳なくてな・・・そこで同じ立場のブリュンヒルド公王からとりなして貰えないかと・・・」

 

冬夜「まぁ・・・何にせよ覚悟を決めて経緯を伝えるしかないのでは?何ならレグルスまで送りますけど?」

 

ブランジェ「いきなりか!?し、しかしまだ心の準備が!」

 

雄也「何時迄もウジウジしていたら進展なんてないでしょ?」

 

冬夜「そうですよ。今からレグルスに連絡するんで用意して下さい。」

 

ブランジェ「あ、ああ!うむ!」

 

急いで部屋へ行って支度しようとするが。

 

ブランジェ「と、扉!扉が開かんぞ!?」

 

兵士「へい、陛下!引くのではなく押して下さい!」

 

ブランジェ「おお!」

 

雄也「大丈夫かなぁ・・・」

 

エリシア「ああ言う所が可愛いんですよ。」

 

雄也「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

早速ゼフィルスを招いて、婚姻報告をした。

 

ゼフィルス「成る程。話は分かった。これが妾や側室などと言う話ならまた違ってこようが、正室であるならばレグルスとしても縁を繋ぐ良き話だ。」

 

エリシア「お父様!」

 

ブランジェ「では!」

 

ゼフィルス「こちらとしても断る理由はない。・・・が、冬夜殿。雄也殿。」

 

冬夜「何でしょうか?」

 

ゼフィルス「悪いがこの部屋の音が外部に漏れないようにして貰えるか?」

 

冬夜「え?良いですけど。サイレンス。」

 

部屋から外に漏れないよう付与した。ライザークが擦り抜けて部屋の外へ出る。雄也がテレパシーで伝える。

 

雄也「ライザーク。廊下から音が出てないか確認してくれ。」

 

ライザーク『分かった。』

 

”パチンパチン”

 

2回指を鳴らした。

 

雄也「どうだ?」

 

ライザーク『OK。全然聞こえない。』

 

雄也「よし。戻れ。」

 

ギアレットハンターにライザークが戻った。

 

冬夜「これで外にはここの会話は漏れません。」

 

ゼフィルス「よし。で、冬夜殿。雄也殿。例の件はフェルゼン国王には?」

 

冬夜(フレームギア盗難の件か。)

 

雄也「いや、まだ話していない。と言うより話しても?」

 

ゼフィルス「どの道この件をハッキリさせなければエリシアと婚約などさせられん。違うか?」

 

冬夜「そりゃまそうですけど・・・」

 

ブランジェ「」い、一体何の話ですか!?婚約させられない!?わ、ワシに何か悪い所があるならば直します!ですからどうか姫との婚姻を・・・

 

雄也「あー座って座って。事情を説明するから。」

 

フレームギアの盗難事件の事をブランジェに事細かく伝えた。

 

ブランジェ「何と・・・!待ってくれ!我が国はそのような真似は決してしておらぬ!信じてくれ!」

 

ラインハルト「分かってます。陛下がさせた事ではないと我々も思ってます。ですが、賊がこの国に居る可能性は高い。心当たりはないですか?」

 

ブランジェ「古代文明の技術を手に入れて利用しようとする組織・・・む?もしや『ゴルディアス』の連中か?いやしかし・・・」

 

冬夜「何ですか?そのゴルディアスってのは?」

 

ブランジェ「このフェルゼンには魔法王国と言われているだけあって、様々な魔法の研究がされている。しかし禁忌とも言える魔法も存在するのだ。例えば、魔法でも回復出来ない呪いを与えたり、多数の生贄によって天変地異を引き起こす魔法などがそれに当たる。そう言ったものは世界に不幸しか呼ばぬ故に禁忌魔法と呼ばれておるのだ。」

 

冬夜「呪いに天変地異・・・(んん?)」

 

呪いと天変地異に心当たりがある様子。

 

ブランジェ「禁忌魔法の研究は国としては禁じているが、秘密裏にその技術を復活させようとする輩達がいる。その集団が『ゴルディアス』と呼ばれる奴らだ。」

 

ゼフィルス「成る程。そいつらがフレームギアを盗んだんじゃないかと言う訳じゃな?」

 

ブランジェ「憶測でしかありませんが。奴らの目的は禁忌魔法を復活させる事だけではなく、強力なアーティファクトの研究、製作でもあります。魔法使い、魔工技師、学者、商人。色んな分野にそのメンバーが居るとも言われています。」

 

冬夜(いやその禁忌魔法とやら・・・僕使えます。)

 

雄也(っつーかバビロンの図書館にその魔導書が普通にあるんだけどなぁ〜。)

 

冬夜(そんなヤバイもんだったのか・・・黙ってよ。)

 

ゼフィルス「冬夜殿と雄也殿の検索魔法でその『ゴルディアス』とやらを見付け出せんか?」

 

冬夜「そいつらの顔か特徴が分からない事には・・・」

 

雄也「何しろこの国は結界地点が多過ぎる。検索の難易度が高い。」

 

ブランジェ「確かに難しいだろうな。奴らは国にさえ睨まれているから表立って動く事はない。と言うか『ゴルディアス』は一度壊滅したはずなのだ。」

 

雄也「一度壊滅した?」

 

冬夜「どう言う事です?」

 

ブランジェ「今から20年前。ゴルディアスは1つの禁忌魔法を復活させようとしていた。しかしそれをいち早く察知し未然に防いだのが、我が兄である先王レオナルド・フロスト・フェルゼンなのだ。国外的には魔法事故とされているが、兄王の死はそのゴルディアスとの戦いの果てに奴らが兄を道連れに自爆したのが真相なのだ。」

 

ラインハルト「先王自らが現場に出向いたのですか?」

 

ブランジェ「実は当時のゴルディアスを率いていた首領は兄の親友でな。友の間違いを正すのは自分でなければならないと思ったのだろう。正義感の強い人だったからな・・・」

 

冬夜「そのゴルディアスとやらが復活したとして、誰が率いているとか心当たりはあります?」

 

ブランジェ「・・・1人思い当たる人物がいるな。今は何処に居て何をしているのか全く分からないが。ガルゼルド・ゴールディ。前ゴルディアスを率いていた首領ガーランド・ゴールディの息子だ。」

 

雄也「前首領の息子ねぇ。」

 

冬夜(そいつが父親の後を継ぎ新しく結社を打ち立てても可笑しくないけど・・・どうも前の結社の理念とはちぐはぐな気がするんだよなあ。)

 

ゼフィルス「まあここで不確かな事を詮議しても仕方あるまい。ただ、そう言った者が居るかも知れないとだけは心に留めておいた方が良いかと思う。」

 

ブランジェ「そうですな。フェルゼンの方でも目を光らせましょう。」

 

冬夜「じゃ、取り敢えず僕らは橋造りに取り掛かりますか。」

 

 

 

 

 

 

後日。橋があっと言う間に完成した。

 

ブランジェ「なんと・・・!信じられぬ・・・本当に橋を3日で・・・」

 

冬夜「あれ?やっぱ信じてなかったんだ。」

 

ブランジェ「ふむ。折角4ヶ国の代表が集まったのだ。細かい決め事をここでしてしまおうか。」

 

雄也「あ。んじゃ机と椅子を出そう。俺達は部外者だから席を外すぜ。」

 

 

 

 

4ヶ国の代表が会議している中、雄也と冬夜は考え事をしていた。

 

冬夜「しばらく暇だな。」

 

雄也「じゃあ飯でも用意して時間を潰そうか?」

 

冬夜「あ。その手があったか。」

 

ストレージで調理器具と食材を取り出した。

 

冬夜「ストレージ便利だな。」

 

 

 

 

しばらくすると、4ヶ国の代表がやって来た。

 

ラインハルト「何か美味しそうなものを作ってますがそれは?」

 

冬夜「皆さんのお昼ご飯と、竜肉の串焼きにカレーライスです。取り決めは終わりました?」

 

ラインハルト「終わったと言うか、そちらが気になって即決したと言うか。しかしカレーライスと言うのは聞いた事がない食べ物ですね。」

 

冬夜「イーシェンのご飯にミスミドのカラエをかけたものですよ。皆さんもどうぞ。沢山あるので護衛の方も。」

 

2人が作ったカレーライスを実食。

 

ブランジェ「む!これは美味いな!」

 

代表A「うむむ・・・我が国でも食いたいのう。」

 

オードリー「冬夜殿。雄也殿。この料理の作り方は・・・」

 

冬夜「難しくはないんですが、米はまだイーシェンからしか手に入らないんですよ。今年からウチの国でも本格的に作ろうかと考えてます。」

 

雄也「皆喜んでくれて何よりだな。ブリュンヒルドももう春になるから、早い内に稲作の準備をしないとな。」

 

冬夜「そうだ!春と言えば・・・」

 

雄也「ん?」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド公国・桜が咲き誇る公園。

 

冬夜「うん!花見日和だ!」

 

雄也「ウッヒョー見事に満開!」

 

八重「ブリュンヒルドの桜も見事に満開でござるなあ!」

 

 

 

 

ここで皆でお花見を開く。

 

冬夜「では、皆様の益々のご発展とご多幸の祈念を致しまして・・・乾杯!」

 

全員「乾杯!」

 

ゼフィルス「しかし、ちょっと前までは信じられない光景だな。」

 

トリストウィン「全くですな!ベルファストとレグルスの騎士達が共に酒を飲んでいる。ミスミドの獣人とラミッシュの聖騎士が同じ皿で食べ物を分け合っている。いやはや冬夜殿と雄也殿と出会ってから変化が激し過ぎて、何が普通か分からなくなってきました。」

 

ユミナ「これが冬夜さんと雄也さんの普通ですわお父様。生まれや身分、種族や国家など些細な事でしかないのです。」

 

ルーシア「冬夜様と雄也様は皆様の仲を取り持ち幸せにしてくれますわ!なにせ雄也様は私達の仲間で、冬夜様は私達のフィアンセですから!」

 

雄也・冬夜「照れ臭いからそれぐらいにして下さい・・・」

 

オードリー「こう綺麗な花を見ていると、音楽が欲しいですね。そう言えば陛下、この国には楽団は居ないのですか?」

 

冬夜「楽団は居ませんね。いてもあまり仕事がないと思いますよ?ウチは殆どパーティーとかしないし。何せ貴族とか居ないからなあ・・・」

 

雄也「いや、楽団は居なくても音楽なら出来るだろ?」

 

冬夜「あ、そっか。ゲート。」

 

ゲートを発動して、ピアノを出した。

 

リンゼ「わあ!何か弾いてくれるんですか?」

 

スゥ「おお!冬夜のピアノは大好きじゃ!」

 

桜「王様。私も歌う。」

 

???「私にも歌わせて!」

 

雄也「ん?うおっ!?」

 

ギアレットハンターから人魚の姿をしたガウストが飛び出した。

 

雄也「メロメイド!お前も歌いたいんか?」

 

メロメイド「桜が歌いたいって言うから、私も歌いたくなっちゃって。桜、デュエットを組みましょ?」

 

桜「うん。」

 

 

 

 

冬夜がピアノを弾き、桜とメロメイドが美しい歌を歌う。

 

 

 

 

歌が終わり、周囲から拍手喝采。

 

オードリー「素晴らしい歌です!この者は?」

 

冬夜「ウチの歌姫ですよ。」

 

雄也「いい歌じゃねぇかメロメイド。桜と相性バッチリだったぜ?」

 

メロメイド「ふふ〜ん!」

 

皆が拍手する中。

 

スピカ「へ、陛下!公爵!」

 

ダークエルフのスピカが慌てた様子で駆け寄った。

 

雄也「スピカ?どうしたんだ?」

 

スピカ「あの・・・!桜様は記憶を無くしているんですよね!?」

 

冬夜「そうですが?」

 

雄也「一体どうしたんだ?」

 

スピカ「ファルネ様なのですか・・・?」

 

桜がファルネとは一体・・・?

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
      スゥシィ:山下七海
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑

     ライザーク:梅原裕一郎
     メロメイド:長江里加

   トリストウィン:中田譲治
    ラインハルト:今井文也
      エリシア:加隈亜衣
       スピカ:東山奈央
     ブランジェ:石井康嗣
     ゼフィルス:高瀬右光
     オードリー:新谷真弓
      アモンド:佐々健太
       ルドー:田中大文
      イーゼス:山田真一
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