異世界はガウストとともに。   作:naogran

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41話「母娘の再会、そして謎の侵入者。」

スピカ「ファルネ様なのですか・・・?」

 

桜「?」

 

ダークエルフのスピカが桜をファルネ様と呼んだ。しかし桜は首を傾げる。

 

スピカ「あ・・・そう・・・ですよね・・・」

 

雄也「スピカ。ファルネって何だ?」

 

スピカ「あ、ああ。すみません。魔王国ゼノアスで私が仕えていたお方です。ファルネーゼ・フォルネウス様。歌がお好きな方で・・・今の歌声がそっくりだったのです。それで思わず・・・申し訳ありません、ありえない事を・・・ファルネ様はもうこの世にいらっしゃらない・・・顔も髪の色も違いますのに・・・」

 

冬夜(余程大切な人だったんだろうな。)

 

スピカ「桜様と同じ名前のこの花を見ていると、ファルネ様を思い出します。彼の方の髪もこのような美しい薄桃色でありました。」

 

雄也「・・・ん?ちょいと待て。薄桃色?そのファルネって人は薄桃色の髪をしていたのか?」

 

冬夜「けどさっき桜とは髪の色が違うって・・・」

 

スピカ「ええ。桜様の綺麗な黒髪と()()()()()なんてどうかしてました。」

 

冬夜「どう言う事だ・・・?」

 

雄也「この髪色が黒髪だと・・・?」

 

スピカ「あの・・・何か?」

 

冬夜「スゥ。桜の髪の色って何色に見える?」

 

スゥ「桜色ではないのか?この花の色と同じだから冬夜が名付けたのだろう?」

 

スピカ「っ!あ、ひょ、ひょっとして・・・!陛下!桜様は何かメダルのような物を持っていませんでしたか!?」

 

桜「・・・これ?」

 

首に提げてる1枚のメダルをスピカに見せた。

 

スピカ「・・・それ・・・を・・・外して貰えますか・・・?」

 

桜はメダルを外し、スピカにそれを見せた。スピカはメダルを見て涙を流した。

 

スピカ「あ、ああ・・・ファルネ様・・・間違いありません・・・この方はファルネーゼ・フォルネウス様です・・・生きて・・・生きておられた・・・」

 

涙を流しながらその場に崩れ、ファルネが生きている事に喜んだ。

 

 

 

 

 

 

部屋に移動し、桜について話す。

 

冬夜「結局、桜はそのファルネーゼ・フォルネウスって人物と同一人物なのか?」

 

スピカ「間違いありません。この方はファルネ様です。小さい頃より護衛をしてきた私が見間違えるはずがありません。」

 

ライザーク「それで、桜が持っていたそのメダルは何なんだ?」

 

スピカ「はい。この『変幻の瞳』は、特定の者達の認識を歪ませて存在を偽るアーティファクト。その対象設定が魔族となっていたのでしょう。」

 

雄也「成る程。あのメダルの影響で、他の魔族から桜は黒髪だと認識させていたのか。」

 

冬夜「それで桜はどう?ファルネーゼって名前に聞き覚えはあるかい?」

 

桜「何も。スピカの事もこの国で出会う前の事は思い出せない。断言する。」

 

スピカ「そんな・・・」

 

雄也「まあ無理も無い。俺達が彼女と会った時は記憶喪失になってたからな。」

 

スピカ「・・・いえ、生きていて下さっただけでも幸運と思わなければならないでしょうね。」

 

冬夜「あれ?そう言えば・・・確かスピカさんのフレンネル家って代々ゼノアス王家の護衛を務める家系じゃなかった?」

 

雄也「って事は護衛をしていたファルネーゼ・・・桜はもしやゼノアスの王女様って事か?」

 

スピカ「っ!」

 

雄也「あ、隠したい事言っちゃったか?」

 

スピカ「・・・そうですね。私は既にゼノアスの人間ではないですし、事が事なので、離しても構わないと思います。確かにファルネ様は魔王ゼルガディ・フォン・ゼノアス様の庶子であらせられます。」

 

雄也「庶子?桜は魔王夫婦の子じゃないって事か?」

 

冬夜「でも隠しておくような事かな?」

 

スピカ「ファルネ様の存在はごく一部の者しか知りません。それはファルネ様にも魔王族の証たる王角が無かった為

存在を抹消されたからです。」

 

冬夜「おうかく?」

 

雄也「魔王の角って意味か?」

 

スピカ「はい。本来魔王の血を引く者は男女関係なく角を持って生まれてくるのです。しかしファルネ様にはそれが無かった。魔力の質から間違いなく魔王様の子であるのに魔王族の証を持たぬ忌み子。ファルネ様の存在は王家の記録から抹消され存在しない事にされました。」

 

冬夜「何だそれ!?存在を抹消って・・・」

 

スピカ「魔王様はその方がファルネ様にも母上様であるフィアナ様にも良いとされたのです。角の無い魔王族として奇異の目を向けられるよりも普通の人間として生きた方が幸せになれるとお考えになられたのでしょう。」

 

雄也「人間?ファルネのお袋さんは人間って事か?」

 

スピカ「はい。本来、魔王族との間に生まれる子は配偶者が如何なる種族でも魔王族の子が生まれてきます。ですので、角のないファルネ様は母上様と同じ人間だと判断されました。恐らく何かの突然変異で母方の血が強く出たのだと。フィアナ様は側室になる事を拒み、ファルネ様と一緒に表向きはフレンネル家の客人として平穏に暮らしていました。ですが・・・ファルネ様が10歳の時に変化が起きました。無かったはずの王角が生えてきたのです。これにはフレンネル家も魔王様も驚き困惑しました。ファルネ様の王角が伸びるにつれて、その魔力も増大していったからです。ゼノアス王家では男女関係なく、魔力の最も高い者が次代の魔王となります。そしてファルネ様は王子達よりも遥かに高い魔力を有してしまっていました。フィアナ様は娘を魔王の後継者などにさせる気はありませんでしたが、貴族達・・・特に王子達の周辺の者はそうは思ってはくれません。王妃達は既にそれぞれ病気で亡くなられていたので、その実家の者達が王子の後ろ盾として幅を利かせていました。『変幻の瞳』は魔王様がファルネ様の身を守る為に贈ったものなのです。成長すれば王角は自らの意思で縮められるようになりますが、それまでの対策として。所がある日、買い物に出掛けた私とファルネ様は突然仮面を被った者達に襲われ・・・相手は手練れの者達で、何とかファルネ様だけはその場から逃がす事が出来たのですが・・・私は仮面の襲撃者による自爆に巻き込まれ意識を失いました。」

 

冬夜「その仮面の襲撃者ってもしかして・・・」

 

雄也「フレームギアを欲してるあの団体様か?」

 

スピカ「後で分かりましたが、ユーロンの暗殺者でした。それがユーロンの命令だったのか、何かの取り引きによるものだったのかは分かりません。」

 

冬夜(そう言や僕達の場合は桜が助けてくれたっtけ。あれは自分が襲われた時の記憶が一瞬だけ蘇ったとかなのかな?)

 

スピカ「その後私が眼を覚ますと、屋敷のベッドの上で・・・父からファルネ様の死を報されました。屋敷の庭にファルネ様の身体の一部が投げ込まれていたのです。あの右足と右手を見た時の絶望を私はいまだに忘れられません。そして私は家を出て、襲撃者の足取りを負いましたが、いざその核心に迫ろうとした所でユーロンが滅びてしまい・・・そして追い打ちを掛けるように魔硬病を発病し、その後は皆さんの知る通りです。」

 

ライザーク「スピカも大変だったんだな。」

 

冬夜「うーん・・・ざっと聞いた所で疑問が幾つかあるなあ。」

 

スピカ「と言うと?」

 

冬夜「まず僕と雄也が手足を無くして死に掛けていた桜を拾ったのはゼノアスではなくイーシェンであると言う事。」

 

雄也「もう1つは暗殺者がユーロンの客人だったとして、ユーロンに桜を殺す理由があるのかどうかと言う事だ。それに最大の疑問が、桜に角なんか初めから無かったと言う事だが・・・」

 

桜「あのね王様。公爵。私角出せる。」

 

雄也・冬夜・ライザーク「は?」

 

すると桜の頭に角がゆっくりと生えた。

 

雄也・ライザーク「ワオ。」

 

スピカ「やはり角を隠してましたか。」

 

桜「言い出す切っ掛けが無くて・・・」

 

冬夜「ならもう間違い無いか。となると桜・・・っとファルネか。ファルネはこれからどうしたい?」

 

桜「桜で良い。2人がくれた名前気に入っているから。」

 

角を再び隠した。

 

桜「記憶が戻ってないからあまり実感が無い。ゼノアスに戻りたいとも思わないし、私を殺そうとした人達に復讐しようとも思わない。ただ・・・お母さんには・・・会ってみたい。」

 

雄也「お袋さんに?魔王の親父さんには?」

 

桜「よく分からないしどうでもいい。」

 

雄也「バッサリ言ったな。」

 

冬夜「桜のお母さんは今何処に?」

 

スピカ「多分我が家に今もご滞在かと。ファルネ様が亡くなられてショックのあまり寝たきりになってしまいましたが・・・」

 

雄也「そうだろうな。愛娘なんだもんな。」

 

冬夜「じゃあ会いに行って元気な所を見せてあげないとな。記憶を取り戻す魔法があればなあ。リカバリーでもダメだったし、ゼノアスに行けば昔の事を思い出すかも知れないかな。んじゃリコールでスピカさんの記憶を覗かせて貰ってフレンネル家にゲートを・・・って・・・あ・・・ああ!?」

 

突然冬夜が声を荒げた。

 

桜「お、王様・・・!?」

 

スピカ「ど、どうしました!?」

 

雄也「どうした冬夜!?下痢か!?」

 

冬夜「記憶を取り戻す魔法あるじゃんか!!しょっちゅう使ってたじゃんか!!アホかぁ!」

 

雄也「ああリコールね。正直俺も忘れてたわその存在。」

 

冬夜「ごめん桜・・・本当にごめん!申し訳ない!」

 

土下座して桜に謝罪を示す。

 

桜「別に構わない。気にしてない。」

 

冬夜「早速リコール掛けさせて下さい・・・」

 

雄也「じゃあその記憶を俺にも共有っと。」

 

リコールで桜の記憶を覗く。

 

 

 

 

 

 

記憶開始。魔王国ゼノアス。

 

ファルネ「はっ・・・はっ・・・」

 

ユーロンの暗殺者に背中を切られて致命傷を負い、更に右腕と右足が切断された。

 

ファルネ「はっ・・・はっ・・・」

 

裏路地の壁に追い詰められ力が抜けていく。

 

ファルネ(死ぬ・・・殺される・・・嫌だ・・・死にたく・・・ない・・・逃げなきゃ・・・遠くへ・・・遠くへ・・・)

 

追い詰められたファルネが最後の手段に出た。

 

ファルネ「テレポート・・・!」

 

テレポートを発動して裏路地から姿を消した。

 

 

 

 

テレポートした場所はイーシェン。彼女はそこで川に落ちて頭を打って気絶して倒れた。

 

 

 

 

 

 

記憶終了。

 

冬夜「成る程、そう言う事だったのか。恐怖から無意識に無属性魔法に目覚めて転移してたんだろうな。角は魔力の消耗で消えていたと。」

 

雄也「川に落ちた衝撃で今までの記憶を失っていたって訳か。」

 

桜「・・・思い出した。私は・・・ファルネーゼ・・・ファルネーゼ・フォルネウス・・・あの日スピカと一緒に襲われて私は・・・」

 

記憶を見た桜が自身の事を思い出した。

 

スピカ「記憶が・・・戻ったのですか?」

 

桜「まだぼんやりと。だけど・・・分かる。スピカのこともお母さんのことも。思い出した。色んな事を。」

 

スピカ「ファルネ様・・・!」

 

記憶が蘇った桜にスピカが涙を流した。桜は冬夜の手を握ったまま震えている。

 

冬夜「桜、ひょっとして怖いのか?」

 

桜「ん・・・少し・・・斬られる所は思い出したくなかったから・・・」

 

雄也(無理も無いよな。殺され掛けた瞬間の記憶を鮮明に思い出したら怖いよな。)

 

冬夜「大丈夫。桜の事を傷付けるような奴は僕が片っ端からぶっ飛ばしてやる。もう怖がらなくて良いんだ。」

 

雄也「俺も桜を守るぜ。俺達がお前に近付くお客さんをぶっ飛ばすからな。」

 

ライザーク「だから安心してくれよな!」

 

桜「ん・・・王様なら安心・・・」

 

自分を守ってくれると約束してくれた冬夜にぎゅうっと抱き付いた。

 

冬夜「あ、あの桜さん?」

 

抱き付けられて戸惑う。

 

雄也「ん?視線が。」

 

後ろを見ると、冬夜のフィアンセ8人がドアから覗いている。

 

冬夜「ひいっ!?」

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア・リーン・スゥ・ヒルデガルド「9人目・・・?」

 

雄也「うっへー。フィアンセ達の視線が圧いぜ。」

 

フィアンセ、新規加入?

 

 

 

 

8人が部屋に入った。

 

リーン「テレポートは転移魔法の中でも扱いが難しい魔法ね。正直ゲートの方が使い勝手は良いと思うわ。」

 

雄也「テレポートとゲート、この2つに違いがあるのか。」

 

リーン「ええ。まずゲートだと移動する場所を思い浮かべるけど、テレポートは移動する方向、距離を把握してないといけないのよ。転移先に別の物体があると移動出来ないし、基本的には術者しか対象にならないの。手を繋いだりしてれば同時に移動出来るけど、精々他の2人が限界なんじゃないかしら?」

 

冬夜「じゃあ桜がイーシェンに転移した時は・・・」

 

リーン「方向はデタラメ。距離は魔力が尽きるまで踏んだんじゃないかしら。良かったわよね、海の真上とかじゃなくて。」

 

ライザーク「海に放り出されたらただの入水だな・・・」

 

リーン「逆に視界に入る位置ならテレポートの方が使い勝手は良いかも知れないわね。ゲートみたいに潜る必要はないから、一瞬で移動出来るわ。不意打ちや攻撃手段としては使えるんじゃない?」

 

冬夜「成る程瞬間移動か。ちょっと試してみるか。テレポート!」

 

立ってる位置から部屋の隅に瞬間移動した。

 

冬夜「おお!視界がいきなり変わるから違和感が半端ないな。」

 

雄也「慣れるまで特訓が必要みたいだな。」

 

エルゼ「相変わらずムチャクチャね私達の旦那様は。もう慣れたけど。」

 

リンゼ「桜さ・・・ファルネさんは使えるんですか?テレポート。」

 

桜「桜で良い。私は魔力の使い方が分からないから今は多分出来ない。」

 

エルゼ「無属性魔法って覚醒したばっかだと感覚が上手く掴めないのよね。」

 

ルーシア「それでどうするんですの?桜さんはゼノアスに帰るのですか?」

 

桜「・・・私はゼノアスに残るよりもこの国で暮らしたい。もし出来るのなら、お母さんとスピカと一緒に。」

 

スピカ「わ、私もファルネ様とこの国でこれまで通り騎士として働きたいと思っています!どうせ実家は兄が継ぎますし何の問題もないです!」

 

雄也「なぁ。桜はゼノアスの王になる気はないのか?」

 

桜「ない。天地がひっくり返っても嫌。」

 

雄也「即答だな。」

 

冬夜「まあどっちにしろ1回ゼノアス・・・と言うか桜のお母さんの所へ行く必要はあるな。」

 

雄也「行く場所と言ったら、スピカのご実家へお邪魔だな。」

 

 

 

 

 

 

ゲートを開き、フレンネル家へ赴いた。

 

桜「懐かしい・・・思い出した。私はここで暮らしていた。」

 

フレンネルの家を見ていた桜に更に記憶が蘇り、突然廊下を走り出した。

 

スピカ「あ!ファルネ様!?」

 

メイド「ふ、ファルネ様!?と、お嬢様!?え!?ええ!?」

 

突然帰って来た桜とスピカにメイドがびっくり仰天。

 

 

 

 

そしてメイドに案内され、桜の母フィアナが居る部屋に入った。

 

フィアナ「ファルネ・・・?」

 

桜「おかぁさん・・・お母さん!!」

 

母親と再会し、桜が母に飛び込んで涙を流した。

 

フィアナ「そんな・・・本当にファルネなの?生きて・・・本当に生きて・・・」

 

 

 

 

冬夜「邪魔しちゃ悪いか。」

 

雄也「伊狩雄也と望月冬夜はクールに去るぜ。」

 

メイド「で、あなた達は誰ですか?」

 

雄也「クールに去れなかった・・・」

 

 

 

 

 

 

別室へ移動し、フィアナとスピカの母に事の経緯を話した。

 

フィアナ「本当に何とお礼を言ったら良いのか・・・娘を助けて頂きありがとうございます。加えて私への回復魔法まで・・・」

 

冬夜「気にしないで下さい。当然の事をしたまでですから。」

 

スピカの母「私も娘を助けて貰い、お礼の言葉もございません。娘共々感謝しております。」

 

雄也(スピカのお袋さん若っ。エルフだから姉妹に見える。)

 

スピカの母「まさか魔硬病を治せる方がいたとは・・・」

 

冬夜「ウチの国で研究したら何とか特効薬を作れるみたいなので、出来たらお渡ししますよ。」

 

雄也「勿論無償で。」

 

スピカの母「重ね重ねありがとうございます。」

 

雄也「さて、ここからが本題だ。実はファルネの希望で良かったらフィアナさんにブリュンヒルドへ移住してくれないかと言う提案なんだが。」

 

フィアナ「私がですか?」

 

雄也「事情はファルネから粗方聞いている。失礼な事だが、ここに住んでもまたファルネが襲われない可能性は0ではない。これは脅しじゃないが、肉親のフィアナさんが狙われる可能性も0じゃないんだ。今の所ファルネは死亡扱いになっているから当面は大丈夫かと。俺と冬夜が保証する。」

 

フィアナ「あなたはそうしたいの?」

 

桜「うん。ブリュンヒルドはとても良い国。魔族だとか獣人だとか関係無く仲良く暮らしてる。お母さんもきっと好きになる。断言する。」

 

フィアナ「そう。」

 

娘の希望に、フィアナが優しい笑顔になった。

 

フィアナ「その国で私にも何か出来る事がありましょうか?」

 

冬夜「何か得意な事とかは?」

 

フィアナ「そうですね・・・裁縫や刺繍を少々。それと昔フェルゼンに居た時は子供達に勉強を教えて貰いましたが・・・」

 

雄也「成る程家庭教師。これは好都合だ。」

 

冬夜「うん。実は今、ウチの国の子供達に勉強を教える施設を作ろうかと考えているんですよ。宜しければそこで教えて頂けると助かるんですが。」

 

フィアナ「専門的な学問でなければ大丈夫だとは思いますが・・・」

 

冬夜「そうですね。読み書きに計算、歴史に道徳。そんな所ですか。勿論他にも教える人員は増やすつもりですが。」

 

フィアナ「それなら何とかなると思います。ですが陛下、公爵。私達母娘は今までこの子の父親である魔王陛下に頼って生きてきました。その庇護を離れるのなら、きちんと説明をしてこの国を去りたく思います。」

 

雄也「あー。やっぱりそうなる?」

 

フィアナ「それにあの人もファルネが生きていた事を知れば喜ぶはずです。亡くなったと聞いた時はそれは荒れに荒れたそうですから。」

 

雄也「魔王陛下に会うの可能か?」

 

スピカの母「主人が帰って来たら聞いてみます。多分大丈夫だと思いますけど。」

 

スピカ「父は魔王陛下の護衛で、子供の頃から一緒なんです。」

 

冬夜「んじゃどうするかな?1回ブリュンヒルドに戻って・・・」

 

”ドガァァァァン!!!!!!”

 

突然の轟音と地震が発生した。

 

雄也「何じゃ!?地震!?」

 

そこにメイドが慌てて駆け込んだ。

 

メイド「お、奥様!し、城が・・・バンデモニウムが!!」

 

外を見ると、城の方から煙が昇っている。

 

冬夜「一体何が・・・!?琥珀は皆を守れ!僕と雄也は城へ行って様子を見て来る!」

 

琥珀「御意!どうかお気を付けて!」

 

雄也「ガルフレイム!ここの護衛を頼む!」

 

ガルフレイム「おう!任せろ!」

 

ギアレットハンターからガルフレイムが召喚された。

 

雄也「行くぞライザーク!」

 

ライザーク「合点!」

 

 

 

 

 

 

城が荒れ果てており、数人の兵士が殺られていた。

 

雄也「ダメだ。死んでる。」

 

冬夜「くっ・・・」

 

兵士「ぎゃああああああああ!!!」

 

ライザーク「悲鳴か!」

 

雄也「こっちだ!」

 

 

 

 

中庭へ行くと、1人の兵士が結晶を纏った男に首を掴まれていた。

 

冬夜「支配種・・・!!」

 

雄也「何でここに!?」

 

ライザーク「タブレットは?」

 

雄也「ゼノアスにギルドはない。」

 

支配種が両手で次々と兵士を殺し、最後の1人を殺そうと腕を振り下ろしたが。

 

冬夜「シールド!!」

 

間一髪で冬夜がシールドを張って兵士を助けた。支配種が3人を睨む。

 

雄也「随分派手なパーティーだな。」

 

ライザーク「どうだ?俺らと社交ダンスしようか?」

 

支配種「#im*@n+oh@o々m@〆ek@?」

 

謎の言語で3人に話す。だが3人は理解不能。

 

雄也「おい何言ってんだテメェ?」

 

冬夜「ちゃんと世界語で話せ。」

 

すると支配種が一瞬で3人に迫って来た。だが。

 

冬夜「テレポート!」

 

テレポートで支配種の背後に瞬間移動した。

 

雄也「からの・・・」

 

冬夜「パワーライズ!」

 

雄也「ダブルドロップキック!」

 

パワーライズが付与したダブルドロップキックで支配種を壁に叩き付けた。しかし支配種はまるで効いてないような無表情を見せる。

 

雄也「ありゃりゃ無傷。」

 

冬夜「やはり効いてないか。」

 

支配種「*y@r€un#@、o×m=@〒e」

 

冬夜「だから分からんって言ってんだろ。」

 

雄也「おいちゃんと話せ。」

 

すると支配種が兵士の死体の額に右腕の槍を突き刺した。死体の額の突き刺した跡から結晶の実が咲いた。

 

ライザーク「花?いや実か?」

 

その実を支配種がもぎ取って食べて飲み込んだ。

 

支配種「+no#dom¥o÷tu々ku=rik%@ene△eto€ik〆en*eek@」

 

ゴキゴキと左手で喉を折る。

 

冬夜「何だ・・・?」

 

雄也「おいおい絞首の趣味に目覚めたのか?」

 

支配種「#t€o、@、@・・・あー、こうか?」

 

突然支配種が日本語を喋り始めた。

 

冬夜「喋った・・・!?」

 

支配種「お。繋がったか。俺様の言葉が分かるな?やるじゃねェかお前ら。殺し甲斐がある奴らだ。面白ェ。」

 

雄也「テメェ支配種だな?何を目的にやって来た?」

 

支配種「あ?結界の綻びをこじ開けに決まってるじゃねェか。『揺り戻し』が怒る前にここの奴らを全員ぶっ殺す予定だったのによォ。ま、面白くなったから構わねェけどな。」

 

雄也・冬夜(揺り戻し?)

 

考え込んでいる2人。支配種が右腕を刃に変形させた。

 

雄也「お前あれか。フレイズの王の核をお土産に持って帰りたいと言う魂胆か?」

 

支配種「おうよ。邪魔なコイツらを殺しまくって『王』の角はこの俺様ギラが頂く。誰にも邪魔はさせねェ。だから・・・死ね!」

 

ギラと名乗る支配種が高速で右腕を振り下ろした。2人は左右に避けた。

 

冬夜(速い・・・!だが、諸刃姉さんの方が速い!)

 

ガンブレードのブリュンヒルドを振り下ろしたが、ギラが左手で刃を掴んだ。冬夜が後ろに下がって雄也の横に立つ。

 

冬夜「ガンモード!」

 

雄也「ジャックビリー!」

 

ブリュンヒルドのガンモードとジャックビリーのリボルバーがギラに命中したが、硬い結晶に傷が付かない。

 

ギラ「はははは!いいねいいねェ!久し振りに熱くなれそうだぜ!お返しだ!受け取れよ!」

 

左手から小さな結晶を連射した。

 

雄也「ロッドカウンタ!」

 

ギアレットハンターのロッドカウンタで結晶を弾いた。

 

冬夜「テレポート!」

 

2人が姿を消した。

 

 

 

 

 

 

3階に2人がテレポートした。

 

雄也「アイツ硬ェな。砕くか。」

 

冬夜「うん。ストレージ!」

 

ストレージからハンマーを取り出す。

 

雄也「メルデオス!」

 

ギアレットハンターをメルデオスの炎で包んでハンマー状にした。

 

 

 

 

 

 

ギラに向かって2人が飛び降りる。

 

冬夜「グラビティ!」

 

2つのハンマーにグラビティによる超重量が付与された。

 

冬夜「潰れろ!!」

 

雄也「あらよっと!!」

 

超重量のハンマーをギラに振り下ろした。

 

ギラ「ぐ・・・っ!」

 

だが寸での所でギラが両腕でガードした。

 

ギラ「らあッ!!」

 

両腕で冬夜のハンマーを破壊した。その際にギラの右腕にヒビが入った。

 

ギラ「テメェらやってくれるじゃねェか。まさか俺様の腕を砕くとはよォ。こりゃあ本気を出さねェといけねェなァ!」

 

背後に空間のヒビが生じ、2体の下級フレイズが現れた。

 

雄也「おっとぉ〜?お客さんをお招きしやがったな。」

 

ギラが2体の下級フレイズに両手を置いて下級フレイズに力をチャージさせる。

 

冬夜「まさかこれは・・・!?」

 

雄也「ヤベェかも・・・!」

 

ギラ「吹っ飛びやがれ!!!!!!」

 

冬夜「リフレクション!!!」

 

雄也「モノリスアイ!!!」

 

バリアを展開するリフレクションにモノリスアイの力を付与して強固を上げた。2体の下級フレイズが強力なビームが発射された。強固になったリフレクションがビームを防いだ。

 

雄也「ふぃー、危なかったぁ〜。」

 

冬夜「助かったよ雄也。」

 

雄也「いいって事よ。」

 

ギラ「テメェら・・・何者だ?」

 

冬夜「望月冬夜。お前達フレイズの天敵だよ。」

 

雄也「俺は伊狩雄也だ。お前らのアレルギーとでも言っておこうか。覚えとけ。」

 

するとギラにノイズが走った。

 

ギラ「チッ。揺り戻しが来やがったか。面白ェ所だがここまでだな。トウヤとユウヤだったな。次に会う時は必ずぶち殺してやンよ。」

 

雄也「あーちょいと待て。お前に1つ土産があるんだ。」

 

ギラ「ン?」

 

冬夜「スリップ!」

 

ギラ「おアッ!?」

 

滑る魔法のスリップでギラがすっ転んだ。

 

冬夜「ククク馬鹿め!大地を歩く以上貴様もスリップには逆らえんのさ!」

 

雄也「膝怪我したら帰ってママに絆創膏でも貼って貰うんだな!」

 

ギラ「て、テメェら!!」

 

反撃しようとした時、ギラがその場から消えていった。

 

冬夜「ふぅぅぅ・・・恐ろしい奴だったな。」

 

雄也「ああ。テレポートが無かったら即死だった。ん?」

 

後ろを見ると、ゼノアスの生き残りの兵士達がこちらを見ている。

 

冬夜「あ。あー・・・ブリュンヒルド公国公王の望月冬夜です。」

 

雄也「公爵の伊狩雄也だ。」

 

冬夜「ゼノアス魔王陛下にお目通りってお願い出来ます?」




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ

 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
      スゥシィ:山下七海
       リーン:上坂すみれ
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
    ヒルデガルド:芹澤優
         桜:久保田未夢

     ライザーク:梅原裕一郎

       スピカ:東山奈央
      フィアナ:ゆきのさつき
     スピカの母:衣川里佳

       支配種:宮瀬尚也
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