異世界はガウストとともに。   作:naogran

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44話「偶然の再会、そして拝借作戦。」

鉄機兵を永遠に借りるべくユーロンへ訪れた。椿が同行する。

 

冬夜「じゃあ行こうか。」

 

鬼武者に変装。

 

雄也「行きまひょか。」

 

キングソウルのマスクを着けた。

 

椿「・・・派手ですね。」

 

ライザーク「好きだなそれ。」

 

冬夜「そうかな?羽織りなんかは黒いし地味じゃない?」

 

雄也「このマスクならバレないと思うけど。」

 

椿「色とかマスクとかではなく、その恰好が悪目立ちします。仮に盗みに入ろうと言うのにその姿はちょっと・・・」

 

冬夜「まあでも、今すぐ忍び込む訳じゃないし。」

 

雄也「んじゃ改めて、永久拝借の交渉へレッツゴー。」

 

 

 

 

ユーロンを歩く。周囲の視線が一斉に雄也と冬夜に向けられた。

 

冬夜「何か皆こっちを見ているようだけど・・・」

 

琥珀「皆主を見ています。」

 

椿「だから悪目立ちするって言ったじゃないですか。」

 

雄也「あーやっぱり?」

 

椿「それでどうしますか?」

 

冬夜「椿さんは鉄機兵の情報を集めて欲しい。琥珀は椿さんの護衛な。」

 

雄也「念の為クリスターも護衛に就かせる。深追いは無用。夜までに出来るだけ集めておいてくれ。」

 

冬夜「僕と雄也は新天帝の噂とかを聞き込んでみる。何かあったら電話して。」

 

椿「分かりました。」

 

琥珀「お任せを!」

 

クリスター「お気を付けて。」

 

ここで二手に分かれた。

 

冬夜「さて、こう言った情報集めは酒場が基本かなあ。」

 

 

 

 

酒場で情報収集を試みる。すると。

 

兵士「何処へ行った!?遠くへは行っていないはずだ!捜せ!」

 

冬夜「何かあったのかな?」

 

雄也「新手のどんちゃん騒ぎか?」

 

兵士「おいお前達!」

 

2人の兵士が雄也と冬夜に声を掛けた。

 

兵士「見掛けない顔だな!何だその仮面は!」

 

冬夜「自分達は旅の冒険者です。」

 

雄也「この仮面は昔顔に火傷をしてな。その為に着けてるだけだ。」

 

兵士「本当か?外してみろ!」

 

冬夜(ミラージュ。)

 

幻影の魔法ミラージュで2人の顔に悍ましい火傷の痕を付けて仮面とマスクを外す。

 

雄也「どうだ?」

 

兵士「うっ・・・わ、分かった。もういい。」

 

信じて貰えた事にホッとして仮面とマスクを着ける。

 

雄也「んで、この騒ぎは何だ?お祭りでも開いてるのか?」

 

兵士「いや、恐れ多くも天帝陛下のお命を狙った奴らが現れた。凶行は阻止したが、犯人達は逃亡している。男2人と女らしき者の3人組だ。恐らく他の偽天帝の手の者だろう。侵入した3人のうち、棒術使いの男は右肩を斬られて負傷している。怪しい奴がいたらすぐに報せろ。」

 

雄也「分かった。」

 

2人の兵士がその場を後にした。

 

雄也「血祭りになりそうな予感。」

 

冬夜「ああ。敵の敵は味方とも言うし。何か情報を得られるかもな。検索出来るかな?検索。右肩を負傷している人。」

 

スマホ『検索終了。1件です。』

 

冬夜「お。出来た。」

 

雄也「んじゃちょいとご挨拶に行ってみるか。」

 

 

 

 

 

 

付近の竹林に足を踏み入れた。

 

雄也「ん?」

 

冬夜「・・・いるな。」

 

???「はああああああああ!!」

 

黒いフードを被った人物が現れ、キックを繰り出す。

 

冬夜「おっと・・・!」

 

雄也「あらよっと!」

 

2人はキックを間一髪避けた。

 

???「スゥ・・・哈ッ!!」

 

右掌を突き出すと衝撃波が走った。

 

冬夜(これって・・・発勁!?)

 

雄也(まさか!?)

 

その人物のフードがパサっと捲られた。その正体は、雄也と冬夜が知る人物だった。

 

冬夜「あーーーー!やっぱり!」

 

???「!?」

 

冬夜「ソニアさん!剪定の儀の時の!」

 

そう。嘗て剪定の儀に出場した竜人族のソニアだった。

 

雄也「久し振りだな!ここで何してんだ?あ、まさか怪我した棒術使いって蓮月の事か?」

 

ソニア「・・・誰だ?」

 

冬夜「え?ああそうか。僕ですよ。望月冬夜。」

 

雄也「伊狩雄也だ。」

 

2人がマスクを外して顔を見せた。

 

ソニア「冬夜殿!?雄也殿まで!?」

 

 

 

 

 

 

怪我した棒術使いの男に案内された。やはり蓮月だった。

 

冬夜「光よ来たれ、女神の癒し。メガヒール。」

 

メガヒールで蓮月の腕の傷を一瞬で治した。

 

蓮月「凄いですね。すっかり元通りです。にしても何で冬夜さんと雄也さんがユーロンに?っと、ブリュンヒルド公王陛下と公爵でしたね。申し訳・・・」

 

冬夜「ああ、いいですいいです。お忍びなんで。ここにいるのは銀の鬼武者。」

 

雄也「そして俺は正体不明のドクロ。イーシェンからの流れもんだ。」

 

冬夜「それよりこっちが聞きたいんですけど、天帝を暗殺しようとした3人組って蓮月さん達なんですか?」

 

蓮月「暗殺ですか。いや、城に忍び込んだのは事実ですし、殺そうとしたのも確かです。しかしこれは暗殺ではありません。敵討ちです。」

 

ソニア「くっ!ジャオファの奴め!後少しだったのにあんな手練れの護衛がいるとは・・・」

 

冬夜「ジャオファ?」

 

雄也「それは天帝さんの名前か?」

 

蓮月「はい。この都の天帝。本名はチェイ・ジャオファ。天帝なんて名乗ってますが、その正体は冒険者崩れの盗賊です。」

 

ライザーク「ただの盗賊が天帝に出世とはねぇ。」

 

蓮月「例のユーロンを襲ったフレイズの侵攻よりこっち天帝を名乗った輩は数多くいます。亡くなった先帝があらゆる町でのべつ幕無しに子供を作った結果、どこに落とし胤がいても可笑しくない状況でしたからね。加え正妃や側室の子供は首都と共に纏めて消えてしまった。他の町にいて無事だった息子達も今じゃ全員死んでます。こんな状況では、誰が天帝を名乗った所でその正統性を確かめる術がない訳です。」

 

雄也「ふぅ〜ん。んでそのジャオファって奴はどうやって天帝に?」

 

蓮月「奴は天帝の証である古代の玉璽を持ち出して、『これこそ我が家に伝わる天帝の証』と宣言したのです。」

 

冬夜「ジャオファってのは天帝の血筋なのか?」

 

蓮月「まさか。その玉璽はとある遺跡から発掘されたものですよ。それを発見した冒険者を殺し手に入れたものです。」

 

雄也「横取りとは穏やかじゃねぇな。」

 

冬夜(すると玉璽自体は本物かも知れないな。)

 

ソニア「奴が殺した冒険者は、私達2人の恩人なんだ。何度も命を救われた事がある・・・私達はジャオファに報いを与えなければならない・・・」

 

蓮月「普通ならジャオファごとき盗賊が玉璽を持っていようと、誰も天帝などと認める訳がなかったでしょう。しかし、何処からか奴は強力な力を手に入れた。それが・・・」

 

雄也「鉄機兵って訳か。」

 

冬夜(ユーロン天帝の証『玉璽』。強大なる力『鉄機兵』。確かに天帝と名乗りを上げても可笑しくない。しかし何処でそのジャオファと言う盗人は『鉄機兵』を手に入れたのだろうか。やはり裏で『ゴルディアス』が糸を引いてたりするのか?)

 

蓮月「所で冬夜さ・・・鬼武者殿とドクロ殿は何故ここに?」

 

雄也「ああ実はな、その敵機兵がどうやら我が国の所有物であるフレームギアを参考にして作られたオモチャみたいなんだよ。だからちょいと躾てやろうかと思って。」

 

”ガサガサガサ”

 

冬夜「ん?」

 

茂みから1人の男が現れた。

 

男「ソニアさん!蓮月さん!だ、大丈夫でしたか!?はっ!そ、そいつらは!?」

 

ソニア「大丈夫だジェスティ。この方達は私達の知人だ。蓮月の傷を治してくれたんだ。」

 

蓮月「鬼武者殿。ドクロ殿。彼はジェスティ・バララックス。さっき話した私達の恩人の息子ですよ。」

 

雄也「亡き恩人のご子息か。」

 

ジェスティ「ジェスティ・バララックスです。蓮月さんを助けて頂きありがとうございます。」

 

冬夜「ああ、いえ。お気になさらず。」

 

雄也「色々話したいが、長居すると兵達の遊び人になっちまう。」

 

冬夜「だね。移動しましょう。」

 

 

 

 

 

 

誰も居ない場所へ転移した。

 

ジェスティ「凄い・・・!これが転移魔法か・・・!」

 

初めての転移魔法にジェスティが感動している。

 

雄也「んで、さっきの話の続きだ。ジャオファって言う坊ちゃんが天帝になるとどう思う?」

 

蓮月「碌な事にならないのは既に分かっています。街を見ましたか?女子供が殆ど居なかったでしょう。ジャオファの兵が乱暴狼藉を働くからですよ。皆家に閉じこもっているんです。更に都の大店から次々と金品を徴収するもんだから、商人は逃げ出し食糧などが入って来なくなる。入って来ても全て城へと取られては市民は死ねと言ってるのも同じです。」

 

冬夜「そんなに金を集めてどうするんだろう?」

 

ジェスティ「鉄機兵ですよ。更なる改良と量産をしようとしているんです。私達の掴んだ情報によりますと、3日程前にも大量の資材が城へと運ばれていったそうです。」

 

ソニア「放っておけばジャオファは必ず鉄機兵を持って他国へと攻め入るぞ。アイツはユーロンが欲しいんじゃない。それは足掛かりにしか過ぎないんだ。隣国のもっと裕福な国を乗っ取ろうとするに違いない。」

 

雄也「だから金品を頂戴して政治の仕事をサボってるって訳か。再建に予算が嵩むだけとなったユーロンはもう用済み・・・確かにあり得る話だな。」

 

ジェスティ「そうでしょう!?私達には関係ないとは言え、他の人達の不幸を黙って見過ごす訳にはいかない!やはり今の内に何とかしないと・・・!」

 

雄也「まぁ気持ちは分かるが、ここは一旦冷静に。」

 

冬夜「そうです。今僕の仲間が内情を探っています。合流したら今後の動き方を考えましょう。」

 

雄也「そうだ、皆は『ゴルディアス』って知ってるか?」

 

ソニア「さあ、私は知らないが・・・蓮月。ジェスティ。2人は知っているか?」

 

ジェスティ「いえ。」

 

蓮月「自分も知りません。」

 

雄也「まあ黄金を模った秘密結社の名前だしな。鉄機兵開発の裏でウジャウジャ戯れてる組織なんだ。」

 

ソニア「黄金と言えば・・・ジャオファの護衛にいた2人。妙な黄金のペンダントをしていたな・・・」

 

冬夜「どんな奴です?」

 

ソニア「こう・・・黄金で出来た円の中に六・・・いや、八角形の意匠が・・・」

 

木の棒で地面に以前見た事がる黄金のペンダントを絵にした。

 

冬夜「怪しいな。フェルゼン国王に聞いてみるか・・・ってそう言やフェルゼン国王にはスマホを渡してなかった。」

 

スマホ支給の時にフェルゼン王国のブランシェ国王が不在だった為支給出来なかった。

 

雄也「あ、俺の手元に画像あるぞ。前にブランシェ国王にゴルディアスのシンボルマークをこっそり見せてくれてな。」

 

冬夜「おお。助かる。ってかこっそり見てたんなら教えろよ・・・」

 

ギアレットハンターからゴルディアスのシンボルマークを表示する。

 

雄也「お。コイツは確定だな。」

 

冬夜「ああ。間違いない。新天帝と『ゴルディアス』は繋がっている。」

 

ソニアが描いたシンボルマークと雄也が入手したゴルディアスのシンボルマークが一致した。




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
        琥珀:甲斐田ゆき

     ライザーク:梅原裕一郎
     クリスター:石上静香

         椿:小林ゆう
       ソニア:諸星すみれ
        蓮月:山本彬
     ジェスティ:子安光樹
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