ポケットモンスター アナザーベストウイッシュ   作:ぐーたら提督

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スカイアローブリッジのゴチルゼル

「これがスカイアローブリッジ」

 

「うん、この先にヒウンシティがあるんだ」

 

「ここからの景色は絶景なのよね~」

 

 サトシ達の目の前に写る橋、スカイアローブリッジ。イッシュ地方で一番長いと言われる橋だ。

 

「あっ、近くに店がある」

 

 その入り口には、一つの店があった。

 

「少し寄ろうか」

 

「そうね」

 

「じゃあ、行こうぜ。俺もしたい事があるし」

 

 買い物は前のフレンドリィショップで済ませたが、ここで買うのも良いだろう。

 また、サトシはアララギの方がどうなっているかを知りたかった。

 

「――この辺りもすっかり変わったわね……」

 

 サトシ達は店に向かう途中、茶緑色のウェーブの髪型の女性が、スカイアローブリッジを懐かしみと何処か寂しさを感じさせる表情で見ていた。彼女は一足先に店に入り、サトシ達はその後に入った。

 

「アララギ博士、そっちの様子はどうですか?」

 

『残念ながら今一。まだ調子が悪いの。こっちは色々と手を尽くしてるんだけどね』

 

「そうですか……」

 

『そう心配しないで頂戴。旅頑張ってね』

 

「はい」

 

『じゃあね』

 

 ブツンと画像が切れ、買い物も終わったのでヒウンシティに向かおうとしたサトシ達だが、そこで先程店に入った女性が壁にある写真を複雑そうな表情で見ているのが気にかかる。

 

「これは……」

 

「スカイアローブリッジが出来る前の写真だね」

 

 古さから、スカイアローブリッジが出来る前の写真だと分かる。

 

「あっ、船が走ってる」

 

「これは船じゃなくて水上バス。この河で走っていたの」

 

 アイリスがその内の一枚の写真に注目すると、女性が船ではなく水上バスだと説明した。

 

「お姉さんはこの近所の人なんですか?」

 

 昔走っていた水上バスを知っている。つまり、当時について詳しいという事だ。この周辺で暮らしていると考えるのは妥当だろう。

 

「あっ……いえ、違うの。じゃあね」

 

 アイリスの言葉に、ハッとした女性はそそくさと店から出た。

 

「俺達も行こうか」

 

「そうだね」

 

 女性の言動が気にはなったが、彼女はもう行ってしまった。サトシ達はヒウンシティに向かおうと店を出る。

 

「うわっ、なんだこれ?」

 

 しかし、外には霧が漂っていた。さっきまでは晴れていたのに。

 

「霧? こんなものさっきまで無かったわよね?」

 

「あぁ、それはね――」

 

「また出てきたのねー」

 

「ジュンサーさん」

 

 霧にサトシとアイリスが戸惑い、デントが説明しようとした時、ジュンサーが近付いてきた。

 

「ここは昔から霧が深いって言われるの。ちょっと待っててね。――出てきて、スワンナ! さぁ、出動!」

 

「――スワ!」

 

 ジュンサーがモンスターボールから出したのは、白い身体に黄色いくちばし、水色の胸や尾をしているポケモン。サトシも一度見たことがあった。

 

「スワンナだ!」

 

「スワンナ……」

 

『スワンナ、白鳥ポケモン。コアルヒーの進化系。くちばしの攻撃は強烈。首をしならせて、連続して攻撃を繰り出す』

 

「コアルヒーの進化系……」

 

 先日、三匹のコアルヒー達に色々と迷惑を掛けられたサトシ達は思わず苦笑いしてしまう。

 

「スワンナ、きりばらい!」

 

「スワ!」

 

 スワンナが白い翼を羽ばたかせる。それは強い風を起こし、辺りの霧を吹き飛ばす。はずだった。

 

「あ、あれ?」

 

「……スワ?」

 

 しかし、霧は晴れない。ジュンサーとスワンナがおかしいなと言っていると、一つの車が通り、深い霧の中で運転を止めるように走っていった。

 

「この霧はしばらく続きそうね……」

 

「どうする、サトシ?」

 

「行くさ、目の前にヒウンシティがあるんだから」

 

 サトシの意見を取り、彼等はスカイアローブリッジに向かう。

 

「――あれ?」

 

 その橋の前に、真剣な表情で橋を見る一人の人物と三匹のポケモンがいた。

 

「Nさん?」

 

「……サトシくん?」

 

 声に気付き、Nがサトシ達の方を見る。

 

「また会えたね」

 

「ゾロゾロ」

 

「ガブガブー」

 

「ブイブーイ」

 

 三匹が挨拶。イーブイは更にズルッグはどうと聞いてきた。

 

「元気だぜ。出てこい、ズルッグ」

 

「ルッグ。……ルグ?」

 

「ブーイブイ」

 

 イーブイを見て驚いたズルッグだが、再会に嬉しいのか笑顔になる。

 

「キバキバー」

 

「ブイッ!」

 

「……ルグ」

 

 また、イーブイに会えてキバゴも喜び、アイリスの髪から出ると近寄ってお互いに再会の喜びを分け合っていた。ズルッグは少し不満げだが。

 

「ところでNさん、さっきから橋を見てましたけど……」

 

「うん。実はこの先からポケモンの力を感じるんだ」

 

「力?」

 

「気のせいかもしれないけどね。あと、この霧からも僅かに感じる」

 

「えっ、つまりこの霧はそのポケモンが発生させたって事ですか?」

 

「……そう言えば、スワンナのきりばらいでも晴らせませんでしたね」

 

 あの時は失敗したのかと苦笑いしていたが、よく考えればそれなりの実力を持つジュンサーのポケモンが失敗した方が不自然だ。

 だが、この霧が自然現象でなく、ポケモンが起こしたものだとすれば、それも納得出来る。

 

「……この先に何かいるって事ですか」

 

「うん。だから少し考えていたんだ」

 

 どんなポケモンが何故いるのか分からないため、Nはここで考えていたのだ。

 

「行きましょう。どんなポケモンでも話してくれれば通してくれますよ」

 

「だね」

 

 先日のコアルヒー達の様なポケモンでない限りは、ここを進むことを許してくれるだろう。Nもサトシの言葉に頷き、スカイアローブリッジを渡っていく。

 

「霧が濃くなって来ましたね……」

 

「おそらく、この辺りにいるはず……」

 

 そろそろ、サトシ達がそのポケモンに話し掛けようとしたその時、空から不思議な色の光が放たれ、サトシ達の前で着弾する。

 

「なっ……」

 

「いきなり攻撃!?」

 

 サトシ達が見上げる。そこには、放射状の髪型をし、少し出ている赤い唇と黒い円錐台が積み重なった様な身体に、器官を各段前方に一つづつと頭頂部に白いリボン状があるポケモンがいた。

 

「ゼール……」

 

「あれはゴチルゼル……!」

 

「ゴチルゼル……」

 

『ゴチルゼル、てんたいポケモン。強力なサイコパワーを操るポケモン。技を使うと周囲の空間が捻れ、異空間が広がると言われている』

 

「この霧はゴチルゼルの力によるものか……!」

 

「ゴーチール……」

 

 ゴチルゼルは下りると、サトシ達を阻むように片手を突き出すの構えを取る。

 

「ゴチルゼル、俺達はここを通りたいだけなんだ」

 

「キミと戦う気は無い。通してくれないだろうか?」

 

「ゼル!」

 

「うわぁ!」

 

 通して欲しいと話すサトシとNだが、ゴチルゼルはそれを拒むようにサイケこうせんを放つ。

 

「僕達を渡らせたくないのか?」

 

「でも、どうして!?」

 

「こうなったら力強くで……!」

 

「待った。ボクが話してみるよ」

 

 応戦するようにサトシは一つのモンスターボールを出すが、そこにNが待ったを掛ける。

 

「ダメかな?」

 

「……無茶はしないでください」

 

「分かった。ゴチルゼル、どうしてボク達を通してくれないんだい? いや、そもそもキミは何故ここにいる? 何が望みなんだ? もし協力出来るならさせて欲しい」

 

 何らかのやむを得ない理由があるなら、Nはそれを解決するつもりだ。サトシ達も事情があるならと思っている。

 

「……ルゼール」

 

「……!」

 

「Nさん、ゴチルゼルはなんて……?」

 

「……話すことはない。だそうだ」

 

「説得は無理という事ですか……」

 

 残念ながら、ゴチルゼルは話を聞くつもりが無いようだ。

 

「だったら……行け、クルミル!」

 

「クルル!」

 

 サトシはある目的を持って、クルミルを出した。

 

「おや、新しい仲間かい?」

 

「あっ、はい。ヤグルマの森でゲットしました」

 

「クルル?」

 

「ボクはNだよ。宜しく」

 

「クル」

 

 Nに誰これ?と疑問符を抱いたクルミルだが、挨拶してきたので返事した。

 

「ち、ちょっと、今はゴチルゼルを何とかしないと!」

 

「あっ、そうだった。クルミル、いとをはくでゴチルゼルの動きを封じろ!」

 

「クル。クルルーーーッ!」

 

「ゼル! ゴチルッ!」

 

 クルミルは拘束しようと糸を吐くも、ゴチルゼルは中々の体捌きでかわし、反撃のサイケこうせんを放つ。

 

「かわして、はっぱカッター!」

 

「クルルルッ!」

 

「ゼルーーーッ!」

 

 クルミルははっぱカッター、ゴチルゼルはまたサイケこうせんを全力で放つ。二つの技はぶつかり合う。

 すると、突然景色を飲み込む程の強烈な白い光が放たれ、サトシを包み込んでいった。

 

「う……? クルミル、ズルッグも戻れ」

 

 サトシは目を開くと、クルミルとズルッグを戻しながらN達と状況を確かめる。霧が濃い。

 

「どうなったんだ……?」

 

「確か、サイケこうせんとはっぱカッターがぶつかったあと……」

 

「光が出てきて包まれて……」

 

 その後が分からない。もっと詳しく状況を知ろうと周りを見ると、橋が写った。

 

「あの橋……」

 

「建設途中の橋だね。でも……」

 

 見たことのある橋に、デントは顎に手を置いて考える仕草を取る。Nも気付いた様だ。

 

「デントくん、あの橋……」

 

「Nさんも気付きましたか」

 

「えっ、どういうこと?」

 

「Nさん、デント、あの橋が――」

 

「お客さんですか~?」

 

 サトシが聞こうとしたその時、可愛らしい声が聞こえた。サトシ達がそちらを向くと、船と小さな女の子がいる。女の子は手を振りながらサトシ達を誘う。

 

「水上バスに乗りませんか~? 向こう岸に行きますよ~?」

 

「水上バス……」

 

「どうする?」

 

「乗って見よう。何か手掛かりが掴めるかもしれない」

 

「僕もそう思います」

 

 Nとデントの意見に従い、サトシ達は水上バスに乗ることにした。

 

「……あれ?」

 

「どうしましたか?」

 

「いや、ちょっと……」

 

 女の子を間近で視認したサトシだが、どこかで見た様な気がしたのだ。

 

「乗りますか?」

 

「あっ、乗るよ」

 

「はい、ありがとうございます。ゴチルゼル~、この人達もお客さんよ~、案内お願~い」

 

「……ゴチルゼル?」

 

「ゴーチー」

 

 切符を渡した女の子が呼ぶと、向こうにいたゴチルゼルが笑顔で振り向く。

 

「さっきのゴチルゼル……!?」

 

「だけど、雰囲気が違うね……」

 

 さっきのゴチルゼルは、敵意剥き出しに攻撃してきたが、今のゴチルゼルからはそんなものは微塵も感じない。同じポケモンとは思わなかった。

 

「どうするの? もしかしたら罠かも……」

 

「だとしても行くしかないだろ」

 

 ここがどこなのか、どうすれば出れるのか。それを知るため、サトシは乗ることを提案。Nやデントも賛同し、彼等は水上バスに乗る。

 

「ゴチルゼル、お願~い」

 

「ゼ~ル~」

 

「サイコキネシス」

 

 ゴチルゼルの目が青く光る。水上バスを岸に繋いでいた縄がサイコキネシスで外れる。

 

「船長、準備OKです!」

 

「うむ、大変お待たせしました。それでは出発いたします」

 

 女の子が操縦席にいる男性に呼び掛けると、水上バスが動き出した。

 

「ジュースにお菓子はいかがですか~?」

 

「ゼルゼル?」

 

「貰うよ」

 

「あたしも!」

 

「ボクもお願いするよ」

 

 女の子がゴチルゼルと一緒に、お菓子やジュースを売っていた。サトシとアイリス、Nは買うと早速味わう。

 

「うん、美味い!」

 

「本当!」

 

「良いね、こういうの」

 

「ピカピカ」

 

「キババ~」

 

「ゾロロ」

 

「カブブ」

 

「ブイ~」

 

 味も良く、彼等は満足気していた。

 

「これ、あなたが作ったの?」

 

「そうだよ」

 

「偉いわねぇ」

 

「でも、こんな女の子も頑張ってるのに、この水上バスなくなっちゃうんでしょ? 船長さん」

 

「あっ……」

 

「寂しくなるわねぇ……」

 

 どうやら、少女と父親がやっているこの水上バスはもうすぐ止めるらしい。それを言われ、少女とゴチルゼルは俯いていた。

 

「まぁ、それも時代の流れだよ。仕方ないことさ」

 

 一方で男性は仕方がない事だと受け入れていた。橋が完成すれば、この水上バスはお役御免なのだから。

 

「……やっぱり」

 

 水上バスが橋の工事している地点まで動き、そこから見える景色にデントは確信を抱いた。

 

「この橋はスカイアローブリッジだ」

 

「えっ? でも、橋は建設してる途中よ?」

 

「じゃあ、俺達はスカイアローブリッジが出来る前の世界に来たって事か?」

 

「いや、そうじゃないかもしれない」

 

「と言うと?」

 

「――はい、ゴチルゼル。おやつ」

 

「ゼル」

 

 単なるタイムスリップではないと語ったNにサトシは聞こうとしたが、少女の声に中断され、彼等は少女とゴチルゼルを見る。

 彼女達はお菓子を美味しそうに食べていた。同時にサトシは少女に注目する。

 

「……やっぱり、見たことがある気がするなあ」

 

「あの子?」

 

「うん。アイリスやデントはどう思う?」

 

「言われてみたら……」

 

「確かに見たことあるような……」

 

 サトシに言われ、アイリスやデントも少女に見覚えを感じていた。

 

「キミ達はあの子を知ってるのかい?」

 

「知ってると言うより、見たことがあると言うか……どこでだっけ?」

 

 必死に思い出していくサトシ。すると、ある人物と一致した。

 

「――思い出した! さっきの店で水上バスについて話してたお姉さんに似てるんだ!」

 

「あっ!」

 

 アイリスとデントが改めて少女を見る。確かにさっきの店にいた女性と髪の色が同じであり、顔立ちも似ている。

 

「確かに似てる……」

 

「それに彼女があの女性と同一人物なら、水上バスについて知ってるのは当然の事か……」

 

「……えと、とりあえず、君達はあの女の子について知ってると考えて良いのかい?」

 

「あっ、はい。ただ、少し話しただけですし……」

 

「知り合いではないと。じゃあ、どうする?」

 

「うーん……」

 

 ゴチルゼルに話せばもしかすると、何か起きるかもしれない。しかし、今のゴチルゼルは襲撃して来た時と同じか分からない。

 

「少し様子を見ましょう。確認したい事もありますし」

 

 デントの意見に従い、サトシ達は様子を見ることにする。少しすると、水上バスは岸に辿り着いた。

 

「ありがとうございました~」

 

「ルゼ~ル」

 

 水上バスから降りたサトシ達だが、その景色に驚く。

 

「ここって……!」

 

「確認しよう」

 

 サトシ達は道まで歩く。すると、写ったのはさっきも見た景色だった。

 

「やっぱり、さっきの場所だ」

 

「戻ってきちゃったの? でも、真っ直ぐに行ったのになんで……?」

 

 真っ直ぐ行った以上、向こう岸に着かなくてはおかしい。不可解な事態に、サトシもアイリスも困惑する。

 

「……ここは閉じた世界なのかも」

 

「閉じた世界?」

 

「……正確には、ある一定の広さしかなく、時間を繰り返す世界と言うべきかな?」

 

「えっと、つまり?」

 

「例えば、時間が一月から二月まで行くと前の一月に戻ってしまう。移動してもある地点まで行くと、ここに戻ってしまうと言う感じだよ。ただ昔に行ったのなら、向こう岸に着くはずだからね」

 

 指での説明を交えながらNは話し、サトシも理解した様だ。

 

「だったら、どうやって出るんですか?」

 

 時間が繰り返され、移動しても戻る世界だとすれば、脱出する方法が無い。

 

「その鍵となるのはおそらく……」

 

「ゴチルゼルとあの女の子」

 

 サトシ達が見ると、少女とゴチルゼルはジュースの補充をしており、少女はジュースが詰まった箱をカートに乗せると、一気に駆け出した。

 

「それそれ~!」

 

「ゼルゼル~!」

 

「あの女の人、昔はあんなに活発だったのね」

 

 店で会った時は、不思議な様子を見せた物静かな女性だったので、少女の時の活発な姿にアイリスは微笑む。

 

「とりあえず、話を聞いてみよう。彼女達がこの世界を出る為の鍵なのは間違いない」

 

「よし」

 

 方針も決まり、サトシ達は自動販売機で補充をしている少女とゴチルゼルに近付く。

 

「こんにちは」

 

「あっ、さっきのお客さん」

 

 話しかけたサトシ達は、簡単に自己紹介を済ませる。

 

「あたしはサリィ」

 

 店で会った女性、ここでは少女である彼女はサリィという名前だった。

 

「で、こっちはゴチルゼルよ」

 

「ゴ~ゼルゼ~ル」

 

 ゴチルゼルは笑顔でよろしくと答えた。

 

「水上バスの手伝い、偉いね」

 

 向こうではサリィは年上なので、敬語すべきかなと思いながらもデントはこっちではまだ少女の彼女を誉めた。

 

「うん、パパが船長だからお手伝いしてるの」

 

 あの水上バスは、親子でやっていたようだ。

 

「水上バスがもうすぐなくなるって聞いて、僕達も一度乗ってみたくて来たんだ」

 

「最近、そういうお客さんが多いのよね~。ねっ、ゴチルゼル?」

 

「ゼ~ルゼ~ル」

 

「そのゴチルゼルは、君のポケモン?」

 

「ううん、野生のポケモン。この辺りに住んでいたんだけど、いつの間にか手伝ってくれるようになったの」

 

「ゼルゼ~ル~」

 

 どうやら、ゴチルゼルはサリィのポケモンではないらしい。

 

「わたし達、良いコンビだよね、ゴチルゼル!」

 

「ゼ~ル~」

 

 しかし、笑顔で抱き締め合う彼女達を見ると、相当仲が良いのがよく伝わって来る。

 

「じゃあ、わたし達はまだ仕事があるから。じゃあね~」

 

「ゼ~ル」

 

 ある程度話したサリィは、ゴチルゼルと一緒に仕事に戻った。

 

「すっごく仲が良かったね。サリィさんとゴチルゼル」

 

「あぁ、それに楽しそうだった」

 

 彼女達は、ここでとても充実した毎日を過ごしていたのだろう。見るだけ和気藹々としている様が分かる。

 

「……ここは、ゴチルゼルが作った思い出の世界かも」

 

「思い出の世界?」

 

「なるほど。だとしたら、時間や空間が一定なのも理解出来るね」

 

 デントの推測に、Nはいち早く賛同を示す。ただ、サトシやアイリスがまだ理解していないのでデントが続きを話す。

 

「ゴチルゼルには、周囲の空間をねじ曲げる能力がある。これはポケモン図鑑にも載っていた」

 

 ポケモン図鑑がそう解説していた事を、サトシは思い出す。確か、全力でサイコパワーを使うとそうなるとのことだった。

 

「バトルでゴチルゼルが全力を出したから、俺達はこの世界に迷い込んだって事か?」

 

「おそらく。この様子を見る限り、スカイアローブリッジが完成したから水上バスが無くなり、サリィさんとゴチルゼルはここを離れた可能性が高い」

 

「……だとしたら、店でサリィさんがそそくさと去ったのも分かるわね」

 

 楽しくはあるが、同時に辛くもあるだろう過去について訪ねられたのだ。言葉を濁すのも当然。

 

「……ゴチルゼルにとっては、サリィさんと一緒にいた時が一番楽しい思い出だったのかな?」

 

「きっと、そうだろうね。何気ない様子だけど、楽しさが満ち溢れてる。ボクはそう感じるよ」

 

 サトシ達はサリィ達を見る。何処にでもある様な、普通の生活。しかしNの言う通り、楽しさに満ちており、彼女達は笑っていた。

 

「……サリィさんにとっても、この思い出は大切なものなのかな?」

 

「きっとそうよ。だって、水上バスの絵をあんなに懐かしそうに見てたんだもん」

 

「うん。サリィさんにとっても、ここでの生活は大切な思い出に違いないよ」

 

 店で見せたあの様子から、サリィもまたこの日々を大切な物だと思っていたのは分かる。

 

「その、サリィさんかな? 彼女がこの近くにいる事を、ゴチルゼルは知っているのかな?」

 

「……どうでしょう」

 

 そこで、Nがサリィがこの辺りにいることを、ゴチルゼルが知っているのかという疑問を語る。

 

「ゼルゼル~」

 

「いってらっしゃ~い」

 

 同時に、ゴチルゼルがサリィや彼女の父親から離れ、何処かに向かう。

 

「追い掛けよう!」

 

 ゴチルゼルだけになった。話を聞く絶好のチャンスだ。サトシ達は全員で追う。

 

「ゴチルゼル!」

 

「……」

 

 ゴチルゼルはスカイアローブリッジまで移動し、サトシ達の自分を呼ぶ声に振り向く。しかし、その目は鋭く、さっきまであった笑顔は欠片も無い。

 

「ゴチルゼル、ここは君の思い出の世界なんだろう? 僕達はここに迷って、困っているんだよ!」

 

「元の世界に戻りたいんだ!」

 

「ピカピカ!」

 

「ここも良い世界だと思うわ。だけど、出口を教えて欲しいの!」

 

「――ゼル!」

 

「危ない!」

 

「ゾー……ロッ!」

 

 ゴチルゼルが放つサイケこうせんを、ゾロアがシャドーボールで打ち消す。

 

「ゼール……」

 

「ゾロ……!」

 

 ゴチルゼルに敵意を剥き出しにするゾロア。ポカブも隣に立ち、臨戦態勢に入る。しかし、Nは二匹の前に立つ。

 

「Nさん!」

 

「任せて。キミ達はイーブイを」

 

「……」

 

 指示に従い、二匹はイーブイの側に寄る。それを見ると、Nはゴチルゼルに向かい合い、一歩を前に出る。

 

「ゴチルゼル、キミがボク達を出したくないのは、この過去がもう過ぎたものだと思いたくないからかい?」

 

「……!」

 

「キミにとって、この時はとても大切な物。だけど、それを知り、共有出来る者がもういない。いても、過ぎたものでしかない。それはきっと、今のスカイアローブリッジを渡り、歩く人々を見て尚更そう思ってしまった。だから、それが辛くて、この世界を作り、そして入ったボク達を出したくないのだろう?」

 

「……」

 

 手を構えたまま、ゴチルゼルは辛そうな表情になる。Nの言う通り、ゴチルゼルはこの過去を過ぎたものにしたくなかった。ずっとあるのだと思いたかった。だから、この世界を作ったのだ。

 しかし、サトシ達を出してしまえば、ここはやはりもうない過去なのだと――そう理解してしまう。それがゴチルゼルにとって何より苦痛だった。

 

「その気持ちは、分かる。だけど、ボク達には成すことややりたい事がある。この記憶が大切だからと言って、それらを遮る権利がキミにあるのかい?」

 

「……」

 

 無い。彼等には彼等の未来がある。それを遮り、奪う権利などあるわけがない。だが、納得は出来なかった。

 

「ゴチルゼル!」

 

「……?」

 

 サトシがNの隣に立ち、ゴチルゼルに強く呼び掛ける。ゴチルゼルは疑問を抱きながらも、続きを待った。

 

「元の世界、今のスカイアローブリッジの近くには、今のサリィさんがいるんだ!」

 

「ゼル……!?」

 

 今のサリィが、近くにいる。その言葉に、ゴチルゼルは目を見開いて驚愕する。

 

「本当よ! あたし達は店で会ったの!」

 

「彼女は水上バスの絵を見て懐かしんでいた。君と同じ様に、今でもこの記憶を大切にしていたんだ!」

 

「ゼ、ゼル……!」

 

 多いに動揺するゴチルゼル。サリィがこの近くにいるのは、完全に予想外だった。

 

「――ゴチルゼル!」

 

 そこに、女性の声が響く。ゴチルゼルの後ろ側から、一人の人物が駆け寄って来た。

 

「あれは……!」

 

「今のサリィさん!?」

 

「どうしてここに!?」

 

 思い出の世界の子供のサリィではなく、大人となった今の彼女がいた。

 

「ゼ、ゼル……?」

 

「ゴチルゼル、わたしもこの世界に迷い込んだみたいなの。霧に覆われたスカイアローブリッジを歩いている最中に」

 

 どうやら、彼女もこの世界に入り込んだ様だ。

 

「ここは、あなたの思い出の中なのね……」

 

 昔を思い出すサリィ。スカイアローブリッジが完成して、水上バスは廃止となった。

 

「水上バスが終わって、わたし達は親戚の工場のある町に引っ越して新しい生活を始めた。そして、わたしはドクターを目指して宿舎のある学校に転校した」

 

 この時、サリィはゴチルゼルも一緒に行かないかと誘ったが、ゴチルゼルは過去への思いから断っていた。

 

「そのしばらく後に、パパからあなたがどこかに行ってしまったって聞いたけど……ここに戻っていたのね」

 

 サリィもその報告を聞いて探そうとはしたが、勉強や仕事があったため、出来なかった。

 

「ゴチルゼル、わたしね、ドクターの資格を取ったの。それで今は、研修医としてあちこちの病院を回っていて、この近くの病院に配属されたから来てみたの」

 

 そして、ゴチルゼルとこうして再会したのだ。

 

「わたしもとっても懐かしいわ……。あの頃、本当に楽しかったもの……」

 

 水上バスの時刻表に合わせた生活の日々。ゴチルゼルと一緒に切符、ジュースやお菓子を売ったり、運航中は食べて楽しんだり。

 他の人には何でもない普通の事。だけど、サリィとゴチルゼルにとっては大切な日々であり、思い出。

 

「あなたも橋が出来る前のあの日々を覚えていてくれたのね……。ありがとう、本当にありがとう……」

 

 今もあの日々を忘れないでいたゴチルゼルに、サリィは心の底から、お礼を語る。

 

「でも、もうあの日々は戻って来ないの……。あなたやわたしがどんなに思っても……」

 

 サリィだって、出来るのならあの日々に戻ってみたい。しかし、どれだけ思おうとも、どれだけ願っても。あの日々はもう戻らないのだ。

 そして、もし出来たとしても、それはするべきではない。人もポケモンも何時かは大人になり、未来や夢に向かわねばならないのだから。

 溢れ出る過去への想い。けれど、振り切って未来に進まねばならない。サリィは涙を溢しながらも、ゴチルゼルに告げる。

 

「ゼル……。ゴゼル……」

 

 サリィの涙に、ゴチルゼルは悲しそうな表情をすれど、彼女の涙を優しく拭い、昔の様に微笑む。

 サリィも微笑み、ゴチルゼルと手を重ねたその瞬間、視界を遮る程の大量の霧が激しく動く。

 

「ここは……」

 

「橋が完成してる!」

 

 元の世界、本来いる場所にサトシ達は戻ったのだ。

 

「……あっ、ゴチルゼル!」

 

 サリィが橋の上にいるゴチルゼルを見付ける。サトシ達も向いた。

 

「ゴーゼー」

 

「ゴチルゼル、またこの場所に来ればあなたに会える?」

 

「ゼール」

 

 ゴチルゼルはサリィの言葉に笑顔で頷くと、霧と共に姿を消した。

 

「ゴチルゼル……」

 

「ゴチルゼルは今のサリィさんと再会して話した事で、あの思い出に別れを告げたんじゃないでしょうか?」

 

「昔の思い出を大切にしながらも、今を進む貴女を見て、ゴチルゼルも未来に向かおうとしたんだと思います」

 

「そうかしら……」

 

「きっとそうですよ!」

 

「ゴチルゼル、嬉しそうだったもの」

 

 消えた時、ゴチルゼルは笑っていた。納得していなかったのなら、それは出来なかっただろう。

 

「そうね。きっと……」

 

 ゴチルゼルが未来に向かって歩み出した事に、サリィは嬉しく思った。

 その後、霧も消えて見晴らしも良くなったのでサトシ達はヒウンシティに向かうべく、スカイアローブリッジを渡っていくもその途中で止まる。

 

「この下を、水上バスを走ってたんですよね?」

 

「えぇ、そうよ」

 

 今はもうない水上バス。だけど、昔は確かに走っていたのだ。

 

「皆、色々とありがとうね」

 

「いえいえ」

 

「サリィさん、橋が出来る前の素敵な思い出を見れて、あたしとっても良かったです!」

 

 アイリスの言葉に、サリィは切なさを感じさせる表情を浮かべる。

 

「あの頃の思い出は、深い霧の中の幻みたいなものなのかもね……」

 

「そうかもしれません。けれど――貴女やゴチルゼルの心の中には確かにあります。それがある限り、例え離れ離れでも貴女達の絆は消えることはない。そして、望むのならきっとまた、一緒になれると――そうボクは思います」

 

「――ありがとう」

 

 思い出は時が経つに連れ、霧や幻の様に消えていくかもしれない。だけど、その時に培われた大切な物は今でもしっかりと残る。

 そして、サリィとゴチルゼルが望むのなら、彼女達はきっとまた一緒になれるだろう。そうNは語り、サリィはお礼を告げる。

 

「それじゃあ、また会えたら会いましょうね」

 

「さようならー!」

 

「お元気で~!」

 

「お仕事頑張ってくださいねー」

 

「応援してます」

 

 サリィは仕事があるため、スカイアローブリッジの入口に向かい、サトシ達と離れていった。

 

「ポケモンにとっての思い出、か」

 

「キバゴ、楽しい思い出沢山作ろうね!」

 

「キバキバ!」

 

「俺達も作ろうぜ、ピカチュウ!」

 

「ピカピカ!」

 

「ゾロロ」

 

「カブカブ~」

 

「ブブイ!」

 

「うん、ボク達も良い思い出を作ろう」

 

 アイリス、サトシ、Nは笑顔で自分のポケモン達にこれからの思い出を築いていこうと告げる。

 

「じゃあ、ヒウンシティに向かって出発!」

 

 サリィとゴチルゼルの思い出があるこの橋を一足先に進むサトシを、アイリス、デント、最後に苦笑いするNを追う。

 

(人とポケモンの道)

 

 その最中、Nはサリィとゴチルゼルについて考えていた。

 同じ時を過ごし、確かな絆を持つ彼女達だが、道が違って離れた。だけど、今も想いは消えず、繋がりは確かにある。それが、Nは凄いと思った。

 

(それが彼女達が選んだ選択肢だから)

 

 だからこそ、彼女達は離れる事を受け入れたのだ。時代の流れという切欠はあれど、自分達が決めたからこそ。

 

(……なのに、あの時までのボクは)

 

 離れる選択を勝手に他者に要求し、それが正しい事だと信じて疑わなかった。

 いや、それだけではない。理想の裏側にある真実や、現状にも気付けなかった。愚かにも程がある。

 

(――だけど)

 

 今は違う。自分で決めた道を進み、真実と向き合っていく。どれだけ苦しもうが、辛かろうが、最善の為に。

 その意志を込もったかのように、青年の足は力強く橋を蹴って進んでいった。

 

 

 

 

 

 夜のリゾートデザート。ロケット団の飛行艇が出す光が何かを探すように動く。

 

「この辺りなのよね?」

 

「あぁ、今までのデータからこの近くと見て間違いない」

 

「地脈エネルギーの根はこの先にゃ」

 

 光がある地点まで到達すると、地中から強烈なエネルギーが放たれる。ロケット団が捜していた物――メテオナイトだ。

 

「ゼーゲル博士、これは……!」

 

「間違いないの。メテオナイトじゃ!」

 

 メテオナイトを発見し、手に入れるべく、ロケット団は行動を開始する。

 そしてその時、とある影響がある場所で出たことを彼等は知らない。

 

「くっ、大丈夫か……!?」

 

「怪我人は?」

 

「問題ありません……! 命に別状は……!」

 

「それよりも……!」

 

 古代の城。目の前の砂に埋もれた階段に、ロットやアスラ、彼等の部下達は苦い表情を浮かべていた。

 

「ここが最下層かの」

 

「のようですな。次はここにしましょう」

 

 数分前。彼等はロケット団が去るまで古代の城を調べていた。その最中、一つの部屋を開く。

 

「――モーーースッ!」

 

「離れよ!」

 

 放たれた炎と共に、鳴き声が響く。彼等は咄嗟に炎を避け、素早く体勢を立て直す。

 

「このポケモンは……!」

 

 彼等の目に一匹のポケモンが写る。炎の様な色をした六枚の羽と、白い体毛が特徴の蛾みたいなポケモン。たいようポケモン、ウルガモス。

 火山灰が空を覆い、地上が真っ暗になった時、太陽の代わりとなったと伝えられるポケモンだ。

 

「こんな所にこんなポケモンが……! 対処を――」

 

「迂闊に刺激してはならぬ。冷静に話し合い、穏便に済ませてもらうのだ」

 

 部下はウルガモスを手持ちで対処しようとしたが、ロットが手で制する。

 

「ウルガモス。我々は危害を加えるつもりは全くありませぬ。騒がせて誠に申し訳ない。直ぐに離れるので、どうかここは穏便に」

 

「……」

 

 アスラの言葉をウルガモスは聞き、他の者達を鋭い眼差しで見る。嘘ではなさそうだと感じ、静かに部屋に戻ろうとした。その時だった。

 

「――モスッ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

 古代の城が揺れた。しかし、それは地震ではない。メテオナイトのエネルギーが揺らしたのだ。

 

「ウル……!」

 

「――不味い! 全員、逃げよ!」

 

 これは地震ではない。長年古代の城にいたウルガモスはそう理解し、その原因がロットやアスラ達だと敵意を剥き出しにする。

 

「ガモーーーッ!!」

 

 ウルガモスが強い炎を円状に放つ。ほのおのまいと呼ばれる技だ。

 

「なっ、しまった……!」

 

「ライトストーンが!」

 

 その技の余波により、ロットが持っていたライトストーンが落ちてしまう。

 更に天井や壁に亀裂が走り、崩壊。ライトストーンは向こうに行ってしまった。

 

「そんな……! 折角手に入れたライトストーンが……!」

 

「王の為のレシラムが……! 直ぐに回収します!」

 

「ならん! このままではこの辺りも崩壊する!」

 

「上の階に向かうのです!」

 

 亀裂が更に広がっており、このままでは自分達がいる場所も埋まってしまう。アスラやロットは速やかな避難を指示。団員達は渋々従い、上の階に避難する。

 

「あぁ、ライトストーンが……!」

 

「命には変えられぬ。……済まぬな」

 

「いえ、我々が素早く対応していれば……」

 

「過ぎた事を言っても仕方ありません。確保は失敗したと報告するしかないでしょう」

 

 砂を掻き出すには相当な時間が掛かる。ライトストーンの再確保はしばらく無理だろう。

 

「ロケット団が出るまでゆっくりする。怪我人の手当てもせよ」

 

 はいと団員達は頷き、怪我を負った仲間の手当を始める。

 

「――失敗はしたが、これはこれで良かったと考えるべきか?」

 

「かもしれませぬな」

 

 小声で話すロットとアスラ。二人はライトストーン確保は失敗したが、それはそれで都合が良いかもしれないと話し合っていた。

 二人は、ライトストーンの確保はタイミングは良いが、同時に時期尚早だとも考えていたのだ。その延期の口実が丁度出来た。

 確保出来ない以上、自分達は動けないが、向こうも余計な事は一切出来ない。悪くはないと判断した。

 

「しかし、さっきの揺れは一体……」

 

「……ロケット団の仕業かもしれぬな」

 

 ロケット団は今、メテオナイトの確保をしているはず。その影響が及んだのかもしれない。

 

「となると……向こうも本格的に動き出したと考えるべきか?」

 

「……あの方は大丈夫でしょうか?」

 

「……分からぬ。だが、今やれることをやるしかない」

 

 それが今の自分達の役目。ならば、こなすしかないのだ。二人は彼の無事を祈りながら、古代の城で待ち続けた。

 

 

 

 

 

「……モス」

 

 最下層。暴れて気持ちがすっきりしたウルガモスは、目の前の物――ライトストーンを見下ろしていた。

 そのただならぬ雰囲気を感じながらも、ウルガモスはライトストーンを優しく抱える。

 炎の蛾に抱えられた白き石は、淡く輝く。真実を待つかの様に。

 

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