ポケットモンスター アナザーベストウイッシュ   作:ぐーたら提督

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燃えるヒウン

 それらは一瞬の事だった。ヒウンシティの中心の上空にある、メテオナイトを積んだ飛行機から閃光が放たれ、周囲の放棄された飛行機を巻き込んで大爆発を起こす。

 ロケット団員は咄嗟に脱出はしたものの、乗り手がいなくなった大量のロケット団の飛行機は爆発の勢いによりそのまま墜落し、炎上による火を撒き散らしながらヒウンシティの建物を次々と襲う。

 しかも、建物のある箇所からも火が出ており、外と中から炎が迫っていた。それは電源。

 暴走したメテオナイトのエネルギーは、それを受けた生命体以外の他のエネルギーも同様に暴走させてしまうと言う性質がある。

 これにより、発電所と夜間も作業していた会社の電源からも発火を起こし、更に発電所の電気が暴走したことで供給が途絶え、町中の電源は瞬く間に絶たれてしまう。

 幸いなのは、発電所からのエネルギーが瞬時に断ち切られたため、夜間の明かりが付いていなかった建物からは出火は控え目か、なかった事ぐらいだが、気休めにもならないだろう。

 

「な、何だよ、これ!?」

 

「とりあえず、早く街に出るんだ!」

 

 夜間に働いていた企業の人々が外に出るも、写るのは墜落し、燃料に引火、暴走により激しく燃え上がる、ロケット団の飛行機や建物の数々。

 さっきまで平和だったヒウンシティの面影は全く無く、何時も照らす蛍光灯の光ではなく、煉獄の炎が夜のヒウンシティを染めていた。

 

「状況は!?」

 

「ダメです! 周りや他の街とのコンタクトが一切取れません! 通信機能がやられています!」

 

「それに、電気が付きません! おそらく、発電所がやられたものかと!」

 

「非常用の電源は!?」

 

「今確認しています!」

 

 警察署では、到着したアララギ、ジュンサーと警察官達が突然の事態に必死に対応に当たっていた。

 しかし、通信が出来ず、状況は火災で燃えている以外一切不明。周りへの協力も求めれない最悪の状態だった。

 

「アララギ博士……!」

 

「止められなかった……!」

 

 この惨劇を止める事が出来ず、アララギは苦悶の表情を浮かべる。

 

「……アララギ博士、今は悔やむよりも私達に出来る事をするべきです!」

 

「……そうね。その通りだわ」

 

 悔やむのは、この惨劇を終わらせた後。ジュンサーの言葉にアララギは頷く。

 

「ポケモンセンター、消防署や医院、電気屋とのコンタクト! 更に各自、火の消火と市民の救助! フシデ達の様子も確かめて! ――行くわよ!」

 

「はっ!」

 

 危険な状態ではある。しかし、だからと言って自分達が動かない理由にはならない。市民を守るため、彼女達は自ら危険な現場へと進んだ。

 

 

 

 

 

「何よ、これ……!」

 

「ヒウンシティが……燃えている……!」

 

 サトシ達の目の前にも、写っていた。夜の燃えるヒウンシティを。

 

「退いてくれ! ポケモンセンターの中に!」

 

「この子を助けて! 火傷を負ってるの!」

 

「こっちも怪我してるんだ! 手当てしてくれ!」

 

「皆さん、落ち着いてください! 冷静に! 冷静に!」

 

 次々とポケモンセンターに押し寄せる人々。ジョーイが同僚と共に対処に当たるも、全く対応仕切れない。

 

「どうしたら良いんだ……!?」

 

「とりあえず、ここはアーティさんと合流をすべきだと思う」

 

「俺もそう思います!」

 

 目の前の惨劇に、アイリスやシューティー、デントも動揺を隠せないも、Nがアーティとの合流を提案。サトシも同意する。

 

「じゃあ、ヒウンジムを――」

 

 目指そう、サトシがそう言おうとした直後、何度も聞いて見た音と光が放たれる。

 

「――タァーーーッ!!」

 

「――ドォーーーンッ!!」

 

「――バットォーーーッ!!」

 

「――ブーバーーーッ!!」

 

「――マイーーーンッ!!」

 

 それらはポケモンがモンスターボールから出る時の光と音だった。ロケット団が脱出する際に、残ってしまった最悪の置き土産。

 そして、中からはサトシやピカチュウにとって見覚えのある、N達にとっては初めて見る無数のポケモン達が現れる。

 

「あれは……ラッタにサイドンやゴルバット、ブーバーにマルマイン!? カントーのポケモン達か!?」

 

「カントーのポケモンだって!? それがどうしてこんなに沢山!?」

 

『ラッタ。鼠ポケモン。コラッタの進化系。伸び続ける前歯を削るため、硬い物をかじる。長く伸びた牙は分厚いコンクリートも簡単に削る』

 

『サイドン。ドリルポケモン。サイホーンの進化系。マグマにも耐える鎧の様な皮膚と、岩石を砕く角を持つ』

 

『ゴルバット。蝙蝠ポケモン。ズバットの進化系。真夜中に活発に飛び回る。どんなに硬い皮膚でも貫く鋭い牙には小さな穴があって、そこから相手の血を吸いまくる』

 

『ブーバー。火吹きポケモン。ブビィの進化系。灼熱の息を吐くと、身体の周りに陽炎ができ、姿がぼやける』

 

『マルマイン、ボールポケモン。ビリリダマの進化系。身体に電気エネルギーを溜めすぎて、ぱんぱんに膨らんだマルマインが風に流される事がある』

 

 太い身体に六つの髭と、太い上下の歯、細い尾と短い手足が特徴の鼠ポケモン、ラッタ。

 灰色の二足歩行の怪獣の様な身体に、角が特徴のドリルポケモン、サイドン。

 青色の長い身体に、大きな翼や四つの牙が目立つ蝙蝠ポケモン、ゴルバット。

 黄と赤の身体に、窄まった口、先に火が付いた尾の火吹きポケモン、ブーバー。

 モンスターボールを大きくし、白の部分に目、赤の部分に口があるボールポケモン、マルマイン。

 図鑑で五匹の情報を得るシューティー。こんな場面で無ければ、カメラでの撮影もしていただろう。

 そして、この五匹は――いや、この五匹以外のポケモン達も、トレーナーのロケット団員がいなくなった事や、暴走したメテオナイトによる衝撃、燃えるヒウンシティを見て、冷静な判断が出来ず、過剰な興奮状態にあった。

 

「ラッタァーーーッ!」

 

「こっちに来るわよ!」

「ミジュマル、シュルブレード!」

 

「ミジュマ!」

 

 ピカチュウやゾロア達を見て、ラッタはサトシ達を本能的に敵と判断。パニックになる人々を押し退け、ひっさつまえばを構えながら迫る。

 サトシはミジュマルを繰り出し、ミジュマルは水刃を構えると、ラッタを一閃。鋭いダメージを与える。

 

「タァーーーッ!」

 

「まだやられてない!」

 

 しかし、その一撃ではラッタは倒れない。逆上したのか、怒りに満ちた表情で迫ってきた。

 

「――マイビンテージ、ヤナップ! かわらわり!」

 

「ジャノビー、いあいぎり!」

 

「ゾロア、だましうち」

 

「ナー……プーーーッ!

 

「ジャノ……ビーーーーッ!」

 

「ゾロッ!」

 

 防御が下がった所での三匹の同時攻撃。それらを喰い、ラッタは倒れた。これで一段落、ではない。

 

「サイ……ドーーーンッ!」

 

「バットォーーーッ!」

 

「次はサイドンとゴルバットか!」

 

 次はサイドンとゴルバットが迫っていた。しかも既に技を使っている状態。サイドンがとっしん、ゴルバットはつばさでうつだ。サトシ達は咄嗟にかわし、攻撃を避ける。

 

「皆、サイドンは岩と地面タイプ! ゴルバットは毒と飛行だ!」

 

「了解! ヤナップ、サイドンにタネマシンガン!」

 

「行け、プルリル! バニプッチ! ジャノビーとプルリルはサイドンにグラスミキサーとみずのはどう! バニプッチはゴルバットにれいとうビーム!」

 

「出てこい、ハトーボー! ミジュマルはサイドンにみずてっぽう! ピカチュウとハトーボーはゴルバットに10まんボルトとエアカッター!」

 

「ゾロア、シャドーボール。ポカブ、ころがる」

 

 サトシから得たポケモンの情報を元に、サイドンとゴルバットに攻撃。集中攻撃を前に二匹も倒れる。

 

「後はブーバーとマルマイン!」

 

「タイプはブーバーが炎、マルマインが電気だ!」

 

 その情報を聞き、アイリスはふと一つのモンスターボールを取り出す。ドリュウズが入ったモンスターボールを。

 地面タイプと技を持つドリュウズなら、あの二匹の弱点を突ける。しかし、言うことを聞いてくれない。どうしたらと迷っていると、二匹が攻撃を放つ。

 

「ブーーーーッ!」

 

「マインーーーッ!」

 

「ほのおのパンチとスパークか!」

 

 ブーバーは炎の拳を構えながら、マルマインは電撃を纏いながら迫るも、また避けると一斉攻撃で倒される。

 

「よし、これで全部倒し――」

 

「ドリルーーーッ!!」

 

「コイルーーーッ!!」

 

「ピアーーーッ!!」

 

「ライクーーーッ!!」

 

「タミーーーッ!!」

 

「フォーーーンッ!!」

 

「この声!」

 

 五匹を沈黙させ、ヒウンジムを向かおうとするサトシ達だが、先とは違う雄叫びが空から響く。

 

「別のポケモン達!?」

 

「オニドリル、レアコイルとスピアーに、ストライク、モルフォンとスターミーか!」

 

 これまた、カントーで見かけるポケモンばかりだ。

 

「タイプは!?」

 

「オニドリルがノーマルと飛行、モルフォンとスピアーは虫と毒! レアコイルは鋼と電気! ストライクは虫と飛行で、スターミーは水とエスパーだ!」

 

「技が来る」

 

 来る技はエアスラッシュ、むしのさざめき、ラスターカノン、シザークロス、ヘドロばくだん、ハイドロポンプだ。

 それらの技でサトシ達は互いから離され、一人での対処を余儀なくされる。

 

「あ、あぁ……!」

 

「――アイリス!」

 

 しかし、アイリスだけはまともに戦える手段がない。更に彼女にはスターミーとモルフォンの二匹が迫っており、距離のせいで助けが間に合わない。

 

「ハハコモリ、むしのさざめき!」

 

「ゴチルゼル! サイケこうせん!」

 

「モリーーーッ!」

 

「ゼルーーーッ!」

 

「フォンーーーッ!」

 

「ミーーーッ!」

 

 二匹はアイリスに触れようとしたが、直前吹き飛ばされる。その場にいる全員がそちらを向くと、二人の人物がいた。

 

「アーティさん! それと……!」

 

「サリィさん!」

 

「大丈夫かい、皆?」

 

「怪我はない?」

 

 ヒウンジムのジムリーダーのアーティと、スカイアローブリッジの件で出会った女性、サリィだった。ハハコモリと、あのゴチルゼルもいる。

 

「俺達は無事です!」

 

「よかった。にしても、どうなってるのか……」

 

「このポケモン達、見たことない子ばかり……どういうこと?」

 

「今はこの六匹です! 話はその後で!」

 

 デントの言葉に、サトシ達は六匹と向き合う。

 

「ドリーーーッ!」

 

「ドリルくちばし! かわせ、ピカチュウ、ミジュマル、ハトーボー!」

 

「ピカ!」

 

「トーーーッ!」

 

「ミジュ!」

 

 サトシと戦うのはオニドリル。嘴が特徴の鳥ポケモンだ。オニドリルは回転しながら突撃する。スピードはあるが単調なため、簡単にかわされる。

 

「出てこい、ツタージャ!」

 

「――タジャ」

 

 サトシは素早く倒すため、更にツタージャも繰り出す。

 

「ピカチュウ、エレキボール! ハトーボーはかまいたち!」

 

「ピッカ!」

 

「ハトーーーーッ!」

 

「ドリリッ!」

 

 隙が出た所に、ピカチュウは電気の球、ハトーボーは鎌鼬を叩き込む。効果抜群と急所直撃で大ダメージをオニドリルは受ける。

 

「ツタージャはたつまき! ミジュマルはしおみず!」

 

「ター……ジャ!」

 

「ミジューーーッ!」

 

「ドリッ!? リリ、ル……!」

 

「よし、撃破!」

 

 更にオニドリルはたつまきと、ダメージをある程度負うと威力が倍加するしおみずを受け、倒された。

 

「ライク! ライライーーーッ」

 

「ゾロゾロ!」

 

 Nと戦っているのはストライク。両手が鋭い鎌になっている蟷螂ポケモンだ。ストライクはれんぞくぎりでその鎌を何度も振っていたが、ゾロアに軽やかに避けられていた。

 

「ゾロア、イリュージョン。ポカブ、ころがる」

 

「ゾロ!」

 

「カブ! カブブゥ!」

 

「ライ!? ラーーーッ!」

 

「ゾロア、ナイトバースト。ポカブ、はじけるほのお」

 

「ゾローーーッ!」

 

「カブーーーッ!」

 

「ライイーーーッ!」

 

 イリュージョンで変化、驚かせた隙にころがる。更に最強技のナイトバーストとはじけるほのおでストライクを倒す。

 

「レアーーーッ!」

 

「ほうでん! プルリル、まもるで防げ!」

 

「リルッ!」

 

 シューティーと戦うのは、三つの目と螺、六つの磁石が特徴の磁石ポケモン、レアコイル。

 レアコイルは電撃が放つも、プルリルのまもるで止められる。

 

「ジャノビー、グラスミキサー! バニプッチ、こおりのつぶて! そして、出てこいヒトモシ、ドッコラー!」

 

「コイイッ!」

 

 攻撃の後を狙い、ジャノビーとバニプッチが草の渦と氷の礫を発射し、命中させる。効果は今一つだが、怯んだ隙にシューティーはヒトモシとドッコラーを繰り出す。

 

「かえんほうしゃ! ばくれつパンチ!」

 

「トモーーーッ!」

 

「ドッコ、ラーーーッ!」

 

「レア!? コイーーーッ!」

 

 効果抜群の技を連続で食らい、レアコイルは地面に落下した。

 

「ピア! ピアア!」

 

「ダブルニードルか! ヤナップ!」

 

「ナプ、ナププ!」

 

 デントと戦っているのは、ハチの様な身体に腕が太い針になっている毒蜂ポケモン、スピアー。

 スピアーはその太い針になっている腕で何度も突くも、鋭さがない上に大振り。かわすのは容易い。

 

「ピアッ!」

 

「そこだ、ヤナップ! がんせきふうじ!」

 

「ナプ! ヤナーーーッ!」

 

「スピピッ!」

 

「イシズマイ、君も出てくれ! からをやぶるからのきりさく! ヤナップ、かわらわり!」

 

「イママイ! イマー……マイッ! イマーーーッ!」

 

「ナプーーーッ!」

 

「スピーーーッ!」

 

 岩をぶつけ、怯ませた間にイシズマイを繰り出す。そこから、からをやぶるからのきりさくとかわらわりを叩き込み、スピアーを倒す。

 

「ゴチルゼル、サイコキネシス!」

 

「ハハコモリ、れんぞくぎり!」

 

「ゼル!」

 

「ハン! ハハン!」

 

「フォン!」

 

「ミーッ!」

 

 ゴチルゼルがサイコキネシスの念動力でモルフォンとスターミーの動きを封じ、その隙にハハコモリがれんぞくぎりでダメージを与える。

 

「ミー……! スターーーーッ!」

 

「モル……フォンーーーッ!」

 

「ハイドロポンプとぎんいろのかぜか!」

 

「ゴチルゼル、まもるよ!」

 

「ゼール!」

 

 ダメージを受けながらも、モルフォンとスターミーは銀色の粒子を纏う風と強烈な水流を放つ。ゴチルゼルはプルリルと同じ、緑色のオーラで防ぐ。

 

「――ポカブ、ニトロチャージ! クルミル、はっぱカッター!」

 

「ポカーーーッ!」

 

「クルルーーーッ!」

 

 直後、スターミーに葉の刃、モルフォンには炎の突撃が叩き込まれた。

 

「今です、アーティさん、サリィさん!」

 

 それは、サトシのポカブとクルミルの攻撃だった。

 

「あぁ! ハハコモリ、シザークロス!」

 

「ありがとう! ゴチルゼル、サイケこうせん!」

 

「ハッハーーーン!」

 

「ゼーーールッ!」

 

「ミーーーーッ!」

 

「フォンーーーッ!」

 

 二つの効果抜群の一撃を受け、最初の奇襲のダメージもあって、スターミーとモルフォンも倒れた。

 

「これで、全員倒した……!」

 

「話を纏めましょう。先ずはこのポケモン達だけど……」

 

「このポケモンは多分、カントーのポケモンです」

 

「……まさか、ロケット団の!?」

 

 それ以外に、カントーのポケモン達がいきなりこんなに出てくるなどあり得ない。

 

「ロケット団……。確か、最近指名手配された連中が所属している組織の名前ですね」

 

 サリィも、道の壁紙で見たことがあった。

 

「そうです! 人のポケモンを狙う悪人達です!」

 

「じゃあ、これは……」

 

「ロケット団がこの町を襲撃するためのポケモン達?」

 

「……にしては、少し変ですね」

 

 Nはこのポケモン達がロケット団の所属、ということには――悪事に使われていることに関して腹は立てているも――異論は無いが、疑問を抱いていた。

 

「どういうことですか、Nさん?」

 

「このポケモン達は鍛えられている。だけど、それにしてはトレーナーが側にいないのが変だ」

 

「確かに、このポケモンは能力は有りましたが、行動が単調でしたね……。まるで、暴走してるような……」

 

 何らかの作戦で派遣されたにしても、トレーナーの存在が全く感じられないのだ。ポケモン達は異常に興奮していたし、隙も多かった。

 

「そもそも、制圧にしてもこれは派手過ぎますし……」

 

「つまり、この事態はロケット団の想定を越えている。ということかい?」

 

「だとしたら、このポケモン達の暴走している様な状態も納得出来ますね……」

 

 考案した作戦とは逸脱した事態と化してしまった。そのせいで、ポケモン達に指示が出せなくなった。筋が通る話だ。

 同時にメテオナイトの本質を知るサトシ達は、ロケット団が暴走させてしまったのを理解する。

 

「となると、これからすべきは住民の救助及び、そのポケモン達の鎮圧。フシデ達の様子の確認も必要か……」

 

「俺達も手伝います!」

 

「危険だよ?」

 

 町は燃えている上に、おそらくこのポケモン達以外の無数のポケモン達が暴走しているだろう。今のヒウンは危険に満ちている。

 

「分かっています。しかし、この状況でただ待つだけなんて出来ません!」

 

 何しろ、多くの人々やポケモン達に危機に陥っている。その中にはアララギ、知り合いのマコモやショウロ、育て屋の保育園のヒロタ達、ユリやキクヨ、フシデ達もいる。待つだけなんて出来る訳がない。

 

「僕もジムリーダーとして、協力させてください!」

 

「ボクも協力します」

 

「僕もです!」

 

 シューティーは正義感に満ちた性格ではないが、こんな状態を見逃すほど薄情ではない。

 

「あたしも――」

 

「いや、アイリスはサリィさんと一緒にポケモンセンターを守ってくれ」

 

「な、何で!」

 

「……残念だけど、今の君じゃあ力不足だ。この意味、分かるよね?」

 

 キバゴは未熟。ドリュウズは指示を聞かない。これでは、鎮圧も救助も無理があった。

 

「アイリスちゃん。ポケモンセンターでの手伝いも大切よ。ねっ?」

 

「……はい」

 

 自分の力の無さにうちひしがれながら、アイリスは頷いた。

 

「じゃあ、二手に分かれて動こう」

 

「どう分かれますか?」

 

「救助の為の戦力の必要ですが、防衛の分も必要になりますね……」

 

「トレーナー達に話し、増やすべきかと」

 

 とにかくやることが多すぎて、自分達だけでは手が回らない。

 

「分かれるのはどうしますか?」

 

「――よし、こうしよう。サトシ君とN君は僕と一緒に。シューティー君はデントの元で救助をしてくれ」

 

「はい! ――アイリス!」

 

「アイリスくん」

 

 動こうとするサトシとNだが、その前に一つすることがあった。サトシはアイリスにあるもの――一つのモンスターボールを渡す。ズルッグが入ったモンスターボールだ。

 

「ズルッグを預かってくれ」

 

「この子も」

 

「ブイ……」

 

 ズルッグとイーブイは他のポケモンと比べ、力不足。安全の為にもポケモンセンターにいてもらいたかった。

 

「……サトシもNさんもちゃんと戻って来てくださいよ。このまま預かるなんて、あたしはごめんですから!」

 

「分かってるさ!」

 

「勿論」

 

 死ぬ気なんてない。夢や理想を叶える為にも。

 

「――行こう!」

 

「はい!」

 

 サトシ達は、ポケモンセンターでトレーナーに協力を要請し、仲間を増やすと燃えるヒウンに向けて走り出した。

 

 

 

 

 

「な、何なのよ、これ!」

 

「何で、こんなことに……!」

 

「一体、どうなってるのにゃ!」

 

 ロケット団の彼等は、炎上する発電所。いや、燃え上がるヒウンに困惑の極みだった。全てが上手く行く筈が一転し、炎獄のヒウンだけが目に写る。

 

(これだったのか、嫌な予感の正体は……!)

 

 そんな中、フリントだけは理解していた。この状況こそが自分が感じていた違和感の正体だったことに。

 

「ど、どうしたら良いのよ、これ!」

 

「とりあえず、本部に連絡するんだ!」

 

「わ、分かったにゃ!」

 

「……無理だ。こんな状態で繋がるとは思えん」

 

 この状況では、通信機能は繋がっていないだろう。

 

「やらない事には始まらないでしょ!」

 

 繋がらないとしても、何かをしないとこの事態は打開できない。ニャースが本部と連絡しようとしたその時。

 

「――いや、その男の言う通りだ」

 

 声に振り向く。そこには、目を隠すマスクを付けた三人組がいた。

 

「やっても無駄だ」

 

「第一、お前達はここで終わるのだからな」

 

「お前ら、まさか例の組織の……!」

 

「知る必要はない。――出でよ、クサイハナ」

 

「出てこい、ロコン」

 

「参れ、シェルダー」

 

 三人組がポケモンを繰り出す。しかし、それらはイッシュのポケモンでも無かった。

 

「あの三匹……!」

 

「クサイハナ、ロコン、シェルダー……!?」

 

「まさか、カントーのポケモンか!?」

 

 カントーで見かけるポケモンや、その進化系だ。

 一人目の手持ちがクサイハナ。雌しべから異臭を放つ特徴の草、毒タイプの雑草ポケモン。

 但し、このクサイハナは訓練により、臭いはコントロールされている。

 二人目がロコン。炎の色の様な体毛に、尾が特徴の炎タイプの狐ポケモン。

 三人目はシェルダー。黒い中身を紫色の殻で守る水タイプの二枚貝ポケモン。

 

「行きなさい、コロモリ!」

 

「行け、デスマス!」

 

「行くが良い、ミネズミ」

 

 その三人に、ロケット団もポケモンを繰り出す。フリントもイッシュで捕まえたポケモンを出していた。

 

「貴様等には、ここで終わってもらおう。クサイハナ、マジカルリーフ」

 

「ロコン、はじけるほのお」

 

「シェルダー、しおみず」

 

「コロモリ、エアカッター!」

 

「デスマス、シャドーボール!」

 

「ミネズミ、ハイパーボイス」

 

 三人組のポケモンから、三つの技が放たれる。コロモリ、デスマス、ミネズミはそれらをかわすと反撃するが、軽々と避けられた。

 

「ロコン、ニトロチャージで速度を上げて撹乱しろ」

 

「シェルダー、つららばりで包囲」

 

「コン!」

 

「ルダ!」

 

 ロコンは高速の動きで、シェルダーは氷柱の連弾で、三匹の動きを止めつつ一ヶ所に集まらせる。

 

「クサイハナ、ヘドロばくだん」

 

 そこにクサイハナがヘドロで出来た塊を、密集した三匹へと放つ。

 

「エアスラッシュ!」

 

「シャドーボール!」

 

 ヘドロの塊をコロモリとデスマスの技で迎撃させたムサシとコジロウだが、そこにロコンとシェルダーが迫る。

 

「はじけるほのお」

 

「しおみず」

 

「コン!」

 

「シェル!」

 

「コロモーーーッ!」

 

「デスマーーーッ!」

 

 炎弾がコロモリを、塩水がデスマスを襲う。

 

「コロモリ!」

 

「デスマス!」

 

「ミネズミ、ロコンにいあいぎりだ」

 

「ミネーー……!」

 

「クサイハナ、ドレインパンチ」

 

 二匹の内、ロコンに狙いを定めたフリントとミネズミだが、そこにクサイハナのドレインパンチが迫る。

 フリントは回避を指示し、ミネズミは軽やかに避けるも、そこにシェルダーとロコンが接近する。

 

「つららばり」

 

「ニトロチャージ」

 

「ミネ……! ズミッ!」

 

 氷柱は辛うじて避けるも、炎の突撃までは対応仕切れず、ミネズミは吹き飛ぶ。

 

「マジカルリーフ」

 

「はじけるほのお」

 

「しおみず」

 

「ハナーーーッ!」

 

「コーーーンッ!」

 

「ルダーーーッ!」

 

 倒れて姿勢を崩した三匹に、三人組は追撃を指示。三つの技が同時に放たれる。

 

「コロモリ、めざめるパワー!」

 

「デスマス、ナイトヘッド!」

 

「ミネズミ、ハイパーボイス」

 

「コローーーッ!」

 

「マーーースッ!」

 

「ミネネーーーッ!」

 

 迎撃の三つの技が発射。先の三つの技を打ち消す。

 

「何とか、コイツらを倒すわよ!」

 

「あぁ、そのつもりだ!」

 

「言われるまでもない」

 

 この窮地を脱するには、目の前の三人を倒すしかない。ロケット団は次の指示を出した。

 

 

 

 

 

「アイリスちゃん。そっちをお願い」

 

「あっ、はい」

 

 ポケモンセンター。次々と入って来る怪我人やポケモンを前に、アイリスはサリィの手伝いをしていた。

 

「はぁ……焼け石に水ね……」

 

 自分やアイリス、他にも医療の心得がある何人かが手伝い、少しは片付くのではとサリィは思っていた。しかし、実際は全くの人手不足。次々と入って来るので当然とも言えるが。

 

「それでも、助かってますよ。アイリスさん。サリィさん」

 

 手一杯ではあるが、それでも彼女達がいるだけ随分と差はあった。

 

「ありがとうございます」

 

「それと……入りきらない人々についてですが――」

 

「アーティさんのポケモンジムや、バトルクラブへの避難を。ポケモンジムについては許可を貰っています」

 

 入りきらない患者はヒウンジムで避難してもらうように伝える。バトルクラブはまだ許可を貰っていないが、この事態を考えれば出してくれるだろう。いや、既にヒウンジム同様に避難しているかもしれない。

 ポケモンジムやバトルクラブはバトルに耐えれるよう、強固に設計されている。緊急用の避難所には打ってつけだ。

 

「ただ、この状態で外を移動するのは……」

 

「かなり危険ですね……」

 

 現在、ポケモンセンターの周りはベルやカベルネを含めたトレーナー達や、駆け付けたジュンサー達が防衛に入っている。しかし、それが限界。

 ジムやバトルクラブに行くとすると、その戦力を削ってまで行かねばしならない。ただでさえ、救助で幾分か減っているのにだ。

 

「だけど、このままじゃパンクしてしまうわ」

 

「行くしかありませんね……」

 

 現状のままでは、近い内に必ず入れれなくなる。そうなったら何とか抑えている市民の不安が爆発し、最悪の場合は暴徒化してしまう。それだけは絶対に避けねばならない。

 

「ただ、減る戦力の補充のため、戦える力を持つポケモンやトレーナーの治療を優先的に行いましょう」

 

「……差を付けてるみたいで嫌ですけど、仕方ないですね」

 

 今は一人でも戦力が欲しい。やるしかないのだ。ジョーイとサリィは事情を話し、トレーナー優先の治療を始める。

 

「ゼルゼル」

 

「ブイブイイ」

 

「ルッググ」

 

 ゴチルゼルも水上バス時の経験を活かし、手伝っていた。それを見てイーブイや、イーブイがねだったので出したズルッグも頑張っている。

 

「ありがとう、ゴチルゼル。イーブイちゃんやズルッグくんもね」

 

 サリィのお礼に、ゴチルゼルは何て事ないと笑みを向ける。イーブイやズルッグもコクンと頷く。

 

「サリィさん、ゴチルゼルとは……」

 

「爆発の後、ゴチルゼルが病院に来てくれたの。わたしを心配してくれたのね」

 

「ゼ~ル」

 

 場所については、サリィがヒウンシティに来る際に話していたため、ゴチルゼルは素早く来れたのだ。

 

「……」

 

「……アイリスちゃん?」

 

「――出てきて、ドリュウズ」

 

 アイリスは一つのモンスターボールを取り出すと、スイッチを押す。中から潜水状態のドリュウズが現れた。

 

「……えっ?」

 

「ゼ、ゼル?」

 

「ブイ?」

 

 その様子のドリュウズに、サリィとゴチルゼルは思わず呆然とする。イーブイは何だこれと首を傾げる。

 

「……?」

 

 周りがやけに騒がしく、ドリュウズは自分から潜水状態を解いた。

 

「……リュズ?」

 

「ドリュウズ、今ヒウンシティはとんでもない事になってるの」

 

 アイリスの言葉に、ドリュウズは周りを見る。皆、苦しそうな表情をしていた。

 

「だから、力を貸して。あたしの言うことは聞かなくても良いから」

 

「……リュズ」

 

 コクリとドリュウズは首を縦に振る。多くの人々が苦しんでいるのに、何もしないのは最低かつ最悪だ。力を振るうことを決意した。ただ、アイリスとは距離を取っている。

 

「仲良くないの?」

 

「……はい」

 

「そう……。だけど、頑張って」

 

「ゼルゼルル」

 

「はい」

 

 サリィとゴチルゼルに励まされ、アイリスは不謹慎ながらも少し嬉しかった。直後、スタッフの一人がサリィとジョーイに駆け寄る。

 

「ジョーイさん、サリィさん、そろそろ限界が……!」

 

「思ったよりも早い……!」

 

「仕方ありません、直ぐに移動を始めましょう」

 

 思った以上に搬送される数が多く早い。移動も早めないとパンクしてしまう。

 

「アイリスちゃん、一緒に来てくれる?」

 

「分かりました。ドリュウズ」

 

 アイリスの呼び掛けに、ドリュウズは一瞬の間を起きながらも頷いた。

 

「皆さん、このままでは入りきれなくなるので、今からポケモンジムに移動します。済みませんが、着いてきてください」

 

 戸惑いの声が多いが、事情を聞いて納得せざるを得ず、治療がある程度終わった者や比較的軽傷の人々が、サリィや数人のスタッフ、護衛のトレーナーや警察が数人の案内に従ってポケモンジムに向かうべく外に出る。

 その際、アイリスは外にいたベルやカベルネと鉢合わせになる。

 

「アイリスちゃん、お互い頑張ろうね」

 

「うん」

 

「にしても、こんな事態になるなんて最悪だわ……」

 

 ベルとアイリスは互いに人々のためにやる気の様だが、カベルネは大惨事に巻き込まれ、愚痴を溢していた。

 

「……」

 

「あれ、そのポケモン……?」

 

「ドリュウズ? けど、子供達の時には出さなかったわよね?」

 

「うん、まぁちょっとね」

 

 要領の得ないその言葉や、そっぽを向いているドリュウズに、二人は何かあると理解する。ただ、言う暇もないので追求はしないが。

 

「さぁ、行きましょう。アイリスちゃん」

 

「はい。じゃあ、あたしは行くわ」

 

「気を付けて」

 

「無茶はすんじゃないわよ」

 

 うんと頷くと、アイリスはサリィ達と一緒にポケモンジムに向かう。

 

「――ローーーップ!」

 

「――ドパーーーン!」

 

「――ジャラーーーッ!」

 

「――リンガーーーッ!」

 

「――ダッーーークッ!」

 

 その途中、複数のポケモン達がアイリス達と目の前に立ちはだかる。全て、アイリス達が見たことないポケモンだ。

 

「情報を調べて!」

 

「はい!」

 

 トレーナーの数人が、手に持つポケモン図鑑で情報を得る。

 

「分かりました! この五匹は角と炎のような鬣を持つ、四足歩行のポケモンがギャロップ。背に無数の棘があるのがサンドパン。蔓に身を覆っているのがモンジャラ。太く長い舌を出しているのがベロリンガ。青い身体に手足に水掻きがあるのがゴルダック。タイプはギャロップが炎、サンドパンが地面、モンジャラが草、ベロリンガがノーマル、ゴルダックが水です!」

 

 炎のような鬣を持つ、ユニコーンのような姿をしている火の馬ポケモン、ギャロップ。

 背に幾つもの濃い茶色の棘と、細く少し眺めの爪を持つ鼠ポケモン、サンドパン。

 藍色の蔓の塊に長靴らしき足が特徴の蔓状ポケモン、モンジャラ。

 太く長い薄いピンク色の舌、サンショウウオのような外見に、縞や楕円の模様や大きな尻尾を持つ舐め回しポケモン、ベロリンガ。

 青色の体躯に、額の赤く丸い宝石みたいなものが特徴の鶩ポケモン、ゴルダックが目の前の五匹のポケモンだった。

 

「ありがとう。ゴチルゼル、かけぶんしん!」

 

「ゼルル!」

 

「今よ、ドリュウズ! ギャロップにドリルライナー!」

 

「……ドリュ!」

 

 ゴチルゼルは分身を展開し、五匹を惑わせる。その隙にドリュウズや他のトレーナーや警察のポケモン達が一斉に攻撃を仕掛けるも、簡単にはやられない。

 

「ジャララ!」

 

 モンジャラがつるのムチで分身を次々と消し、残りの四匹がサリィ達に向かう。

 

「ギャローーーッ!」

 

「かえんぐるま! もう一度ドリルライナーよ!」

 

「――リュズ!」

 

 螺旋の突撃と炎がぶつかり合う。相性、力の差からドリュウズが打ち破り、そのままギャロップを戦闘不能にする。

 

「ゴル!」

 

「ハイドロポンプ! ドリュウズ、避けて!」

 

「ドリュ! ――リュズ!?」

 

「ベローーーッ!」

 

 膨大な水流をジャンプしてかわすドリュウズだが、そこをベロリンガが長い舌で叩き付けようとしていた。

 

「ゴチルゼル、サイケこうせんで阻止して!」

 

「ゼル!」

 

 ゴチルゼルは複数の色の光線でベロリンガを吹き飛ばし、攻撃を阻止する。

 

「サンッ!」

 

「きりさく!」

 

 しかし、助けに入ったゴチルゼルに、サンドパンがきりさくを食らわせようとする。ゴチルゼルは技を放った硬直があり、かわしきれない。

 

「――キバーーーッ!」

 

「――ルッグ!」

 

「――ブイッ!」

 

「パンッ!?」

 

 そこに、小さい青白い光、二匹の突撃がサンドパンに命中する。キバゴのりゅうのいかり、ズルッグのずつき、イーブイのたいあたりだ。

 りゅうのいかりは出力はまだ不完全、ずつきとたいあたりは二匹がまだ子供なのでダメージは小さいが、不意を突いて怯ませるには十分。

 

「ゴチルゼル、サイコキネシスよ!」

 

「ゼル!」

 

「パッ!?」

 

「ゼルーーーッ!」

 

「パンーーーッ!」

 

「ダックーーーッ!」

 

 一瞬の隙。そこを狙い、ゴチルゼルは念動力でサンドパンを浮き上がらせ、更にゴルダックにぶつける。

 

「一斉攻撃だ!」

 

「ゴ、ゴル――ダックーーーッ!?」

 

「サ、サン――パンーーーッ!?」

 

 隙だらけになった二匹に他のトレーナーのポケモン達が一斉攻撃を仕掛け、ゴルダックやサンドパンも続いて倒れる。

 

「ベロ!」

 

「ジャラ!」

 

「――ドリュ!」

 

 残りはベロリンガとモンジャラ。興奮のせいか、二匹は仲間が倒されながらも怯まず、舌や蔓を伸ばして攻撃を仕掛けるが、ドリュウズが掴み取られた。

 

「リンガ!?」

 

「モジャ!?」

 

「リュズ!」

 

 ドリュウズは全身の力を使い、二匹を引っ張る。

 

「ドリュウズ、メタルクロー!」

 

「ゴチルゼル、サイケこうせん!」

 

「ドリューーーッ!」

 

「ゼルーーーッ!」

 

「ベローーーッ!」

 

「ンジャーーーッ!」

 

 鋼の爪と念の光線が二匹に直撃、二匹も撃破され、敵は一旦いなくなった。

 

「倒した……!」

 

「今の内にヒウンジムへ!」

 

 少しでも接触する数を減らすためにも、アイリス達は直ぐにヒウンジムに向かう。

 燃えるヒウンシティ。この街で行われる攻防は、まだまだ始まったばかりだ。

 

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