ロウきゅーぶ! ~もう一人のコーチ~   作:アレイスター

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たくさんの励ましの言葉ありがとうございました!
大変元気になれました!!
学校の課題確認テストがあってしばらく勉強に時間を割いていたので更新できませんでしたが、今日でその課題確認テストが無事に終了し、私は無事に死亡いたしました。
ので、ようやく今日から執筆が再開できます。
と言っても、おそらく夏休みのようなハイペースでの更新はおそらく私の書くスピードを考えると絶望的に不可能ですが、ぼちぼちやっていこうと思います。


第十四Q 夜

二人が力を合わせてふるまってくれたのはカレーだった。

口上手でもない俺が、毎日顔を合わせている母に対してそうそういくつも話す話題が思いつくわけもなく、ただテレビの音だけが支配する空間がいつもの我が家の夕食の時間だ。

だが、今日は違った。

たった一人、人が増えるだけでここまで空気が変わるものなのか、と感心させられるほどににぎやかで、食事はきっと本来の味よりもおいしく感じられたに違いない。

普段なら、2杯しかおかわりしないが、今日は3杯半ほど食べた。

いつもなら、空しくついているだけのテレビが今日は話のタネを作り、そこから一気にさまざまな話に発展した。

俺があまりしゃべらないから普段食事の時も黙っているんだろう。

そう、思わされるほど今日の母さんはペラペラとよくしゃべり、ついていけなくなるほど話題をコロコロと変え、ずっとしゃべり続けていた。

酒を飲んで、よっぱらいながら、そしてずっと笑いながらしゃべっていた。

楽しい夕食を終えた後、智花と母は食器や鍋の洗い物に取り掛かり、何もしていない俺はすごくその場に居辛かったので、とりあえず風呂を入れに行った。

ウチは、すべて自動でやってくれるような高級な風呂ではないので湯加減まですべて手動だから、智花が入ることも考えて、いつもの熱湯風呂よりは少し温度を下げて設定しておいた。

風呂のセッティングを終えて、再びリビングに戻った時には既に二人は洗い物を終えていて、椅子に座って熱心にクイズ番組の解答にいそしんでいた。

俺も一緒になってやってみたが、正解率は3割。

智花はさすがにまだ小学生ということもあって、ぜんぜん応えられてなかったが、それでも割と楽しんでいた様子だった。

熱中していたクイズ番組も終わって、時計を確認してみると、時間はもうすでに8時を過ぎている。

本当にどこまでもあっという間に時間が過ぎていくなぁ、としみじみ思う。

 

「番組も終わったし、智花ちゃん、おばちゃんと一緒にお風呂入ろっか」

 

ニコニコと母さんは智花に問いかける。

 

「い、いいですよ、私は最後で……。どうぞ、お先に入ってください」

 

こういうところで必ず礼儀正しい。

なんどか、夕飯の時にも感じたが、あまりの礼儀正しさに本当に智花が小学生なのかどうか、疑ってしまう。

俺はもっと、わがままを言ってもいいと思うけど。

 

「あ、もしかして、恥ずかしいの? もうッ、可愛いなぁ、この子は!」

 

だが、母さんは酒に完全に飲まれているために智花の気遣いにまったく気づかず、セクハラおやじのようなセリフとともに智花の頭を撫で繰り回す。

 

「真! 覗いたら次は本当に通報するからね!」

 

「しねーよ。誰がババァの裸なんか見たがるかよ!」

 

「何言ってんの? 智花ちゃんよ! お年頃の女の子なんだから、ちゃんと気ぃ使いなさいよ、アホ真! さぁ行こう、智花ちゃん。二人だけでいっぱい話しましょうね!」

 

いつの間に母さんと智花が一緒に入ることになっていたのか、今さっきの会話から俺は想像ができないんだが、まぁ、酒を飲んでいる人間に理屈は通用しないみたいで、智花は母さんに風呂に連行されていった。

リビングで俺はひとりでにつぶやいていた。

 

「……んなの、わかってるっつーの」

 

真帆とのことで十分小学6年生というのは立派な女の子なんだって認識させられたからな……。

 

 

                 ☆

 

 

母さんは風呂から上がると、リビングの床にゴロリと寝転がりそのまま眠りに落ちてしまった。

智花はサイズが少しゆったり目だが、それでも気にする程のものではないくらいのピッタリサイズの花柄のパジャマを羽織っていた。

なんとなく、その姿はとてもよく智花に似合っていたので思わず、家から持ってきたの?と智花に聞いてみると、どうやら母さんが昔、失敗して買ってしまったものらしい。

もしかして、本気で探したらあの時真帆の服も見つかったんじゃ、と今更ながら思う。

口を大きく開けて寝ている母さんに、智花と二人で、苦笑いを浮かべながら布団をかけてやって、俺は智花が寝る部屋へと案内した。

智花を案内したのは、ほとんど使ったことのないあまりの部屋で、物のないさびしい部屋ではあるが、広々としていて風通りも良く、寝るには快適な空間だと思う。

智花もかなり眠くなっているようで、あくびを何度も繰り返し、目をこすってどうにか目を開いているという状態だったので、大急ぎで布団の準備をした。

そして、ドアをしめて、おやすみ、とだけ言ってドアを閉めた。

なんだか、智花の眠そうな顔を見ていたせいかだんだん俺も眠くなってきたので、今日は風呂は短めにしよう、と思って自分の部屋に着替えだけ持って風呂に行き、予定通り、10分で風呂を出た。

リビングに行くと、まだ気持ちよく母さんは電気がガンガンついているのにすやすやと気持ちよく寝ていたので、よっぽどうれしかったんだろうな、と思いながら、冷蔵庫から牛乳を取り出し、一杯飲んだ後、リビングの電気を消して、俺も部屋に向かった。

ベットに飛び込むと、そこから俺は全く動けなくなった。

どうやら、相当俺も疲れているらしい。

そのまま、目を閉じて、皆と同じく夢の世界に旅立とうとした。

 

「ま、まことさん……?」

 

消え入りそうな声が聞こえた。

顔だけ扉の方に向けてみると、枕だけを持った智花がそこにいた。

 

「あれ、智花? 寝たんじゃなかったの?」

 

「えっと、その……」

 

もじもじと恥ずかしそうに顔を赤らめて言葉を渋る。

なんとなく、こういう時はアレだな。

 

「もしかして、トイレ?」

 

そういうと、智花は勢いよく首を縦、ではなく横に振った。

男の俺にそういうことを言うのが恥ずかしかった、とかそういうのではないらしい。

 

「その、ね、眠れなくて……」

 

顔を俺の方から少し逸らしながら、また消え入りそうな声で智花は言った。

その言葉で大方のことは悟った。

確かに、あの物のない閑散とした部屋では目を開ければ寂しさや不安を増長させるし、そんな中で夜は静かだから、余計に不安をあおってしまったのだろう。

要約すると、智花は一人で寝るのが心細いわけだ。

俺の部屋では男臭いだろうし、俺が智花が寝るまで向こうの部屋でついててやる方がいいか、と思い、立とうとするが体が言うことを聞いてくれない。

むしろ、だんだん痛みまで来ているレベルだ。

 

「こんな部屋でよければ、どうぞ」

 

多少は無理をすれば動くだろうが、結構状況は深刻かもしれないから、あまり無理に動かすのは避けたいと思い、結局男臭いかもしれないが、智花をこちらを招き入れることにした。

 

「お、お邪魔します……」

 

恐る恐る部屋に足を踏み入れる。

俺は、とりあえず、ベットから出ようと立ち上がろうとしたが、何分自由が利かず、うまく立ち上がることができずに再びベットに倒れこんでしまった。

 

「あ、あはは、悪い。かなり体に疲労がきた、みたい……。うまく、たてない……。」

 

だが、今の行動でど真ん中に寝転んでいたのが、少し右にずれた。

このまま、転げ落ちてしまえば、智花をベットで寝かせてやれると思ったその矢先、そのベットの空いたスペースに智花はあろうことか俺がまだいる状態で入り込んできた。

 

「智花!?」

 

「無理して動かなくていいです。このままで……」

 

さすがに向かい合うのは恥ずかしかったのか、俺と同じくドアの方を向いている。

智花のシャンプーのにおいが俺の鼻孔をくすぐる。

 

「……あったかい。」

 

「ん?」

 

「あったかいです。真さんの布団。それに、真さんも。お母様も。」

 

このとき、智花がこの家に対して何を感じていたのか、明確にはわからない。

もしかしたら、智花の家は、と悪い想像をしたが、それを考えるのは今日でなくてもいい。

ただ、今日の出来事は彼女にとって何かいいものになったのだろう、とはっきり感じ取ることはできた。

それだけわかれば、今の俺はそれで十分だった。

 

「ゆっくりおやすみ。智花。」

 

安心したのか、スグにスースーと規則正しい寝息が聞こえてきた。

俺もそれにつられて、今度こそ、夢の世界に旅立った。

 

 

               ☆

 

 

夢の世界に旅立ったのもつかの間、真は激しい痛みによって現実に引き戻された。

バスに座ったとき、椅子に座ったとき、そしてベットに倒れこんだ時、確かに感じた体の疲労感。

それが、今になって痛みという形で真の体を蝕み始めたのだ。

重りは、真の想像している以上に真の体に深刻なダメージを与えていた。

あまりの痛みに真の額から冷や汗がどっとあふれる。

ただでなくても、練習の時にも重りを使い疲労が多く蓄積していたのに、さらに今日の試合では練習とは比にならないセーブのをしない全力を出し切ってしまったせいで、それらの疲労がすべて爆発してしまったのだろう。

今の今までそれを感じずにいられたのは、ただ単に体がマヒしていた、もしくは緊張していただけだろう。

だが、せっかく眠りについた智花を起こすわけにもいかず、真はひたすらこの痛みと格闘することとなった。

 




最後、少し無茶かもしれませんが、指摘いただいた部分を取り入れてみました。
もうちょっと前の部分にも伏線を入れるといいんですけどね、今日はもう疲れましたので、それはまた時間のある時に……。
痛みが襲ってきたタイミングが遅すぎる気もしますが、一応理由付けを雑ですがしておきましたのでそれでさらっと流していただけると幸いです。

また、感想お待ちしております!
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