カオス・ストラトス   作:caose

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やっと第3章も終わらせたぞ!!


私は世界が好き。

 「『緋燕』の稼働率は42%、他機との武装連動率は30%となるとまだまだ

箒ちゃんには頑張ってもらわないとね。・・・それにしても」

 束は箒の告白未遂の現場から立ち去ったあと岬の近くにあるベンチに座って

「緋燕」のデータを見ている中空中ディスプレイの中にはもう一つ別の映像があった。

 それは一夏のIS「黒式・焔天」が丁度例の歌が奏でているときに発動した単一能力「永久唱歌」による機体の外見とスペックデータの一覧があった。

 「それにしてもどうしてこんな風になったのか不思議だなあ?

この歌がキーだとすると唄の歌詞か又は歌っている機体自身か?それとも・・・それにいっ君があれ程酷い傷があったいう間に治るなんて普通じゃあり得ないんだよなあ。

それでこそ他の力が働いていないと無理だよなあ。だって束さん『黒式』に

生体再生まで施していないんだよなあ。まるで・・・。」

 言いかけたところでその続きを誰かが言った。

 「まるで人類史初めて稼働したIS『白騎士』のようだな。」

 現れた女性千冬がそう言うと束はこう続けた。

 「いやいや有り得ないでしょ。だってあれは分解前に初期化したんだもん。」

 「ならば世の中不思議なことがあるとしたほうが良いだろう。そう言う風に片付けるのも大人のやり方だ。」

 「それって科学者からしたら棄権するのと同じだよ。」

 束は千冬の言葉に口を尖らせて答えた。

 そして束は千冬にこう聞いた。

 「ねえちーちゃん。この世界はどう思ってるの?」

 「はっ?何だいきなり。」

 千冬が何を言ってるんだと思うと束はこう続けた。

 「束さんはねちょっと前まで退屈だったんだよ。ISを権力で汚いものに変える連中に嫌気がさしてね。」

 一呼吸して束は今度は少し明るく語った。

 「でも今は楽しいよ。いっ君がISに乗るってことが分かったり戦術機って言う概念を提唱した『御剣 武』に人造トランスフォーマーを発明した『トニー・スターク』とか言った天才や出来事がたくさん出て来たり、絃神島の魔術と科学を融合する新しい

システムが出来たりって凄い今楽しいんだ。だから束さんはもっと知りたいしもっと分かりたいっていう科学者としての欲求を満たせるこの世界が大好きなんだ。

ちーちゃんはどう?」

 束は千冬に聞くと千冬はこう言った。

 「ああ満足するほどに楽しいし、挑戦したいことがたっぷりあるな。」

 「そっか。」

 千冬は束の方を見ると束はすでに消えていたのだ。

 そして千冬は夜空を見て少し溜息を出した。

 まだまだこれから起きるであろう出来事を予見するように

 

 そして日本にある高そうなホテルの一室にて

 そこには3人の女性と1人の少女がいた。

 一人はある機体の設計データを見せている女性は見た目から見ても普通な方だがその目つきはまるで強欲な人間の眼であった。

 彼女は「鹿平 刺花」一夏を福音に殺させようとしたIS学園の教師の皮を被っていた「女性権利主張団体」のメンバーなのだ。

 もう一人はその話をソファの上でぐてーっと聞いている赤い髪の軍服を纏った女性、そして窓の外を眺めている腰まで届くであろう黒髪をウェーブにした女性がいた。

 そして「鹿平 刺花」の話が終わると黒髪の女性はこう言った。

 「分かりました。鹿平 刺花さんあなたとあなたが所属する組織と

同盟を結びましょう。」

 「分かちました。ではそれを本部に・・・では。」

 そう言って出ていくとソファの上で寝ていた女性がこう言った。

 「ねえ。あれで良いのお?」

 赤髪の女性がそう言うと黒髪の女性が彼女を見た。

 その女性の服装はどう見ても和服をこれでもかとフリルを付けて改造したかのような感じであり胸元を大胆に出すだけでなくその雰囲気と肌の白さから雪女のような感じであった。

 彼女は持っていた黒い扇子を広げるとこう言った。

 「構わないわ。あれは捨て駒であると同時にATMのような存在にするつもりだから、

それに駒は多いほうが良いでしょう。」 

 彼女は扇子を広げながら話すと納得したのか赤髪の少女は欠伸を上げて

部屋に戻った。

 そして彼女は部屋の隅にいる少女に目を配った。

 その少女は銀色の髪を腰まで長くし、頭にオレンジ色の髪留めと紫色の髪留めを付けていた。

 「あなたも少し休みなさい。もしかしたら出番が来るかもしれませんよ。」

 「わかりました○○○様。」

 そういうと少女は自室にへと向かった。

 その部屋にあるのは質素な感じの部屋だったがある本がありそれを開いた。

 それにあるのは全て何処かの雑誌にあった一夏の写真記事ばかりであった。

 それを見た少女はそれを胸に押し付けた。

 箒ほどではないがそれでも同年代から見れば大きいほうの胸を持つ少女であった。

 少女はある事を思い出していた。

 あの研究所で痛い思いをした過去。

 あの研究所で大切な心の半身を失った時。

 そして彼から助け出された時に出た助かった思いともう少し早ければという怒り。

 彼が苦しみそれは自分と同じであったということ。

 「(私はあなたの心の傷をしっています。)」

 そして彼女は歌を歌った。

 一夏の歌と同じような歌を歌いながら。

 「(私はあなたの苦しみを知っています。)」

 彼を思いながら。

 「(だからあなたは・・・私だけを見てほしい。)」

 黒い感情を秘めて。

 「(あなたの周りにいる女をコロセバ・・・。)」

 欲望に従って。

 「(アナタハワタシヲミテイテクレマスヨネ。)」

 彼の名を呼んだ。

 「(一夏。)」

 その時の彼女の眼には金色の両目の内に宿る黒いナニカが見えた。




 暫く休載します。(2度目の)

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