「何・・・あれ?」
澪は変身した一夏と刃更を見てそう呟いた。
全く見たこともないそれはまるで・・・戦隊ヒーローなのかと言いたいくらいの
光景であった。
「万理亜・・・あれナニカ分かる?」
「いいえ・・・私も初めて見ました、恐らくですが堕天使の技術とも言えますが
もう片方の・・・織斑一夏さんのあれも堕天使のそれとは違います。」
彼は一体何者なのでしょうかと言っていると箒は楯無達に向けてこう言った。
「一夏と刃更だけで戦わせるわけにはいきません!私達も援護に」
「いいえ駄目よ、それは許可できないわ。」
「何故ですか!?2人だけであの化け物と戦わさせる気なんですか!?」
箒が楯無に向けてそう言うと楯無はこう返した。
「先ずはあれが何なのか分からないわ、あれがISの武装に対して有効なのか
分からないし斯波さん?でしたっけ??貴方はあれの使われている技術に
弦神島の技術の一端が使われていると聞きましたが?」
真実ですかと聞くと斯波はこう返した。
「ああそうだよ、精霊を閉じ込める技術は弦神島にある対魔導学園の
封印技術が施されていてね。恐らくだけど悪霊も同じだと思うね。」
「それだったら高志兄を助けなきゃ!あの儘じゃあ」
「どうやってだい?精霊ならまだ分かるけど悪霊ともなると内容が違うんだよ、
それに必要な機材がこっちにはないんだよ。」
「けど・・・けど刃更にさせたらまた」
「また滅されるって?あの時ブリュンヒルドを使って暴走して
その時勇者の里にいた皆を殺しまくった清斗さんを刃更君が皆の遺体を
滅したようにかい??正直言うけど君の言っていることはナンセンスとしか
言いようがないね。」
「何ですって!だって皆が言ってたのよ!!あの時刃更があれを使わなきゃ
皆の遺体は遺族に」
そう言いかけた瞬間に簪が胡桃を・・・張り倒したのだ。
「何よ!何して」
「貴方は刃更が今までどういう風に過ぎしていたのか知っているの?」
「・・・知らないわよ今まであいつの事なんて感知してないしそれ以前に
あいつは勇者としての掟を」
「掟を捨てたから?皆を助けれなかったから??じゃあ貴方は出来たの?」
「え?」
「貴方は皆を守れたの?その清斗さんって人を止めれたの??」
「・・・無理よ、まだ10にもなってなかった・・・それにあの時皆手も足も」
「けど刃更は戦った、皆を守る為に。」
「けどあの時あいつがあの力を使ったせいで死んだ皆は」
「滅えた、けどもう死んでしまった人たちが残ったとしても結局は
罵倒されてた。助けた恩を仇にして。」
「そんなことない!皆がそんな事言う事」
「じゃあ何で皆は刃更を罵倒したの?残った人たちは彼に救われたのに
それを仇にして返してる、自分の力の無さを見て見ぬふりしている。」
「何よ・・・分かった風な口ぶりで言って!」
「私達・・・箒は違うけどみんな知っている、刃更は皆を守るために力を
使った。まだ10歳の子供だった刃更が大人でも適わなかった敵に立ち向かった、本当は褒めるべきだったのに貴方達は只外聞を気にして刃更を罵倒した。
そして貴方は刃更を責めてるけどそれもお門違い、貴方達は只自分達の
実力の無さを棚に上げて刃更を責めて自分が上だって言っているようにしか
聞こえない。」
「何言ってるのよ!悪魔を滅ぼすことで世界は平穏に」
「もうそんな時代じゃない、弦神島条約で互いに平和を求めているのに
貴方達は任務って言う建前でただ過去しか見ていない。刃更に対しても昔の憧れにこじつけて非難して何も考えずに成瀬さんを殺そうとする、それは只の
思考停止にもならないしはっきり言えば貴方達が刃更に対してやっているのは
理想の押し付けにしかならない。」
「・・・うっさい。」
「貴方が刃更に対して言っているのは力の無かった自分を認めたくないだけ。」
「うるさい・・・。」
「貴方は勇者としてと言ってるくせに実際は子供の癇癪にしか聞こえない。」
「うるさい・・・!」
「貴方が勇者ならううん、あそこにいたのなら刃更がどういう思いで
守ったのかも知りもしないし過去を見たら力の無かった自分を
思い出したくないから刃更を罵倒しているだけ。」
「うるさい・・・!!」
「貴方は只刃更を罵倒して自分の弱さを隠しているだけ。」
「うるさーーーーーい!」
胡桃は簪の言葉に等々ぶちぎれると大声でこう続けた。
「うるさいうるさいうるさいうるさーーーーーい!アンタに何が分かるのよ!
私達がどんだけあの時から強くなろうとして強くなっているのに何で刃更は
あいつと!!お姉の気持ちも想いも考えずにあの魔王の妹やあんたらと
楽しく暮らしていてあたしらの想いも知らないであいつは」
「違うわよ、刃更君は今でも悪夢に魘されているわ。」
「え?」
楯無の言葉に胡桃はえっと思っていると楯無はこう続けた。
「彼は今でも魘されているわ、謝っているしそれに何より後悔しているわ・・・今でも貴方たち以上にね。」
「うそよ・・・そんなの」
「認めたくないのは勝手だけど忘れないで・・・
・・・・・彼は自分の罪と向き合っているうえで生きているのよ、その十字架がどれだけ重いのかそして・・・自分が守った人たちから罵倒される彼の気持ちを
少しでも考えたことある?」
「!!」
そのお言葉を聞いて胡桃は目を大きくしているが簪は胡桃に向けてこう言った。
「皆心に傷を抱えている、その中でも一番に考えているのは刃更だって事を・・忘れないで。」
簪のジト目に遂に胡桃はけど・・・けどと泣きながら俯くが誰だって
そうなのだ。
罪は誰もが平等に持っているのだから。
次回は戦います。