今から20年前・・・相模湾
『相模湾近辺にて出現した荒魂の戦闘から現在5日目、特別祭祀機動隊と刀使師、
自衛隊が総出となって討伐に向かうも死者は民間人170人含む5349人、
行方不明者1089人、負傷者は既に10450人に達しており今後は特別祭祀機動隊と
自衛隊、刀使師の犠牲者及び負傷者は増える事と。』
テレビかラジオか分からない・・・だが其処から聞こえるのは地獄を遥かに凌駕する
この世の終わりが辺り一帯に蔓延していた。
相模湾の近辺には野戦病院にて治療を受けていたり中には・・・死亡して黒い袋に
敷き詰められていた。
泣く女生徒に遺体を運び込んでいる自衛隊の隊員でごった返しになっている中
最前線では・・・最早血で濡れていない場所はない程の光景であった。
鮮血に塗れ多くの女生徒たちが息を引き取っており僅かな生徒だけが最前線で
戦っていた。
「はあああ!」
まだ若いころの紫が御刀を使って戦っている中・・・ぐあと悲鳴が聞こえた。
「雪那はん!」
雪那が倒れたのを見て紫は雪那の所に向かって行くと江麻がこう言った。
「紫さん!雪那ちゃんのS装備のバッテリーがもうありません!!」
それを聞いて畜生と思いながら自身の恰好を見ていた、頭部はまるで鎧兜のそれに近く
両腕両足に手甲が装備され更にその手足にはケーブルがあり背中にはランドセル並みの
大きさの鉄製の箱が装備されていた。
『S装備・改』
展開して戦闘を行う強化装甲のS装備の弱点でもある稼働時間10秒と言う短時間を
克服するために開発を急いだそれは鈍重とも呼ぶべき代物であった。
両手足に装備されている1つに付き5本の単1電池クラスの大きさのバッテリーに
加えて背面部にある大型バッテリーを装備してあることから通常ならば動くことすら
儘ならないその見た目は写し状態である刀使師でなければ扱う事すら困難とも
呼ばれている急造品である。
「・・・・残っているのは8人か。」
後はと聞くと近くにいた・・・『篝』がこう答えた。
「・・・後ろを見れば分かるでしょう?」
そう言って背後を見て紫は・・・泣きそうな表情で見つめていた。
多くの飛翔型のノロだけではなく・・・見たこともないノロがそこにあった。
女生徒よりも一回り大きい・・・人型に似たナニカがそこにあった。
漆黒に近いノロの体液が充満してあるそれは・・・銃剣と言う奇抜な形状をしていた。
恐らくは其れを使って戦闘をしていたのであろう周りにいた女生徒たちの遺体は
惨かった、胴体には穴だらけになったりバラバラに刻まれた遺体が目立っていた。
「紫様・・・私を・・・置いて・・・先に・・・!」
雪那がそう言うが今の雪那の体は酷い物となっていた、ボロボロになっていて然も
先ほど例の人型相手に戦っていた事から既に満身創痍となっている。
「これ以上は向かえん・・・雪那を下がらせる為江麻、いろは、紗南、結月、美奈都は後方に下がれ。篝は私と共に。」
そう言って篝と呼ばれた黒髪の少女がこくりとこたえるとええ~~っと言って御刀を
肩に担いでいる美奈都と呼ばれた少女がこう言った。
「後方に下がるんだったら私は前に言った方が良いでしょう?たった2人だけで
先に行くのは無理があるでしょう?」
そう言うといいやと紫は篝を見てこう言った。
「これ迄・・・歴史上荒魂・・・それも大荒魂を相手取ったのは今回を除いても
3回程、そのどれもが全て折神家を含めても僅かな人間でしか対処出来ない・・・ソシテ今回私は柊と一緒でなければ対処できない・・・済まないが。」
紫は全員に向けてそう言うと紫は結月に向けてこう言った。
「結月・・・頼んだぞ。」
「・・・了解・・・!」
『結月』と呼ばれた水色の髪の少女は苦虫を嚙み潰したような顔でそう答えた・・・
これ以上は時間の無駄だと言われているかのような感じであり全員に向けてこう言った。
「総員撤退!遺体からバッテリーを抜いて撤退するんだ!!」
それを聞いて全員が嫌な表情をしながら引っこ抜き始めた、遺体からバッテリーを
抜き取るというのは正に追いはぎと何ら変わらないのだ。
そんな中美奈都は紫と篝が向かって行った場所を見ていた。
「おい・・・帰って来たぞ!」
自衛隊の隊員がそう言って目の前に向かって来る・・・5人の女生徒たちを見かけた。
「君達だけか!?30人近く向かったはずだぞ!」
自衛隊の隊員ガそう言うと5人は辛そうな表情をして・・・こう言った。
「現在前線には・・・3人の生徒達が向かってます。」
「糞!またもや人型か!!」
「この人型・・・扱いずらいですよ!」
篝はそう言いながら目の前にいる人型を相手取っていた、如何やら相手は銃剣の
銃形態で攻撃を始めているので近づけないのであった。
すると林の向こうから・・・美奈都が出てきて其の銃剣を斬ったのだ。
「今だよ!」
美奈都の言葉に紫と篝が互いに頷いて・・・その首を斬り落としたのだ。
そしてその儘倒れて行くと紫は美奈都に向けてこう言った。
「何故戻って来た!皆と共に」
「だって2人だけだと対応が難しくなるでしょあの人型相手にさ。」
美奈都はそう言って首が斬り落とされて動かなくなったそれを見ると紫は仕方ないと言って美奈都に向けてこう続けた。
「こうなったら仕方ない・・・其れに助かる、正直私たちだけでは対応が
出来なかった。」
それを聞いて美奈都はへへんと言って鼻を擦っているとだがと紫は・・・
少し笑みを浮かべてこう言った。
「だが・・・命令違反だ、後で処分の為の書類の書き方覚えてこい。」
「ええ~~!どっちかと言えば感謝状レベルじゃん!!」
美奈都はそう言いながら紫と篝と共に上に向かって行った。
だがこの時3人は知らなかった・・・この先にいたのは・・・文字通りの悪魔がそこにいる事を。
次回は現代から。