カオス・ストラトス   作:caose

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 セシリア・オルコットの処分は以下の通りとなった。


馬鹿の末路

 本国に強制送還されるセシリアは例の拘束具のまま飛行機に乗せられ9時出発し着いたのは現地時間午前0時の真夜中である。

 然も今回のことは報道陣にも報告せず少数人数で事に当たっていた。

 セシリアは2人の男に荷物のように運ばれ警察護送車に連れていかれたのだ。

 

 ー貴族会議室ー

 そこはバッキンガム宮殿の地下に設けられた特別な部屋でありそこには既に4人の男性がそこにいた。

 「全くセシリア・オルコットのせいでIS部隊の信用がガタ落ちだ。」

 この頭皮がかわいそ(ゲフンゲフン)スキンヘッドの頭に青いひげを生やした厳つい男の名は「ディハイベル・バルトシフト」でありイギリス軍の総合司令官である。

 「此度のことは我が国の信頼、延いては王室一族全員の信頼喪失に

なり得ることだぞ。」

 この金髪をオールバックにしているイケメン親父の名は「ディスト・ラルグリス」と言いイギリス外務省大臣をしているエリートなのである。

 「それに今回の出来事の1部始終は民衆にも伝わっている。民衆が納得する措置をしなければ暴動になりかねませんしね。」

 前話に登場したイギリス大使館筆頭「ワーグ・クロイツァー」は罰の内容次第では市民の暴徒化は防げないといった。

 するとディハイベルがため息交じりにこう言った。

 「それが一番問題なんだ。既に軍の中にはIS部隊を解散してその金で戦術機を購入しろと言う意見が出始めてな、もし中途半端な内容だったら我々は軍と市民、両方から殺されること間違いなしだ。」

 今回の罰はどういう内容で納得させるかが焦点だと話した。

 するともう一人いるディハイベルと同じ頭をした老人がそこにいた。

 「皆忘れてないか?今回我々が集まったのはそれだけではなく今後のわが国、延いては王室一族全員を守るための矛をどうするかも頭に入れてほしい。」

 この老人の名は「エドモンド・バートン」といい、すべての貴族達を束ねている

貴族院長でもある。

 「確かに国を守るうえにおいて大切なことでもあるな。」

 「しかしそんな物どうしろと言うのです?日本は今回の件で買おうと思っても吊り上げられるしドイツで量産ラインが整い始めている〈スレイプニル〉もこちらにまで広がるのにどれだけの月日をかけるのかわかちませんよ?」

 ディハイベルがエドモンドの言葉に賛同するとワーグはどこから給与したほうが良いのかと意見を述べた。

 すると今迄黙っていたディストがこう言った。

 「それなのだが最近例の統合防衛計画『イグニッション・プラン』から外されたフランスとISがないドイツが共同で第3世代を開発しているという噂を耳にしている。その計画に我々も加わるというのはどうだろうか?我々も計画から外されている以上自国を守る意味でも我々の技術提携するというのは?」

 ディストの言葉に全員は少しいやな顔をしていた。

 何せドイツとなると例の事件のことがあるのだがでその後マクシミリアン准将(現中将)とバーロット大尉(現中佐)がフランスと協力して国の立て直し今では新しい首相を中心に再興している。

 「ま、背に腹は代えられんしな。」

 「それに今回のことで疑似ISコアも含め大量のISコア(オリジナルも)を日本に返還しなければいけませんしね。」

 「それではこの件はこれで決まりとするとしてセシリア・オルコットに関してはーーーーでよろしいかな?」

 「「「異存なし。」」」

 

 セシリアは現在全身を縄できっちりと結ばれ身動きできないようになっていた。

 するとセシリアは目の前にエドモンドが来たのでこう言った。

 「エドモンド様。このセシリア・オルコット、。もう国の恥になるようなことは致しませんから何容赦を・・・」

 「セシリア・オルコット、君の処罰を発表する。」

 「何ですって!!?」

 エドモンドの言葉にセシリアは大声を上げた。

 だがエドモンドは淡々と書類を老眼鏡で見ながら言った。

 「セシリア・オルコット、汝の貴族としての資格及び爵位を剥奪、財産等はオルコット家の親族に譲渡。尚財産の大半は日本に対する謝罪金に充てる。そして貴公の戸籍を・・・抹消する。」

 戸籍抹消。それは社会的に存在しないという形である。

 「そ、そんな・・・じゃ私はこれからどう生きよと・・・」

 「ベラリアス・ゲインを知っているか?」

 「!!あの貴族の恥さらしですか!!」

 ベラリアス・ゲイン・・・オルコット家の遠縁であり表向きはEU加盟国全土を股にかける輸送業の最大手であるが裏では麻薬を密売しているという噂をよく聞いておりオルコット家とは殆ど断絶状態である。

 「彼が君を匿ってくれるらしいが奴は如何やら企んでいるが今の君には拒否権はない・・・ってもう来たか。」

 エドモンドがその男に引き取られることを言った後その男が現われた。

 「やあ、セシリア。元気だったか?」

 「ベラリアス・・・」

 その男はセシリアよりも20㎝以上背が高く190㎝はあるであろう巨体と樽のような腹を重たげに持っておりタラコ唇の口と1重の眼を持ったまるで牛のような男がそこにいた。

 すると牢の扉が開くと何人かの男どもが現われセシリアの体を締め付けた。

 「な、なにをしますの?離しなさい、私を誰だと・・・」

 するとベラリアスの懐から注射器を取り出すとセシリアの首元に差し始めた。

 「な、何ですのこれは?やめなさい、やめなさい・・・やめてーーー!!!」

 そして整備は虫類の中にある薬を入れられた後眠らされた。

 そのままベラリアスはセシリアを連れてどこかに行った。

 この日を境にセシリア・オルコットの行方は分からなくなった。




 その後の彼女はまたいつか。

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