「それじゃあ、改めてよろしくなシャル。」
「うん。よろしくね刃更。」
夕食のあと女子たちから数々の質問攻めにより1時間以上動くことが
出来なくなっておりやっとの思いで部屋に戻ったのだ。
楯無は事前に知っていたらしく既に部屋にあった私物は持ちだされていたのだ。
シャルは刃更が出したココアを飲んでいる中こう提案した。
「そう言えば刃更って休日の放課後は生徒会長からISの特訓を
受けているんでしょう?」
「まあな。俺は皆より遅れているからな、筆記は生徒会でやって
実習は楯無さんが担当なんだ。」
「それって僕も入っていいかな?今日は引っ越しの荷造りのお礼がしたいし
一応専用機もあるから少しは役に立つはずだよ。」
「・・・それじゃあよろしく頼むか。」
「うん。任せてよ。」
「(後で楯無さんに報告だな。それとあの約束も果たさないとな。)」
シャルの提案に刃更は少し疑いながらも同意し楯無の報告と約束の事を
思い出していた。
同時刻IS学園の整備室の中
そこは普段は2年生から始まる「整備科」の生徒と常勤のIS整備士がいるのだが
そこには1人の少女が毎日入り浸っていた。
その少女は水色の髪を腰まで伸ばし内側にはねたような感じで
眼鏡を付けた少女がいた。
少女の名前は「更識 簪」と言い名前でわかる通り刃更の同居人でもあった
「更識 楯無」の妹である。
しかし彼女はどうも不機嫌であった。
その理由は目の前にあるISが問題なのである。
そのISは白に近い水色の塗装がされておりアンロックユニットはウイングスカートになっておりスマートな腕部装甲が特徴のIS嘗て千冬が使っていたIS「暮桜」の
後継機「打鉄」の発展版「打鉄弐式」である。
しかし彼女は如何やらソフト関連で苛立っているようだ。
「各駆動部の反応が想定したものよりも低いしコアの適正率が前よりも上がらないって何で?・・・もしかしてタイプが悪いのかな?」
暫くするともう何度も見すぎて見飽きた「ERROR」の文字が赤く表示されたので
溜息を吐くと簪はISを待機状態である指輪に戻した後ディスプレイを閉じて
キーボードを片付けた後施設の管理人に部屋の鍵と使用したキーボードを返した後
整備室棟から出て自分の部屋に戻った。
部屋に戻るとそこには同居人がいた。
「かんちゃんお帰り~~。」
この間延びをして袖まで長い着ぐるみパジャマを身に纏う少女は一夏達と同じクラスメイトである「布仏 本音」と言い虚の妹なのだが世の中バランスよくしているのか片方がしっかりしていると片方はホンワカしているという感じなのだ。
簪は本音に「ただいま」だけ言うとシャワー室に行きシャワーを浴びた後簪は布団に入った後ISの事を考えながらあることを考えていた。
「(・・・絶対負けない。)」
楯無が刃更にお願いしたのはこれだ。
「お願い刃更君。妹のIS整備手伝って!!」
超えたい相手がいる。
その壁を越えなければ先に進めない。