やはり俺の真っ白生活は間違っている。   作:red garden

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目の腐った少年との邂逅。

 

 

 

 

さて放課後。

そろそろかなぁ…と思っていると、扉の外から話し声が聞こえてきた。

なんで保健室のほうに…とか、いいから黙ってついてきたまえとか聞こえてくる。

平塚先生以外に誰か前世で聞いたことのある男の声が聞こえる。

誰だったかなぁ…と悩んでいると

 

ガラガラッと扉を開けて平塚先生が入ってくる。

 

「入るぞ、天月」

 

「そういうのは、入る前に言うものなんじゃないんすか?平塚先生」

 

「ん?別に構わんだろこのくらい」

 

そう言ってまったく気にしていない平塚先生。

まぁ、この人に言っても直さないとは思っていたけどな。

 

「それじゃあ、奉仕部に向かうぞ。ありがとうございました五十嵐先生」

 

五十嵐先生とは養護教諭のことだ。

彼女は踵を返し廊下に出ていく。

俺も五十嵐先生にお礼を言い、カバンを背負って追いかける。

廊下には平塚先生のほかに目の腐った猫背の青年が立っていた。

誰かいるとは思っていたがまったく気配がしなかったからぎょっとする。

その青年も私の姿を見るとぎょっとした顔をして数秒間私の顔や髪をまじまじと見た。

俺が首をかしげ見つめ返していると、さっと目を逸らした。

やはりこの姿は初対面ではインパクトが強いらしいな。

 

「ああ、言っていなかったな天月。こいつは比企谷、これから長い付き合いになるだろう生徒だ」

 

平塚先生は立てた親指をくいっと彼に向ける。

 

「うっす、比企谷 八幡です」

 

彼は目も合わせずそう言った。

 

予想はついてたがやっぱりそうか…とか

目を見て話してくれないかなぁ…とか

マジでまんまコミュ障だなぁ…とか内心で思いながら口を開く。

 

「天月 緋惺です、ひせいと言いづらかったらひせーと伸ばして読んでください。」

 

俺は頭を軽く下げ

 

「ところで、比企谷さんって同学年ですよね?」

 

首をかしげて尋ねる。

 

彼は頷いた。

 

「なら敬語は無しにしません?」

 

「ま、まぁそっちがいいなら…」

 

彼は俯きながらぼそっと言った。

 

「よし、それじゃあよろしくな八幡!」

 

俺はそう笑いながら右手を出す。

やっぱりいつも通りのほうが楽だ。猫を被るのは疲れる。

 

「お、おう」

 

比企谷は若干引き気味に俺の右手をまじまじと見ている。

引かれたことにショックを覚えつつ、

こんないきなり態度変わったらそうなるかと自分で納得する。

 

そして、俺の手は空中で独りぼっち。

…こいつ、もしかしなくても握手する手だとわかっていないな?

 

「そーい!」

 

「うおっ!」

 

俺は比企谷の腕をポケットから引き抜く。

そして比企谷の手と自分の手を重ねて握手をする。

 

「これから付き合いも長くなると思うし、仲よくしようぜ?」

 

おっ、やっと目が合った。ヘヘッと自分の口から笑いが漏れるのを感じる。

彼はちょっと嫌そうな顔をしている。

本当にこんな反応するんだなと感心するが、

さすがに今のはちょっとむっと来たぜ。

仕返しを思いついた俺はニヤリと笑い

 

「あと、もっと女の子のお尻や胸、脚を見るのなら気を付けたほうがいいぞ?」

 

 

 

中身が男だからって自分に向く視線は気付くもんだぜ?比企谷。

 

 

 

 

 

 

 

彼は数秒間固まった後、顔を青くしながら

 

「い、いや見てない。断じて見てないから通報とか勘弁してくださいお願いします!」

 

そう言って勢いよく頭を下げた。

 

「ぷっ、あははっ!はははははは!」

 

俺はそんな姿が妙にツボに入ってしまい笑いが止まらなくなる。

からかわれていたことに気付いたんだろう。

比企谷は頭を上げた、その顔は握手した時よりも嫌そうな表情が張り付いていた。

 

 

 

 

 

 




頑張ります
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