東方小妖録【完結】   作:puc119

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第12話~貴方に憧れて~

 

 

「行くよ!」

 

 いきなり姿の変わった俺に、多少は驚いたみたいだけどそれでも突っ込んで来る勇儀。流石です。

 

 アイテムによって速くなった俺は先に攻撃。

 さぁ、今日の運勢はどうだろうか?

 

「『ばくれつパンチ』!!」

 

 全身の力を拳に込めて勇儀に叩き込んだ。

 普通なら命中50%の技でも今回は――

 

「ッつ……い、いやぁ~効くねぇ」

 

 絶対に当たる。だって、そういう特性なのだから。

 

「あ、あれ? 上手く動かない……?」

 

 んで、『ばくれつパンチ』の一番の強み、それがこの当たれば100%相手を『こんらん』状態にすること。

 そしてそのまま、勇儀は攻撃ができなかったみたい。

 

 どうやら今日は運がいいようだ。

 

 んでもって2ターン目。

 

「もういっちょ『ばくれつパンチ』!!」

 

 再び勇儀に打ち込み吹っ飛ばす。

 

 う~ん、よし勝ったでしょ、とか思ったけれど勇儀はフラフラと立ち上がった。むぅ……どうやら、少し舐めていたみたいだ。

 

「はははっ……本当に強いねぇ。強すぎて笑っちゃうよ……それでも! 最後まで全力でやらせてもらうよ!」

 

 と言って何かの構えを見せる勇儀。

 どうやら『こんらん』はとけたっぽい。

 

「喰らいな奥義『三歩必殺』!!」

 

 と叫び勇儀が一歩、二歩と轟音と衝撃を出しながら近づいてくる。

 なにこの人、マジ怖い。

 

 そして三歩目。

 

 あっ、ヤベーわコレとか思っていると、何をされたのかもわからず俺は吹っ飛ばされた。声すら出せない。

 野次馬の鬼たちにぶつかっても勢いは止まらず、そのまま林まで。

 

 もちろんHPは0になって、一度人間の姿へと戻る。

 

 全く、何が萃香と同じくらいの実力だからなんとかなるだよ……ちょいと考えが甘かった。そりゃ、こっちは少なくともあと4体は使えるのだから、負けることはまずない。

 

 

 さてさて、どうやって倒そうかなぁと考えつつ2体目のポケモンをイメージ。

 

 

 モフモフの白い綿が背中に付く。小汚く、あのキツイ奴を使わせてもらおう。

 

 と、ここで勇儀の姿を思いだした。

 ボロボロでフラフラだったなぁ……真剣勝負、なんだよな。

 

 

 

 ……うん、よしっ、このポケモンはやめた。

 完全に変化していたけれど人間の姿へ戻る。

 

 そして新しいポケモンをイメージ。

 背中に大きな岩を背負い。

 手はハサミに。

 そして赤茶色のパーカー。

 

『イワパレス』

タイプ:むし/いわ

性別:♂

レベル:50

性格:やんちゃ

持ち物:いわのジュエル

とくせい:がんじょう

HP:146

こうげき:161

ぼうぎょ:145

とくこう:85

とくぼう:85

すばやさ:96

技:からをやぶる・がんせきほう・シザークロス・めざめるパワー(炎)

 

 HAD:VでBCS:UのAS:極振り

 

 男の浪曼砲見せてやんよ。

 

 

 

 

 

「流石だね……あれくらいじゃ倒せないか。ん? さっきとはだいぶ姿が変わっちまったみたいだけど、その姿が本気ってことかい?」

 

 俺に気づいた勇儀が声をかけてきた。

 

「いんや、さっきも本気だったよ。んで、今だって本気だ」

「そうかい、それならいいんだ」

 

 なんて言って勇儀は笑う。ああ、本当にカッコイイなぁ……さっきまでの自分が恥ずかしい。

 勇儀の覚悟と俺の覚悟を比べたら、どれほどの差があるのだろうか。月にだって届くかもしれない。

 

 な~んてね。

 

「さあ、続きをやろうぜ」

「当たり前だよ!」

 

 そんな言葉を落としてから、放たれた蹴りが俺へ直撃。

 

「っつ……」

 

 痛いです。避けられるか、あんなもん。

 

 んで、特性:『がんじょう』発動。

 

 それにしても……本当に効くねぇ。まさか一発だとは思わなかった。Bだって低いわけじゃないんだけどなぁ。

 

 残りHPはたったの1

 でもまだ動く。まだ戦える。

 

「『からをやぶる』」

 

 背負っていた岩がパラパラと崩れ、防御が落ちる代わりに体が軽くなった。

 

 

 2ターン目。

 

 勇儀が突っ込んでくるが、今度は俺の方が速い。

 

 アイテム:『いわのジュエル』発動。

 

「おらああああ!『がんせきほう』!」

 

 地面から岩を掘り起こし、その大きな岩を勇儀に向けてぶっ飛ばした。これぞ、浪漫砲。

 

「んなっ! ガッ……」

 

 その岩は勇儀に直撃しそのまま吹っ飛ばした。

 おお、超高火力技だけある……決まれば気持ちいいな。たまに外れるけど。

 

 流石に勇儀は立ち上がってこなかった。普通なら即死なのだろうけど、ポケモンの技で殺すことはない。どんなに悪くても瀕死になるだけ。

 

 あ~、疲れた。

 人間の姿に戻って倒れた勇儀の側まで行き、『げんきのかたまり』使用。うん、これで大丈夫なはず。

 

 そして、疲れたから勇儀の側で座っていると萃香が近づいてきた。

 

「いや~、赤って本当に強かったんだね。また今度私と勝負してよ!」

「嫌だよ、面倒臭い」

「まぁ、そう言わないで、また今度でいいからさ~」

 

 なんて萃香と会話をしているとどうも周りが騒がしい。

 

「すげー、勇儀に勝ちやがった……」

「おい、次は俺と勝負しろ!!」 

「うるせーとにかく酒だ!!」

「おい、酒だ! 酒を持ってこい!!」

 

 いや、疲れてるんで勝負も酒もやめてもらえませんかねぇ……

 

 そうやって鬼たちから逃げ回る。何が嬉しくて、鬼共ときゃっきゃうふふな事をせにゃならんのだ。

 

 そんなリアル鬼ごっこをしていると勇儀が起きた。

 

「お見事! まさかここまで強いとはねぇ、そりゃ萃香も負けるわけだ」

 

 そう言って勇儀はやはり豪快に笑う。そんな勇儀に見蕩れていたから鬼たちに捕まった。

 

 そして無理やり酒を飲まされる。やめて、アルハラで訴えるぞ! コノヤロー。

 

 その辺りで俺の記憶は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……起きます」

 

 あ~頭が痛い……ポン酒より麦酒が良かった。

 

 何故かお腹に乗って寝ている萃香をどけて辺りを見る。辺りはもう真っ暗で、上を見上げると中途半端に欠けた月が輝いていた。

 

「お、起きたんだね。ん……? 月なんて見て月見酒でもするのかい?」

 

 勇儀が声をかけてきた。向こうの方では鬼たちがまだ騒いでいやがる。元気だね~

 

「そうだね、こんなにも月が綺麗だしなぁ、月見酒っていうのもいいかも」

「ん~そうかい? そんなに綺麗か? 満月ってわけでもないし」

 

 そう言いながらも勇儀は盃を渡しお酒を注いでくれた。

 ありがとう。

 

 そして、その酒を一気に飲む。喉が焼け、口の中にキツイアルコールの香りが広がる。

 けれども、いいお酒だ。

 

「お、いい飲みっぷりだねぇ」

 

 なんて勇儀も嬉しそうに笑ってお酒を一口。

 

 たまにはポン酒も良いかもしれない。

 なんて思った。

 

 その晩は寝ている萃香にイタズラをしながら勇儀と語り明かした。

 二日酔いのことは考えないように。きっと明日は明日の風が吹く。

 

 

 

 

 朝日が登り始めたころ流石に眠くなったから、この辺で適当に寝ることに。勇儀も家に帰るのが面倒らしくこのまま寝るらしい。豪快なことで。

 

 最初は萃香を枕にして寝ようとしたが、近くで勇儀が寝るっぽいからやめておいた。だって俺が恥ずかしいもの。

 

 そして、違う場所で寝ようと思ったら、勇儀に掴まれた。んでそのまま押し倒され抱きつかれた。

 

 きゃああああ!!

 

 必死になって逃げようとするけれど逃がしてくれない。おい、勇儀! 起きろって!

 ね、寝てるだと……

 

 萃香が起きたみたいだから萃香に助けを求める。へるぷみー!

 しかし、萃香は笑いながら薄くなって消えていった。

 

 え? どうすんのよ、これ?

 

 お酒のせいだか緊張のせいだかわからんが頭が痛い。心臓はバクバク。こんな状態で寝られるわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

 太陽が真上に上がったころになって漸く勇儀が起きた。

 

「お、おはようございます……」

 

 緊張のしすぎで俺はもう疲れた……もちろん寝てません。寝られるわけがありませんでした。

 

 

「……!? っーーーー!!」

 

 

 声にならない声を出して勇儀は俺に蹴りを入れた。

 視界は暗転。

 ああ、やっと寝られる、なんてことを思った。

 

 ただ、最後に見た勇儀の顔は可愛らしかったと思う。

 

 






鬼のお酒は日本酒なんだろうと思っていましたが、よく考えると鬼のお酒はとてもアルコール度数が高いそうですので違いますよね

焼酎とかなんでしょうか?

しかし勇儀さんの持っている星熊盃は、お酒を純米大吟醸にしてくれるそうですのでやはり日本酒ですよね

全く見当違いなことを言っていたらすみません

感想・質問何でもお持ちしております


~単語説明~
『ばくれつパンチ』 威力:100 命中:50 PP:5 かくとう 物理 100%の確率で相手を『こんらん』状態にする

『からをやぶる』 PP:15 変化 自分の『ぼうぎょ・とくぼう』ランクが1段階ずつ下がり、「こうげき・とくこう・すばやさ」ランクが2段階ずつ上がる

『がんせきほう』 威力:150 命中:90 PP:5 いわ 物理 使用した次のターンは行動できない。いわタイプの『はかいこうせん』ですね

『ノーガード』 お互いの技が必ず命中する。『あなをほる』や『そらをとぶ』をしているポケモンにも当たります。

『がんじょう』 『いちげきひっさつ』がきかない。HPが満タンのとき、瀕死のダメージを受けてもHPが1残る。ようは『きあいのタスキ』と同じです。ただし、『がんじょう』はHPが満タンであれば何度でも発動します。

『こだわりスカーフ』 持たせると同じ技しか出せなくなるが素早さが1.5倍になる

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