東方小妖録【完結】   作:puc119

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第15話~我々の業界ではご褒美です~

 

 

 “綺麗な花には棘がある”なんて言う言葉があったと思う。

 

 そんな“トゲ”と言う言葉を聞くと“トゲトゲ”と言う虫が頭に浮かんだ。この“トゲトゲ”と言う虫は名前の通り体にトゲを持っているわけだけど、トゲを持たない“トゲトゲ”もいる。んでソイツの名前は“トゲナシトゲトゲ”って言うらしい。

 さらに、この“トゲナシトゲトゲ”の中でトゲを持つ者がいて、ソイツの名前は“トゲアリトゲナシトゲトゲ”だそうだ。

 漢字で書くと“棘有棘無棘棘”。

 本当かよ……

 

 

 

 さてさて、馬鹿なことを言ってないでそろそろ現実に戻るとしましょう。

 

 

 

 

「いくら私が妖気を当てようが全く動じない貴方は何者かしら?」

 

 後ろから女性の声がした。

 

 おちおちおち落ち着くんだ俺。まだだ、まだ焦るような時間じゃない。ほら、あれだ。まだギリギリセーフだ。妖気がどうのこうの言っているけど、もしかしたらこの妖怪さんなりのジョークかもしれない。

 全くお茶目なんだから~

 

「こんにちは、見た目麗しい妖怪さん。もしよろしければお名前を教えてもらっても?」

「あら、これから殺す相手に教える名前なんてないわよ」

 

 はい、ダメでした。アウトだったね。抗議する余裕すらなかったね。いっそ清々しいね。

 

 そして妖怪さんが構えた。

 ちょっ! 待って! ここで戦ったらヒマワリ畑が……くっそ!

 

 慌ててポケモンをイメージ。

 背中から4枚の薄い羽。

 手には鋭い爪、目の色は赤。

 頭に黄色い冠のような物をかぶって、パーカーの色は黒。

 

『テッカニン』

タイプ:むし/ひこう

性別:♂

レベル:50

性格:いじっぱり

持ち物:いのちのたま

とくせい:かそく

HP:137

こうげき:156

ぼうぎょ:65

とくこう:63

とくぼう:70

すばやさ:212

技:とんぼがえり・つばめがえし・まもる・つじぎり

 

 6VでAS全振り。

 バーサーカー型。

 

 

 妖怪さんの拳が迫る。

 

「『まもる』」

 

 見えない壁が現れ妖怪さんの攻撃をどうにか受け止めた。

 す、すげぇ音がしたな……うわーん、こんなん聞いてないよ……

 

 そこで1ターン目終了。

 特性:『かそく』発動。

 

 とにかく場所を変えないと、こんな場所じゃ戦えたもんじゃない。

 

 素早さをいかして全力で逃げる。

 

「ふふっ、逃げられると思っているの?」

 

 声が聞こえるけれど、今はとにかく無視。

 そして、ヒマワリ畑からちょっとだけ離れたところで、また声が聞こえた。

 

「つかまえた」

 

 全身に響く衝撃。そんなものを喰らって地面へ叩き落とされた。

 

 な、なんですか、この威力は。あの勇儀や諏訪の神々レベルの威力だぞ。なんでこんな化物みたいな奴がヒマワリ畑にいるのさ。

 

 次のポケモンをイメージ。

 休んでいる暇なんてありゃしない。

 

 白く長くなった髪は後ろで縛る。

 九本の尻尾と狐の耳。

 白色のパーカー。

 

『キュウコン』

タイプ:ほのお

性別:♂

レベル:100

性格:おくびょう

持ち物:こだわりスカーフ

とくせい:ひでり

HP:288

こうげき:168

ぼうぎょ:185

とくこう:261

とくぼう:236

すばやさ:328

技:だいもんじ・ソーラービーム・めざめるパワー(氷)・あくのはどう

 

 HCDS:VのAB:UでCS全振り

 

 残念だけど50レベルじゃ絶対に勝てないっぽい。

 それなら、もう手なんて抜いてられない。全力で戦ってやろうじゃないか。

 

「虫のようになったと思ったら今度は九尾の狐になる。面白いわね、貴方……鬼ごっこは終わりってことでいいのかしら? それなら全力で殺させてもらうわよ」

 

 妖怪さんが持っていた傘をこちらに向けてきた。

 

 特性:『ひでり』発動

 今までだって晴れてはいたけれど、さらに日差しが強くなる。

 

 そして息を大きく吸い込んだ。

 

「『だいもんじ』!」

 

 空中に浮いている妖怪さんへ向かって勢いよく大の字の炎を吹き出す。当ったれぇーい!

 

 

『あいての ???には あたらなかった。』

 

 

 

 ……フゥ~。

 これだから命中不安定技は困る。

 

 いや、ホント、勘弁してよ……

 

「どこに向かって攻撃しているのかしら?」

 

 妖怪さんの声が聞こえたのと同時に視界が光で埋め尽くされた。

 あらぁ……随分と大きなレーザーですね。あ~……まぁ、これは直撃ですよなぁ。

 

 

 そして妖怪さんの攻撃を受け、一発で人間の姿に戻された。

 

「確一かよ……」

 

 レベル100なのに。特防高いはずなのに。どうすればいいのさ、あの妖怪さん。

 

 あ~、もう。日差しが強い。戦況はよろしくないってのに、今日も空が綺麗だ。

 

 ヒマワリ、かぁ……

 

 

 今のはかなり効いた。節約してあと2体が限度だよなぁ。

 

 また、新しいポケモンをイメージ。

 

 先端は筆になっている長い尻尾が生え。

 頭にベレー帽。

 そして白色のパーカー。

 

『ドーブル』

タイプ:ノーマル

性別:♂

レベル:1

性格:ゆうかん

持ち物:きあいのタスキ

とくせい:テクニシャン

HP:12

こうげき:5

ぼうぎょ:6

とくこう:5

とくぼう:6

すばやさ:5

技:トリックルーム・がむしゃら・しんそく・キノコのほうし

 

 HABCD:VのS:逆VでA252振り。

 

「今度はやたら弱そうになったわね。もう終わりなの?」

 

 空中から降りてきた妖怪さんはそう言って、傘を振りかぶりながら突っ込んで来た。いや、今の貴方なら多分デコピンとかで俺を倒せますよ。

 

 そして振り下ろされた傘が俺を直撃。

 そんなの躱せるわけがなく、また地面に叩きつけられた。

 やぁ、地面さん。またお会いしましたね。今日だけで地面さんとかなり仲良くなったと思う。

 

 アイテム:『きあいのタスキ』発動。

 

「あふっ……ト、『トリックルーム』」

 

 ギリギリの状態。それでも、なんとか時空を歪める。

 

「あら? 体が急に重く……?」

 

 あ~もうフラッフラする! 倒れそうだよコンチクショー。

 

「『がむしゃら』!」

 

 細い手足を使って我武者羅に打ち込む。これで妖怪さんのHPは俺と同じ1。

 

 

「は? カッ…ハッ……な、なんで!?」

 

 いや、そんなこと聞かれても……ちょっと理不尽な気もするけど、そういう技なんです。

 

 んで妖怪さんからとてもいい蹴りをもらった。

 痛い。

 

 さて、さてさて。

 さぁ、終わりにしようじゃないか。

 

 

 本日最後のポケモンをイメージ。これだけ頑張ったのだし、うん、今日はよく眠れそうだ。

 

 髪の毛は金髪に。

 パーカーは緑。

 首には黄色のマフラー……はあの、この季節だととても暑いです。

 

『キマワリ』

タイプ:くさ

性別:♂

レベル:100

性格:れいせい

持ち物:こだわりメガネ

とくせい:サンパワー

HP:354

こうげき:186

ぼうぎょ:147

とくこう:339

とくぼう:206

すばやさ:58

技:ソーラービーム・だいちのちから・ヘドロばくだん・はかいこうせん

 

 HABCD:VのS:逆VでHC全振り。

 通称『太陽神型キマワリ』。

 夢とか、浪漫とかを詰め込めるだけ詰め込んだポケモン。

 

 もうちょっとヒマワリっぽくなると思っていたけれど、まぁこんなもんだったかな。

 

 妖怪さんを見ると、フラフラになりながらも傘をこっちに向けて攻撃しようとしていた。

 でも、それじゃあ“遅すぎる”。

 ん~今回の場合は“速すぎる”かな。

 

 ああ、日差しが強くて心地いい。こんなに天気もいいんだ。それは植物にとって嬉しい天気。

 

「そんじゃあ終わりにしよっか、名も知らぬ妖怪さん。ん~~『ソーラービーム』!」

 

 光を吸収。

 強い日差しを受けて一気に溜める。

 

 いっけえええええ!!

 

 そして溜めた光を使って『ソーラービーム』を撃とうと思ったとき、必死そうな妖怪さんの顔とその後ろにあるヒマワリたちが見えた。

 見えてしまった。

 

 このままだと、『ソーラービーム』がヒマワリたちに当たってしまう。

 

 だから、たぶんこれは理屈とかそういうのじゃないんだろう。

 だって命中率は100%の技。

 

 けれども、体は動いた。

 

 無理やり動かした。

 

 結果、『ソーラービーム』は妖怪さんとひまわりたちのギリギリ上を通過。

 

 最後に見えたのは、妖怪さんの驚いたような顔と極太のレーザーだった。

 

 ホント勝手に動いてくれる体だよ。我ながら馬鹿だよなぁ……

 

 意識が消えゆく中、俺は笑っていたと思う。

 

 ああ、なんだ……俺だってちゃんと笑えるじゃん。なんてまるで他人事のようにそんなことを思った。

 

 目が覚めたら知らない美少女が隣にいたりしないかな。

 

 ……なんちて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「起きます」

 

 目が覚めると知らない場所にいた。

 ん~……どこですか、ここ? そして首に違和感。目の前に美少女。

 

 うわぁ!? あ……ああ、よく見たらさっきの妖怪さんだ。

 

 どうにも違和感があるから、自分の首に触ってみると何かが巻きついていた。

 はて、なにこれ? 首輪? んで、その首輪から紐が伸びていて、その紐の先を妖怪さんが握っていた。

 

 えとえと……どういう状況なんでしょうか?

 

「おはよう」

 

 妖怪さんが声をかけてきた。

 

「……おはようございます」

「風見幽香」

「?」

「私の名前よ。風見幽香、妖怪。貴方は?」

「えと……赤、ポケモンです」

 

 ――ぽけもん?

 

 なんて言って幽香は可愛らしく首をかしげた。

 

「赤、貴方に聞きたいことがあるのだけどいいかしら?」

 

 幽香が聞いてきた。

 

「どうぞ」

 

 俺は答えた。

 だってどうせ拒否権なんてないんでしょ?

 

「私と戦ったとき最後わざと外したでしょ」

 

 ――どうしてかしら?

 

 なんて言う幽香の質問。

 

 どうしてって、そりゃあ……

 

「貴方の後ろにあった花々を傷つけないようにですけど……」

「……そう」

 

 と、幽香が言ったところで会話が途切れた。なんとなく気まずい。

 

「赤と私の勝負は私が勝ったわけだけど覚えている? つまり私は赤を殺せた。でも私は赤を殺していないのだから、赤にとって私は命の恩人になるわよね」

 

 いや、貴方は俺にとってただの加害者で殺人未遂者ですけど。

 

「赤、貴方のことが気に入ったわ。私と一緒に暮らしなさい。ああ、別に拒否してもいいけれどその後の保証はできないわ。あと敬語もやめて。似合ってないわよ」

 

 め、めちゃくちゃだ……そしてやっぱり拒否権はなしですか、そうですか。あと、敬語うんぬんの前にこの首輪を外して欲しいのですが……ダメ? もうちょっとつけていた方が良い?

 

「なによ、その目は。いじめたくなっちゃうじゃない」

 

 ああ、これダメなやつだわ。関わっちゃいけない妖怪さんだわ。いや、もう逃げられないけどさ。

 

「わかったのかわからないのか、良いのか悪いのかハッキリして」

 

 

 ホント、やりたい放題ですね……

 

 

「……わかった。不束者ですがよろしくお願いします」

「そう、それなら良かった。これらかよろしくね、赤」

 

 そう言って幽香は微笑んだ。

 

 その顔はズルい。

 そう思った。

 

 






本当は『キマワリ』の技に『めざめるパワー(岩)』を入れたかったのですが、ステータスを計算するのが面倒でしたのでやめました


幻想郷ができるのはいつになるんでしょうね

感想・質問何でもお待ちしております


~単語説明~

『まもる』 PP:10 変化 優先度+4 必ず先制でき、そのターンの間、相手の技を受けない。連続で使うと失敗しやすくなる

『トリックルーム』 PP:5 変化 優先度‐7 5ターンの間、『すばやさ』が低いポケモンから攻撃できるようになる。もう一度使用すると元に戻る
『トリックルーム』によって優先度も逆転することはありません。つまり、『でんこうせっか』や『まもる』などの先制技は今まで通り先制できます

『ソーラービーム』 威力:120 命中:100 PP:10 くさ 特殊 1ターン目は攻撃せずに、2ターン目で攻撃する。天気が『ひざしがつよい』の時は1ターン溜めずに攻撃でき、『あめ・あられ・すなあらし・きりがふかい』の時は威力が1/2になる

『かそく』 毎ターン『すばやさ』が1段階上がる

『ひでり』 戦闘に出たとき、天気を『ひざしがつよい』状態にする


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