東方小妖録【完結】   作:puc119

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第21話~誰得だよ~

 

 

「えと……貴方、誰ですか?」

 

 目の前の美人さんが言った。

 さぁ、困った。どうしましょうか。

 ん~……まぁ、ここは無難に――

 

「お初に御目にかかるな。我の名はオリザニン。幻となったビタmあ、嘘。嘘です! ごめんなさい! ああ、待って。その刀はやめてください。死にますから。わりと普通に死にますから。ふぅー……いい? 喋っても大丈夫? 斬らない? え、えと……ども、初めまして。赤です。この度、地上から来ました」

「えっ、赤? ……ま、まぁそれはいいとして……何故、輝夜様ではなく貴方がここにいるのですか?」

 

 輝夜も俺の名前を言った時反応していたよね。なんだろう俺の名前ってそんなに変なのかな。まぁ、珍しい名前ではありそうだけど。

 

「月人が僕と輝夜を間違えたんですよ」

 

 ホントもう、おっちょこちょいなんだから~

 

「それはちょっと信じられませんが……わかりました。確認してみます」

 

 そう言って美人さんは行ってしまった。

 いや、あの……置いていかれても困るんですが……これじゃあ、動けないし。これから俺はどうすれば……

 

 

 

 さてさて、状況確認だ。

 今、俺はどこかの部屋の中にいる。んで、ここはきっと月なんだろうね。

 

 ん~これから俺はどうなるのだろうか? できれば地球に返して欲しいのだけど。まぁ、無理っぽいよね。それくらいは俺だってわかる。

 

 

 やることもなかったから俺はゴロゴロ転がっていた。おお、スゲー。目が回る。

 そして、なんか楽しくなってきたところで、新しい人が部屋に入ってきた。

 

「こんにちは、赤さん」

 

 今度は金髪の美人さんだった。む。俺の名前をもう知っているのか。プライバシーも何もあったもんじゃないな。

 

「はい、こんにちは」

「八意様を知っているわよね?」

 

 うん? 八意? はて、誰のことでしょうか?

 

「いえ、知りませんけど……」

「あら? じゃあ人違いなのかしら?」

 

 いや、だから俺は知らんよ。

 

「八意永琳様なんだけど、本当に知らない?」

 

 なんだえーりんのことか。

 

「ああ、えーりんのことでしたか。それなら知ってますよ。昔お世話になりましたし」

 

 そう俺が言うと金髪美人さんが――

 

「やっぱりそうだったのね」

 

 と言って、嬉しそうに笑った。そう言えばえーりんって有名人だったね。そうか、えーりんのコネを使えば俺だって地球に返してくれるんじゃないか?

 

「えーりんは僕について何か言っていましたか?」

「ええ、今度会ったら死より恐ろしい思いをさせるって言っていたわ」

 

 コ、コネを使うのはやめておこう……おかしいな、えーりんに何か悪いことしたっけかな?

 

 そんな感じで金髪美人さんとお話をしていたら、さっきの美人さんが帰ってきた。おかえり~。

 

「あ、お姉様もいるのですね」

 

 うん? この二人姉妹だったの? う~ん、あんまり似てないですね。

 

「今、確認をしてきましたが……隊員たちは確かに輝夜様を連れてきたと言っていました。そのことについて、何か心当たりはありませんか?」

 

 おう、心当たりしかないんだぜ。

 

「あ~、あれですかね。僕がちょっと輝夜に『へんしん』していたからですかね?」

「……それでしょうね。はぁ、変身と言いましたが貴方は変身する能力を持っているのですか?」

 

 うん『へんしん』する能力も持ってるよ。あと他に沢山ある。

 

「はい」

「……なるほど、わかりました。申し訳ありませんが、貴方にはここでもう暫く待機してもらいます。ほら、お姉様も行きますよ」

 

 と言う妹さんの声にお姉さんが『はーい』と返事をして

 

「じゃあね。赤さん、またお話しましょ」

 

 なんて言って二人とも出て行ってしまった。

 えっ? この袋から出してもらえないんですか? そして、また一人ぽっちに。

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫くして――

 

「食事よ」

 

 そんな愛嬌ゼロな言葉を落としながら、新しい人が入ってきた。何故かウサ耳だった。月と言えばウサギだけど、そういうことじゃない気がする。

 

 あ、でも、見たことあるぞ。たぶん、このウサ耳少女は東方キャラだ。名前は……えと、なんだっけな?

 確か、なんとかホイホイとか言われていたような……ん~、まぁ、とりあえずはゴキブリさんでいいか。

 ゴキブリさんは俺から離れた所へ皿を置いた。なんだろ、団子かな。お団子って月っぽいし。

 

「いや、この状態じゃ食べられないんだけど……この袋から出してくれませんか?」

 

 せめて、手だけでも出させてくれ。

 

「あんた、自分の状況がわかってる? 無理に決まっているでしょ」

 

 じゃあ、どうすればいいんだろうか。食えと? このまま手を使わずに食えと?

 

 すると、ゴキブリさんがマジックハンドみたいな物を取り出した。えぇ……それでやるんですか?

 

「なんでそんなに離れてるのさ……」

「近づいたら穢れが移ってしまうもの」

 

 はぁ、また穢れ、か……ホントあんたらは好きだね、その言葉。確か俺には穢れがないと思ったけど、まぁ、そんなのは別にどっちでもいいや。

 

 ゴキブリさんは離れた所から俺に団子を食べさせようとするけれど、これって……

 

「毒とか「入れてくる?」……いただきます」

 

 そして、ゴキブリさんは俺の口に団子を突っ込むと、さっさと出て行ってしまった。団子が喉につまりかけた。

 

 団子は、まぁ美味しかった。ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 

 

 やることもないからゴロゴロ転がっていると、今度は姉妹揃って部屋に入ってきた。

 

「それ楽しい?」

 

 お姉さんが聞いてきた。

 

「めっちゃ楽しいです」

 

 ただの強がりだけど。

 

「今度、私もやってみようかしら……」

「馬鹿言わないでください。赤、貴方にはこれから検査を受けてもらいます」

 

 ん? 検査とな? まぁ、袋からは出してもらえそうだし良しとしましょうか。

 

 その後、姉妹に連れられて変な機械で検査を受けた。袋から出してはもらえたけれど、代わりに奇抜なデザインの手錠をつけさせられた。

 

 

 んで、今は検査結果待ち。暇だったからお姉さんにえーりんを怒らせたらどうなるかを教えているところ。えーりんはなぁ、怖いからなぁ。

 そして、お姉さんとえーりんの話に盛り上がっていると妹さんが帰ってきた。

 

「結果から言わせてもらいます。貴方を地上に返すことはできません」

 

 むぅ、やはりダメだったか。

 

「えと、理由を聞いても?」

「はい。本来ならば地上人は穢れを持っているため、早急に地上へと返すのですが、貴方の場合は穢れが一切ありませんでした。そのため罪人として月で生活してもらいます」

 

 こんなに汚れきった俺に穢れがないとはねぇ……そいつは一体、どんな皮肉だろうか。そんなものちっとも笑えやしない。

 

「……それはどのような生活なんでしょうか?」

「牢獄での生活ですね」

 

 ですよね~

 ま、そりゃそうだわな。懲役何年だろうか……長くても一万年くらいにしてほしいんだけどなぁ。終身刑とかは勘弁してもらいたい。

 少しだけ期待していた分これからの生活を考えるとショックだった。まぁ、死刑じゃないだけまだいいってことなのかねぇ。

 

 

「依姫様、月夜見様からです」

 

 この先の未来を考え落ち込んでいると、知らない男がきて携帯電話のような物を妹さんに渡した。

 

「えっ……月夜見様から? ……は、はい。牢獄に入ってもらうことになりました……いえ、それは厳しいかと……え? あ、はい。わ、わかりました……そういたします。はい失礼します」

 

 ん~……なんだろうか? それにしても月夜見ってあの結界の人だよね。懐かしいねぇ……お元気そうで何よりです。

 そうやって少しだけ昔を思い出していると、妹さんは俺の方を向いて言った。罪が軽くなったりしないかな?

 

 

「牢獄の件は訂正します。貴方には今日から、私たち綿月家のペットとして生活してもらいます」

 

 

 罪が重くなっていた。人間扱いすらされなくなった。

 どうやら月に人権はないらしい。いや、俺は人間じゃないけどさ……

 

「それ本当!? これからヨロシクね。赤」

 

 お姉さんはそう言って笑っていたが、俺は笑えなかった。牢獄にしてくれないだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 姉妹に連れられてなかなかに立派な家に着いた。俺なんて家すらないのに、良い生活してそうですね。

 家に着くと手錠をしたままでは生活できないだろう、と言うことで手錠の代わりに腕輪をつけさせられた。おお、なにこれ、カッコイイ。

 

 お姉さんに聞いたところ、この腕輪は妖力・霊力・魔力などを完璧に封じ込めることができるらしい。神力ですらほぼ無力にできると言っていた。かがくのちからってすげー!

 

 

「……で、その手に持っているウサ耳はどうするつもりですか?」

 

 何ですか? その物騒な物は。とりあえずソレを持って近づいてくるのやめてください。怖いです。

 俺が聞くと、お姉さんがいい笑顔をしながら答えた。

 

「もちろん、貴方につけるのよ。だって私たちのペットなんだもん」

 

 意味がわからなかった。

 本当に意味がわからなかった。

 

 抵抗? できるわけがない。だって俺、ペットだもん。

 そして、ウサ耳を頭につけられた。

 

 なにコレ、引っ張ってもとれない……かがくのちからってすげー……

 

 

「あはははっ。に、似合っているわよ。赤」

 

 ……そうですか

 妹さんの方を見るとプイっと顔をそらされた。

 

 傷ついた。

 落ち込んでいると、何故か通りかかったゴキブリさんに鼻で笑われた。

 

 かなり傷ついた。

 暫くの間、鏡を見るのはやめようと思う。

 

 






ウサギって一羽にすると寂しくて死んじゃうって言いますよね
まぁ、そんなことありませんが

似たような話で
タコは逆に一匹にして飼わないと気が狂って自分の足を食べちゃうそうですね
かと言って、一匹にしても隠れるところがないと、また気が狂っちゃうそうです

本当でしょうか?

何を書こうとしたのか忘れてしまいました
大事なことだったらすみません

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