東方小妖録【完結】   作:puc119

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第27話~魂こめて命をかけろ。それが農業だ~

 

 

「海でしたっけ? 貴方が言うので見に行きましたが、私には大きすぎますね」

 

 今は、文がいれてきてくれたお茶を飲みながらお話中です。うん、今日もお茶が美味い。

 

「よく見に行けたね、仕事サボったの?」

「失礼な、ちゃんと有給を取りましたよ。私ぐらい真面目だと、有給を消化しないと上司に怒られるのです」

 

 絶対に嘘だろうなぁ。

 

「そう言えば、どうして貴方は幻想郷に来たのですか? 確か、幻と実体の境界とか言う結界が張られてから、多くの妖怪が幻想郷に入ってきていますが」

 

 ん~そう言われると、なんか紫が幻想郷を外の世界と分ける結界がどうのこうの言ってたね。

 

「紫に拉致されてきたんだよ」

「紫……ああ、あの胡散臭い妖怪の賢者ですか。あの方とも繋がりがあるとは貴方も不思議な方ですよね」

 

 うん、自分でもそう思う。

 

「まぁ、これからは幻想郷で暮らすことになるかな」

 

 そんな感じで文と駄弁って過ごした。

 

 

 

 そなことがあった次の日。外は雨だというのに文は仕事があると言って出かけてしまった。

 さてさて、んじゃあ、俺も行こうかね。勝手に出て行く俺に文は怒るだろうけど、まぁいいか。

 

 お世話になりました。

 

 そして、文の家を出て暫く歩いていると、上の方から声がした。面倒臭いねぇ。

 

「そこの人間。止まれ」

 

 上を見ると天狗が一人……いや、よく見ればもっと沢山いるわ。

 あらら、こりゃ、囲まれてしまいましたぞ。

 

「ん~と、天狗さんが何の用で? できれば見逃してほしいのだけど」

 

 ほら、雨で服とかビショビショだよ。

 

「それはできんな。なぜ人間が我ら天狗の縄張りにいるのか知らんが、とりあえずついて来てもらう」

「嫌だよ。面倒臭い」

「ならば無理矢理にでも連れて行く」

 

 ……はぁ、悪いのはこっちなんだけど、この上から目線な口調は気に食わない。天気は、雨。悪いけど力の差を見せつけてあげようじゃあないか。

 

 ポケモンをイメージ。

 髪は黄色ですごくトゲトゲな感じ。

 黄色と黒の大きな翼と黄色の尾羽。

 そして黄色のパーカー。

 

『サンダー』

タイプ:でんき/ひこう

性別:?

レベル:100

性格:おくびょう

持ち物:いのちのたま

とくせい:プレッシャー

HP:321

こうげき:193

ぼうぎょ:205

とくこう:348

とくぼう:215

すばやさ:328

技:かみなり・ねっぷう・めざめるパワー(飛)・でんじは

 

 S:VのHABCD:UでCS全振り

 

「その力……貴様、何者だ?」

 

 今にも攻撃してきそうだった天狗の皆さんは止まり、一番偉そうな天狗が声をかけてきた。

 

「赤。種族はポケモン。んで、どうする? 俺はあんたらに危害を加えるつもりなんてないし、さっさとこの山を出ようかと思ってたんだけど……殺るって言うんなら殺るよ?」

 

 今なら『かみなり』も必中だし負ける気がしない。

 天狗が相手ならきっと効果は抜群だろう。

 

「いや、やめておくよ。勝てる気がしない。済まなかった。先ほどの無礼を許して欲しい」

 

 そう言って天狗は頭を下げた。

 

「それならいいよ。んじゃあね。俺は行かせてもらいます」

 

 そう言ってから俺は空高くへ飛び上がった。最初からこうしておけば良かったかもしれない。

 

 んで、人里は……お、あった。

 雨で視界が悪かったけれど、どうにか人里を発見。人里から少し離れた場所に下りて人間の姿へと戻る。

 あの姿のまま行ったら、大変なことになりそうだしさ。

 

「止まれ。見かけない顔だが外から来た人間か?」

 

 人里に入ろうとすると、門番さんらしき人から声をかけられた。

 

「はい、最近きた者です。ここで暮らさせて欲しいのですが」

 

 まぁ、人間ではないけどね。でも、危害を加えるようなことはしません。

 

「そうか、それにしてもよくここまで無事にたどり着けたな。最近は妖怪も増え危なくなったというのに。ここで暮らすことはまぁ、悪さをしない限り大丈夫だろ。わからないことがあったら、里の者に聞くといい。皆親切に教えてくれるよ」

 

 そりゃあ、良かった。こんな雨の中ご苦労さんです。

 

 門番さん会話の後、人里をブラブラした。

 雨のせいか人は少なかったけれど、それなりに賑わっていたように見える。うん、いい村だ。

 

 門番さんは人里で暮らしても良いと言っていたけれど、俺が嫌だったから人里から少し離れた場所で暮らすことにした。

 

 さて、これからどうすっか。う~ん農業でもしようかねぇ。あと家とかほしいけど、家なんて建てられないし……困ったな。

 

「お、赤だ。雨の中こんな何もないところで何やってるの?」

 

 む、誰だ? と思ったら萃香だった。

 お前もお前で神出鬼没だよなぁ。まぁ、鬼だから仕方ないか。

 

「いやな、ここで暮らそうと思っているんだけど、家をどうすっかなって考えてたところだよ」

 

 う~ん、お金を貯めて大工さんに建ててもらうか。でも、人里から離れちゃってるし、建ててくれるかなぁ……

 

「家? それなら私が建ててあげようか? 赤には沢山お世話になったし」

 

 はい?

 

「え……できるの?」

「家くらい簡単だよ」

 

 マジで?

 とてもじゃないが信じられん。

 

「う~ん、じゃあ悪いけどお願いするよ」

「任せときな!!」

 

 萃香はそう言ったけれど、俺はほとんど信じていなかった。いや、だって萃香が家を建てるとか想像できないし。

 

 

 

 それから一ヶ月ほど。

 昼間は農業に必要な道具を人里で買ったり、農業を始める準備や萃香が家を建てる様子を眺めていた。夜は萃香と一緒にお酒を飲んだりも。

 

 

 そして漸く我が家が完成した。

 祝、初我が家。一人で住むには広すぎる立派な平屋創りだった。

 

 家を建てる様子をずっと見てきたけれど、未だに信じられない。すごいな、おい。

 

「う~ん、少し狭くなっちゃったね。どうだい赤? あんたの家だよ」

「ありがとう萃香! 本当にありがとう!」

 

 素直に感謝。最初は馬鹿にして悪かった。見直したんだぜ。

 

「いや、そんなに感謝されるとこっちも照れるんだけど……」

 

 その後は昼間だけど萃香と二人で宴会をした。

 何故かそこに文が加わり、いつも間にか他の鬼や天狗も加わる大宴会となった。人里で俺の悪い噂がたったらどうしようかとも思ったが、まぁ楽しかったから良しとしよう。

 

 大宴会の二日後から本格的な農業生活が始まった。

 え? 宴会の次の日ですか? そりゃあ、もう二日酔いで死んでいましたよ。

 

 鍛冶屋さんに無理を言って作ってもらった備中鍬を持ち、畑を作り始める。因みに鍛冶屋には平鍬しかなかった。

 一日中備中を振り回したおかげか、10坪くらいの畑が完成した。つ、疲れた……

 

 人里でもらった種を次の日の朝に蒔き、水やりは面倒臭いから『ニョロトノ』になって、雨を降らせた。便利、便利。

 『カイオーガ』でも良かったけれど、水やりの度に現れる伝説ポケって……ねえ?

 

 それから、草抜きや水やりをしてついに収穫の時期になったわけだけど、とても収穫できるような物にはならなかった。たぶん土に養分がほとんどないのだろう。はぁ……こりゃあ、当分は土作りだな。

 

 次の年は蕎麦の種を買ってきて、畑に蒔いた。収穫できる時期になると、その蕎麦ごと畑を耕し養分に。

 んもう面倒だな、トラクターとかないの?

 

 そんなことを何年か繰り返した。

 その間、遊びに来る萃香や紫、紫の式だと言う藍や文と話したりお酒を飲んだりして、人里にバナナを売りに行ったり、買い物に出かけたりした。人里の人間は皆良い人で、俺みたいなはぐれ物にも良くしてくれる。

 人里で真っ白な巫女服を着た巫女さんに会ったから挨拶をしてみると、博麗神社っていう幻想郷の東にある場所で巫女をやっているそうだ。若いのに大変ですね。

 

 そして、10年ぶりくらいに畑で作物を作ることにした。その作物の名は馬鈴薯。理由は俺が好きだから。ジャガイモ美味しいです。

 

 人里で買った種芋を適当な大きさに切って、畝立てした土に植えていく。後は放置しておけばいい。うん、楽な作物だ。

 

 夏の中頃には収穫でき、立派な芋となった。できた芋はお世話になった人里の人間に配ったりした。喜んでくれたようでなによりです。

 残りは……宴会用にでもしようかね。

 

 さて、来年は何を作ろうか?

 

 そんな感じで色々な作物を作った。

 三年に一度は土作りと花畑に。人里では相変わらずバナナ売りを続けているけれど、俺の見た目が変わらないため、俺のことを仙人だと思う人が増えてきた。

 でも法術とかは使えんよ?

 それで、バナナは不老長寿になる果物なんだってさ。まぁ、健康に良いのは確かだけどさ……

 

 

 

 時は流れて時代は進み、人間も変わっていった。

 不意打ちや卑劣な策を持って鬼達を中心に乱獲するように。そして、鬼たちは地上から姿を消し地底界へと移っていった。

 これも時代なのかねぇ……

 

 萃香は地上に残っていたから理由を聞いてみると――

 

「もし、アイツらが帰ってきたとき、その帰りを誰も待っていなかったら寂しいだろ? だから私はここに残るんだ」

 

 と言って、お酒を飲みながら笑っていた。

 

 

 

 萃香以外の鬼たちを地上で見ることがなくなった頃だろうか、紫が博麗大結界という新たな結界を作った。これによって、幻想郷は外の世界とは完全に分かれることに。

 

 大結界が張られたことに妖怪たちは反発し、妖怪同士で争いが起こっているらしい。

 そのことを人間たちは喜んでいたが、文は忙しくなるから早く収まってほしいと愚痴を言っていた。

 ま、俺には関係ないけどね。

 

 それからさらに百年ほど。妖怪たちの力は弱まり、俺も夜になると寝てしまう日が増えてきた。

 たぶん、俺の体にも限界が近づいているのだろう。

 

 そんなある日の夜。

 家の中でウトウトしていると外から轟音がした。慌てて外に出てみると、畑が滅茶苦茶になっている。

 

 うわー! お、俺の茄子が西瓜が胡瓜が馬鈴薯が……

 これは酷い……せっかく一生懸命作ったのに。萃香と西瓜割りするのが楽しみだったのに……

 

 畑の中心には、紫の式である藍がいた。

 

 貴様……覚悟はできているんだろうな?

 

「も、申し訳ありません、赤様。畑を荒らしてしまい……」

 

 おやおや、ちょいと様子がおかしいですよ。

 なんて、そんな疑ことを問に思いながら、ふと上を見上げると、満月を背に青みがかった髪とピンクっぽい服を着て、大きな翼を持つ幼女がいた。

 

 

 

 なるほど……アイツが原因か。

 

 誰だか知らんけど、作物の恨みの恐ろしさを教えてやんよ。

 

 






サンダーさん登場ですけど、バトルなしです
弱い者いじめになっちゃいますしね
めざパ(飛)を選んだのは、実際に使ってみたところ、めざパ(氷)よりも使う機会が多かったからです
電磁波はなんとなく選択
ボルチェンや蜻蛉返りのが実際は使いやすいかもしれませんね
S100族は素早さ調整がしにくいです
結局、極振りしてるし……

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