東方小妖録【完結】   作:puc119

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第閑話~さようなら さようなら さようなら~

 

 

 本日使ったポケモンはまだ一体。しかもレベルは1だったし、ほとんど全力に近い状態で戦えそうだ。

 

 頭の中でポケモンをイメージ。

 白色のマフラーに白髪。

 緑色の大きなイヤリングと背中にはモフモフの白い綿。

 そして茶色のパーカー。

 

『エルフーン』

タイプ:くさ

性別:♂

レベル:100

性格:ずぶとい

持ち物:たべのこし

とくせい:いたずらごころ

HP:324

こうげき:153

ぼうぎょ:295

とくこう:190

とくぼう:186

すばやさ:269

技:やどりぎのタネ・コットンガード・みがわり・おきみやげ

 

 6VでHB:全振り。

 宿身代、物理受け流し型。

 

「……最初のポケモンはソイツか」

 

 彼女がぽそりと呟いた。

 まぁ、お前はこの進化前に負けたもんな。印象には残っているんだろう。ああ、そっか。そうだよなぁ。あの日から全てが始まったんだった。

 

「さて、わしも全力でいかせてもらう」

 

 そして彼女の姿が変わった。

 

 ――いや、戻ったってのが正しいかな。

 

 それは一億年前に見たあの姿だった。

 

「なんだよ、戻れたんじゃないか……」

 

 戻れないとか言ってなかったっけ?

 

「あれは、おぬしの好みに合わせていただけじゃよ。まぁ、あの姿も嫌いではなかったが」

 

 本当に俺のことをロリコンだと思ってたのですか……違います。俺の性癖は普通です。

 

「それじゃあ」

「ああ」

「はじめよっか」

 

 技『コットンガード』を選択。

 

 おそらく彼女は物理技が主なはず。先攻は取れるはずだし、ここは安全にいこう。

 

 

 そう思っていた。

 そんな甘い考えがあった。

 

 けれども上手くはいかないらしい。

 

「確かそいつは草タイプじゃったよな」

 

 彼女の声が聞こえた。

 次の瞬間、炎を纏った拳に吹き飛ばされた。

 

 吹き飛ばされる身体。効果は抜群だ。そして、一発で人間の姿へと戻された。

 

 え? ど、どういうこと? どうして先手を取られた?

 

 ああ……ああ、そっか。そう言えば便利な能力を持っていたんだっけ。あの時みたく、この場所に結界は用意していない。

 

 これは……ちょっとヤバイな。

 

「……それがお前の能力?」

 

 なんとか声を搾り出す。

 

「ああ」

「……化け物かよ」

 

 本当に勘弁して欲しい。

 ……考えろ『エルフーン』相手に先手を取れるってことは、とりあえず優先度は+1以上なはず。

 最悪のことを考えると優先度は+6だろう。

 

 これは困った。いつかのように『トリックルーム』を使っても意味はないし、『なかまづくり』や『スキルスワップ』をするにしても彼女の火力を考えると、それすらさせてもらえないだろう。

 炎技があるから『ヌケニン』は使えない。『しんそく』を使ったとしても彼女の優先度が+3以上だった場合意味がない。

 

 ……あれ? かなりヤバくない?

 

「どうした? 降参するかえ?」

 

 考えろ。

 何かあるはずだ。

 

「なめんな。まだまだ余裕だよ」

 

 まずは相手の能力をどうにかしないと。

 

 ん~……よし、決めた。

 

 新しいポケモンをイメージ。

 

 金と青色の混ざったパーカー。

 長く4方向に伸びた黒い髪。

 胸に人の顔のようなバッジ。

 

『デスカーン』

タイプ:ゴースト

性別:♂

レベル:100

性格:ずぶとい

持ち物:オボンのみ

とくせい:ミイラ

HP:320

こうげき:123

ぼうぎょ:427

とくこう:226

とくぼう:246

すばやさ:96

技:シャドーボール・おにび・いたみわけ・どくどく

 

 6VでHB:全振り。

 物理受け型。

 

「今度はゴーストタイプか……面倒じゃな」

 

 たぶん、コイツでも一発でやられるだろう。まぁ、でも今回の役割は攻撃を受けること。痛いのは嫌なんだけどなぁ。

 仕方が無い、か。

 

 技は『おにび』を選択。

 どうせ先手は取れないだろうけど、もしかしたら耐えてくれるかもしれない。

 

 そしてまた彼女の姿が消えたと思ったら、上から叩き潰された。ちょっと強すぎやしませんか?

 

 効果は抜群。

 技のレパートリーが広すぎる。もしかしたら全タイプの技を持っているんじゃ……

 

 彼女の攻撃だけど、ダメでした。耐えられませんでした。物理耐久はかなりあるんだけどなぁ。

 どう考えても、相手の火力がおかしい……

 

 

 でも、触ってくれた。

 

 どうやら本当に特性までは覚えていなかったらしい。ここで特殊技を出されていたら、勝つことは無理だったと思う。

 でも、確かに彼女は俺に触ってしまった。

 

 特性『ミイラ』発動。

 

「む、体が重い?」

 

 ここまでで使ったポケモンは3体。

 

 かなりキツい、けれども漸くこれで――反撃開始だ。

 

「はぁ……また能力が使えなくなったのか」

 

 懐かしいね。

 あの時は結界のおかげだったけれどさ。

 

「降参しても良いよ?」

「莫迦にするな。それでも負ける気はしない」

 

 ……この負けず嫌いさんめ、そこまで言うのなら全力で倒してやんよ。

 

 新しいポケモンをイメージ。

 

 緑色の硬い尻尾。

 緑の髪。

 そして、腹の部分だけ青色の緑パーカー

 

『バンギラス』

タイプ:いわ・あく

性別:♂

レベル:100

性格:おくびょう

持ち物:きあいのタスキ

とくせい:すなおこし

HP:342

こうげき:273

ぼうぎょ:256

とくこう:289

とくぼう:236

すばやさ:243

技:でんじは・れいとうビーム・だいもんじ・10まんボルト

 

 6VのCS:全振り。

 電磁波砂パ型。

 

 特性『すなおこし』発動。

 砂が舞い上がり、小石が飛び視界が悪くなる。そんな砂嵐が吹き荒れた。

 

「良い天気だな」

「……いつかの仕返しかえ?」

 

 さあ? どうだろうね。

 

 彼女の構えるのが見えた。いくら能力を封じたと言っても、まだ先手を取れるのかわからない。

 う~ん、Sには振らなくて良かったかも。

 

 技は『でんじは』を選択。

 

「知っておるよ。そいつは格闘が良く効くんじゃろ?」

 

 大正解だよコノヤロー……

 

 流石にいきなり消えることはなくなったけれど、それでも彼女は速かった。コイツのステータスどうなってんだよ。

 

 そして彼女の蹴りが俺の腹に直撃。当たり前のように効果は抜群。

 でも、今回は耐えられる。なんとか吹き飛ばされずに耐えきる。

 

 アイテム『きあいのタスキ』発動。

 たった1のHPを残して耐えた。

 

 これで漸く、彼女に攻撃することができる。

 

「『でんじは』」

 

 口から電気の弾を吐き出し彼女へ当てる。

 

「っーーー! 面倒な……!」

 

 まぁ、ダメージはないんだけどさ。それでも、これは大きな一発だ。

 

 本日初の2ターン目。

 

「『だいもんじ!』」

 

 流石の彼女でも『麻痺』状態で重くなった体では、先手は取ることができないらしい。これで先手を取られたら泣くしかないけど……

 

『あいてには あたらなかった。』

 

 そして明後日の方向へと飛んでいく『だいもんじ』。

 

 ……うん、知ってた。

 クソったれが。

 

 そして彼女の蹴りがまた腹へ直撃。ホント、よく蹴られる人生だ。

 

 

 今度は耐えることなてできずに吹き飛びました。

 冷ビにしとけば良かったよ……

 

 100レベルポケモンを3体も使ったのに、彼女には1のダメージも与えていない。使えるポケモンはどんなに頑張っても後1体。

 

「それにしても『麻痺』じゃったかの? これは鬱陶しいな」

 

 余裕そうな彼女の声が届いた。悔しい、めちゃくちゃ悔しい。

 ……うん、やっぱり負けるのは嫌だよなぁ。

 

 本日最後のポケモンをイメージ。

 能力は消した。

 麻痺だって撒いた。

 天気は最高。

 

 準備は――万端だ。

 

 青色の尻尾。

 前髪だけ黄色の青髪。

 腹は黄色と赤の青色パーカー。

 

『ガブリアス』

タイプ:ドラゴン・じめん

性別:♂

レベル:100

性格:ようき

持ち物:ひかりのこな

とくせい:すながくれ

HP:361

こうげき:356

ぼうぎょ:226

とくこう:176

とくぼう:206

すばやさ:333

技:みがわり・つるぎのまい・じしん・ドラゴンクロー

 

 6VのH:16、A:240、S:252振りでHは4n+1調整。

 通称粉ガブ。

 

「そろそろお主も限界じゃろ。それが最後のポケモンかえ?」

「うん、これで最後だよ」

 

 本当は今すぐにでも倒れそうだ。けれども、ほら最期ぐらい頑張りたいじゃん。勝ち逃げなんて絶対に許さない。

 

「『みがわり』」

 

 HPの4分の1を使い自分の身代わりを作り出す。

 

 彼女の攻撃が見えた。

 外れろー、頼むから外れてくれ……

 

「むぅ、姿がよく見えん……」

 

 

『あいての こうげきは あたらなかった』

 

 よしゃ! パターン入った!!

 

「『つるぎのまい』」

 

 身代わりに隠れながら舞い攻撃力を上げる。

 

 きっと周りから見れば、何をやっているのかわからないだろう。けれども、これで此方は一気に有利となった。

 

「ッチ、体が……動かん!」

 

 彼女を確認するとどうやら麻痺で痺れているらしい。完璧すぎるくらいの良い流れ。

 

 さて、さてさて。

 これで漸く攻撃ができる。

 

「『ドラゴンクロー!』」

 

 剣の舞いで2倍になった攻撃力を活かし、右手を全力で振るい、彼女へ攻撃。

 

「ッガ……! このっ!」

 

 むぅ、流石に一発で倒すのは無理か。

 彼女の反撃。

 

 そんな彼女の攻撃に俺は再び身代わりの後ろへ隠れた。

 なんかちょっとカッコ悪いけれど、当たったら負けちゃうもん。仕様が無いね。

 

 そして、俺の代わりに攻撃を受けた身代わりは消えた。

 

 あちらはフラフラ。

 たぶん、あと一発で倒せるだろう。

 

 いつもなら迷わず攻撃だけど、一応もう一回身代わりを作っておこうかな。此処はとにかく安全にいこう。

 

「やはりおぬしは強いな……」

 

 そんなことを考えていると、彼女の声が聞こえた。

 まぁね、あれだけ長い間レベルを上げたんだ。これで弱かったら泣ける。

 

 技『みがわり』を選択。

 悪いけど、今回も勝たせてもらうよ。

 

 ま、もう少し強くなったらまた闘ってあげるよ。

 ……また、闘えたらだけどさ。

 

「本当は使いたくなかったが、やっぱり負けるのは嫌じゃな……最期くらい勝ちたいわ。だから……」

 

 

 ――使わせてもらうぞ。

 

 

 ぽそりと何かを呟いた彼女の声が聞こえた。

 うん? 使う? どう言う意味だ?

 

 

『あいては イバンのみを つかった』

 

 

「え?」

 

 思わず声が出た。

 

 

 そして俺は身代わりを作る前に吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 砂嵐もなくなり、元の天気のそれへ。

 俺も人間の姿に戻ってしまった。

 

 あ~あ、負けたのか……この感じも随分と久しぶりだ。

 

 重くなった体をなんとか起こす。

 

「わしの勝ちじゃな!」

 

 彼女の声がした。腹が立つほどの良い笑顔。

 

「うん……俺の負けだよ」

 

 完敗です。

 言い訳すらできない。

 

「お前は強いな」

 

 体が重い。

 猛烈な眠気が襲ってくる。

 

「おぬしも強いがな」

 

 笑いながら彼女が言う。本当によく笑うようになったと思う。

 

 眠い。

 でも、まだ寝られない。

 

 だってきっと彼女は……

 

 この戦いの本当の意味は……

 

「なあ……赤」

 

「なにさ?」

 

「おぬしがどう思っているのかは知らんが、わしは今まで生きてきて良かったと思っているよ」

 

「うん」

 

「おぬしに負けて二人で旅をして莫迦なことばかり喋って……うん、本当に楽しかった」

 

「……うん」

 

 止めることはきっとできない。

 だって止める理由が見つからない。

 

「ありがとう。赤」

 

「…………」

 

「おぬしもわかっておるじゃろ? 地底ならまだ生きられる方法があるかなとも思ったが、どうやらダメらしい」

 

「他の奴らは知ってるの?」

 

「幽香と紫にはそれらしいことを言っておいたよ」

 

「そっか」

 

 彼女はずっと笑っていた。

 俺は笑えなかった。

 笑い方がわからなかった。

 

「どうじゃ? 別れのキスでもしてやろうか?」

 

「いらんわ、気持ち悪い」

 

「はっ、このひねくれ者め」

 

 そりゃあ悪かったね。

 きっと誰かの影響を受けたんだろうさ。

 

「それじゃあ」

 

「ああ」

 

「そろそろ逝くとするよ」

 

 視界がぼやける。

 別れがくるくらいわかっていたこと。

 

 悪いね。

 無理矢理、一億年も付き合わせちゃって。

 

 

「ありがとう、×××」

 

「さようなら、赤」

 

 そう言って彼女は消えていった。

 

 そんな彼女を見送ると、疲れが一気に吹き出し、俺は地面へ倒れた。

 何かが溢れるのが嫌だったから上を見上げる。星は見えない。

 

 とりあえず今は休むことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めても隣に彼女はいなかった。

 

 

 






説明しなければいけない単語がとても多いので、そちらは活動報告で書きたいと思います
選んだポケモンや技の理由
彼女のステータスにダメージ計算とかも書くようにします

良かったら見てあげてください

『イバンの実』とか使ってますが、マイナーでしょうか?

きっと次話が二回目の最終話です


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