友人に「ウサギっぽいポケモンの名前、何だっけ?」って聞くと
「カイリキーじゃね?」と言われました
カ イ リ キ ー の ど こ が ウ サ ギ っ ぽ い ん だ
一般的な真剣勝負のポケモンバトルは50レベルのフラットルールで行われる。つまり、一番レベルの高いポケモンでも、50レベルということ。
かと言って、『51レベル以上のポケモンはバトルできない』というわけではなく、51レベル以上のポケモンは、50レベルにされ、50レベルでのステータスへと変換される。
一番高いレベルが50なのだから、真剣勝負のポケモンバトルにおいて、ほとんどのポケモンは50レベルになる。
そりゃあ、レベルの高いほうが絶対的に有利だもんね。
しかし、極希に50レベル以外のポケモンを使い、真剣勝負に挑むトレーナーたちがいる。さらに、そのトレーナーたちの使うポケモンの一部に1レベルポケモンがいた。このポケモン、文字通りにレベルは1。
どうして、わざわざ1レベルのポケモンを使うのかというと、この1レベルポケモンたちは強いんだ。その一匹にパーティーを全滅させられることは少ないけど、対策をしていないと一匹はやられ、パーティーを壊滅へと追い込まれる。
それほどに強い。
そして、1レベルポケモンにも様々な種類があり、その中の一匹がこの『モンメン』だったりする。
「それが、お主の最後の手札かえ? なんじゃ、ずいぶんと貧弱に見えるな」
実際貧弱だしね。
とは言え、中身はなかなかにエグかったりするんです。
「さ、始めようや」
「……」
俺の言葉を聞き終わってすぐ、無言でこちらへ突っ込んで来る彼女。どうせ、一発で終わらせるつもりなんだろう。
特性:『いたずらごころ』発動
「『やどりぎのタネ』」
「なっ!!」
おお、当たったか。よかった、よかった。もし、外れていたら此処でゲームオーバー。いくら命中率90%といっても意外と外れるんです。
そして、空気を切るような鋭い彼女の蹴りが俺の体を貫いた。
「あッ……ふ……」
肺の空気が押し出され、また変な声が出る。普通なら即死。
ホント、よく女性から蹴られる人生だ。
「他愛もない」
彼女の声が聞こえた。
聞こえた。だからまだ、死んでない。
アイテム:『きあいのタスキ』発動。
たった……たった1のHPだけどまだ残っている。
『やどりぎのタネ』発動。
「はっ?」
ふふん、どうやら驚いてくれたらしい。まぁ、自分の最大HPの1/8がいきなりなくなったんだ、そりゃあ驚くか。
そして俺はその奪った分のHPだけ回復。
これでHP全回復です。
「……お主、何をした?」
「ん~、ちょっといたずらして、種を蒔いて、気合で耐えて、回復しただけだよ」
嘘は言ってなかったり。
「……殺す」
彼女が来る。次は殴られるんかね?
特性:『いたずらごころ』発動。
「『みがわり』」
自分のHPを使って身代わりを召喚。
そしてその身代わりが俺の代わりに彼女の攻撃を受け止めてくれた。そんな非常に便利な技。
さて、これで彼女の攻撃は終わり。つまり、また1ターンが終わった。
『やどりぎのタネ』発動。
それで『みがわり』に使い減った分のHPを回復。代わりに、彼女の最大HPの1/8は消えた。
これがレベル1モンメン『やどみが型』の戦い方。やられると精神的にもかなりきつい。
彼女はもう一度だけ攻撃してきた。その攻撃を身代わりが受け、俺はまた体力を奪った。
これじゃあ、流石にまずいと思ったのだろう。
そして、この様子だとたぶん、一度引くんだろうなぁ
「っ! 移動できない……貴様この場所に何をした!!」
はっはー。まぁ、無理なんだけどね~
「君と会う前にさ、少しだけ準備をしておいたんだ。能力でこの広場に入ることはできるけれど、出ることはできない。たぶん君はテレポート系の能力だろ? その対策。ああ、因みに物理的にこの広場を出ることも不可能だよ。鍵かけちゃったもん」
彼女の対策どうすっかな~とか思いながら、この公園をふらついてると月夜見とか言う人が、結界と鍵を用意してくれた。
何者なんだろうね?
でも助かりました。
ありがとうございました。
さて、彼女のターンは終わった。残念、『にげる』は失敗だったね。
だから次は俺のターンだ。
「『がむしゃら』」
全力を持って彼女へ我武者羅に叩き込む。
最後に『やどりぎのタネ』発動。
そこで彼女のHPは0に。ゆっくりと倒れこむ彼女。
あまり格好の良い勝ち方じゃないかもしれない。けれども、悪役の勝ち方には相応しいんじゃないかな?
それくらいが俺には合ってる。なんて言い訳してみたり。
「……どうして、殺さない」
「殺さないんじゃなくてさ、殺せないんだよ」
俺の能力じゃね。どうやったって相手を瀕死にするのが限界。
最後のロケットが打ち上げられるのを見ながら答えた。
あ~あ、えーりん行っちゃったよ。次はいつ会えるんかねぇ?
「ふむ」
えーりんのお見送りも済んだところで、ぽそりと呟き彼女にアイテムを使ってあげた。
アイテム:『げんきのかたまり』使用。
「っ!? 貴様、なにをした!」
そ、そんな怒ることないじゃん……せめてもの罪滅ぼし、偽善、エゴ、まぁ口には出さないけど。
「う~ん、そろそろ限界。俺は寝るよ。ああ、この広場から出たくなったのなら、俺を殺せば出られるよ。まぁ、爆弾みたいな物を落とすらしいから、結界を出て大丈夫かどうかはわかんないけどさ」
と言っても、この結界の中なら安全かと聞かれても俺はわからない。まぁ、なるようになるさ。ダメならダメでその時だ。今は気分も良いし、ちょいと休ませてもらうとしよう。
「おやすみなさい」
これでやっと寝られる。
今回はちょっとばかし疲れたんです。
「起きます」
起きた。
生きてる。
生き残れた。
「うっわ……なんじゃ、これ」
結果を言うとに広場は無事だけど、広場以外は無事じゃなかった。なんか、綺麗さっぱりって感じだ。
俺が起きたのに気づいたのか、彼女が近づいてきた。
「やっと起きたか」
「えと、俺ってどのくらい寝てたの?」
「丸一日と少しじゃな」
おおー、よく寝たな。寝る子は育つというし、これで俺はまた成長したってことだろう。
な~んてね。
さて
さてさて、と
「よしっ、旅に出ようぜ」
「ずいぶんといきなりじゃな。あと、わしとか?」
「他に誰もいないしな、それに一人より二人の方が楽しいだろう?」
そんな俺の言葉に彼女は何かを言いたそうだったけれど、何も言わなかった。
それでいい。
それがいい。
そんなこんなで、妖怪と妖怪もどきの二人旅が始まった。
色々な所に行って、色々な物を見て、色々な事を話した。
それは遠い昔のことだから行った場所、見た物、話した事なんて、ほとんど忘れちゃったけど楽しかった。俺はそう思う。
そして、少なくとも彼女だって楽しそうには見えた。
ただ、この旅を始めた時からその終わりぐらいは見えていた。
彼女は妖怪で、俺ももう人間じゃないんだ。
そんなに長い間、二人で旅ができたわけじゃなかった。
だからその旅は、俺がもう人間ではないんだと、理解させられた一つのきっかけ。アイツらを、彼女を受け入れると決めた、そんな旅。
もっとしっかり彼女の話を聞いておけば良かっただなんて、思っていない。
名前くらい聞いておけば良かっただなんて、思っていない。
言い訳なんてしない。きっとアレで良かったんだ。
それは旅を始めてから数年後のよく晴れた日だった。空には腹が立つほどの晴天がどこまでも広がっていた。
そんな日。彼女は幸せそうな顔をしながら長い眠りについた。
妖怪が存在するためには、人間が不可欠。
つまりはそういうことだった。
「楽しそうな顔しちゃって……まったく」
あ~あ、あんなに晴れてたのにな。
なんで雨なんて降るんかねぇ。これじゃあ、前も見えやしない。
一人ぼっちの世界っていうのは、思っていた以上に静かだった。
あれ? 東方キャラが一人も……
ウサギっぽいポケモンは『ミミロップ』です
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~単語説明~
『いたずらごころ』:変化技の優先度が+1される
『変化技』というのは、攻撃技ではない技のことです。今回の場合では『やどりぎのタネ』『みがわり』が変化技となります
『優先度が+1』の意味ですが、ポケモンの技は基本的に完全な素早さ依存です。素早さのステータスが1でも大きければ先制できます。ただし、『優先度』が高い場合は素早さの値に関係なく、先制することができます。その結果、レベル1の『モンメン』でも彼女に先制することができました
『やどりぎのタネ』 命中:90 PP10 変化 使用後、毎ターン相手のHPを最大HPの1/8ずつへらし、その分自分のHPを回復させる。自分は交換しても効果が引き継ぐ
命中:90は以外と外れるので、過信しすぎないように・・・
『みがわり』 PP10 変化 自分のHPを最大HPの1/4だけ減らして、そのHP分の自分の分身を作り、分身のHPが0になるまで全ての攻撃を自分の代わりに分身が受ける。分身は状態異常にならない
『がむしゃら』 命中100 PP5 物理 相手の残りHPから自分の残りHPを引いた分のダメージを与える。
つまり、相手のHPを自分のHPと同じにする。ということです
自分のHPが相手よりも多いと失敗します
『がむしゃら』は変化技ではないので『いたずらごころ』の対象外です
『きあいのタスキ』:HPが満タンのとき、一撃で『ひんし』になるダメージ、もしくは一撃必殺技を受けてもHPを1残して、持ちこたえる。ただし1度効果を発揮するとなくなる