学園黙示録~魔法を持って行く物語   作:武御雷参型

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お待たせしました、エタッていた武御雷参型です。
完成したので投稿します。


第十四話

俊輔一行は職員室に入るや否や、椅子に凭れ掛るように座った。

 

「ダリィ~、空~お茶頂戴」

 

「判りました」

 

俊輔の言葉に空はお茶を俊輔の前に置いた。

 

「ズズズズズ……プハァ~、やっぱ空が淹れたお茶は美味いな」

 

「ありがとう、それで、さっきのは何をぶっ放して来たの?」

 

「ん? ああぁ~あれね………最終形態と言えば判るか?」

 

「………あっ(察し)」

 

俊輔の言葉で空の表情は遠くを見つめ、何かを悟った表情であった。

 

「どう言う事だ? 最終形態ってまだ何か隠しているのか?」

 

「隠していると言えば隠しているな………でも、これを使う時って物凄く疲れるから使いたくないんだよね~」

 

孝の言葉に俊輔は気怠そうに答え、お茶を啜る。

 

「まぁ、使う時になってしまえば使うけどね………さて、脱出の事を考えようか」

 

「そうですね。僕達は単独で逃げる事は出来ますけど、孝さん達は難しいですもんね」

 

「この辺で良い逃げる足なんて物はあるんか?」

 

俊輔は考えるが、何も思いつかなかった。その時、孝が鞠川教諭に尋ねた。

 

「先生、車のキィってありますか?」

 

「あるわ‼ 確か鞄の中に…」

 

鞠川はそう言うと自分の鞄を漁る。しかし、冴子の言葉に鞠川の手が止まる。

 

「全員が乗れるのか?」

 

「ウッ……コペンです」

 

「なら、遠征で使っているマイクロバスはどうだ?」

 

「まだあります‼」

 

冴子の言葉にコウタが窓から見える駐車場を確認した。

 

「なら、それで逃げるか。俺達はお前達をマイクロバスまで誘導する。その後はついて行くから安心しろ、良いな、空」

 

「了解」

 

俊輔の言葉で脱出する手が決まった。

 

「それじゃ、行きますか‼」

 

俊輔の言葉で全員が職員室から出るのであった。

 

 

 

 

俊輔と空が先頭に立ち、その後を孝達が続き殿としてヴィータ、シグナムが布陣を敷いていた。シャマルとザフィーラはいつでも動ける要員として孝達の両脇を固めていた。

その時、踊り場で悲鳴がし生きている生徒が判った俊輔達はそちらへと向かった。

 

「卓造」

 

「下がってろ」

 

踊り場で三人の生徒が奴らに追い詰められている所であった。

 

「孝と永、麗はそこを動くな‼ シグナムとヴィータ、シャマルとザフィーラも待機だ‼ 俺達が行く、空行くぞ」

 

「判った」

 

俊輔の言葉で空と俊輔は踊り場の奴らを殲滅する。既に空はエンゲージしていた為、口調が変わっていた。

 

「ありが「声を出すな。正確には大きな声は出すなだが」う、うん」

 

「誰も噛まれていないな?」

 

「三人共、奴らに噛まれていないわ」

 

俊輔の言葉に三人を診たシャマルが答える。

 

「今から駐車場のマイクロバスまで向かう、一緒に来るか?」

 

「行かせてくれ」

 

「ついてこい、なるべく声とか大きな音とかは出すな?」

 

「ああ」

 

俊輔の言葉に卓造たち三人は頷いた。

 

 

 

 

そして、駐車場に続く入り口まで付くが、既にそこには奴らがウヨウヨと湧いており自らの欲を満たすために歩いていた。

 

「うわー、沢山いますな」

 

「どうするんだ、俊輔」

 

「簡単だ、殲滅すればいいのだろう?」

 

「えっ?」

 

孝の言葉に応えた俊輔は奴らに向かって歩いて行く。それを見たシグナム達や空は驚きはしなかったが、孝達は驚いた。

 

「まぁ、見てなって………アクセルシューター‼ シュートッ‼」

 

俊輔が叫ぶと同時に周りに丸い弾丸が生成され、それが縦横無尽に奴らを抹殺していった。

 

「これで良し、行くぞ」

 

俊輔の言葉で全員が正気に戻り、俊輔の後に続いて行くのであった。だが、運が悪く何かが倒れる音がし、表にいた奴らが俊輔達に気付いてしまう。

 

「全員、走れ‼」

 

孝がそう叫ぶ。

 

「どうして声を出すのよ‼ 奴らを殲滅した方が良いんじゃないの‼」

 

「あんなに音が響いてちゃ、意味が無いし逆にこちらが不利な状況だ‼」

 

沙耶の言葉に俊輔が神楽を使って切り倒しながら答える。

 

「話より走り出せ‼」

 

 

 

 

 

 

俊輔、シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマル、アインス、空が殿を務め孝達がバスに乗り込んだ。

 

「いつまでも持つ訳じゃないんだぞ‼ 鞠川先生、早く車を出せ‼」

 

俊輔に催促された鞠川は自分の車と違う構造に戸惑うが、何とかバスのエンジンを掛けた。

 

「山本君達、出すぞ‼」

 

「………ってくれ‼」

 

「誰かの声がするぞ?」

 

冴子の言葉でバスが出発しようとしたが、校庭から走ってくる六人が走って来ていた。

 

「俊輔‼ 助けてy「あんな奴、助ける必要はないわ‼」麗…」

 

孝の言葉に被さる様に麗が叫ぶ。しかし、俊輔達はそれを無視して六人を助けた、バスに乗り込ませた。

 

「どうなっても知らないわよ」

 

俊輔達を見ながら麗が睨みつけた。

それと同時にバスが走り出し、俊輔達は専用のバイクを展開してバスの後について行った。シグナム達は空を飛び後を追うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俊輔達は知らなかった。この先に待っている未来が、そして、出会いが。

 

 

 

 

宇宙空間に一隻の戦艦が停空していた。

 

「艦長、やはり地球のどこもゾンビで一杯です」

 

「やっぱりか………あいつらを出せるのか?」

 

「既に待機させています。命令があればいつでも出せます」

 

「そうか………それで、例の少年達の動きは?」

 

「既にキャッチしています。高校から逃げている最中ですね」

 

「判りました、あの子達を出しましょう。山本俊輔君達を助ける為にね」

 

艦長と呼ばれた女性の顔には悲しみの表情を顕にしていたのであった。


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