学園黙示録~魔法を持って行く物語   作:武御雷参型

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連続投稿‼


第二十四話

ティーガーが放たれた砲弾は、奴らが固まっていた所に着弾する。着弾した所には、地面が抉られそこにいた奴らが肉片へと変貌していた。

 

「すっきりした~」

 

「目の前が真っ暗だよ‼」

 

「見ちゃダメ」

 

俊輔はすっきりとした表情になっており、コータは肉片へと変貌した奴らを見せない様にありすの目を覆った。

 

「山本君、やり過ぎじゃないかな? それに音に敏感な奴らがここに集まってくるよ」

 

「うん? まぁ確かにそうだがティーガー……いや、戦車に通れない道など存在しない。奴らは轢き殺してやる」

 

「いや、既に死んでるから」

 

「あっそっか‼」

 

俊輔とコータは高らかに笑う。その姿にありすはなぜ二人が笑っているのかが判らなかった。

 

「ん?」

 

俊輔は目の前にワイヤーで作られたトラップの存在に気付いた。

 

「やべっ‼」

 

すぐに急ブレーキを掛け、トラップの直前に停車した。だが、後方に付いて来ていた車両はティーガーが急ブレーキを掛けた影響で、ハンヴィーの上に乗っていた麗が、地面へ墜ちる。

 

「麗‼」

 

永がベレッタを持ち麗の元へ駆け寄る。だが、奴らが近づいていた。

 

「空‼ 機関砲で援護しろ‼」

 

「了解です‼」

 

俊輔はキューポラから顔を出して最後尾にいるパーシングに指示を出した。

空は俊輔の指示でパーシングに装備されている7.62㎜機関砲で近づいて来る奴らをミンチにする。しかし、麗と永に近すぎる奴らには発砲できなかった。

 

「俊輔君‼ 近すぎて撃てないです‼」

 

「チッ‼」

 

俊輔はティーガーから降りると神楽とフォーカをセットアップする。

 

「神楽、フォーカ‼ セットアップ‼」

 

『『Aii right My Master Stand by Ready? Set up‼』』

 

俊輔はバリアジャケットを着用して、奴らを殲滅する。

 

「ディバイン・バスター‼」

 

フォーカから放たれた法撃は永と麗の近くにいた奴らを消し炭にする。

 

「シグナム、ヴィータ‼ 殲滅しろ‼ アインス、ユニゾンするぞ‼」

 

「「「了解」」」

 

俊輔に指示されシグナムとヴィータは自身のデバイスを展開し奴らを殲滅していく。アインスは俊輔の傍に行き、ユニゾンする。

 

「「ユニゾン・イン‼」」

 

「序だ‼ 喰霊、解放‼ 白叡‼」

 

俊輔は印を結び白叡を出す。

 

「喰い散らかせ‼」

 

俊輔によって出された白叡は、近寄って来ていた奴らを喰い千切って逝く。

 

「空‼ 護衛についてくれ‼」

 

「了解です」

 

空はパーシングから降り、レイラとリアクト・エンゲージする。

 

「やられて奴から来な」

 

空の手にはディバイダー996が握られている。

 

「シルバーバレット‼」

 

空の近くを浮遊していた本《銀十字の書》から銀色の魔力弾が奴らの体を貫き身動きさせなくさせた。

その時、ワイヤートラップの向こうから女性の声が響く。

 

「全員、そこに伏せなさい‼」

 

女性の声に、全員が止まるがすぐに指示に従った。

 

「車は後で回収します。先にこちらに逃げ込んでください」

 

女性の指示でハンヴィーに乗っていた冴子や沙耶、鞠川、孝がワイヤーの向こうへ行き、永は麗を肩に抱いてワイヤーの向こうへと行く。

 

「君たちも早く‼」

 

「空‼ ヴォルケンリッターは行け‼ 俺も続く」

 

『了解‼』

 

俊輔を殿に全員がワイヤーの向こうへと避難する事が出来た。

 

「危ない所を助けて頂きありがとうございます」

 

冴子は顔が見えない女性に頭を下げた。

 

「当然の事をしたまでの事です。頭を上げて下さい」

 

そう言うと女性は顔に被っていたヘルメットを外した。

 

「娘とその友人を助けてもらったのですから」

 

「ママ‼」

 

女性は沙耶の母親であった。沙耶はすぐに母親の元へ駆け寄り抱きしめる。

 

 

 

 

その後、俊輔達は沙耶の実家に通されその日は、沙耶の実家で過ごす事になった。

翌日、麗は個室で永に体を抑え込まれ、鞠川が手にローションの様な薬を手にして、笑った表情で近づいて行く。

 

「ひ、ひさしぃ~」

 

「れ、麗。が、我慢だ。我慢」

 

「痛いのはやぁー‼」

 

「行くわよ~」

 

沙耶の実家の七不思議として、女性の悲鳴が聞こえたと言う珍事件が起きるのであった。

 

 

 

 

「判ったわよ‼ いつもママは正しいのよ‼」

 

沙耶は部屋の中で母親と口論の末に、部屋を出て行く。

 

「高城……」

 

それと丁度通りかかった孝と遭遇した。

 

「名前で呼んでって言ってるでしょ‼」

 

「あ…えと……ゴメン」

 

「男のクセにホイホイ、頭を下げないでよ‼」

 

沙耶は孝に八つ当たりしてしまう。

 

「ご、ゴメン………でも、男ならすぐに謝らない方が良いわよ」

 

沙耶はそう言うと階段を下って行くのであった。

 

 

 

一方、俊輔達二人は、家から持ってきた車両の点検を行っていた。

 

「空、キャリアーの方は対策されているのか?」

 

「いえ、されていません。他の車両は対策されているのに、どうしてコイツだけが………」

 

二人は家から持って来た車両は一部を除き、EMP対策が施されていた。しかし、運搬用としてのキャリアーだけは対策が成されていなかったのだ。

 

「さぁな。だが、何処かしらで分岐点があると言う事だろう………空、俺は原作の知識が薄くなってきている。この後に起きる展開が、要所要所でしか思い出せないんだ」

 

「………仕方が無いですよ俊輔君。君は神なんかじゃ無いんですから。知識が薄くなっていても、思いは忘れてないでしょ?」

 

「ああ」

 

「なら、大丈夫です」

 

空の励ましで俊輔は何とか持ち堪える事が出来た。

 

「そうだな。知識が無くったってやれるんだからな‼」

 

「そうです。さぁ、車両を点検しましょう」

 

「おう‼」

 

二人はキャリアーの事を忘れて、他の車両の点検を行うのであった。

 

 

 

「楽しそうね、アンタ」

 

「え? あっ高城さん‼」

 

倉庫の一部を借り、コータは銃の点検を行っていた。

 

「ま、今を楽しみなさい」

 

「はぁ~」

 

コータは沙耶が言っている意味を理解できなかった。

 

「でもどうしてですか? こんな要塞みたいな屋敷だったら、籠城とかしたら良いんじゃないんですか?」

 

「あんた、軍ヲタなら判っているでしょ? 水や電力はどうやって確保するの? もし生存者の一部がここを襲撃した時、一番最初に狙われるのは誰? 今の状況で安全な場所なんて物は存在しないのよ」

 

「…………そうですね」

 

コータは沙耶の言葉を頭の隅に入れながら銃の点検をしていた。

 

「良し。これで大丈夫だ」

 

「オイオイ、兄ちゃんそれ本物だろ? 子供が弄っていいもんじゃ無いぞ?」

 

「松戸さん、用件はそれだけ?」

 

「沙耶お嬢様‼ 乗って来られた車の整備が終わりました。それと………」

 

「何?」

 

松戸と呼ばれた男は、ハンヴィーの整備をしてくれた男だったが、何か言葉を濁していた。

 

「戦車二両、スポーツカー一台、バン二台の整備をしようとしたんですが………」

 

「あの二人に止められたの?」

 

「はい………」

 

松戸は申し訳無さそうに返事する。

 

「仕方が無いわよ。あの車両は特別だったらしいしね。何かの役に立つかも知れないから、様子観察ね」

 

「判りました」

 

そう言うと松戸は下がって行く。

 

「平野、アンタはその銃で何をしたいの?」

 

「小室達と話し合ってみます」

 

そう言うとコータは荷物をまとめて沙耶と一緒に孝達と合流するのであった。




話数を間違えていました。

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