学園黙示録~魔法を持って行く物語   作:武御雷参型

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最後です‼ 三話続けての投稿はしんどいです‼‼


第二十六話

二人が着くと、そこにはコータが憂国一心会のメンバーに銃を奪われようとしていたところであった。

 

「そこにいるお前たち、動くな‼ 動いたら、撃つ」

 

俊輔は神楽を二挺拳銃に切り替え、メンバーに銃口を向けていた。空も同様にディバイダー996を構えていた。

 

「兄ちゃん達、銃はオモチャじゃないんだ。それを渡してもらおうか?」

 

「断る。これらは俺の専用だ。お前たちでは扱える品物ではない」

 

メンバーの一人が俊輔達に銃を渡すように促したが断った。それもその筈である。二人が使用しているのは、魔法を持つ人間で、魔力がEx無いと扱えない物だからである。

一触即発状態の空気に一人の男が乱入する。

 

「何を騒いでいる‼」

 

「か、会長⁉」

 

国粋右翼の首領である高城壮一郎が乱入してくる。

 

「君たちの名前を聞こう」

 

「ひ、ひ、ひ、平野コータ‼ 藤見学園二年B組、出席番号32番です‼」

 

「同じく藤見学園二年、山本俊輔」

 

「同じく二年、山城空」

 

コータはすぐにでも泣き出しそうな勢いで名前を名乗るが、俊輔と空は堂々と答える。

 

「声に覇気があるな、平野君は………そして二人はビクともしていないな。さぞここまでにたどり着くまでに苦労しただろう。何があってもそれらは渡さぬというのか?」

 

壮一郎はそう言うと一睨みする。だが、俊輔と空は動じなかった。

 

「ダメです‼ ダメなんです‼ これを無くしたら僕は………僕は前の僕に戻されてしまう‼ やっと自分がしたい事が見つかったのに、戻りたくはないんです‼」

 

「俺達も同じです。貴方方に渡す銃はどこにもありません。それに………会長は俺の力を知っているはずですよ?」

 

「なに?」

 

俊輔の言葉に壮一郎は眉を顰める。

 

「神楽、フォーカ武装形態変更」

 

『『了解』』

 

俊輔の指示で神楽とフォーカの武装が変形し神楽は刀に変形すると背中にセットされ、フォーカはロングレンジ砲へと変わる。

 

「その武装は⁉」

 

俊輔の武装を見た壮一郎は驚きを露わにする。

 

「そうです。これが火を噴くという意味はあなたも知っているはずだ」

 

「会長、どういう事なのです?」

 

俊輔の言葉を受け壮一郎は何も言えなくなった。壮一郎が黙ったことに不審に思ったメンバーは尋ねた。

 

「前に紫藤の息のかかった組と抗争になりかけた時があっただろう。そのとき、抗争を止めたのがこの少年だ」

 

この言葉に後から来た沙耶や孝達を驚かせた。

 

「ほ、本当なの‼ パパ‼」

 

「沙耶か………本当のことだ。ある意味で無駄な血を流さなくて済んだ事には感謝しよう。だが、今は状況が状況なのだ。それを渡してもらえないか?」

 

それでも壮一郎は俊輔に武装の譲渡を言う。

 

「渡しましょう。ですが使えないですよ?」

 

俊輔がそう言うと武装を解除し先ほどまで着ていた作業服に変わった。

「ではどうぞ」と俊輔は神楽とフォーカを壮一郎に手渡した。

 

「…………何も起きない。何か細工でもしたのか?」

 

「細工も何もありませんよ。それを扱うにはある特殊な能力が必要なのです」

 

そう言うと俊輔は一冊の本を何も無い所から召喚する。

 

「ヴォルケンリッター、起動」

 

「我ら夜天の主の下に集いし騎士」

 

「主ある限り、我らの魂尽きる事無し」

 

「この身に命ある限り、我らは御身の下にあり」

 

「我らが主、夜天の王の名の下に」

 

「「「「「我ら、ヴォルケンリッターなり」」」」」

 

すると俊輔を囲う形で五人の男女が現れた。

 

「こいつら殺っても良いのか? 俊輔」

 

「ヴィータ、落ち着け」

 

ヴィータがアイゼンを肩に担ぎながら、壮一郎を含めるメンバーを殺す勢いで睨み付ける。

 

「待て、事を荒立てようとするな。俺の事を知ってもらおうとお前たちを呼んだ」

 

俊輔の言葉に全員が納得した。

 

「俺は元々、この世の人間ではない」

 

「どういうことだ?」

 

「簡潔に言うなれば、転生者と呼ばれる存在だ。前世の記憶もあるが………最近は薄くなってきている。まぁ、それはさておき、俺はこの世界の事を知っている。なぜなら、この世界の出来事は漫画で描かれていたからな」

 

≪なっ⁉≫

 

俊輔の言葉に誰もが言葉を失う。それもそのはずだ。いきなりこの世界のことを知っていると言われれば、驚くのも仕方が無い事である。

 

「だが、残念な事に………ここから先の記憶はない。理由として挙げられるのは、時間が経過しすぎた影響だろう。だが、俺のなすべき事は忘れていない」

 

「なすべき事とはなんだ?」

 

「俺が守れるだけの人間は助ける」

 

その言葉に誰もが反論できなかった。もしかしたら俊輔と言う存在がいなければ自分は今ここには居ないんだと言う実感が湧いて来たからである。

 

「ほう、言う物だな………」

 

「パパ、私からも言わせて。このチンチクリンがいなかったら、私はパパやママには会えなかったと思うわ。それに………」

 

≪えぇぇぇぇぇぇ⁉≫

 

沙耶が言葉を切ったと思ったら、俊輔に飛びついた。俊輔も驚いていた。

 

「私のパパの命の恩人がここにいるもの」

 

「…………良いだろう。君達の言い分を飲み込むとしよう。行くぞ」

 

壮一郎はそう言うと俊輔達を後にするのであった。

 

 

 

 

それを角で一人の青年が見ていた。

 

「先生、助けてくれる場所を見つけました………ええ、逃げる準備もしている様子です。準備をしてください、紫藤先生」

 

そういうと青年はどこかへと消え去るのであった。




誤字脱字、感想、質問、指摘等受け付けております‼

次回は紫藤がどう動くのか楽しみにしてください‼

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