護りたいもの   作:ZENGI

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第2話

 

 

 

 

小学5年生になって早二学期の土曜日、俺はぐうすか寝ていた

 

「まったく…ほら起きなさい」

 

誰かが起こしに来る。もっと寝かせろください

 

目を細く開け、誰かを見る

 

「ん…おはよう詩乃」

 

起こしていた人物は詩乃だった

 

「やっと起きたか…」

 

詩乃はため息を付きながらいう

 

時間を確認すると9時だった

 

「もうちょっと寝かせてくれてもいいんじゃないか?」

 

「ダメよ、起こさなかったら休みは延々と寝るんだから」

 

( ´・ω・`)

 

さて、詩乃が何故家にいるか説明しよう

 

そう、友達になったあの日から詩乃は学校に行く時は俺の家の前で待っていた。そして1度俺が寝坊して2人とも遅刻になりかけた事があった。そこから詩乃は平日、休日関わらず起こしに来るようになった。

 

何故、俺の家に入れるかだって?

そりゃ親が詩乃に合鍵を渡したからだよ

 

その時の両親の目はイチャイチャカップルを見るような目だった

 

俺が大人だっら容赦なく蹴飛ばしてたな

 

まぁ、いいや

 

そして詩乃が何故か帰る支度をしていた

 

「もう帰るのか?」

 

「えぇ、11時から用事があるし早めに帰って用意しないと」

 

「そっか、気をつけていけよ〜」

 

「言われなくてもわかってる」

 

詩乃が帰ったあと、俺はゲームを取り出した

まぁ、ポケ〇〇だが。これを見た時懐かしくなったので親に買ってもらったのだ。案の定やってみたら面白かったのでドハマりしている

 

「おっしゃー!リーグクリアした!」

 

そして、時計を見てみた。いつの間にか11時を過ぎようとしていた

 

「ありゃ、時間が経つのって早いなぁ」

 

と言い、再びゲーム画面に目を落とした

ん?何か忘れている気が

今日は何曜日だ?

 

 

 

 

あっ

 

 

 

 

 

 

しまった

 

 

 

 

 

 

 

 

「やばい今日だ!あの事件が起こるのが今日だ!」

 

急いで身支度を整え、家から飛び出した

 

郵便局まで歩いても5分もかからないが、それでも俺は走った

畜生、なんで忘れていたんだ!

 

郵便局についた

 

急いで中に入った

 

「詩乃っ!」

 

「大輝!?なんで」

 

「いいから早く逃げろ!早く!!」

 

俺は焦った

失念していた

最悪の事態が起ころうとしていた

 

「この鞄に金を入れろ!」

 

「スイッチを押すなよ!押したらわかってるだろうなぁ!?」

 

男は拳銃を突きつけながら言う

 

「クソ…」

 

男性がスイッチを押そうとする

バーンと拳銃の音がした

 

「押すなって言ってるだろうがァ!」

 

押そうとした男性は撃たれ倒れた

 

まさにそこは阿鼻叫喚だった

 

「早くしろぉ!早くしないとこの女がどうなってもいいのか!?」

 

男は拳銃を詩乃の母親に向けた

 

「お母さんっ!」

 

詩乃が男に向かって駆け出そうとした

 

「待てっ!」

 

間一髪、腕を掴む

 

 

「どうしてっ!?早くしないとお母さんが!!」

 

「今お前が駆け出してどうする!?死ぬかもしれないんだぞ!」

 

普段出さない口調に詩乃はびくっとした

 

「で、でもお母さんが…」

 

詩乃は今にも泣き出しそうだった

 

「俺に任せろ」

 

そう言って俺は男に向かって駆け出す

この時のために体術だのなんだの鍛えてきたから、相当な瞬発力が付いているはずだ

 

俺は男と肉薄し、足を蹴る

足を蹴られた男は態勢を崩し倒れた。その拍子に拳銃が飛んでいった

 

「このっ、ガキィイイィィイィイイ!!」

 

男は馬乗りになって殴ろうとする俺を掴み押し倒した。立場が逆転した。やはり麻薬中毒者であっても、大人の力と子供の力とは差がある

 

「こ…のっ…!」

 

男の顎を蹴飛ばし、態勢を立て直そうとする。

立ち上がろうとした瞬間、男がどこかに隠し持っていたナイフで俺の顔を切った。

 

「ぐあああっ!?」

 

痛い、切られたところがとてつもなく痛い。痛いところに手を当ててみると血がべっとりと付いたそして、その場所は左目だった

 

男は笑いながら俺を掴み再び押し倒した。そしてナイフを俺の腹つき刺した

 

「うあああああっ!?」

 

男はまたナイフを俺に突き刺そうとする

 

ここで俺の人生は終わりか…

 

バン

 

拳銃の音が再び郵便局内で鳴り響いた

 

直後男の体から力が抜けていくのがわかった

 

助…かった…のか?

 

薄れていく意識の中で詩乃が拳銃を持ったまま震えているのが見えた

 

あぁ…俺は…助けられなかったんだな…

 

そこで意識はブラックアウトした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は水の中にいる。そして深く深く潜っていく

底にある光を目指して。

そしてやっと底についた

俺は光に触れた。それはとても暖かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…知らない天井だ。」

 

某名台詞?を言って目覚めた

起き上がると腹に包帯が巻いてあるのがわかった

顔の左側方面に違和感を感じた。触ってみるとガーゼの感触があった。

 

「そうだ…切られたんだ」

 

「目覚めたかね?」

 

前を向いたら医者がいた

左目を気にする俺に「君の左目は残念ながらもう二度と光を取り戻すことは無いだろう」と言った

 

「…すまない…辛いだろうが…」

 

「…詩乃は?」

 

「…朝田詩乃さんはあの後病院に運び込まれた。右肩を脱臼してたんでね」

 

「そっか、それ以外に何もないのか?」

 

「…何の異常も見つからなかったよ。だから昨日退院して既にお家へ帰ったよ」

 

それを聞いて安心した

詩乃を護れたんだ、悔いは無い

 

「君の方が重症なんだ。寝てなさい」

 

と言って医者は居なくなった

 

病院のベッドに寝転がった。そして目が重くなっできたので寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…?」

 

なんか体が重かった。横を見てみると詩乃がいた。スースーと寝息をたてて寝ていた。

詩乃の手をそっと握った

 

 

数分後

 

詩乃が起きた。それも顔を真っ赤にしながら

 

 

「やぁ、おはよう詩乃。」

 

「お、おはよう」

 

ぎこちなく挨拶をする詩乃。不思議に思ったので

 

「どうした詩乃、なんかあったのか?」

 

「…」

 

何も答えない…が

 

涙を流して何度も「ごめんなさい」を繰り返していた

 

「はぁ?いやなんで詩乃が謝んだよ」

 

「だって…私のせいで大輝の左目が…お腹がナイフで…」

 

「別にこれぐらいどうってことないさ。すぐに日常に戻れる。逆にこっちがお前に謝りたいぐらいだ」

 

?と顔をする詩乃

 

「拳銃撃たせてごめんな、怖かったろ。」

 

詩乃を抱きしめて言う

 

「ずっと俺はお前を護るから。だから泣くな」

 

「大輝…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺達はこってりとしぼられた

当然俺が酷かったが

 

そしてあの時の行動をみんなしてニヤニヤしながら見てたらしい

 

ふざけんなと親に蹴りをいれた

入院中、ずっと遠近感を掴むリハビリを続けていたおかげでどうにか遠近感に慣れていった俺である

 

また、俺の身に不思議なことが一つ起こった

 

俺の頭の中に浮かんだ物が現実となったことだ。それは一パターンだけでなく何パターンも見るようになった

 

要するにこれは、二つ目の特典が開花した事だ

 

その事は親とかにも詩乃にも言ってないけどな☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は退院し、学校に再び通うことになった

当然左目にガーゼを付けている

若干厨二見たくなってるが気にしない。(決してカネキクゥゥンじゃない)

 

やはりひそひそと噂が立っているようだ。

酷いやつなんか、アイツの左目には邪気眼が宿ってるんだとか厨二くさいことをぬかしてたし

俺に邪気眼なんてないです

 

俺の机にランドセルを置くと何やら声が

 

声のした方に言ってみると、男子の目の前で詩乃が突き飛ばされ尻餅を付いていた。

 

「何やってんだ!」

 

割って入る

 

「人殺しが俺の荷物に触れようとしたから突き飛ばしただけだ。あーあこいつのせいで俺の手が汚れちまったよ」

 

俺の中で何かが切れた

 

「てめぇ今詩乃のことをなんつった?」

 

「だから人g「違う!!」」

 

男子の胸ぐらを掴む

 

「詩乃は人殺しなんかじゃねぇ!」

 

男子を壁まで追い詰めた

 

「お前、まさか人殺しの見方になる気かよ。ダッセー」

 

「ふざけんな!!」

 

怒りが大爆発し、殴った

 

「やんのかコラァ!」

 

取っ組み合いまで発展し、誰かが先生を呼ぶまで終わることは無かった

 

その後、応接室でまたまた親にしかられた

 

 

 

 

 

 

 

 

応接室から出ると詩乃がいた

 

詩乃に向かって俺は笑顔を向けた

 

だが詩乃はどこか悲しい目をしていた

 

「大輝、話があるの」

 

詩乃から話があるのは珍しかった

 

「どうした?」

 

笑顔で答える

 

「もう…私と関わらないで」

 

その言葉を聞いた瞬間、凍りついた

 

「は…?なんでだよ…」

 

理由を聞く

 

「だって…私と居ると大輝に迷惑がかかっちゃう。だから」

 

「迷惑じゃない!言ったろ!護るって!!」

 

「私は…人殺しなんだよ?その人殺しの手を握ってくれるの?背負ってくれるの?」

 

「あぁ!握ってやるし、背負ってやる!!」

 

「ありがとう…ありがとう…」

 

詩乃は泣いていた。

俺はそっと抱きしめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またその時の場面を親達がニヤニヤして後で俺にチョップされたのは別の話




なんか恋愛みたくになってしまった

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