スパロボ学院 ~ OGだよ、全員集合! ~   作:北洋

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<注・意・事・項>
絶賛、キャラ崩壊中!
○条さん「その幻想(キャラのイメージ)をぶち壊す!」
スパロボJ3人娘の1人が激しくキャラ崩壊しております。
主人公もキャラ崩壊中。
キャラ崩壊レベル5(MAX5)ですので注意してください。

それでも良いという方はどうぞ!


バーニングラブ ~ラストクリスマスの真っ赤な誓い~

 

 初めまして、私の名前はカルヴィナ・クーランジュ。

 

 何故か高校の密集する地域「エリア」。その地域でとある仕事をしていて、業界内では「ホワイトリンクス」の異名で知られているわ。

 私の仕事は企業専門の「再建屋」 ── 理由は不明だけれど「エリア」には「マオインダストリー」に代表される大企業の乱立している。

 大企業の力は絶対的で、どこか台風のような天災にも似ているわ。

 煽りを受けて倒産したり吸収合併される中小企業は沢山ある。多くの企業は大企業に迎合していったけど、それを良しとせずに独自の道を進み、抗う反骨心を持つ企業も数える程だけど存在している。

 私の仕事は、そういう潰れかけた少数派の中小企業の再建。

 現在取り組んでいるのは「クロイツェル社」の企業再建なの。

 

「クーランジュ、メルアはコーヒーを入れました。休憩にしましょう?」

「ありがとメルア。これを済ませたらすぐ行くわ」

 

 金髪美少女 ── メルア・メルナ・メイアに呼ばれ、処理中だった企画書の手を止める私。

 メルアは「エリア」一のマンモス高校、ジェネ高に通っている高校2年生だ。自分のことを名前で呼ぶ、少し天然の入った少女だった。金髪以外の特徴は大きな胸。かなり大きく、それなりあった私の自信を見事に砕いてくれる位にサイズだわ。

 メルアと一緒に飲み物が用意された接客室に向かう。

 潰れかけの「クロイツェル社」に客なんて来ない。私たちの休憩室と化している接客室に入ると、赤い髪をした、これまた美少女がケーキを凝視していた。

 

「遅いよ、カルヴィナ! ケーキ全部食べちゃうぞ!」

「待たせてごめんねテニア。さあ、お茶にしましょう」

「わーい!」

 

 美少女 ── フェステニア・ミューズはまるで「よし!」と言われた犬の様に、テーブルに用意されていたケーキに手を伸ばし、口に運ぼうとする。

 しかし ──

 

「待て!」

 

 ── テニアに待ったをかける声があった。

 艶やかな黒髪を持つ美少女だった。

 

「テニア、お行儀が悪いわよ。少しは我慢しないと駄目でしょう?」

「で、でもカティア、アタシもう我慢できないよ!」

 

 躾をする主人のような美少女 ── カティア・グリニャールに反論するテニアの姿は実に元気一杯だ。

 テニアは食べ物に目がないからね。目の前にケーキを置かれては我慢できないのは無理ないわ。今にもケーキに頭から突っ込んで行きそうな勢いね。

 その様子を諭すカティアは外見通り実に真面目な性格をしており、テニアとメルアを合わせた3人娘を取りまとめるリーダー格と言っていいわね。

 何事にもキッチリカッチリしており、ルールやマナーを破ることは絶対に許さない。

 

「まだメルアとミストレスが席についてないでしょ」

「で、でも……!」

「頂きますもしていないわ」

「うー、うー……!」

 

 カティアの正論にテニアが唸っていた。ちなみにミストレスと言うのは私のことで、ミスターの女性版らしい。

 テニアはもう限界のようね。私とメルアは席に着き、カティアが号令をかける。

 

『頂きまーす』

 

 いに一番にテニアがケーキに齧り付いた。

 

「あまぁぁい!」

 

 テニアは恍惚の笑みを浮かべ、私達は3時のお茶とお喋りを優雅に楽しんだ。

 メルアと同じく、テニアとカティアもジェネ高に通う高校生だ。

 高校生が何故「クロイツェル社」にいるのか、不思議に思う人もいるかもしれないから説明しておくわね。

 彼女たちはアルバイトなのよ。普通の企業は高校生を雇ったりしないんだけど、「クロイツェル社」は経営破綻寸前で社員も次々と辞めて人材不足は深刻……才能のある人材なら高校生でも迎え入れているのが現状なの。

 彼女たちには主に放課後や休日に出社してもらい、私の秘書として働いてもらっているわ。

 おかげで再建の計画も順調に進んでいる。とても助かっている。歳は離れているけど、3人娘は私の頼りになる相棒たちよ。

 

「ねえねえ、今年のクリスマスはみんなどうするの?」

 

 頬にクリームをつけたテニアが声を上げた。

 

「もちろん、アタシは統夜と一緒に過ごすんだ!」

「そんなの駄目です。統夜と過ごすのは私です」

「違います。統夜さんと一緒にクリスマスするのは私だと、メルアは主張します!」

「アタシだよ!」

「私です!」

「メルアです!」

 

 私を置きてきぼりにして、3人娘が口喧嘩を始めてしまった。

 以前聞いた話だけど、3人は好きな人がいて、それが同じ人らしいんだ。確か名前は紫雲(しうん) 統夜(とうや)。アルバイトしているのも、好きな彼へのプレゼントやデート費用を捻出するためらしい。

 会ったことはないけど、3人娘に慕われているなんて幸せな少年だね。

 ……最も、私にだって想い人ぐらいいる。

 

「ねえねえ、カルヴィナはどうするの? 1人でロンリークリスマス?」

「失礼ね、そんな訳ないでしょう?」

 

 口論が終わったテニアの質問に答えてあげることにした。

 

「自慢じゃないけど、私にはステキな彼氏がいるんだから。彼と一緒にホワイトクリスマスを過ごすに決まってるじゃない」

「スゴーイ、でもそれって自慢だよね?」

「まぁね」

 

 コーヒーを飲みながらの返答にテニアが目を輝かせていた。大人の女性を見る羨望の眼差しだ……けど、このコーヒー甘いわね。角砂糖何個入れたのかしら?

 コーヒーを入れたメルアが言う。

 

「アル=ヴァン・ランクス。同じ再建屋をしていた縁で知り合ったんですよね? いいなー、メルアも統夜さんと恋人同士になりたいです」

「駄目だよメルア! 統夜はアタシのモノなんだから!」

「2人共なにを言ってるんですか? 統夜は私のことが好きに決まっています!」

 

 何故か第2次統夜争奪口論が勃発していた。

 

 そう、私の恋人の名前はアル=ヴァン・ランクス。

 容姿端麗、文武両道、周囲への気配りができ私にだけ優しい最高の男性よ。

 あぁ、アル=ヴァン……世界で一番私の大切な人。愛する人。彼は私の全て……あぁ、アル=ヴァン……私にとって貴方は世界よりも大切な全てだわ。

 

 ……でも最近、彼に連絡がつかないの。

 留守番電話にメッセージを入れても、返信が返って来ない……もうすぐ、クリスマスイブなのに……もしかして、他に女が出来たのかしら?

 アル=ヴァンの容姿なら女遊びなんて好きなだけできるでしょうし……ううん、あのアル=ヴァンに限ってそんなことある訳ないわ!

 武士道精神が彼の座右の銘。

 浮気なんてするハズがないわ……でも……もし、していたら……うふふ、その時は……

 

 あぁ、アル=ヴァン!

 私は貴方を殺したい程に愛してる!!

 

 

 

 スパロボ学院 ~OGだよ、全員集合!~

 バーニングラヴ ~ラストクリスマスの真っ赤な誓い~

 

 

 

 クリスマスイブ、前日。

 

「統夜へのクリスマスプレゼントを買いに行こう!」

 

 テニアの提案で、私と3人娘は「エリア」にある繁華街へと繰り出していた。

 今日は「クロイツェル社」の再建業務も休日だ。連日働いていては身が持たないし、息抜きも必要ということで私は彼女たちに同行していた。

 3人娘の統夜を廻る口論は、一応彼へのクリスマスプレゼントを一緒に買おうという話に落ちついたらしい。統夜は私のものだ、と豪語していたにも関わらず3人でプレゼントを買いに行くあたりは、やはり3人は仲の良い親友同士なのだろうと思う。

 私もアル・ヴァンへのプレゼントを買う予定だったし、この提案は好都合とも言えた。

 

「3人は統夜君になにをプレゼントするの?」

「はいはい! アタシはハムの詰め合わせセット買うの!」

 

 元気にテニアが答えてくれた。

 

「それはお中元でしょう? それにテニアが食べたいだけでしょ?」

「えへへ、バレたか!」

「メルアはケーキをワンホール買って行きます」

「それもメルアの好きなモノでしょう? まぁ、クリスマスだからケーキというのもあながち間違いじゃないけれど……」

 

 メルアにまで突っ込みを入れるカティア。2人がボケだと、必然的に残ったカティアがツッコミ役が回って来る。ちなみに、そんな彼女が選んだのは『超機合神 バーンブレイド3 決戦! ダイミダラー』と書かれたアニメ映画作品だった。

 アニメって……統夜君とやらはアニメが好きなのか? しかしカティアの顔を見るとニヤけていた。このチョイスはおそらくカティア自身の趣味みたいに思えるけど。

 レジで会計を済ませて来たカティアが尋ねてくる。

 

「ミストレスは何を買うのですか?」

「私? うーん、どうしようかしら?」

 

 3人娘のように自分の好きなモノを買うのも一つだが、プレゼントは相手の喜ぶモノを渡すのが鉄則よね。

 アル=ヴァンが好きなモノと言えば……刃物かしら?

 居合道を嗜んでいる彼は趣味で日本刀の収集も行っており、刀以外の刃物にも知識が深く、使う包丁にもこだわりを持っているの。

 以前プレゼントした包丁もいたく気に入ってくれ、今も愛用してくれているらしいわ。

 私は3人娘を連れて刃物専門店に入る事にした。

 

「アル=ヴァンさんって刃物好きなんだね!」

「そこだけ聞くとただ危険人物にしか思えない、とメルアは思うのです」

「失礼ね! 彼のは実用も兼ねての趣味なのよ!」

 

 日本刀も居合道で使用しているぐらいだもの。飾るだけの日本刀には興味がない、飾りっ毛よりも実用性を重視する質実剛健の男なのよ。

 

「それを聞くとさらに危険人物としか、メルアはメルアは思えなかったりして?」

「殴るわよアンタ! あとその喋り方止めなさい、色々な意味で危険だから!?」

 

 刃物屋さんの中を探してみても、置いてある商品の殆んど包丁だった。まあ当然か。でも包丁にも色々な種類があるみたいで、細長いモノから分厚く短いモノまで多種多様に揃えられている。

 その中で私の目を引く品物があった。

 

「あ、コレいいかも」

 

 小さな果物ナイフだった。

 装飾なんて一つも施されていないけどその分切れ味は鋭そうな印象を受ける。実用性を重視した、アル=ヴァンのイメージにぴったりの果物ナイフ……一目で気に入った。これならきっとアル=ヴァンも気に行ってくれるはずだわ。

 

「お爺さん、これ下さい」

「あいよ」

 

 店員のお爺さんが果物ナイフを丁寧に包んでくれた。

 

「さて、プレゼントも買ったし、これからどうしようかしらね?」

「はいはい、アタシはご飯食べたいです!」

「大きなチョコレートパフェが食べたいなと、メルアはお願いしてみます」

「統夜と一緒に早く『バーンブレイド』を見たいです」

「ああ、そう……」

 

 三者三様好き勝手なことを言っていた。

 帰宅しなければならないカティアの提案は却下。昼時ということもあり、テニアとメルアの案を採用してスイーツの美味しいお店に向かう事にした。

 テニアもメルアも満面の笑みだが、間違いなく私に食事をたかるつもりみたいね……社会人だから仕方ないけど、テニアには少し手加減してもらいたいわ……と。

 

「あれ? アル=ヴァン?」

 

 目当ての店の前に私の彼氏 ── アル=ヴァン・ランクスが立っていた。

 携帯でも連絡がつかなかったからアル=ヴァンの姿を見るのは本当に久しぶりね……あぁ、アル=ヴァン。やっぱりカッコいいわ!

 

「ねぇ、アル ── 」

「あ、統夜だ!」

 

 アル=ヴァンに声をかけようとしたがテニアの大声に遮られた。

 紫髪の美少年が私の視界に入ってくる。

 その統夜と呼ばれた少年はアル=ヴァンの元に駆け寄って行った。そして二人で笑いあいながらスイーツが有名な店の中に入ろうとしている……え、どういうこと?

 

「おーい、統夜ー!」

「ちょっと黙ってテニア!」

「なにするのカルヴィナ ── むぐむぐ!」

 

 私は慌ててテニアの口を押さえつけた。

 アル=ヴァンと統夜君は私たちに気付くことなく入店していった。

 

「ちょっと、どういうことよ!?」

「ひ、ひぃ、止めてよカルヴィナ! 首締めないで、苦しいよ!」

「ミストレス! 落ち付いてく下さい、ミストレス!!」

 

 私は至って冷静よ!!

 ホワイト・リンクスの異名を持つ、敏腕の企業再建屋よ! 常日頃から冷静に全てを観察するのは得意中の得意だわ。

 腕を掴んでくるカティアを振り払いながら分析した。

 アル=ヴァンが最近私からの連絡に答えなかった→もしかしたら浮気している可能性がある→今、アル=ヴァンは統夜君と一緒に入店した→同伴?→統夜君はアル=ヴァンの不倫相手……?

 ……なによ? え? 冷静になれですって!?

 失礼ね、私はいつでも冷静よ!

 あぁ、アル=ヴァン! 私というものがありながら……どうしてなの!? 私に魅力が足りないの!? しかも相手が男だなんて、信じられないわ!!

 ちなみにテニアは私の手の中で泡を吹いていた。

 

「きっと統夜さんが受けに違いないと、メルアは思うのです!」

「いやあああああああああぁぁぁぁっ!!」

「錯乱しないで下さい、ミストレス! ああテニア、しっかりしてテニア!」

 

 カティアが私の手に絡みついてくる、邪魔だ!

 

「攻めはきっとアル=ヴァンさんです。アル=ヴァン×統夜さんはきっと需要が高いだろうと、メルアはメルアは想像します」

「いやぁ不潔よぉー! 不潔不潔不潔ふけつふけつふけつふけつfuketu ──」

「止めてッ、お願いだからメルアも煽らないで! ミストレスが壊れてしまうわ!?」

「嘘だ!」

「ひッ、ぐらし?!」

 

 意味の分からないことを言うカティアに鉈 ── は無かったから、テニアを叩きつけてやると、カティアは目を渦巻にして倒れた。

 

「嘘だ嘘だ、嘘だ! こんなの嘘だ! アル=ヴァンが、私のアル=ヴァンがぁ! ○×○な事をする訳がないわ!」

「クーランジュ、ひとまず落ちつきなさいと、メルアはクーランジュに言い聞かせます」

 

 メルアが店の中のアル=ヴァンたちを指差した。

 前面ガラス張りの店内の窓際にアル=ヴァンたちはいる。彼は統夜君と笑い合っていた。気難しい彼が私にしか見せない笑顔……許せない。

 目を爛々と輝かせたメルアが、

 

「追跡するのです、とメルアはクーランジュに提案します」

「追跡?」

「ストーキング、とも言います。統夜さんが本当にBL展開になるのでしょうか? メルアはとてもとても気になるのです」

 

 メルア……甘いモノの食べ過ぎで頭が腐ったようね。

 でもメルアの言うことは正しい。

 まずはアル=ヴァンの疑惑を解消しなくては! 

 

「あんたたち、起きなさい!」

「痛い!」

 

 気絶していたテニアとカティアをヒールで思い切り踏みつけてやった。さぞかし痛かったのだろう。一瞬で目を覚ました。

 テニアは泣きべそをかいていた。

 

「酷いよー、痛いよー! カルヴィナ、何でこんなことするのよ!?」

「黙れ! あんたたちも2人のこと気になるでしょう! 行くわよ!」

「ミストレス、行くって何処へですか!?」

 

 間の抜けた事をカティアが訊いてくる。素直で真面目だけど、愚鈍な子ね。

 店に乗り込むに決まっているじゃない!

 統夜君を尋問して、アル=ヴァンとの関係を白状させてやる……と私が店内を睨んだ時には2人の姿は既になかった。

 

「おのれ、何処へ行った!?」

「クーランジュ、あそこです。と、メルアは指さしながら言うのでした」

 

 メルアの指す方向にアル=ヴァンたちは歩いていた。

 

「な……ななな、なんで手を繋いでるのよ!?」

 

 アル=ヴァンと統夜君は手を軽く握り合いながら、私から遠ざかって行く。

 

「統夜、アタシと言う者がおりながら……!」

 

 テニアの眉間に皺が寄っていた。

 

「うぅ……統夜、私とのことは遊びだったのですか?」

 

 カティアの顔面にも青筋が走っている。

 

「ハァハァ、どうだ紫雲 統夜? 俺のビームライフルの威力は? でかくて避けてしまいそうだろう? 

統夜パート。

グアァ、な、なんて威力なんだ!? あ、あまりに大きい……さ、避けてしまいそうだ!? あぁ……や、やめてくれアル=ヴァン……ァ、イ……イクゥ……ああぁ、ユ ── ユニバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァサル!!!!

とメルアはとても興奮しています」

 

 死ね!!

 メルアは救えない。もはや心底腐っているみたいね。

 

「それよりも今は2人を追わなくちゃ!」

「「イエス、妃殿下様(ユアハイネス)!!」」

 

 カティアとテニアが私に敬礼をした。

 一瞬の間に私と2人の間には主従に似た関係が出来上がっていた。平時であれば「可愛い奴……」と愛でてやれる所だけれど、緊急時であるし○アスを使えない私にグズグズしている余裕はないわ。

 下僕たちと忠誠心ゼロのメルアを連れて、アル=ヴァンたちのストーキングを開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 こちら、スネーク(カルヴィナ)。

 これから、アル=ヴァンと統夜君が回ったルートを紹介しようと思う。

 特に廃スペックなスーツなど持っていない私達は、繁華街とという環境と、休日と言う日程がもたらす人混みを利用し気づかれることなく2人の尾行に成功していた。

 ……結果として、追跡しなければよかったと後悔することとなる。

 

 彼らが最初に訪れたのは『女性用の洋服売り場』だった。

 

 見た光景は、2人は店内で商品を手に取り歓談している様子……美男子同士の絵は眼福に値するが、メルア以外は心に深い傷を負う事になってしまったわ……。

 だって男同志が女服売り場で盛り上がるシーンなんて、誰も見たくないでしょう?

 私だってそうよ? アル=ヴァンが……質実剛健な私の彼が……女装の気があったなんて信じられないわ。まさに青天の霹靂だわ!

 唯一の救いは彼らが服を買わずに店から出た事ぐらいだった……

 

「統夜……女装は確かに似あいそうだけど……そういう姿は私の前だけにして欲しかった!」

「私、着るよ! 統夜がくれた服なら何でも着るよ?!」

「統夜タン、ハァハァ」

 

 3人娘も私と同様に(約1名を除いて)錯乱していた。

 ……私だって、アル=ヴァンが買ってくれた服なら何だって着るわ! バニーガールにだって、女王様コスチュームだって何でもするわ! だからお願い……男に女服なんて買わないで……。

 

 次に2人が向かったのは映画館だった。

 

 内容は「秋葉原の休日」……某有名作品をパクったラブストーリーだ。こんな作品が出回るなんて世も末だとは思うが、売り上げは上々らしいわ。売上と作品の質は相関するとは限らないけど、本当に世も末ね。

 

「ううぅ……ミストさん、なんでそこまで空気読まない台詞を吐けるの?」

 

 テニアが映画を見て涙を流していたわ。

 迫害されたヲタクたちの最後聖地を守るために立ち上がった正義の軍団と、悪の眷属である警察との最終決戦の場面で一大決起をした場面で、ミストさんが「でも、それじゃ問題の解決になりませんよね?」と発言し、ヲタクたちによって神の制裁を加えられるシーンだった。

 ヒロインたちもミストさんを助ける事は出来なかった。

 

「あーん! ミストさんは永遠に不滅です!」

「人間は社会で生きてる生物なんだから、所属組織の利に反する事言っちゃ駄目よねぇ?」

「ザマァ」

 

 映画に熱中し、当初の目的を忘れた3人娘が好き勝手に感想を述べていた。

 アル=ヴァンたちも映画を見たり、途中で2人でトイレに行ったりと自由に行動していたわ。

 でもエンドロールを見ることなく彼らは映画館を後にしたの。

 

「行くわよ、みんな!」

「あーん、ミストさーん!」

「テニア、いい加減にしなさい!」

「空気を読む必要なんてないのです、偉い人にはそれが分からんのです!!」

 

 意味不明に興奮していたテニアを引きずってアル=ヴァンたちを追った……

 

 

 

 ……アル=ヴァンたちは次に入ったのは……宝石店だった……。

 

 

 

 それも結婚指輪で有名な店だった……

 

「もぅ……駄目よぉ……!」

「しっかりしてよカルヴィナ! 何かの間違いに決まってるよ!」

「そうですよ! 統夜が私を捨てるはずがありません!」

「統夜さんとベッドインするのは私です。と、メルアは主張します!」

 

 3人娘は絶望的な現実を見せつけられても、まだ諦めていない様子だった。

 統夜君が彼女たちを裏切るはずがないと信じているのね。

 ……だらしないわねカルヴィナ・クーランジュ……年下の子たちが諦めていないのに……そうよ、私だってアル=ヴァンは信じているわ。

 

「行くわよ、みんな!」

『はい!』

 

 私たちはアル=ヴァンたちのいる宝石店内に突入した。

 

「アル=ヴァン!」

『「統夜!」さん!』

 

 私たちの声に、清算口にいたアル=ヴァンたち振り向いた。

 

「ん? カルヴィナ? ど、どうしてこんな所に?」

「カティア……それにテニアとメルアまで、一体どうしたんだ?」

 

 アル=ヴァンと統夜君に目が合う。

 統夜君は特に慌てた様子もなかったが、アル=ヴァンの方はと言うと酷く狼狽した様子だった。店員から受け取った掌大の小さな小箱を、急いで懐に収める仕草が非常に怪しい……もしかして……あれは統夜君に渡す用のプレゼントだっんじゃ!?

 

 

〈統夜。結婚指輪だ。俺と結婚してくれ!〉

〈ああ、アル=ヴァン。嬉しいよ。いつまでも君と一緒だ!〉

〈アイ ラブ ユー……〉

〈アイ ニード ユー……〉

 そして2人は貪り合うように互いの唇を ──

「みぎゃあああああああああああぁぁっ!!!」

 

 ── 頭をよぎった映像に私は耐えられなかった。

 

 

「カ、カルヴィナ?! 大丈夫か、カルヴィナ!?」

 

 アル=ヴァンが声を荒げていた。

 嫌……来ないで! この裏切り者め!! 如何にも私のことを心配している体裁で近づいてくるアル=ヴァン……あぁ、アル=ヴァン……愛する、私だけの愛する人。

 私は貴方のことを愛していたのに!

 世界で一番……いえ、宇宙で一番愛していたのに!

 なのに貴方は私を裏切った!! 信じていたのに裏切られた!!

 

「カルヴィナ、落ちつくんだ」

「イヤッ、裏切り者の分際で触らないでよ!」

「な、なにを言っているんだカルヴィナ……?」

 

 そんな困惑したような表情を浮かべても駄目よ。もう騙されないわ。

 貴方はホントは男が大好きな変態で、私との関係は遊びでしかなかったのよ……そうよ、私は弄ばれたんだわ! アル=ヴァンと統夜君に弄ばれたんだわ!

 

「統夜、どういうことか説明してください!」

 

 統夜君はカティアを筆頭に3人娘に詰め寄られていた。

 

「そうだよ統夜! アタシというモノがありながら、酷いよ統夜!」

「……返答次第では全殺しにします……と、メルアは脅迫じみた言葉をかけてみます!」

「そうか……お前たち、ついて来てたのか……バレテしまったのなら、しょうがないか」

 

 統夜君はどこか投げやりな台詞を吐いていた。

 それはアル=ヴァンとの関係を認める発言に他ならないわ……認めたわね! 許さないわ紫雲 統夜! 私は懐にしまっていた果物ナイフに手をかけた。

 怒りに支配されていたのは、当然私だけではない。

 カティアが激昂していた。

 

「許せません……私たちとの関係は遊びだったんですね!?」

「なぁカティア、俺の話を聞いてくれ」

「聞きません! 聞きたくありません! あなた、最低です!!」

 

 涙目になったカティアは統夜から顔を背けた。

 「あーんあーん、統夜ー」とテニアは号泣し、「死のう、とメルアは独白します」とメルアの表情には影がさしている。

 「たくっ……」と統夜君はため息をついて、

 

「まったく……早合点にも程があるぞ」

 

 カティアの頬に手を添えた。

 

「と、統夜……?」

「前にも言ったろ? 俺はお前たちのことが好きだ。超好きだ、愛してる。みんな、俺の愛すべきハーレムの一員なんだ! 捨てたりなんかするもんか!」

 

 男らし過ぎる統夜君の告白の後に、

── パチッ

 カティアの耳になにかが取り付けられた。銀色の小さなイヤリングだった。

 

「ちょっと早いけど、クリスマスプレゼント」

「統夜……さん……?」

「カティアなら似あうと思ってさ……秘密にしていたのは謝るよ。アル=ヴァンさんに店を紹介してもらって買ったんだ……あまり金はないから安物だけどさ」

「あぁ……好きです、大好き統夜!!」

 

 感極まったのか、カティアが統夜君の体に飛び付いた。顔を胸に埋めて恍惚の表情を浮かべている。

 

「テニアもメルアもごめんな。テニアには指輪、メルアにはネックレスを買ったんだ……受け取ってくれるか?」

「うん……うん! もちろんだよ統夜、ありがとう! 大好き!!」

「嬉しい……と、メルアは素直に感激したのでした!」

 

 テニアもメルアもプレゼントを受け取り、統夜君に抱き付いた。

 3人の美少女が1人の男性に抱き付いてるシーンって、中々壮観なものね……って、なんで仲直りしてんのよ!? 統夜君はアル=ヴァンと手を繋いで歩いていたのよ!?

 

「あんたたち、騙されちゃ駄目よ! ソイツはホモなのよ! ゲイなのよ、ゲイナーのよ!!」

「何言ってんだ、この叔母さんは?」

「お、おば……!?」

 

 ムカツクッ、なにこの子? 私まだ20代前半なのに! ピチピチの20代なのに、ちょっと若いからって生意気すぎるわ!

 呪い殺してやろうかと統夜を睨みつけると、彼に抱き付いていた3人娘が私の視界に立ちふさがった。

 

「あんたたち、今ならまだ間に合うわ! 私の元に来なさい! 私たち仲間でしょう!?」

「ミストレス、もう止めましょう……」

 

 カティアが首を横に振っていた。え……なに言ってるのこの子?

 なんだかみょーに優しい目をしている気がする。

 

「これ以上は不毛な争いですよ」

「最後には愛が勝つんだよ!!」

「愛は地球を救う……と、メルアは言っていないけど言わしてもらうことにします」

「う、裏切ったわね!?」

 

 なんてこと……統夜からプレゼントを貰っただけで、3人娘にあっさり掌を返されてしまったわ!

 酷い、酷い、みんな許せない!

 裏切り者には死を! 私は懐の果物ナイフに手をかけた。

 

「アル=ヴァンさん」

 

 統夜……いえ、クズがアル=ヴァンに話掛けて来た。ゴミ如きが私のアル=ヴァンに馴れ馴れしく接しないでよ!

 

「もうバレテしまったんだ……アル=ヴァンさんも覚悟、決めちまえよ」

「……ああ」

 

 なによ、この会話?

 秘密ごとを共有した者の持つ特有の雰囲気を二人は醸し出していた。怪しい……やっぱり、この2人は怪しい!

 

「いやああぁ、不潔、変態! アル=ヴァン×統夜なの? 統夜×アル=ヴァンなの? どちらにせよ最悪よ!!」

「カルヴィナ、話を聞いてくれ」

「嫌、近づかないで!!」

 

 私はアル=ヴァンが差し出した掌を払い除けていた。

 

「ッ!?」

 

 それも彼に買った、プレゼントの果物ナイフで。

 掌に直線が走って鮮血が飛び散り、店内が一気にザワメキたつ……やってしまった……。店員の「警察だ、警察を呼べ!」という言葉が聞こえてくる。

 力が抜けて、私は地面に座り込んでしまった。

 

「大丈夫か、カルヴィナ?」

「あぁ……アル=ヴァン」

 

 私の愛する人……世界で一番大好きな人……私は彼を傷つけてしまった。

 彼は無傷な方の手を私に差し伸ばしてくれている……でもきっと、私にこの手を取る権利はない……

 今、私の目の前にいるのは……私の、世界一大切な人。世界で一番、守りたい人……あぁ、アル=ヴァン。愛してるわ、殺したい程に……。

 貴方は私の全て。

 誰かに取られるくらいなら……いっそのこと……

 

「さようなら……アル=ヴァン」

「え?」

 

 私は彼にプレゼントするハズだった果物ナイフを両手で握りしめ、体ごと彼の体に突き立てた。

 ズンッ、と重く硬く逞しいアル=ヴァンの筋肉をナイフが貫通する。

 

「カル、ヴィナ?」

「さようなら、愛しい人……大丈夫、私もすぐに後を追うわ」

 

 手には赤い液体が滴り、目から出た熱い液体が頬を伝った。周囲のさらに騒然とし、「救急車を呼べ!」という声や悲鳴が耳を通り過ぎて行った……

 ……ああ、これでアル=ヴァンは私だけのもの……永遠に一緒よ、アル=ヴァン。今日はクリスマス前日……神様が生まれた日の近くで死ぬのも悪くないわ……

 

「カルヴィナ……済まなかった」

 

 アル=ヴァンが私に詫びを入れてきた。

 どうして謝るの? 貴方を刺しているのは私なのに、どうして貴方が謝るの?

 彼は私の肩を力強く掴み、ゆっくりと私を体から引き離して言った。

 

「暫く連絡を絶ったり、統夜と街を出歩いたり……勘違いさせてしまうような行動をして済まなかったな」

「アル=ヴァン……勘違いって……?」

「本当は明日渡して、君を驚かせるつもりだったんだが……」

 

 アル=ヴァンは清算口で受け取っていた小箱を懐から取り出した。

 余談だけど、彼の服の腹部分は既に赤く染まりきっており、今も広がり、血液が地面に滴っている……しかし、彼は顔に苦悶を見せたりはしない。

 取り出した小箱をアル=ヴァンが開けると、中身は小さなダイヤで装飾された指輪が収められていた。

 

「カルヴィナ、愛している……その……良かったらなんだが……」

 

 物事を端的に述べるアル=ヴァンは珍しく言葉を淀ませていた……しかし、意を決したのか凛々しい瞳で私を見つめてきて……そして。

 

「良かったら、結婚してくれないか?」

「え……それって……?」

「ああ、我が人生、最初にして最後……一世一代のプロポーズだ」

 

 プロポーズ……アル=ヴァンが……私にプロポーズ……?

 嬉しい……いつの間にか手から力が抜け、果物ナイフは金属音を響かせて地面に落ちていた。

 そして私とアル=ヴァンは、互いの存在を確認し合うように抱き合い、唇を重ねた。

 

「私も、愛しているわアル=ヴァン……私たちはいつまでも一緒よ……」

「あ……ああ……」

「アル=ヴァン?」

 

 途切れ途切れになるアル=ヴァンの声。

 見上げると彼は顔面蒼白であり、腹部からは血が止まることなく流れ出ていた。一瞬、表情が苦痛に歪んだかと思うと、彼が力なく崩れ落ちてしまう。

 

「ア……アル=ヴァン……?」

「ミストレス、なにを茫然としているのですか!? 早く応急処置を!」

 

 カティアが私たちの間に割り込んできた。

 

「救急車が着いたよ! アタシも手伝うから早く車に運ぼう!」

「素人が下手に動かすと危険だと、メルアは思います!」

 

 テニアとメルアがアル=ヴァンの様子を見て言った。

 ……嘘よ……アル=ヴァンが、アル=ヴァンがこんなことになるなんて……嘘よ……!

 

「いやあああああぁぁ、アル=ヴァン!? 

死なないで、アル=ヴァン!! こんなの嫌よ!! お願い、目を覚ましてアル=ヴァン!!」

 

 私が肩を揺するがアル=ヴァンは反応しない。

 

「ッ!? ミストレス、乱暴にしてはいけません!! テニア、メルア一緒にミストレスを取り押さえて!!」

「離して!! 私のッ、私のアル=ヴァンが!! アル=ヴァンが ──── 」

 

 3人娘と統夜に取り押さえられ、無力な私には何もできなかった。

 到着した救急救命士により、アル=ヴァンは担架に乗せられて救急車へ……最寄りの病院へと搬送された。

 

 当たり前のように私は警察に連行され、留置所へ拘留される。

 彼の安否が気になり、気が気ではなかった……。

 

 釈放されたのは3日後だった。

 殺人未遂にも関わらず異様に早い釈放には理由があった。一命を取り留めたアル=ヴァンが嘆願書を提出したためらしい。ありがとう、アル=ヴァン。

 

 あぁ、アル=ヴァン……世界で一番大切な、私の愛する人……護りたい人。 

 待っていて、今、アイに行きます!!

 

 

 

      ●

 

 

 

 俺の名前は紫雲(しうん) 統夜(とうや)。

 

 アル=ヴァンさんが恋人のカルヴィナさんに刺された事件から3日が過ぎた。

 あの後、アル=ヴァンさんはカイメラ医院という小さな病院に運び込まれた。小さいながらに最新鋭の設備を兼ね備えていたようで、あっという間に手術は終了し無事に一命は取り留めることができた。

 なんでもアサキム・ドゥーインとかいう凄腕のモグリの医者がいるらしい。通り名はブラックなんたら。あれだけの失血から命を救うのだから相当腕が立つことは間違いない。

 

「じゃああの時、統夜とアル=ヴァンさんが一緒にいたのは、クリスマスのデートコースの下見をしていたってこと?」

 

 テニアが俺に訊いてきた。

 今、俺たちはカイメラ医院の廊下にいる。アル=ヴァンさんの見舞いに向かっている最中だ。ちなみにお見舞い品はフルーツ盛り合わせ。

 

「ああ。結局あの騒ぎのせいで、お前たちとのデートは流れてしまったけどな」

「じゃあ手を繋いでいたのはどう説明するんですか?」

 

 今度はカティアだ。

 

「想定したタイミングで手を握れるようにする実地練習」

「ふふふ、そこから芽生える禁断の愛。とメルアは淡い期待を抱いて(いだいて)みるのです」

 

 いやいやメメメ、そこは抱かなくていいから。

 俺、美少女にしか興味ないし。

 アル=ヴァンさんは父さんの弟子で、尊敬する年上の男性ってだけの関係さ。

 宝石店に行ったのだって、カティアたちへのプレゼントを見繕うためだし。アル=ヴァンさんはアル=ヴァンさんで彼女へのプレゼントを買う予定もあったみたいだし……まあ、まさかプロポーズの品だとは思わなかったけどな……。

 

「でもプロポーズかぁ……私もいつかされてみたいものです」

 

 横目でチラチラ俺を見ながらカティアが言った。

 

「ねえねえ、統夜が私たちの中で結婚するとしたら誰?」

「当然、私ですよね……と、少し自信無さ気にメルアは尋ねてみます」

「ははは、バカだなぁ3人共。みんな幸せにするに決まってるじゃないか?」

 

 俺の言葉にキョトンとした顔をさせ、彼女たちは反論して来た。

 

「で、でもこの国では一夫多妻制は禁止されていますよ!」

「そんなの、いつか俺が総理大臣になって変えてやるよ」

「あはは、バカだなー統夜は。できるわけないじゃん!」

「でも……ほんの少しだけ期待してみます。とメルアは統夜に伝えました」

 

 他愛ない会話は弾み、いつの間にかアル=ヴァンさんの病室についた。

 術直後なので、まだ一人部屋だ。

 ノックをして中に入ると先客がおり、綺麗にカットされたリンゴをアル=ヴァンさんの口へと運んでいた。

 

「はい、 アル=ヴァン、お口あーんして♡」

「あー ── ハッ! と、統夜? 違うぞコレは、断じてリンゴを剥いてくれなどと頼んだりはしていない ──」

「もう、あーんしてってば!」

「── むぐう!」

 

 哀れ。

 アル=ヴァンさんは俺たちの登場に酷く狼狽していたが、恋人のカルヴィナさんにリンゴを無理やり口に突っ込まれていた。 

 カルヴィナさんは笑っている。

 やっぱり美女は笑った顔が一番だな。美少女じゃないから俺のハーレムに入れれないのが残念だ。

 

「どうやら俺たちはお邪魔虫みたいだな? お見舞いの品はここに置いておくから、後はよろしくやってくれアル=ヴァンさん」

「むぐぅ、むぐぐぅ!!」

 

 リンゴ突っ込まれたままじゃ何を言っているのかさっぱりだな。

 でも意外と元気そうでよかったよ。

 俺たちは病室の外へ出て、ジェネ高へと帰ることにした。

 

 アル=ヴァンさん、カルヴィナさん、末永くお幸せに ── ……

 

 

 

 どうでもいいが、あのリンゴはどうやって剥いたんだろうな? 例の果物ナイフ? まさかな……

 

 

 

ここは高校がなぜか密集する土地『エリア』。

『エリア』には個性豊かな人間が沢山いる。

今日も、楽しく愉快な仲間達がアホな事件を巻き起こす。

次はどんな事件が起こるのだろう……それは誰も知らない

 

 

 

 

 

 




<キャラ紹介>
カルヴィナ・クーランジュ:「ホワイト・リンクス」の異名を持つ企業の再建屋。アル=ヴァンとは恋人同士。黙っていれば美人なのだが、非常に独占欲が強く、アル=ヴァンが他の人といるのを見ると情緒不安定に陥りやすい。俗に言うヤ○デレ……しかし彼が統夜というところを目撃してしまい……

カティア・グリニャール:ジェネ高2年生でアルバイトでカルヴィナの手伝いをしている。3人娘のリーダー格で非常にまじめな性格をしており、2人とは親友兼統夜を廻る恋のライバル。実はロボットアニメ「バーンブレイド」が好きなど、少しオタクな一面もある。

フェステニア・ニューズ:ジェネ高2年生でアルバイトでカルヴィナの手伝いをしている。愛称はテニア。3人娘のムードメーカー的な存在で、2人とは親友兼統夜を廻る恋のライバル。非常に大食いなので、彼女に食事を御馳走する時は注意が必要。

メルア・メルア・メイナ:ジェネ高2年生でアルバイトでカルヴィナの手伝いをしている。一部の人間にメメメの愛称で呼ばれることがある。一人称が自分の名前と言う、3人娘の不思議っ子的な存在で、2人とは親友兼統夜を廻る恋のライバル。甘いものが大好きで脳みそが腐っている(原作では違います)。

アル=ヴァン・ランクス:カルヴィナの恋人。クリスマスにプロポーズして彼女を驚かすために連絡を絶ち、統夜とプレゼントを買いに行くが……? 苦労人。

紫雲 統夜:ジェネ高2年のモテモテハンサム男子。美少女が大好きでハーレムを作っているため、ジェネ高男子とは非常に仲が悪い。そのため偏見なく付き合ってくれる人間のできたアル=ヴァンとは仲がいいのだが……今回はそれが災いに……?



<次・回・予・告>

カズマ「リア充爆発しろ!!!!」

エクセレン「ワーオ、ねねキョウスケ? あそこに、みっともない青春の叫びを爆発させている少年がいるわよ?」

キョウスケ「思春期なんだ、そっとしておいてやれ」

カズマ「ハーレム? ケッ、べ、別に羨ましくなんてないもんね!! ハーレム作る奴なんて、1人の女の子を愛せない浮気な最低男に違いないぜ!! ハーレム野郎なんてみんな死ね!! うおおおおおぉぉっ、彼女欲しいぞぉぉ!!!!」

キョウスケ「止めなくていいのか?」

エクセレン「面白いから放置しておきましょう」

キョウスケ「……そうだな(若い者はよく分からん)。次回予告に行くとしようか?」

キョウスケ
「俺の名前はキョウスケ・ナンブ、ちゃんと彼女もいるぞ!
今回はクリスマスネタだったから、次回はお正月ネタにでもしてみるか?
折角だし家族で鍋をつついたりするホノボノ系でな。
次回スパロボ学院、「俺たちゃヴァルストークファミリー3」
俺のアルトが、愛と哀しみの空を切り裂く!!」

カズマ「絶賛、彼女募集中ぅ ──────────── ッッッ!!!!!!」





今回はヤンデレ回でお送りいたしました。
ヤンデレの内面なんて想像もつかないので変な感じです、ふふふ……。
地味にアル=ヴァンの一人称を忘れてたり、3人娘が主人公をどう呼んでいたかが思いだせなかったりしたので不自然な部分があるかもしれません(メルアは仕様ですが)。
気付いた部分はどうか御指摘下さい。
平沢 唯さん、元ネタありがとうございました!
sibugakiさんも、ケルンバイターさんも感想ありがとうございます!
励みになるし、掲示板の一言でネタが思いついたりするので本当に助かります。

さて、年賀状も大掃除もまだしていない……コタツに入って小説書くと動けなくなります。駄目だコリャ!
次回を年内に更新するかは不明です。
それでは良いお年を~~ノシ
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