スパロボ学院 ~ OGだよ、全員集合! ~   作:北洋

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<注意事項>
絶賛、キャラ崩壊中です!
SRXチームのイメージを崩したく方は、閲覧しない方がよいかもしれません。
ちなみ作者は桃太郎の話は別に嫌いじゃないです。


OG日本昔話シリーズ ~SRX団とモモ太郎~

 むかしむかし、ある所にイングラムお爺さんとヴィレッタお婆さんが住んでいました。

 

 ある日、イングラムお爺さんは街にナンパに繰り出し、ヴィレッタお婆さんは川に釣りへと出かけました。

 もちろん、ヴィレッタお婆さんが釣りに来た理由はその日の食糧を調達をするため、ではなく、自分のお気に入りの武器を綺麗に手入れするためです。

 お婆さんの愛銃の名前は「ベレッタM92」。

 イングラムお爺さんは日頃から浮気が酷いのです。

 ヴィレッタお婆さんは、お爺さんが返ってきたらこれでお仕置きをしてやろうと思っていました。

 

「ん?」

 

 なんということでしょう。

 川で銃を分解して綺麗にしていたお婆さんの前に、どんぶらこっこどんぶらこっこと、大きなモモが流れてきたではありませんか。

 大きさはおよそ1m程、成人男性が体を小さくすれば入れる大きさです。

 

「なんだ、モモか」

 

 銃の整備に忙しいヴィレッタお婆さんの目の前を、大きなモモが流れていきました。

 川縁の大きな岩に、ガツンガツンとぶつかりながら下流へと流されて行きました。

 めでたし、めでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、待てー!!」

 

 するとどうでしょう、大きなモモの中から男の子の声が聞こえてきました。

 不審に思ったお婆さんが声のする方に向くと、大きなモモから人間の手と足が生え、河原を歩いてお婆さんの方に向かってくるではありませんか。

 しかも酷く立腹している様子です、軽くホラーです。

 

「なんで流すんだよ! 拾ってくれよ、話が始まんないじゃ ── 」

── パンッ!!

「ギャッ!!」

 

 歩くモモはホラーなので、ヴィレッタお婆さんは懐に隠し持っていた「ベレッタM93R」でとりあえず撃っておくことにしました。

 「ベレッタM93R」はセミオートと3点バーストの切り替えができる、なんともお得な銃です。

 銃弾を受けたモモはその場に血飛沫を撒き散らしがら倒れました。

 ピクピクと痙攣しています。

 

「デザートはモモにするか」

 

 ヴィレッタお婆さんは、イングラムお爺さんを懲らしめた後の夕食の食後のデザートはモモが良いなと思いました。

 これだけ大きなモモです。

 残った分はゼリーに固めて冷蔵庫に保存しておこうと思いました。

 喜んだヴィレッタお婆さんは、その大きなモモを引きずりながら帰って行きました。

 帰り道で木や岩にモモをぶつけてしまいましたが、中から悲鳴などは決して聞こえてきませんでした、本当です。

 

「やあ、これは大きなモモだ」

 

 街から帰って来て、お婆さんに折檻されたイングラムお爺さんが感心して言いました。

 あちこち撃たれて銃創ができていますが、お爺さんはお婆さんのことを愛しているのでなんの問題もありません。

 さっそく2人でモモを食べることにしました。

 包丁をモモに思いっきり突き立てます。

 

「痛えッ!!」

 

 中から悲鳴と共に大きな男の子が飛び出してきました。

 生まれたままの姿の、どう見ても18歳ぐらいの茶髪の青年でした。

 

 お爺さんとお婆さんには子どもがいませんでしたので、2人は大いに喜びました。

 その男の子は、モモから生まれたのでモモ太郎と名付け、られませんでした。

 2、3日一緒に生活しただけで、その男の子が生粋のロボットオタクだと分かったからでした。

 男の子はモモから生まれたのに、ロボ太郎と名付けられ、元々大きかったため1ヵ月程で立派な労働力(農作業)となりました。

 こうしてお爺さんとお婆さんは楽ができ、末永く平和に過ごしましたとさ。

 めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「めでたくねえ!!」

 

 ロボ太郎は鍬を振り下ろさずに、地面に叩きつけて叫んでいました。

 

「俺は奴隷じゃねえ! ロボットアニメの主人公みたいにヒーローになりたいんだ!」

 

 ロボ太郎は胸の中に燃える、熱い思いの丈を2人にぶつけました。

 するとどうでしょう。

 イングラムお爺さんとヴィレッタお婆さんが「立派になったわね、ロボ太郎」と感激の涙を流しているではありませんか。

 やあ、これはどうしたことだ?

 理由の分からないロボ太郎は、2人に尋ねてみることにしました。

 

「ロボ太郎や、まさかお前が鬼が島に住む悪い鬼を退治しましょうと言ってくれるなんて、私は夢にも思っていなかったぞ」

 

 イングラムお爺さんがとても嘘くさい涙を流しながら答えました。

 もちろん、ロボ太郎はそんなことを一言も言っていません。

 過大解釈もいいところです。

 

「待っていろロボ太郎、私が今、宇宙一旨いキビダンゴを作ってやろう」

 

 もはや涙すら流していないヴィレッタお婆さんはそう言うと、傍にあった引き出しの中から、キビダンゴの袋を取り出しました。

 ヴィレッタお婆さんは腰にその袋と刀、ロボ太郎の懐になにかを忍ばせてきます。

 鬼退治をするなど一言も言っていないロボ太郎ですが、お爺さんとお婆さんに半ば無理やり旅に出されました。

 

「まぁ、適当に頑張れ」

 は、イングラムお爺さんの言葉。

 

「宝を奪うまで帰ってくるな」

 は、ヴィレッタお婆さんが送ってくれた言葉です。

 

 優しい両親に、いつか目にモノ見せてやると心に誓いながら、ロボ太郎は鬼退治の旅に出発したのでした。

 

 

 

 

 

 しかし、そこは生まれてまだ1ヵ月のロボ太郎、鬼が島が何処にあるのかもハッキリ言って分かりません。 

 

 お爺さんがくれた地図は明らかに手書きで、目的地らしき所に「ココ」と矢印は振ってありました。

 それを頼りに冒険を続けていたら、2-3日迷ってしまいました。

 ロボ太郎は超人ではありません、お腹も空きます。

 

「おほ、このキビダンゴ旨っえー」

 

 少し乾燥していましたが、そこは空腹が最高のスパイスとなり、キビダンゴはこの世の物とは思えない美味しさでした。

 1個食べ、2個食べ、3個食べ……気が付くと袋の中身は空になっていました。

 空になった袋をどうしようか、とロボ太郎が考えていたその時、

 

「ロボ太郎、その袋の中にはなにが入っている?」

 

 犬耳を付けた金髪の青年が尋ねてきました。

 

「ライ、じゃなかった犬さん、この中に入っていたのは宇宙一のキビダンゴさ」

「ほう、そいつは茶とも良く合いそうで、とても旨そうだ。

俺に一つ分けてくれれば、ひじょーーに不本意だが、家来になってやらんこともないぞ」

「残念だけど、さっき全部喰っちまった」

 

 袋の口を逆さにして振り、中身がないことを示すロボ太郎。

 しかしそのとき、袋の皮に張り付き奇跡的に残っていた最後のキビダンゴが、コロコロリンと地面に落ちてしまいました。

 もう、砂だらけです。

 

「…………いる?」

「犬(ワン)ダーチョップッ!!」

「モモッ!?」

 

 犬さんの左手がロボ太郎の頭に炸裂しました。

 なぜか犬さんの左手はとても丈夫でしたので、涙目になりながらロボ太郎は地面を転げ回ります。

 すっかり呆れてしまった犬さんが言いました。

 

「いいかロボ太郎。お前非常にアホだ。

おそらくお前一人では、何日歩こうが確実に鬼が島まで辿り着けないだろう。

だから俺が鬼が島まで連れて行き、正しい人の生き方を説いてやろう。

一つ言っておくぞ、決してお前のためではないからな」

 

 「おお、ありがとう」、ロボ太郎は素直に礼を言いました。

 犬はキビダンゴももらわず、なんの見返りもなく仲間になってくれました。

 素晴らしい人格犬です。

 もうキビダンゴ袋は用なしなので、ロボ太郎はここで捨てていくことにしました。

 こうして犬さんはロボ太郎の人生の先輩として、一緒に鬼が島に向かうことになりました。

 ロボ太郎と犬さんがしばらく歩いていると、今度はサルの耳を付けたピンク髪の女の子が現れました。

 

「ロ、ロボ太郎さんロボ太郎さん、日本一美味しいキビダンゴ、私にも一つ下さいな」

「あ、わりマイ、じゃなかったサルさん、さっき袋捨てちまった」

「…………う」

 

 待ち伏せして、意を決して飛び出したのに……サルさんは慟哭のように呟きました。

 衝撃の事実に、サルさんは思わず涙目になってしまったようです。

 あーあー、泣ーかした泣ーかした、ロボ太郎が泣ーかした。

 

「うるせぇ!」

 

 ロボ太郎は誰に出なく、天に向かって叫んでいました。

 涙目のサルさんに理由を聞いてみると、キビダンゴを貰えないとロボ太郎の仲間にはなってはいけないルールらしいです。

 誰が決めたのでしょうか? おそらく天が決めたのでしょう。

 ロボ太郎は、下らないルールに縛られる現代社会の大人のように、サルさんにはなってもらいたくありませんでした。

 

「いいか、サルさん、ルールは破るためにあるんだぜ」

「え、そうなのか、リュ……ロボ太郎さん?」

「ルールを守ることは大事さ。でもな、そのルールの意味を考えるんだ。

無意味なルールに縛られて、その先にある素晴らしい景色を見られないのはとても悲しいことじゃないか!」

「そうか……そうだね、ロボ太郎さん!」

 

 サルさんはルールを破って、ロボ太郎の仲間に加わりました。

 しかしルールを破ると法律で罰せられることがあります。

 良い子の皆さんは、きちんとルールを守りましょう。

 こうしてサルさんはロボ太郎の仲間になり、ロボ太郎一行は人・犬・サルの3人パーティーになりました。

 とても心強いです。

 RPGでは1人だとすぐに死んでしまいますが、3人ならそうそうやられることもありません。

 きっと、鬼とも渡り合うことができるでしょう。

 ですが、ここはやはり回復役が1人は欲しいところです。

 そんなことを考えながらロボ太郎が歩いていると、キジの帽子を被った緑髪の女性が近づいてきました。

 

「ロボ太郎、袋に入った……って袋ないじゃない。どうしたの?」

「アヤ、じゃなくてキジさん、もう面倒臭いからこれで手を打たねえか?」

 

 流石に3回目となる慣れたもので、ロボ太郎は懐からあるものを取り出してキジさんに渡してあげました。

 それはイングラムお爺さんの、とても人に見せられないような格好の写真集でした。

 浮気するたびに、ヴィレッタお婆さんが撮りためていたものらしいです。

 キジさんは顔を真っ赤に上気させ、無言のまま首を縦に何回も振りました。

 こうしてキジさんはロボ太郎一行に加わることになりました。

 これを買収といいます。

 良い子は決して真似してはいけませんよ。

 

「誰に言ってんのかはともかく、いざ鬼が島へ出発だぜ!」

「「「おーー」」」

 

 ロボ太郎、犬、サル、キジ……合計4人のパーティーは一路鬼が島を目指して歩き始めました。

 その道筋は並大抵のものではなく、とても言葉では表せません。

 カクカクしかじか(またの機会にゆっくりお話することにいたしましょう)で、ロボ太郎たちは海まで辿り着きました。

 対岸に鬼が島が見えます。

 しかし船は見当たりません。

 

「ロボ太郎さん、どうやって海を渡るの?」

 

 サルさんが純粋な瞳で尋ねてきました。

 

「うーん……」

 

 ロボ太郎は非常に困りました。

 なにも考えていなかったからです。

 ですが、河原には防風用の松の木が何本も植えられているを見つけ、ポン、と手を叩きました。

 

「よし、あれで船を作ろう」

「「えーー」」

 

 サルとキジから非難の声が上がりました。

 なるほど、サルはまだ体が小さいし、キジは写真集を見て悦っているのでこの仕事は無理でしょう。

 ここは力のある自分が人肌脱ぐことにしました。

 松の木に向かって歩き、スラリと、腰に携えた日本刀を抜きました。

 波紋がとても美しい、間違いなく業物に入る一品です。

 ロボ太郎は上段に日本刀を構え、

 

「天上天下、無敵切りいぃっ!!」

 

 気合一閃、それを振るいました。

 

── パキーンッ!!

 

 ものの見事に日本刀は真っ二つに折れました。

 いくら業物でも、使い手がナマクラではどうしようもありません。

 松の木に空しく刺さった刃先を見つめて、ロボ太郎は途方に暮れてしまいました。

 

「どけ、ロボ太郎」

 

 犬さんでした。

 犬さんが袖をまくると、そこには金属製の腕が覗いていました。義手です。

 

「いいか、ロボ太郎。なにごとも簡単に諦めてはいかん。刀がダメなら、次だ。

最良の方法で努力し、それを形に残すのだ」

「犬さん」

「いいか、これが俺の手だ!」

 

 犬さんはそう言うと、電光一閃、本当に稲妻でも落ちたのではと錯覚するほどの光を見せて、手刀を放っていました。

 

── ズズーン!!

 

 松の木が根元で真っ二つに切られて、倒れました。

 顔が映りそうな程綺麗な断面でした。

 

「よし、船を作るか」

 

 犬さんはそう言うと義手をいじりました。

 すると、なんだがドリルだがチェンソーのようなものが義手から出てきたような気がしたので、ロボ太郎は目を背けました。

 世界には見てはいけないモノが沢山あります。

 皆さんも気をつけましょう。

 小1時間程、ロボ太郎はサルさんと一緒に砂遊びをして過ごしました。

 キジさんはまだ写真集を食い入るようにして凝視しています。

 サルさんがキジさんの方を向こうとする度に、ロボ太郎はサルさんの目を隠して「見ちゃいけません」と諭しました。

 知らない方がいいことも世の中にはたくさんあります。

 それを子どもに取捨選択してあげるのも、大人の大切な仕事なのです。

 

「できたぞ」

 

 達成感に満ち溢れた顔で、犬さんが言いました。

 木製とは思えない綺麗な小型のボートに、なぜかモーターエンジンが付いていました。

 これで鬼が島まであっという間です。

 

「村人に悪逆非道な嫌がらせをする極悪非道な鬼め! 

この天上天下一撃必殺のロボ太郎様が退治してくれるわ! さあ、行くぞ、皆の者!」

「「「おー」」」

 

 ロボ太郎の啖呵に3匹はやる気なく応えました。

 いざ、鬼が島へ。

 一行は悪の城へと突入していきました。

 

 

 

「やあやあ、ここが鬼が島か。お邪魔します」

 

 鬼が島へ突入したロボ太郎一行は、実に堂々と正面の門から、鬼の城の中へと侵入していました。 

 島には鬼っ子1人いませんでした。

 無暗に広いだけの城の中に、1匹だけ奇妙な仮面を被った鬼がいました。

 他に誰もいないので、あの鬼がこの島のボスなのだろうと、ロボ太郎は思いました。

 

「ククク、待っていたぞ。ここまで良くぞ辿り着いたものだ、モモ太郎よ!」

「はぁ? 俺の名前はロボ太郎だぜ?」

「なにっ、いや、しかし台本には『モモ太郎』と書いてあるぞ」

 

 三つ目の仮面を被った鬼が懐から本を取り出して読みだしました。

 しかしロボ太郎一行がそんな鬼に冷たい、白けた視線を送っていることに気付いた鬼は慌てて本を放り捨てました。

 

「こ、この際、細かい事はどうでもよいわ」

 

 ひどく狼狽した様子の鬼はそう言うと、とうっ、と大きくジャンプして玉座から飛び降りました。

 ロボ太郎の真正面、対峙するように構えた鬼が高らかに笑います。

 

「愚か者め、人間風情がこのユーゼ ── んんっ、この鬼が島の鬼に叶うと本気で思っているのか?」

「へへ、やってみなくちゃわからねえだろ!」

 

 ロボ太郎は意を決して、腰の日本刀に手を伸ばしました。

 

「あ」

 

 先ほどポッキリ折ってしまったのをロボ太郎は思い出しました。

 キビダンゴも食べてしまったし、体力を回復する術もありませんでした。

 さて、どうしたものでしょう?

 丸腰のロボ太郎に向かって、鬼は勝利を確信したように笑います。

 

「ふはははは、この鬼を前に考え事か? 青い、青いぞ、ロボ太郎! 

貴様なぞ私が相手をするまでもない。

我が一の眷属、白き死十字架(ホワイトデスクロス)ジュデッカよ、今ここに ──」

── パンッ!!

「ギャ!」

 

 考えるのが面倒臭くなったロボ太郎は、ヴィレッタお婆さんが懐に忍ばせてくれた「レベッタM92」を発砲しました。

 ガインッ、と銃弾は鬼の鉄仮面に命中し、鬼はもんどり打って倒れました。

 言い忘れていましたが、ロボ太郎は実はすごい銃の名手です。

 

「ひ、卑怯だぞ、銃を使うなんて ── ギャーー!!」

 

 元気そうでしたので、ロボ太郎は全弾を顔面に叩きこむことにしました。

 ガインッガインッ、とても痛そうな音が城内に木霊します。

 鬼は鉄仮面の隙間から白い泡を吹いて気を失ってしまいました。

 

「天誅」

「アホか、貴様は」

 

 犬さんがどこからか取り出したハリセンで、ロボ太郎の頭を叩きました。

 

「お前はそれでもヒーローか?」

「なんだよー、悪は滅んだんだからいいじゃねえかよー。おい、それより宝は何処だ? 

早く持って帰らねえとお婆さんに撃ち殺されちまうぜ」

「ロボ太郎さん、あっちにすごい宝物があったぞ!」

 

 サルさんが奥の部屋からなにか持って駆け出してきました。

 手には「バーンブレイド3 劇場版」と書かれたDVDディスクを持っていました。

 ロボ太郎の目が見開かれます。

 

「おおー、それは今や幻の作品と言われる『バーンブレイド3 燃え上がれ、俺の魂(ソウル)!』じゃねえか! 

サルさん、よくやった! 他にはなにかあったか!?」

「他にもフィギアとかゲームソフトとか沢山あったよ! あと、宝石も」

「なんだって! いやっほーーい、やっぱり悪党退治にはこういった役得がないとやってられねえよな! 行こうぜ、サルさん!」

「うん、ロボ太郎さん!」

「私も宝石欲しいわ!」

 

 血走った目でロボ太郎、サルさん、キジさんが奥の部屋へと突撃していきました。

 中にはレアなロボットアニメのDVDやフィギア、宝石や貴金属類が、これでもかというぐらいに貯め込まれていました。

 ロボ太郎たちはその宝物に埋もれて、笑いが止まりません。

 ロボ太郎はDVDディスクとフィギアを両手に持ち切れないので、風呂敷にも包んで背負いました。

 サルさんは「バーンブレイド3」のDVDBOX4期分を両手に持ちました。

 キジさんは目がくらむ程の貴金属類に身を包み、それには飽き足らず、ロボ太郎と同じ風呂敷に大量の貴金属を詰め込んで背負いました。

 

「おい、持って来すぎだぞ」

 

 外で船番をしていた犬さんが言いました。

 

「いいじゃんいいじゃん! これぐらい許されるって! 

なんたって俺たちは鬼を倒したヒーローだかんな!」

「「そーだーそーだー」」

 

 ロボ太郎に賛同した、サルさんとキジさんが声を合わせて言います。

 多数決に負けた犬さんは、しぶしぶ重い荷物を載せて船を岸から出発させます。

 モーターエンジン搭載の船だから、スイスイ荒波を越え、あっという間に鬼が島小さくなって行きました。

 

「さらば鬼が島、また宝取りにくるからなー!!」

「くるからなー!!」

 

 ロボ太郎とサルさんが名残惜しそうに叫んでいました。

 残ったフィギアたちを迎えに来ることを心に誓ったロボ太郎。

 異変が起きたのはまさにそのときでした。

 

「……ん、おい浸水してるぞ!」

 

 船頭の犬さんが叫びました。

 小さな船にあまりにも多くの荷物を乗せたため船底にヒビが入っていました。

 

「ヤバい、みんなヒビを塞げ、手で塞げ!」

「馬鹿! そんなことより荷物を捨てるんだ!」

「「「やだッ!!」」」

 

 異口同音に1人と2匹が絶叫します。

 しかし船底が限界に達したのも、その叫びと同時でした。

 

── バリッ、ザバァン!!

 

 1人と3匹は宝物と一緒に冷たい海の中に放り出されてしまったのです。

 ここは鬼が島が遠く見える、かなりの沖合で、流れもとても早いのでした。

 

「ゴボゴボゴボボボッボー!!(お、俺のフィギアがーー)」

「ゴボボボーボ、ボッボ!!(だから言ったろうが、この馬鹿)」

「ゴボボボボーッ!!(助けてー)」

「ボ、ボウゴボ!!(ほ、宝石)」

 

 冷たい海の水ですぐに体力を奪われて、一行は暗い暗い海の底に沈んでいきました。

 かくして鬼は退治され、村には平和が戻ったのでした。

 めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ●

 

 

 

 俺の名前はキョウスケ・ナンブ。

 俺の心には今、猛烈な感動のさざ波が押し寄せている。

 それはなぜか、今から説明することにしようと思う。

 なぜか高校の密集する地域『エリア』における1番のマンモス高校 ── OG《オリジナルジェレーション》高等学院、通称ジェネ高の体育館。

 そこに俺は、恋人のエクセレンとなぜかついてきたラミアと共に、先ほどの映像を見ていた。

 あの映像は、ジェネ高の映研「SRX団」が作成したものだ。

 昔話をモチーフにした、まったくをもって、とても素晴らしい作品だったと思う。

 

 実にいい話だ、因果応報(いんがおうほう)、まさにその言葉が相応しい。

 

「欲に溺れる者は、結局自分の身を滅ぼす……実にためになる良い話だった」

「その言葉、キョウスケにだけは言われたくなわよねー」

 

 隣の席にいつエクセレンがいやらしい笑顔を向けていた。

 むぅ、それはどういう意味だ。

 

「このギャンブル狂いは、一度死ななければ治りそうにないと思いますのことよ、エクセ姉様」

「そうねえ、いっそ、コンクリ詰めにして海に落としてやろうかしら」

 

 お前たち、爽やかに恐ろしい事を口走るのは止めてくれ。

 それよりラミア、何度も思うが、お前は影鏡(えいきょう)高校の生徒だろう。

 影高は大丈夫なのか?

 ほら、出席日数とか、その他色々、な……今日も、俺たちの楽しい日々は過ぎていく。

 

 

 

ここはOG高等学院。

『エリア』にある地域最大のマンモス高校だ。

今日も、楽しく愉快な仲間達がアホな事件を巻き起こす。

次はどんな事件が起こるのだろう……それは誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




<キャスト>
ロボ太郎 リュウセイ・ダテ
犬    ライディース・F・ブランシュタイン
サル   マイ・コバヤシ
キジ   アヤ・コバヤシ
お爺さん イングラム・プリスケン教諭 (ゲスト)
お婆さん ヴィレッタ・パディム教諭 (ゲスト)
鬼    ユーゼス・ゴッツォ(マダオ)
ナレーター 作者
でお送りしました。
シリーズって書いてあるけど、シリーズ化するか不明です。あしからず。


<次・回・予・告>

エクセレン「ほら、キョウスケ、熱い予告しないとコンクリに詰めて海に沈めちゃうぞ♡」
キョウスケ「……頼むエクセレン、笑顔でさらりと殺し文句言うのは止めてくれ……では行くぞ!」

キョウスケ
「俺の名前はキョウスケ・ナンブ、OG高等 ── 以下略 ── だ!
 次回は今回登場したお爺さん役の人のお話だ!
 教師、そんなの関係ない、俺が目指すのはハーレムだ!
 しかしそんな俺にも家庭がある、実は最近弟が反抗期なんだ!
 次回スパロボ学院『Time Diver ~プリスケン家の日常~』、どんな相手だろうと、打ち貫くのみ!」

エクセレン「この次回予告はフィクションです。実在の人物・団体・企業とはなんの関係もございません。予告と次回の話が違ってても怒らないでねん♪」

感想と要望くれているsibugakiさん、平野 綾さん、ロボッツさんありがとうございます!
凄く励みなり、ネタもいくつか思いつきました。
これからも、よかったら読んでくださいね。
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