スパロボ学院 ~ OGだよ、全員集合! ~   作:北洋

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<注・意・事・項>
絶賛、キャラ崩壊中!
孤狼さんとファミリアさんのイメージが壊れる可能性があります!
嫌な方はユーターンを推奨します!
それでも良いという方はどうぞ!

今回のサブタイトルはあるアニメの主題歌のパロです。
内容もその作品のパロ成分が含まれています、ご了承ください。


鋼鉄の駄狼5 ~ワンだふるデイズ~

 

 ここは何故か高校の密集する地域「エリア」。

 

 地域一のマンモス高校OG高等学院や、地域一の不良のたまり場として悪名高い影鏡高校などが軒を連ねていているが、繁華街や商店街も存在し日常生活に必要なものなら全て「エリア」内で揃ってしまう。

 

 必要なものはすべて揃ってしまう、そんな地域がエリアだ。

 生活必需品や日用雑貨……生活に根付いている物品を取り扱う店が多い商店街を、俺は1人寂しく歩いていた。

 

「…………ふっ」

 

 俺の名前はキョウスケ・ナンブ。

 OG高等学院 ── 通称ジェネ高に通う3年生だ。

 

 今日は日曜日、時刻は丁度昼ごろ……ランチタイムと言う奴だ。商店街の肉屋からは揚げたての旨そうなコロッケの匂いが漂い、某有名ハンバーガーショップでは期間限定商品のチラシが張られている。

 実に美味そうだった。俺の腹の虫たちが今にもクーデターでも起こしそうな勢いで泣きわめいている。

 正直、腹は減っている。

 だが俺は飲食店などには目もくれない。

 ん? 何故か、だと?

 そんなに聞きたいのか、仕方のない奴だ。

 理由が知りたいという稀有な輩は、俺の視線の先にご注目願おう

 派手な電飾がチカチカと、地味な商店街の中に異質な存在感を放ちながら、真昼間から自己主張していた。近づけば店内の音が容易に聞き取れるだろう。チンチンジャラジャラと、「パ」で始まり「コ」で終わる銀球を弾いて遊ぶ遊技場だ。

 ずばり「パチンコ屋」 ── 店前にはドでかい看板が見えた。

 内容はこうだ。

 

 

── 待望の新台「マ○○スFever」登場! 

  超時空妖精、アップル・ボンバー・歌姫ちゃんの歌をキケェェェッ!!

 

 

 ここまで言えば、皆まで言わずとも分かるだろう?

 

「…………ふっ」

 

 俺 ── キョウスケ・ナンブは、パチンコで持ち金を全てスリました!!

 

 逆境無頼キョウスケ ── 初戦敗退編 ── 完

 次回作にご期待ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というのは、もちろん冗談だが。

 実際、俺の財布の中には諭吉様はおろか野口さんも居やしない。小銭入れを覗いてみる。残金110円……昨今では自販機のジュースも買えない金額が、期限切れのクーポン券を除けば今の俺の全財産だった。

 まったく、ツイていない。

 俺は分の悪い賭けには滅法強いが、他人に言わせればそれ以外では滅法弱いそうだ。パチンコ程度ではこの俺を窮地に立たせることは不可能、という事らしい。

 しかし金はないし、腹は減った。 

 どうしたものか、と商店街をぶらついてるのが客観的に見た今の俺の現状だ。

 

「ん? 何だ、あれは?」

 

 俺の目に興味を惹かれる看板が飛び込んできた。

 決して賭け事ではない。小屋を改造したような小さな建物で「真実はいつも1つ! あなたの未来を占います。ライアー堂」と書かれている……どうやら占い屋のようだ。

 金もなく、バイトも非番のため特にやることもない俺の足は自然とその店に吸い込まれていた。

 店先に料金設定が書かれている。

 

「なになに……金運占い(金運上昇グッズつき)が1回110円だと? ……安いな、そして嘘くさい(・・・・)」

 

 安くて良い物は沢山あるが、安い接客業程信用のおけないものはない。

 客を客と思わない不貞の輩が営業している店かもしれないな……もしかすると、110円と見せかけて小さな○が2つ書かれていたりするボッタくり占い屋かもしれない。

 確認したが、その線は流石に無いようだ。

 兎に角だ。大昔に孔子という偉いお爺さんが言ったそうだ。君子、危うきに近寄らず、とな。

 先人の言葉は尊重すべきだ。俺は店から離れようとした。

 しかし料金設定に書かれた魅力的な文句が俺の後ろ髪を引く。

 

「……金運上昇グッズか……」

「いらっしゃい」

 

 気が付いた時、俺は既に占い屋に入店していた。足が勝手に動いたらしい。正直、ここまで金への執着心が強かったことに俺も驚きを隠せない。

 

「ようこそ、ライアー堂へ。私の名前はアイム・ライアード。見ての通りの、真実一路、清廉潔白で嘘が大嫌いな占い師です」

「はぁ……」

 

 俺は占い師アイムに生返事しか返せなかった。

 だってそうだろう? 悪いが断言できる。初対面でしかも客に対して「自分は正直者だ」と主張することほど、胡散臭い自己アピールはない。

 だがしかし、一度入ってしまったものはしょうがない……俺はなけなしの110円を差し出して、「金運占い、あとすぐにでも効果の出るグッズ付きで」とオーダーすることにした。

 

「金運ですね? 分かりました」

 

 アイムは返事をすると、商売道具の水晶玉に手をかざし、むむむむと唸りながら水晶を見る。

 胡散臭いと思っていたが、こうしてみると中々に占い師に見える。

 案外、この店は大当たりかもしれないなと思っていたとき、「整いました!」とアイムが奇声を上げた。

 

「あ、あぁ、でどうだ? 俺の金運は?」

「はい、最高ですね」

 

 アイムが即答する。

 

「もうすぐあなたに30年に一度の大好機が訪れるでしょう。ギャンブルをなさい。勝てば一生遊んで暮らせる額の金が手に入ります」

「それは本当か?」

「はい、もちろんです。私は嘘が大嫌いですから」

 

 ニヤーと口を三日月形に歪ませて笑うアイム。

 かなり胡散臭い印象を受ける。

 俺はアイムの言葉を冷静に分析してみることにした。

 はっきり言って、最近の俺は負けが込んでいる。大負けこそしていないが、小負け子負けの連続で生活も貧窮してきている(実際、占い代を払うと俺は無一文になる)。俺は追い詰められている、正に崖っぷちというやつだ。

 だが俺は内心ほくそ笑んでいた。

 俺は分の悪い賭けには滅法強い。

 例え100回負けていようと、1回の勝ちで逆転できる。そんな大勝ちで波乱万丈のギャンブル界を生き延びてきた男だ。

 最近の負けを考えると、そろそろ大勝ちのサイクルに入ってもオカシクないはず…………ん? なんだ?

 その社会の底辺を見るような視線は?

 馬鹿め。まずは勝つことだ。勝たなければ始まらないのだ。

 アイムの占いは、俺に大勝ちの契機が近づいてきていることを証明しているのだ。きっと、そうに違いない。

 

「今なら、ワンだふるな生活を送れる手助けをしてくれる、このドリンクを差し上げますよ」

「ワンダフルか……悪くないな」

 

 アイムが瓶に入った青色のドリンクを差し出してきた。

 金運グッズ来た、これで勝てる!

 俺はバイトの給料が入るまで空腹に耐える決意を固め、「ライアー堂」を後にした。アイムがニヤニヤと三日月みたいな口をして笑っていた気がするが、きっと気のせいだ。

 俺は意気揚々と帰宅し、軍資金を作るために新しいバイトを探すのだった。

 

 

 

 スパロボ学院 ~OGだよ、全員集合!~

 鋼鉄の駄狼 5 ~ワンだふるデイズ~ 

 

 

 

 カクカクシカジカで、あっという間に給料日になった。

 

 俺は自宅であるボロアパートで出陣の用意を整える。

 バイトの数を増やし手に入れた軍資金を全て引きだし、財布に詰める。耳には赤鉛筆、右手には愛車 ── アルトアイゼンリーゼ号のキー、左手には赤鉛筆で丸印を付けた新聞紙を装備する。

 もちろん、競馬新聞だ。

 まさにフル装備。某龍伝説的RPGに例えれば、伝説の武器をフル装備しているような状況だ。

 

「おっと、忘れるところだった」

 

 玄関口から外に出ようとしたところで、俺は重要アイテムを置いていることに気が付いた。

 そう、「ライアー堂」で貰った金運アップアイテム ── 青色の某○―ション的な雰囲気を覚える飲み物である。

 常温でも大丈夫かと思ったが、一応冷蔵庫に入れておいた。ポー○ョンはキンキンに冷えていて飲み頃のように思えるが、しかし存在そのものが実に胡散臭い。

 なにせこのポーショ○、入手先の男が胡散臭さ全開のアイムだからだ。

 

「……ま、ゲン担ぎぐらいにはなるだろう。さすがに、客に毒物を渡したりする男でもあるまい」

 

 俺はポーシ○ン的飲料を一気に飲んだ。

 漢方薬的な苦みを想像していたのだか、意外にフルーティーで飲みやすかった。空瓶を洗って、とりあえずシンクに置くと、俺は本日の主戦場 ── 馬の遊技場へと足を急がせる。

 ドアを開け、赤錆びた鉄階段を下り、ボロアパートの1階部分に降りていく。

 いつも意識せず上り下りしている階段だったが、今日はなんだか大きく感じた。一段一段降りるのに、普段よりもエネルギーがいる感じだ。

 1階部分に降りると、俺は駐輪場に急いだ。

 アルトアイゼン号を停めている場所に向かう途中、俺は体に違和感を感じた。

 立っている……というより、2足歩行をするのが堪える。

 ためしに両手を地面について、土下座の体勢を取ってみるとこれが無性に安定感があり、心安らぐのを俺は感じていた。

 

「バウ……?(一体……俺の体はどうしたのだ?)」

 

 なぜか、口から犬の声がした。心なしか獣臭……というか体が犬臭い。

 アルトアイゼン号の元に駆け寄ってみる。普段は俺が跨ることができるサイズのアルトアイゼン号が、見上げなければ視界に入れることができない程巨大化していた。

 

「バ、バゥ……ババッバウバウ(正にリーゼ……ってそんなことを言っている場合ではないな。一体どうしたというのだ、俺の体は? そうだ、ミラーで体を確認してみよう)」

 

 俺はアルトアイゼン号のサイドミラーを覗き込むことにした。

 車体が巨大化しているため、ミラーに体が映る位置に移動する。

 ミラーには俺の姿は映っていなかった……

 

 

── 鏡には、柴犬が映っていた

 

 

 頭の部分の毛だけが妙に伸びて、先が金色をしている茶色の柴犬だ。

 服なんて着ている筈もない。降りてきた階段を振り返ってみると、俺が愛用している紅いジャケットとか、ズボンとかパンツとか財布とかが……全部落ちていた。

 俺は全裸だった。

 でも寒くない。

 だって犬だもん。

 

「バオーーン!(なんだ、これはーーーーー!?)」

「あらあら、騒がしいワンちゃんね」

 

 俺が悲痛な叫びを上げていると、黒いロボット的なシルエットのバイクに跨って、金髪の女性がボロアパートにやって来た。

 金髪の美女 ── 俺の恋人であるエクセレン・ブロウニングだ。乗っているバイクは、最近町で拾ってきたという英語を話す謎のバイクである。確か名前はゲシュペンスト・ファントム。

 

「バウバウ!(エクセレン! 俺だ! キョウスケだ、分かってくれ!)」

「え!? なになに? ババア、俺だ! 結婚してくれ! ですって……もぅ、失礼なワンちゃんねー」

 

 ちっがーう!

 違わないけど違う! 

 やはり俺の話している言葉は犬語のようで、人間には通じないらしい。一昔前に発売されていたバウリン○ルという犬の気持ち翻訳装置を思い出した。眉唾物だと思っていたが、こんな状況になると欲しくなるのだから人間は現金なモノだ。

 

「キョウスケー、いるー?」

「バウ!(待て! 俺はここにいるぞ!)」

 

 エクセレンは俺に会いに来たようだ。俺の自室に向かって、錆びた階段を上がっていく。

 慌てて後を追いかけようとしたが、あの黒いバイクが1人でに動いて、俺の行く手を塞いできた。

 エクセレンが乗っていた喋るバイク ── ゲシュペンスト・ファントム号である。

 

『Hey Dog!(おい、犬っころ。貴様、キョウスケ・ナンブだな?)』

「バ、バゥ……!(なんだ? バイクの言葉が分かるぞ)」

 

 バイクには俺がキョウスケだと分かるようだった。

 運が良い。外見が犬になってしまっている状況で、俺がキョウスケだと理解してくれる者がいるのは非常に助かる。

 

「バウ(おいバイク、俺がキョウスケだとお前には分かるのだな?)」

『Yes(当然だ、俺は最高にイケてるかっこいいバイク。そこに異論は認めんし、貴様がくそったれのキョウスケ・ナンブだと見抜くぐらいの眼力は持ちあわせている)』

 

 バイクの言い草は不愉快だが、今はスルーすることにした。

 

「バウバウ(頼むバイク、体が突然犬になってしまって困っているのだ。エクセレンに俺がキョウスケだと伝えてもらえないだろうか?)」

『HAHA(なるほど。理由は知らないが、俺が『エリア』に来てバイク化してしまったのと似たような現象か? 

そいつは大変だな、同情に絶えない状況と言う奴だ、こいつは)』

 

 バイクは俺に協力してくれそうな雰囲気だった。

 バイク化……ということは、どうやらこのバイクは元々バイクではなかったようだ。

 まぁ、でも今はバイクだし、なによりバイクの身の上話になど興味はない。

 とにかく助かった。

 体が犬になっていると分かった時は絶望したが、これで光明が少し見え ──

 

 

『NO!(だが、断る)』

 

 

 ── バイクが大声で拒絶した。

 

『I Hate You(このファントムの最も好きな事の1つは、いけ好かない人間の頼みごとを無下にしてやることだ。

美女か、ロリ美少女に生まれなかった自分を呪え!)』

「バ、バウゥ……!?(い、意味が分からんぞ! どういうことだ!?)」

『Fack You!(俺の目の前から消えろ、さもなくばぶち殺す、と言っているのさ!)』

 

 バイクのヘッドライトが急に光り出した。

 夜間の照明用なんて表現は生ぬるい。敵はぶっ殺す! そんな空気をかもしだしている白い光がヘッドライトに収束していく。

 猛烈な恐怖感が俺を襲う。

 既視感(デジャヴ)……俺は一度この光に吹き飛ばされているような気がす ──

 

『Kill You!!(ニュートロンブラスターで蒸発させてやるぜ! 覚悟しろ!!)』

「バオーーンッ!!(くそっ! 一時退却……いや、せ、戦略的撤退だー!!)」

 

 犬の姿のまま撃ち殺されてはたまらないので、俺はバイクの前から逃げ出すことにした。

 俺が離れるとすぐにヘッドライトの光は収まる。しかし振り向くとバイクはすぐに光を灯して、前輪部分を俺の方に向けてきた。どうやら、俺は相当あのバイクに嫌われているらしい。

 これでは自宅に近づくこともできないな。

 仕方なく、俺はその辺りをぶらついて時間を潰すことにした。エクセレンが帰れば、あのバイクも一緒に帰るだろうからだ。

 

 俺の部屋からエクセレンの声が聞こえる

 

「キョウスケ、どこー? 特製スープ作ってきたけど、いらないのー?」

 

 そういえば、朝食を取っていないことを思い出す。

 腹の虫が暴徒のように唸りをあげる。

 ……侘しい。

 

 

 俺はエリアの住宅街を彷徨うのだった ──……

 

 

 

      ●

 

 

 

 

 犬の体になって初めて分かることもある。

 

 エリアの住宅街は意外と広い。いつもアルトアイゼン号で駆け抜けているから気づかないだけで、歩いてみると割と広大で、野良の動物たちが結構な数見ることができた。

 今日は確か生ごみの日。そこかしこのゴミ捨て場に、黒いゴミ袋入りの生ごみが捨てられていた。

 犬の嗅覚は人間のそれより遥かに優れている。

 袋の中から漂う腐臭がツンと鼻を刺す。しかしその中にもまだ腐っていない食べ物の匂いも混ざっていて、俺はそれを嗅ぎ分けることができた。

 ……腹が空いた。

 見ると、ごみ袋を漁っている野良犬や猫の姿がチラホラ見受けられる。

 

「ガル(コレはやらねえぞ! 俺の食い物だ!)」

「フゥー!(なんだ、テメェ新顔か! 自分のシマに帰りやがれ!)」

 

 野良だと心が荒むのか、聞いてもいないのに辛辣な言葉が送られてくる。

 今は犬の姿をしていても俺は人間だ。土下座して頼まれても、そのような生ごみを食べるなど願い下げだった……しかし、腹は減る。

 

「バウ(アイムの奴め、覚えていろよ)」

 

 俺が犬になってしまったのは、ほぼ間違いなくアイムの寄越した金運アップグッズ ── あの○―ション紛いの飲み物のせいに違いない。

 アイムへの復讐心よりも先に人間に戻れるのか? という、懸念が先に立つ。人間が犬になるなど見たことも聞いたこともない事態だったからだ。

 当てもなく歩き続け、俺は人気のない空き地に辿りついた。

 中央部分に重ねられた土管があり他には何もない。某有名漫画に出てくるスネた金持ちの坊ちゃんや、「お前のモノは俺のモノ」的なガキ大将がたむろしている空き地に良く似ている。

 ……まぁ、どうでもいい。

 それよりも腹が減って動くのが億劫になってきた。本当なら馬で一発当てながら、売店で買ったホットドックでも食べようと思っていたのに……アイムの奴め。

 金運以前に、それ以外の運が今日は最悪のような気がする。

 

「……バウ(腹が減っては戦はできぬ…………寝るか)」

 

 俺は中央の土管の中に潜り込む。

 日の光を避けながら、少し休むことにした。動き回って腹が減るよりはマシだからな。

 

 しばらくすると、俺は微睡(まどろみ)の中に落ちて行った ──……

 

 

      ●

 

 

 

「ワン(アニキッ!)」

 

 俺の目を覚ましたのは、聞き慣れない犬の鳴き声だった。

 土管の外は既に暗い。

 相当長い時間眠っていたことに気付いた俺は、土管の中で伸びをしながら外の声に耳を傾けた。

 

「ワンワン(無茶だよフレキのアニキ! やっぱり見つけれっこないよ! 黄金の骨なんて!)」

「ガウガウ!(馬鹿やろうゲリ! お前の爪はなんのためにある!? 地面を掘るためだろうが!!)」

「ワンワン(で、でも……!)」

「ガウ!(いいか、よく聞けゲリ!)」

 

 土管の外では気弱そうな雄犬の声と、その兄貴分らしい雄犬の声が聞こえていた。

 兄貴分の犬 ── フレキが言う。

 

「ガウガウガウ!(いいかゲリ、自分を信じるな! 俺を信じろ! お前を信じる俺を信じろ!!)」

「……ワン(……アニキ)」

「ガオーンッ!(いけ! ゲリ! お前の爪で地面を掘れえええええぇぇぇっ!!)」

「ワオーンッ!(わかったよアニキ! 俺、やるよ!!)」

「バウ……?(なんだ、これは?)」

 

 外から聞こえる遠吠えに、俺の頭に疑問符が沸き上がる。

 近所迷惑甚だしいただの犬の遠吠えだ。人間だった時には聞き流していたに違いないこの遠吠えも、犬になっている今なら話の内容を理解できた。

 無駄に熱いドラマが展開されているが、要約すれば「ここ掘れワンワン」ということらしい。

 馬鹿馬鹿しい。なにが黄金の骨だ……金塊なら兎も角……ん? 黄金の骨、だと?

 

「バウ……(黄金の骨などあるはずがない……もしや、本当に花坂爺さん的な展開があるのでは……?)」

 

 今も2匹は 「ワンッワンワン!(ギガッファングブレイクゥゥゥ!!)」とか叫んで地面を掘っている。

 もし、2匹が掘り出したものが花坂爺さん的なブツだとしたら……犬っころには勿体ない代物だ。

 大判小判ザックザックー。猫に小判、豚に真珠、犬に……マタタビ?

 とにかく、もし金塊が掘り出されようものならそれは獣の手には余る代物であり、俺のような人間様が手にしておくべき物である。……もっとも、俺も今は犬だがな。

 

「バウ(おい、お前たち)」

「ガウ(なんだああぁっ、テメエはあああぁっ!!)」

 

 血の気の多い方 ── フレキが土管から出て声をかけた俺を睨みつけてくる。

 敵意、もとい牙を剥き出しにしている。噛まれそうで怖い。

 

「ワ、ワン(ア、アニキ……!)」

「ガウガウッ! ガオーンッ!!(ヤイヤイヤイ、テメエ、俺たちを一体誰だと思ってやがる!! 

泣く子犬も黙る、不倒不屈の鬼リーダー! フレキ様とその弟ゲリの2人組! 天上天下唯我独尊、天下無敵の『ヤケン団』たぁ、あっ、俺たちのことよ!!)」

「ワンワン(そ、そうだぞ! 強いんだぞ!)」

 

 啖呵を切るフレキの後ろに隠れてゲリがキャンキャン吠えていた。

 可愛い奴め。俺が人間だったなら、頭をなでなでしてやりたい気分になるだろう。

 

「バウ(団って、2匹しかいないじゃないか?)」

「ガウガウ!(うるせえ! これから増えるんだよ! それよりテメェ、ここが俺たち『ヤケン団』のシマだと知っての ──!?)」

 

 牙剥き出しで吠えていたフレキが急に沈黙した。

 泡立てていた尾がしんなりとなり、耳が伏せられている。犬が相手に恐怖を抱いている時に見せるポーズだった。

 それはゲリも同じで、

 

「ワ、ワンワン(ア、アニキ! こいつ……いや、この方から凄いダケン力(・・・・)を感じる!)」

「ガウゥ……!(くっ……ダケン力53万だと! か、敵わねえ……ゲリ、認めよう……俺たちの負けだ)」

「ワン(うん)」

「バウバウ(待て待て、一体何なのだ? そのダケン力というのは?)」

 

 話の方向性が見えない。

 そもそもダケン力とは何なのだ? 野良犬間で流行っているの流行語か何かか?

 

「ガウガウ(ダケン力というのは、野生の犬の逞しさやしぶとさ、だらしなさを数値化したものだぜ)」

「バウバウ(ちょっと待て。最後のは聞き捨てならんぞ)」

「ワ、ワンワン(ダ、ダケン力1万なら一人前の野良。3万なら強い野良……53万なら、この地域の野良を全て牛耳れるだけの力を持っているんだ)」

「ガウガウ(ちなみに俺のダケン力は10万……敗けたぜ、アンタにはよぉ)」

 

 俺の異論は無視されて会話が進行していく。

 ダケン力かラセン力か知らないが、俺は人間だ。どうせあるなら、霊力とかオーラ力の方がいい。もっとも、一番欲しい力は、ここ一番でモノを言う勝負強さだが。

 ゲリが恐る恐る俺に声をかけてくる。

 

「ワン(ち、ちなみに……)」

「バウ(何だ?)」

「ワ、ワン(ダ、ダケン力は人間が持っていると仮定すると面白いよ)」

「バウ(ほぅ)」

 

 興味があったのでゲリの言葉に耳を傾ける。

 俺のダケン力53万と高値だ。ダケン力を持つのが犬から人間に置換されると何になるのだろう?

 やはり強運や悪運、ギャンブル力になるのだろう。

 ゲリは言葉を続けた。

 

「ワ、ワン(人間がダケン力を持っていると、数値の分だけその人間のだらしなさを表しているんだ)」

「バウ(なんだと?)」

 

 はっきり言う、聞き捨てならんぞ。

 ゲリはビクビクしながら答えた。

 

「ワ、ワワンワンワン、ワッフー(ダ、ダケン力53万を人間で言い表すとこんな感じだよ……

『ギャンブルが超弱いのに時々ある大勝を勝負強さと勘違いしたギャンブル中毒者で、恋人から借りた金や給料を全部ギャンブルにつぎ込んで負け続けている上に、食事なども恋人から恵んでもらっている男』

……要するに人間社会の底辺のような数値だね)」

「…………」

 

 なぜだろう? ゲリの説明は凄く親近感を覚えるものだった。

 身に覚えなど、当然、ない。

 ないったらない、本当だ。

 俺に刺さってくる視線が冷ややかな物に感じるが、それは気のせいに違いない。

 ゲリの言葉も所詮は犬の遠吠えなのだから、人間の俺は気にする必要もないさ。

 ……それよりもだ。

 完全に脱線してしまったが、俺は本題を切り出すことにした。

 

「バウバウ(お前たち、黄金の骨というものを探しているのか?)」

「ガウガウ(おうよ! 黄金の骨はそれはそれは素晴らしい物だ! それがこの空き地に眠ってやがんのよ!!)」

「ワンワン(テュッティが言ってたんだ!)」

 

 テュッティ……どうも人間の名前のような気がするが……。

 フレキとゲリは、そのテュッティとい人間から黄金の骨の事を聞いたのかもしれない。だとすれば、ますます黄金の骨を見つけない訳にはいかなくなるな。

 人間が良い物と言っているのだ、金目の物に違いなかろう。

 

「バウバウ(ほほぅ、やはり黄金の骨は金塊か何かか?)」

「ガウガウ(キンカイ? なんだそりゃ! 食べられるのか!?)」

「……バウ(……もういい)」

 

 犬のフレキには金塊の価値が分からんようだ。

 ……まぁ、いい。むしろ好都合だ。

 黄金の骨が金塊だったなら、2匹を適当に言いくるめてやることにしよう。犬が金を持っていてもしょうがないからな。

 人間に戻った俺が有益に使ってやるのが、黄金の骨にとっても2匹とっても正しいことに違いない。うん、きっとそうだ。

 

「バウバウ(お前たち、俺もその黄金の骨探索とやら手伝ってもいいぞ)」

「ガウガウ(本当か! 助かるぜ!)」

「ワンワン(さすがダケン力53万の漢だね!)」

 

 俺は2匹の黄金の骨探索を手伝うことになった。

 

 

 

 すっかり日も暮れて夜になった空き地で、俺とフレキとゲリは地面を掘り返す。

 爪で地面を掘る。前足が土色に汚れていく。俺が好きなのは土ではなく機械いじり、中でもバイクのチューンが好きなのだが、こうして土をいじるのも悪くないと思うのは……俺がだんだん犬化してきている証拠なのだろうか?

 だとしたら非常にマズイ。

 早く黄金の骨を見つけて、人間に戻る方法を探さなければ……。

 「ワンワンワン(ギガファングブレイク・スペシャル!)」と叫び猛烈な勢いで掘り進める2匹を尻目に、俺はそんなことを考えていた……。

 

 

 

 しばらくして、俺の前足に何か硬い物が当たる感触があった。

 

「バウ(むっ、これは……?)」

「ガウガウ!(おお、見つけたか兄弟!)」

 

 フレキからの呼び名がいつの間にか兄弟になっていた。しかし気にするべきはそこではじゃない。俺の前足の下だった。

 硬い感触を確かめるように、前足で土を払いのけると、骨の端 ── 関節部分が地表に姿を現していた。

 色は……金色だ。

 俺は感極まって、骨の端を口にくわえ強引に地面から引き抜いた。

 

「バオーーン!(掘ったどーー!!)」

 

 月光を照り返し金色に輝く骨が俺の口の中にある。

 骨の長さは30cmほど。これが全て金塊なら、かなりの金額になるはずだ。アイムの占いも捨てたものではない。こうして金塊を手に入れられたのだから、俺の金運は本当に高かったようだ。

 

 

── ガリッ

 

 

 喜んだ直後、口の中に違和感を感じる。

 引き抜くために力いっぱい噛んだ黄金の骨に俺の牙がめり込んでいた。

 そんな馬鹿な。金がいくら柔らかいと言っても、犬が噛んだぐらいでめり込むはずがない。冷静になって口の中の感触と匂いを確かめる。

 カルシウムの匂いと、ざらざらした舐め心地……間違いなく「骨」だ。

 

「バウバウ!(やったぞ兄弟! これでテュッティに、また骨を投げて遊んでもらえるぜ!!)」

「ワンワン(やったねアニキ!)」

 

 遊んでもらえるって……何? こいつら飼いならされてたの……? 呆然とする俺の口から、黄金の骨は滑り落ちていた。

 俺の牙が触れていた部分は金メッキが剥げて骨の白色見えている。黄金の骨は、金メッキを施しただけのただの骨だった。

 黄金の ── いや、ただの骨をフレキが拾い上げる。

 

「ガウ!(あばよ、ダチ公!!)」

「ワン!(じゃあね!)」

 

 フレキとゲリは颯爽と空き地を後にした。

 残されたのは4本足で直立したまま俺だけ……夜風が身に染みる。

 

 ああ、空しい。

 俺はとぼとぼと空き地を後にした。

 

 

 

      ●

 

 

 

 穴掘りで浪費し、俺の体力はもはや風前の灯だった。

 

 空腹と口渇で頭が回らない。

 いくら空腹でも生ごみあさりなどしたくない。

 せめて喉を潤そうと、住宅街の中にある公園に俺は足を運んでいた。

 

「バ、バウ……(み、水……)」

 

 夜のためかその公園に人気はなく、公園を照らしているのも小さな外灯一個のみ。薄暗い公園内では妙に目につくブランコ以外に特徴的なものがない。どこにでもありそうな公園だった。

 ふらつく足を引きずって、公園にある水飲み場へと辿りつく。

 体が犬になっているからと言って、水たまりや川の水は飲みたくない。ミネラルウォーターなどと贅沢は言わない。

 せめて水道水が飲みたかった。

 

「バウ……(せめて、水で腹を膨らませよう……)」

 

 俺は水の噴出口に口を近づけ、蛇口に手をやった。

 なんと、手が空を切る。

 忘れていた。今、俺の手は犬の前足になっている。犬の手では物は握れず、蛇口も捻れないことは道理であるのに……俺はそのことを失念していた。

 

「バゥゥ……(なんと……いうことだ)」

 

 俺はその場に仰向けに倒れた。

 もう1歩も動けなかった……そういえば、朝から何も口にしていない。限界だった。

 

「バウウ……(情けない……あまりにも情けない最後だ……)」

 

 正に犬死に……あ、今、俺もしかして上手いこと言ったのか? 

 どうやら、頭がオカシクなっているようだ。人間として生まれて犬として死ぬなんて、どんな喜劇だ? 正直、勘弁してほしい。

 ……どうやら、お迎えが来たようだ。

 俺の顔を小さな天使が見下ろしている。青いオカッパヘアーの(´・ω・`)(こんな)顔をした2頭身の天使だった。

 俺の鼻っ面にキスしそうなぐらいの至近距離で、青髪天使は俺を凝視している。

 

「バゥ……(すまないエクセレン……先に逝っているぞ……)」

「そんなことより、チーカマくれにょ」

 

 天使が……天使がおっさんの好きな酒のつまみを要求してきた。もうダメだ、もはや世も末だ。

 

「わたちのなまえはおーちゃむふぉー、このせかいのかみにょ」

「ばう……ばうばう(そうか……天使じゃなくて神様か……どこかで見たことがあるような、ないような……きっと、気のせいだろう)」

「……きょうすけは、こんなところでなにをしているにょ?」

 

 オータムとか言う神様には俺の犬語が通じるのか、少しの間を置いてから訊いてきた。

 

「ばうばうばうばう(実はカクカクシカジカでな……)」

「それはたいへんだにょー。そんなことより、チーカマくれにょ」

「……ばぅ(……持ってない)」

 

 俺の身の上話に相槌を打ってくれながらも、最終的にチーカマを要求してくる。あまりの世知辛さに俺は涙を流したい気持ちなる。

 地獄の沙汰は金次第だが、この世界の神様はチーカマ次第らしい。

 犬がチーカマ持っている訳がないだろう? 常識で考えてくれ、頼むから。

 と言うか、この状況でチーカマ持っていたら既に食べている。そのぐらい察してくれ、頼むから。

 しかしオータムはε=(‐ω‐;;)(こんな)顔でため息をついていた。

 しかも何処からともなくスーパーのレジ袋を取り出し、中から食べ物 ── よく見るとチーカマを取り出してきた。

 持ってるじゃないか! と内心ツッコミを入れながらも、俺はオータムの優しさに感謝していた。

 きっと、あのチーカマを俺に恵んでくれるつもりなのだ。

 オータムちゃんマジ天使! オータムは小さな手でチーカマの包装を剥いでくれ、

 

「あげないにょ」

 

 ω(こんな)口でチーカマを食べ始めた。

 ……オータムさん、マジ鬼畜。

 空腹のあまり意識が薄れるが、こんな理不尽な世界に未練はなかった。

 さあ! 天国だろうが地獄だろうか、できれば俺は前者がいいが、何処へでも好きに連れて行くがいい!!

 

「まったく、キョウスケはしょーがないにょー」

 

 一瞬でチーカマを完食したオータムが俺に言った。

 

「もう、だまされちゃだめだにょ。あとさっさといえにかえるにょ」

 

 もはや口を利く気力もない。

 動けない俺の前でオータムは妙な舞を踊りだした。四季の名前を適当に並べただけの呪文を唱え、直後、オータムの体から閃光が迸る。

 眩しい……目がチカチカするぜ。

 閃光を浴びせられて視覚が奪われる。見えている世界が白く彩られ、俺の意識は微睡の中に引きずり込まれていく。

 

「ばいばい、キョウスケ。もう、ここにきちゃだめにょ」

 

 誰かの声が聞こえた。

 この声は……誰だ?

 何も分からなくなり、俺の意識はそこで途切れた。

 

 

 

      ●

 

 

 

 目が覚めると、やる気満々のお日様が俺を見下ろしていた。

 

 いつまで寝ていやがるんだ、と言わんがばかりの日差しが俺の肌を焼いている。周囲を見渡せば傍に水飲み場、少し離れた位置に妙に目立つブランコがあり、俺がいる場所が住宅街の公園だと分かる。

 俺は公園の中で眠ってしまったようだ。

 太陽は空に上がり切っているので既に昼時だろう。

 にも関わらず、公園の中は閑散としていた。

 

「み、水……」

 

 太陽の直火焼きの影響か、やけに喉が渇く。俺は立ち上がり、水の噴出口に顔を近づけ、蛇口をひねった。噴き出した水道水が顔を濡らす。温い水が徐々に冷たくなってきて気持ち良かった。 

 

「ふぅ」

 

 水を飲んで一息ついた。

 そして気づく。

 

「人間に戻っている……?」

 

 俺の姿はもう犬ではなかった。

 喋っている言葉も人語だし、2足歩行もできるし手で物も握れる。俺の姿は犬から人間へと戻っていた。

 しかしどうやって人間に戻ったのか、全く覚えていない。

 俺はアイムの寄越したあのドリンクが原因で犬になってしまったわけだが、もしかするとドリンクの効果時間が切れたのかもしれない。

 

「……結果オーライか。しかし、アイム、許さんぞ」

 

 脳裏に三日月みたいに口を歪めて笑うアイムの顔が浮かんだ。

 あの嘘つきインチキ占い師め。

 なにが30年に一度の大好機だ。奴の言葉を真に受けたせいでひどい目にあった。

 俺は静かに怒りの炎を燃やしながら、アイムへの復讐を誓い、公園を出る。

 公園の敷地内から1歩足を踏み出した、その時 ──

 

「きゃああぁ!?」

「へ、変態よ! 露出狂が出たわ!!」

 

 ── 空気を切り裂くような甲高い悲鳴を、公園の近くにいた奥様方が上げる。

 露出狂だと? この平和で閑静な住宅街に、真昼間からそんな変態が出没するとは……俺は周囲に視線を走らせた。

 しかし、それらしい変態は何処にもいない。

 見える者と言えば、仲間内で耳打ちをしている奥様方や、顔を赤く染め手で顔を覆っているが隙間から覗き見ている女子高生や、「ママ、あれなにー?」「見ちゃダメよ!」と叱られている幼女ぐらいのものだ。

 ……奇妙なことに、全員の視線が俺に釘付けになっていた。

 

「…………ふっ」

 

 俺は状況を一瞬で理解できた。

 この時ほど、俺は自分の頭脳の聡明さを恨んだことはない。

 俺はアイムのドリンクで犬になっていた。

 そして人間に戻った。

 その過程を分かり易く書くとこうなる。

 

 

 犬になる→→→服が脱げる→→→犬の時は全裸→→→人間に戻る→→→スッポンポン

 

 

 爽やかな風が、俺の裸体を撫でて行った。

 

「こらー、そこの変質者! わいせつ物陳列罪で逮捕するー!!」

「ま、待て! 俺は変態なんかじゃない! 待て! まっ、アッ ──── ッ!!」

 

 

 こうして、警察に連行された俺 ── キョウスケ・ナンブは前科1犯となりました。

 

 

 

 

 

 

 エクセレンが迎えに来てくれたが、酷く申し訳ない気分だった。

 帰り道でみっちり説教されました。

 穴があったら入りたい……こうして、俺のエクセレンに対する弱みがまた1つ増えたのであった ──……

 

 

 

 

ここは高校がなぜか密集する土地『エリア』。

『エリア』には個性豊かな人間が沢山いる。

今日も、楽しく愉快な仲間達がアホな事件を巻き起こす。

次はどんな事件が起こるのだろう……それは誰も知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃……商店街から繁華街に移転した占い屋「ライアー堂」では……

 

「この地域には『ヴァルストークファミリー』という運び屋がいます。

そこで働けばあなたの借金は全額返済、さらに一生遊んで暮らせるだけの金額がはいってくるでしょう」

「えっ、マジでか!?」

 

 アイム・ライアードが、大きなリュックを背負った幸薄そうな青年 ── クロウ・ブルーストを占っていた。

 

「大金持ち!? マジで!? ねぇ、マジで!?」

「もちろんです」

 

 必死な表情のクロウに、アイムは笑顔浮かべて答える。

 口を三日月のように歪めた、飛び切り上等に胡散臭い笑顔を。

 

「私は嘘が大嫌いですから ──」

 

 このあと、クロウがどうなったのかは誰も知らない ──……

 

 

 

 




<キャラ紹介>

キョウスケ・ナンブ:ジェネ高3年生。分の悪い賭けが大好きで、超劣勢でないと勝負に勝てないため、いつもタスクやアラドにカモられている。今回はパチンコで惨敗、なけなしの金を握りしめて「ライアー堂」に入ったのが運の尽き……前科1犯になる。コメディーよ、俺は帰ってきた!

アイム・ライアード:年齢不詳の占い師。「ライアー堂」という小さな占い小屋を持っている。義を重んじ、嘘を嫌い、正義を愛する好漢である(嘘)。今日もどこかで占い中、無限ループって怖いよね?

フレキ&ゲリ:狼に見えなくもない大型犬コンビ。フレキは強気な兄貴分、ゲリは弱気な弟分、2人なのに何故か「ヤケン団」を名乗っている。最近、テュッティーなる人物に餌付けされ、遊んでもらうためには何でもやるようになった。

エクセレン・ブロウニング:高校生に見えないジェネ高3年生。キョウスケの恋人で時々食事を作っては、キョウスケの家に届けている。彼女が握っているキョウスケの弱みは数知れない。

ゲシュペンスト・ファントム:エンドレス・フロンティアからやってきた元は3mクラスPT。エリアに来てから、何故かバイクになり人格が芽生えていた。キョウスケは生理的に嫌い……おそらく、内部データにキョウスケの記録があるのだろう。


<次・回・予・告>

エクセレン「とうとう犯罪者になってしまったキョウスケ。臭い飯、閉ざされた空間、暗い投獄生活が幕を開ける!」

キョウスケ「……おい」

エクセレン「そのとき、キョウスケは思ったの! 超絶ビュティホーな恋人、エクセレン・ブロウニングにもう1度会いたいと!」

キョウスケ「おい、こら」

エクセレン「キョウスケは食器のスプーンを懐に隠し持ち、穴を掘り始める! すべては脱獄し、愛しのエクセレンに会うために!! ああ──エクセレン!! 愛しのエクセ ──」

キョウスケ「もういい、放っておこう」

クロウ「おいおい、いいのか?」

キョウスケ「ああなっては、もう飽きるまでやめん。あいつはそういう奴だ」

クロウ「なんだ。彼女の事よく分かってるじゃないか(ニヤニヤ)」

キョウスケ「……次回予告だ!(クワッ)」


キョウスケ
「嘘……それは甘美なる誘惑。その誘惑のままにことが運べばいうことはない。
しかし人生はそんなに甘くない!
次は誰が騙されるのか!? いい加減、嘘に気づけよなお前ら!!
次回、スパロボ学院、苦労人、世にはばかる2 ~サブタイトル未定~
コメディよ! 俺は帰ってきた!!」

クロウ「第2次スーパーロボット大戦Z 破界編と再世編もよろしく!!」


希望が何件かあったので今回は嘘つきさんの登場ですよ。
ほぼ登場キャラが全てキャラ崩壊を起こしている中、彼だけが素のままなのは流石としか言いようがありません(笑)
今回はケルンバイターさん提供のネタでお送りしました! ネタの提供ありがとうございます!
ネタの方は今後も絶賛募集中です!
ただシリアス編も執筆していくため、コメディー編の更新頻度は遅いです。ご了承ください。
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