スパロボ学院 ~ OGだよ、全員集合! ~   作:北洋

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<注意事項>
絶賛、キャラ崩壊中です。
キャラ崩壊レベル4(MAX5)。
「シャドウミラー」勢のイメージを崩したくない方は閲覧しない方が良いかもしれません。
それでも良いという方は、どうぞお読み下さい!


仮面善我 ~お呼びとあらば即参上!~

 俺は改造人間である。

 

 む、いきなりこんなことを言っても意味が通じないかもしれんな。

 ではまず、自己紹介をしておこう。

 俺は巨大暴走族「シャドウミラー」の15番隊の隊長をしている走り屋だ。

 いつも仮面をつけているので、仮面ライ○ーなんて呼ばれてたり、呼ばれてなかったりする華の高校3年生である。

 

 いつも仮面をつけており、若干老け顔なので学生に見られないことが多いのだが、断固言わせてもらおう。

 俺は高校3年生である。

 誰がなんと言おうと3年生である……と思っている。

 何故こんな事を言うのかというと、俺には過去の記憶がない。

 具体的に言うと、高校3年より前の記憶が一切なかったりする。

 まぁ、それは別に瑣末な問題なので捨て置こう。

 

 せっかくなので、俺が通う高校も紹介しておこうと思う。

 なぜか高校が密集する地域『エリア』。

 その土地で悪の巣窟と忌み嫌われる影鏡高校には、様々な奇人変人が集まって来る。

 危険な部活も山のように存在するが、中でも最も危険なのが影鏡高校第2科学部……そしてその部長である「レモン・ブロウニング」である。

 

 毎日、妙な実験をして部室を爆破していたり、奇妙な発明品を生徒で人体実験していたりする。

 また、一部生徒(アクセル特攻隊長など)に自分のことを姉さんと呼ばせていたり、番長格の人間(ヴィンデル総隊長)を顎で使ったり、とにかく悪い噂に事欠かない素晴らしい人間です。

 かく言う俺も、レモンの姉御には頭が上がりません。

 なぜだろう? 理由は良く分からない。

 レモンの姉御の事を聞かれると、パブロフの犬のように次のフレーズが口から出てくる。

 とにかくレモンの姉御はとても素晴らしく、美しいお方です、と。

 だがそんなレモンの姉御に、昔一度言われて忘れられない言葉があった

 

 記憶のない俺だが、その言葉だけは今でもしっかり覚えている。

 

 そう、俺こと ── ウォーダン・ユミルはレモン・ブロウニングの造った改造人間である……らしい。

 

 

 

 スパロボ学院 ~OGだよ、全員集合~

 仮面善我(ゼンガー) ~お呼びとあらば、即参上!~

 

 

 

 なぜか高校が密集する地域『エリア』にある影鏡高校の校舎裏、

 

「── でよ、俺っちはやっぱりレモン姉さんがいいと思う訳さ、これがな」

 

 そこでアクセル・アルマー隊長が熱弁を振るっていた。

 赤い癖のあるワカメヘアーと眠そうにも見える垂れがちの目が特徴だ。

 なんでも『蒼髭流(ソウシリュウ)格闘術』免許皆伝らしく俺たちのチーム「シャドウミラー」で特攻隊長を張っている、チーム屈指のステゴロ実力者である。

 

「やっぱ女はミステリアスなのに限るよなー、その点レモン姉さんは言う事なしなんだな」

「レモン様を、そんな汚らわしい目で見るなでございますのことよ、アクセル隊長」

 

 アクセル隊長の言葉を、変な敬語を吐く巨乳美人 ── ラミア・ラブレスが咎めた。

 ラミアは「シャドウミラー」で17番隊隊長を張っている俺の同僚だ。

 冷静沈着なドライビングテクニックを持ち、ミス一つない完璧な走りをいつも見せてくれる。

 しかしこの所はジェネ高に頻繁に遊び行っているらしく、こうして顔を合わせるのも実は久しぶりである。

 

「貴様のようなワカメはレモン様に相応しくないと思いますわ」

「なんだとう、この鉄面皮女め。

ワカメサラダだって、隠し味でレモンを絞れば意外と美味しいかもしれんだろうが、なぁ、ウォーちん?」

「はあ……」

 

 アクセル隊長が俺に話を振って来た。

 俺たちは今校舎裏でたむろしながら話に華を咲かせていた(主にアクセル隊長がだが)。

 人目には良く映らないが、よくコンビニなどで中坊が座って駄弁っているような感じで、俺たちはお互いに向きあい意見を交換していた。

 議題は「恋人にしたい女性」……要するに恋バナである。

 

「……そういうものでしょうか」

「そうだってばよー。一見まったく不釣り合いな2つが合わさった時、あれ、意外とこれいけるんじゃね? なんてのは良くあることなんだぜー、ウォーちん」

「……隊長、その、ウォーちんというのは止めてくれませんか?」

 

 俺の名前はウォーダン・ユミル。

 そのためかアクセル隊長は俺のことをウォーちんと呼ぶ。

 ラミアに至っては俺のことを「15番」扱いだ、名前すら覚えてくれてないのかもしれない。

 アクセル隊長は俺の訴えを無視して、

 

「あー、でもアルフィミィーちゃんも捨てがたいんだよなー。あれ、お前ら知らねえの? 

ジェネ高の1年にアルフィミィーちゃんっていう可愛い娘がいるんだよ。

これがツルペタ寸胴のロリータ体型だけど、神秘的な雰囲気っていうか不思議ちゃん的なところがあって、そこがまた堪らん、これがな」

「色魔め」

 

 ラミアがボソリと呟いた。

 

「なんだとラミア、もういっぺん言ってみろ」

「色狂いのボケ」

 

 ピシャリと言い切るラミアにアクセル隊長の顔色が変わった。

 この2人に喧嘩されると正直洒落にならない。

 影高にどれだけ甚大な被害がもたらされるか……

 

「ああーん、なんならテメエから昇天させたろうかい、コラァ」

 

 アクセル隊長の拳に闘気が集まる前に、俺は仲裁に入ることにした。

 

「落ち着いてください、アクセル隊長。

ラミア、貴様も上官に対してなんと言う口をきくのだ。早く謝罪しないか」

「すまんこってす」

 

 謝っているのか馬鹿にしてるのか分からないラミアの詫びが飛ぶ。

 この娘はなぜだか、敬語が上手く話せないのだ。

 来日したての外人ではあるまいに……しかし、その事実は俺たちの間では周知の事実だ。

 「しゃあねえなあ」、そう言ってアクセル隊長は拳を収めてくれた。

 

「それよりよぉ、ウォーちんの方はどうなんよ?」

 

 どうとは、何の事だろうか?

 アクセル隊長の話は時々要領を得ない時があるので困る。

 俺が逡巡していると、痺れを切らしたアクセル隊長が訊いてきた。

 

「前に『気になる女性ならいる』って言っていただろ?」

「うっ……それは……」

 

 アクセル隊長の嫌らしい笑みに俺の言葉は詰まる。

 確かに以前にも「シャドウミラー」内でこうして恋バナをしたことがある。

 夜の峠に繰り出す前の集会で、特攻隊長のアクセル隊長がその他大勢の構成員たちと盛り上がっていた。

 そこになぜか俺が引き込まれる羽目になり、そんなことを言わされた記憶はある。

 アクセル隊長が俺に、マイクを押しつけるように拳を押しつけてきた。

 

「近況報告をお願いします」

「ほほう、それは気になることでございますでしょうなぁ、アクセルプロディーサー」

「まったくその通りだぜ、ラミアアナ。

さあウォーちん、潔く観念して吐いちまいな」

 

 なんですかそのキャラは? 

 テレビ局の局員なのか尋問する刑事なのか、どっちかはっきりしてもらいたい。

 それにラミア、なんだ貴様まで一緒になりおって!

 この2人から逃げ出すのは不可能だ。

 俺は逃走も考えたがここは校舎裏だし、日の当たる所まで逃げ出しても、すぐにこの暗がりに引きずり込まれるのが目に見えていたので止めた。

  

 そう……俺こと、ウォーダン・ユミルは恋をしていた。

 

 

 

      ●

 

 

 

「じゃあここの答えを答えてください」

 

 彼女が教壇に立ち、黒板に数式を書く。

 緑色の髪の毛をなびかせて生徒を指名し、問題の回答を求ていた。 

 綺麗に化粧をしてスーツを華麗に着こなしている。

 目に美しく映るその数学教員に、俺は恋をしていた。

 いや、これが恋なのだと思う。

 俺には記憶が無い。

 なので初恋というのも知らないし、誰かを思い胸を焦がした経験もなかった。

 だが俺が今感じている感情はまさしくソレなのだと俺は思っている。

 

「○○君、この解はどうなるのか答えてくれないかしら?」

「はぁ? なんでそんなことしなきゃなんねえの? アンタが自分で答えてろよ、ソフィア先生よ」

 

 指名された生徒はそう言うと、ゲラゲラと大声を上げて笑いだした。

 周りにもそれは反響して、教室は下衆な笑い声で一杯になる。

 ソフィア・ネート先生……それが俺の気になる女性の名前だった。

 それにしてもこの教室の生徒たちは品が無い。

 この際だからはっきり言っておこう。

 『エリア』における影鏡高校の品位は最低と言っていいだろう。

 それこそ悪の巣窟と言われる程度には、腐った馬鹿どもが集まるため、この様な授業風景は日常茶飯事だった。

 それに頭を悩ませて辞めていく教員は後を絶たない。

 影高において教員など舐められて当然の存在と化していた。

 

「でもソフィア先生が『お願い答えて』って、涙目で言ってくれれば答えてやるぜ。

答え分かんねえけどな、ギャハハハ」

「なにそれ、馬鹿じゃねえのおめえ、ははは──」

 

── バガンッ!!

 

 生徒たちの笑い声は突然の破砕音で途切れることとなった。

 

 俺が立ち上がり、拳を振るっていたからだ。

 俺が拳を叩きつけた机は木製部分を真っ二つに粉砕され、金属部分は大きく歪んで二度と使い物になら、なくなっている。

 シン……という沈黙、それと共に集まる視線を前に俺は叫んでいた。

 

「貴様ら! 教官は今講義中だ、黙って聞かんか!!」

 

 ソフィア先生が真面目に授業をしているというのに、貴様らときたらどうだ?

 そんなことだから、悪の巣窟だとか、社会のゴミだとか言われるんだぞ。

 

「へっ、バカじゃねえの」

 

 教室の一角からそんな声が聞こえてきた。

 漏れた呟きに隠れた本音に、俺の頭は灼熱する。

 バカ、だと?

 なんの努力もせず、目指すものもない貴様らになにが分かる?

 ソフィア先生は貴様らに真っ当になってもらいたい、そう思っていると言うのに!

 

「もう一度言ってみろ、貴様ぁ!!」

「ひ、ヒイ!」

 

 呟いた生徒の胸倉を掴んで持ち上げた。

 生徒は呆れるほどに軽く、3m程の高さに俺は吊るし上げてやった。

 

「ご、ごめんよ、ウォーダン君! 今のは冗談さ、冗談なんだよ!」

 

 なにが冗談なものか、本気で思っていたくせに。

 きっと仮面の下の俺の表情は歪んでいることだろう。

 いっそ殴ってやろうか……そんな思考が俺の中を駆けていった。が、

 

「暴力は止めなさい!」

 

 ソフィア先生の声に俺は我に返った。

 

「暴力はなにも解決しないわ、あなたなら分かるでしょうウォーダン君」

「きょ、教官……申し訳ありません」

 

 ソフィア先生の言うとおりだった。

 俺がここでこの生徒を殴り倒した所でなにも変わりはしない……

 

「机を破壊した罰として廊下に立っています」

 

 俺は自主的に罰を受けることにした。

 俺が破壊したことは学校の備品だ。

 廊下で立ったぐらいでそれが補完されるとは思わないが、こうでもしなければ俺の気もちは収まらない。

 俺は教壇に立つソフィア先生の前を横切り、廊下へと向かう。

 そのとき、ソフィア先生の呟きが聞こえた。

 

「私のためにしてくれたのよね、ありがとう」

 

 おそらく、その呟きは俺にしか聞こえていなかっただろう。

 だが俺は思った。

 ソフィア先生、貴女は俺の天使だ! 見ていられるだけで満足だ!

 授業中になにかあろうと、貴女は俺が必ず守ってるせる!

 

 その誓いに嘘はない。

 ……しかし最大の失敗は、このことをアクセル隊長に話してしまったことだった。

 

 

 

       ●

 

 

 

「じゃあラブレター書こうか」

 

 俺の話を聞いたアクセル隊長の開口一番の言葉だ。

 

 決死の想いで告白した俺の恋心、アクセル隊長はそれに見事に喰いついた。

 俺の意志は無視し、ラブレターを書いて帰宅中のソフィア先生に渡してしまおうという作戦に、アクセル隊長の発案により俺たちは行動していた。

 ソフィア先生は仕事を終え、自宅へと歩いて帰っている最中だ。

 その後ろを俺とアクセル隊長が忍び足で追っている。それが今の状況だった。

 ちなみにラミアはジェネ高に遊びに行ってしまったので、ここにはいない。

 

「おいウォーちん、いつ渡すんだよ?」

「そ、それは……」

 

 アクセル隊長の言葉に俺は言い淀む。

 俺には記憶がない。

 ラブレターを手渡した経験など当然ないし、相手は学生ですらなく教師だ。

 一応俺も勉強したが、俺の読んだ本に教員へのラブレター渡し方など書かれていなかった。

 渡すタイミングが分からない、それにかける言葉もだ。

 どうすればいい? 自宅に着いてから訪ねて渡すべきか?

 頼みの綱のアクセル隊長を俺が見と、ちょうど誰からか電話がかかって来た所のようだった。

 

「ハロハロ、あなたのアクセルちゃんですよ。

……ああ、アルフィミィーちゃん、わざわざ電話くれたのー、悪いねーこれがさ」

 

 電話の相手は先ほど言っていたアルフィミィという娘らしかった。

 

「今週のデートの約束? もちろん覚えてるってー、土曜日にコンパチワールドだったよな? 

…………分かってるって、遅れないさ、これがな」

 

 アクセル隊長は携帯電話にそう言って、電話を切った、

 

「悪いウォーちん、先生にバレテねえかな?」

「……大丈夫のようです」

 

 天下の歩道で携帯電話で会話していても不自然ではない。

 ソフィア先生は俺たちに全く気が付くことなく、すたすたと自宅への帰路を急いでいるようだ。

 ラブレターを渡すなら今か?

 そんな俺の心情を無視して、またアクセル隊長に着信が入る。着信音は「DARK KNIGHT」。

 

「ハロハロ、あなたのアクセルちゃんですよ。

……あっ、レモン姉さん。連絡してくれるなんて嬉しいなぁ。なんか用? 

俺、体なら余裕で空いてるけど」

 

 空いてないでしょうが!

 隊長、あなたは俺のラブレター作戦の発案者なのだから、最後まで付き合ってもらう義務がある。

 その自覚があるから、俺について来てくれたのではないのですか?

 そのとき、

 

「あっ」

 

 ソフィア先生の悲鳴が聞こえた。

 「なにごと?」と俺がソフィア先生に目を向けると、仮面をつけた悪の組織の戦闘員のような奴らがソフィア先生を取り囲んでいた。

 

「ソフィア・ネート先生だな?」

「な、なんですか、あなたたちは?」

「我が組織『エアロゲイター』のボスがお前を所望だ。一緒に来てもらうぞ!」

「むーむー!」

 

 仮面の人たちがソフィア先生の口をふさいで、どこかに連れ去ろうとしていた。

 ……なんだ、この状況は!?

 俺のラブレター作戦を妨害する誰かの作戦なのだろうか?

 俺はどうすればいいんのか分からず、アクセル隊長の方を向いてみた。

 

「え、二股なんてしてないって、本当だって。俺っち、レモン姉さん一筋だもん! 

…………信じてほしかったら今すぐ部室まで来いって……そんなの楽勝だぜ。

……え、今の間はなんだって? ははは、気のせいだって、今すぐそっち行くってば、これがな」

 

 なんて会話を交わしてアクセル隊長は電話を切り、俺の方を向いて言った。

 

「ごめんウォーちん、そう言う訳だから!」

 

 アクセル隊長、あんた煽るだけ煽っトンズラなんて、いくらなんでもないですよね?

 なんですか、そのむやみに優しい笑顔は?

 

「ちょっと待って!」

「すまん!」

 

 アクセル隊長は疾走し、俺を置いてどこかに行ってしまった。

 アクセル隊長の走力は並ではない。

 オリンピック選手顔負けの速度で一瞬で俺の視界から姿を消した。

 くそう、こうなっては仕方ない、俺はソフィア先生の方を振り返るが、そこには既に人影1つ見当たらなかった。

 

「なんてこった!」

 

 ソフィア先生が誘拐された!

 俺は急いでソフィア先生の探索に当たった。

 

 

 

      ●

 

 

 

 俺は地域住民に聞き込みをしながら、ソフィア先生をさらった連中を追った。

 すると意外とその姿を見ていた者がいて、足取りを掴むことができた。

 

「○○工場跡地の方に走って行ったよ」

 

 俺はその言葉を頼りに疾走し、○○工場跡地に辿り着く。

 そこには猿ぐつわをされたソフィア先生と、彼女をさらった仮面の人が3人いた。

 なんだか、隠し通路のような地下へとの入り口へを空けているところだった。

 

「待て、貴様ら!」

 

 俺の声に仮面の人たちが振り返った。

 俺に気付いたソフィア先生は涙を流しながら、俺の顔を見ていた。

 ソフィア先生を泣かせるとは!

 絶対に許さんぞ、仮面の者たち!

 

「貴様ら、教官を返してもらおうか!」

「なんだアイツ? ナナコさん、あの野郎どうします?」

 

 痩せ細った方の仮面の男が、リーダー格らしい仮面の女に尋ねていた。

 仮面の女は、ふん、と俺のことを鼻で笑う。

 

「なんだいなんだい、学生には見えないけど、学生服着てるからこの女の関係者みたいだねぇ。

アンタたち、ユーゼス様の邪魔になる者は皆殺しだよ! やぁっておしまい!」

「「あらほいさっさ!」」

 

 女の掛け声に、痩せ細った仮面の男だけでなく、ソフィア先生の傍にいた大柄の仮面の男も応じた。

 2人して俺に向かって飛びかかってくる。

 その早さは人間のモノとは思えぬほどの俊敏さであった。

 

「舐めるな!」

 

 2人の仮面の男は確かに早い。

 だがはっきり言っておこう、俺は強い。

 遠慮なしで戦えば、アクセル隊長に匹敵すると言われたことさえあるほどだ。

 相手は早く、俺の攻撃はそう簡単には当たらないだろう。

 仮面の男たちが一撃で俺を仕留めようと、人体の急所である水月やこめかみに打撃を放つ。

 しかし俺は頑丈だ、異常なほどにな。

 この程度では揺らぎもしない!

 

「ぬうぉりゃあ!」

 

 俺に打撃を入れ隙ができた男たちを掴み、俺は奴らを地面に叩きつけた。

 轟音が工場内に響き、床のアスファルトを砕いて男たちは地面に突っ伏した。

 いい気味だ。

 ソフィア先生を誘拐した罪がこの程度で済むと思っているのか。

 そして、次は仮面の女、貴様だ!

 

「覚悟し ──」

── パンッ!

「ぐは!?」

 

 もの凄い衝撃が俺の頭を襲った。

 そしてかつて無いほどの強烈な痛み、俺はそれに耐え仮面の女に向き直った。

 女の手には銃が握られていた。

 

「き、貴様、銃とは卑怯だぞ!」

「なんだい、頑丈な奴だねえ」

 

 女は俺に銃口を向け、そして連射した。

 3発の銃弾が俺の顔の仮面に直撃する。

 

「ぐはっ!?」

 

 俺は頑丈だ。

 しかし銃撃があるなんて聞いてない。

 命中した数など数える余裕はなかったが、俺の意識をもぎ取るに十分すぎる衝撃だったのは確かだ……

 

「なにやってんだいアンタたち。相手が強くたってチャカ使えばいいだけでしょうが、まったく」

「す、すいませんナナコさん」

 

 途切れ行く意識の中で、声が聞こえた……

 大切な人の……声が……

 

「ウォーダン君! しっかりして ── ウォーダン君 ──」

 

 ソフィア……先生…………

 俺の意識は一度そこで途絶えた……

 

 

 

      ●

 

 

 

 以前、アクセル隊長が言っていた。

 

「欲しい物や勝ちたい相手がいるなら、決して諦めたりしちゃ駄目だぜウォーちん」

 

 『蒼髭流(ソウシリュウ)格闘術』免許皆伝にして、巨大暴走族「シャドウミラー」の特攻隊長を勤める男、アクセル・アルマー。

 一度だけ俺に話してくれたことがある。

 アクセル隊長が一度も勝てたことのない強い男がいる。

 俺は正直耳を疑った。

 あのアクセル隊長が勝てない男など、この世に存在するとは思えなかったからだ。

 

「勝てなくても、死ななきゃ次がある。生きてれば、次は勝てるかもしれない。

だから俺は努力するのさ。

次こそ勝つためにってな、似合わないかもしれないがな、これがさ」

 

 そんなことはない……アクセル隊長、あなたは光り輝いている……

 それに比べて俺は……

 

「だからウォーちん」

 

 アクセル隊長……

 

「本当に譲れないモノができたときには、決して引いちゃいけないぜ ──」

 

 なぜだ……なぜ、あのときのアクセル隊長の言葉が蘇る?

 俺には高3以前の記憶がない。

 譲れないモノなんか、ありはしない……しかし、そういったモノが欲しくないと思ったことはない。

 譲れないモノがある、のかは分からない。

 だがアクセル隊長……俺は、俺は……今、引きたくはない。

 

「── 俺たちは漢なんだからな」

 

 ソフィア……先生……!

 ソフィア、先生!

 

「うおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 こんな所で倒れていられるか!

 熱い想いを胸に抱き、俺は立ち上がった ──

 

 

 

      ●

 

 

 

 広大な敷地、そこを全て見下ろせる玉座に私はいる。

 

「ようこそ、ソフィア・ネート先生」

 

 私の名前はユーゼス・ゴッツォ。

 世界の有数企業を牛耳る秘密結社「エアロゲイター」の大幹部である。

 私の組織は強大だ。

 組織の命には日本政府はおろか、世界中の国々が従わざるをえない。

 それほどまでに協力な組織が私の手の中にあるのだ。

 

 そして眼下に広がる光景。

 今、私の眼下には仮面の戦闘員「バルシェム」たちが無数に控えている。

 1人1人が超人的な身体能力を持ち、様々な機密行動を行う私のコマたちだ。

 

 そんな中、私の命を受けた3体のバルシェムが、目当てだった女を私の前に献上しにきていた。

 

「なぜですか!?」

 

 女、ソフィア・ネートが吠えていた。

 

「なぜこんなことを……!? なぜ、ウォーダン君を殺したんですか!?」

「ふふふ……なぜ、だと?」

 

 ソフィアの問いに私は答えてやることにした。

 

「意味などないよ」

「っ!?」

「ただの気まぐれだ」

 

 彼女の想いを振り払うような私の言葉に、彼女は涙を浮かべて項垂れてしまった。

 あーあー、可愛いったらありゃしない。

 まあ彼女を追ってきた学生を殺したことには意味はないが、彼女を拉致したことには意味がある。

 これは私の新たな野望の第一歩なのだ。

 正直なところ、私の組織「エアロゲイター」は強力になりすぎ、その命令に背くことのできる組織や政府はもはや存在しない。

 不満はない。

 だがつまらんだろう?

 世界中が自分の意のままになるのはいいが、それだけでは人生の暇を持て余す。

 だから、私は決心したのだ。

 

「ソフィア先生……貴様には私のハーレムの第1号になってもらう」

「はあ?」

 

 生意気にもソフィアが呆れた声を上げた気がしたが……まあいい。

 退屈だから私は決めたのだ。男の夢「ハーレム」を実現してやろうと。

 しかし実現するだけなら容易だろう。

 各国の政府から美女を寄こす様に養成するだけで完遂する夢には意味はない。

 だからこの『エリア』で美人教師だけ集めるというの縛りをつけて楽しむのだ。

 ソフィアは落ちた。

 次は、ジェネ高の古文教師「安西 エリ」あたりにでもするか……

 

「待てえいッ!!」

 

 ズドンッ、と鋼鉄の扉を吹き飛ばす音とその主の声が、私の尊大な思考を妨げた。

 玉座の入り口には、学生服を着た仮面の男が息を切らして立っていた。

 

「行く手に危険が待ち受けようとも、心に守るものあるならば ──」

 

 ウォーダン君、と眼下のソフィアが驚いていた。

 ほう、あれがバルシェムを追ってきたという学生か?

 

「例え、己の命尽きるとも、体を張って護りとおす ──」

 

 ガタイはいいな。

 正義の味方気どりか? 下らん。

 我々に挑んで散って行った自称正義の味方がどれだけいると思っている。

 

「人、それを漢という!」

「ふふ、いいだろう、名乗ってみよ」

 

 こんな雑魚は吐いて捨てればいい。

 気まぐれに名ぐらい聞いてやらんこともない。

 だがその瞬間、仮面の学生の雰囲気が一変した。

 全てを切り裂く巨大な刀……そんな抜き身の鋭さが彼の眼光には宿っていた。

 

「我はウォーダン・ユミル! ソフィアを護る剣なり!!」

 

 正義の味方?

 違うな。奴は力だ。純粋な力だ……武器もなにも持たない学生服の仮面男。

 私は初めて正義の味方とやらに恐怖を覚えていた。

 

 

 

     ●

 

 

 

「やれえい、バルシェム共! 奴を八つ裂きにしろ!」

「「「イイィーーーーッ!!」」」

 

 壇上に居座る、3つ目の仮面男の命で整然と並んでいた敵が俺に飛びかかって来た。

 地上の工場で見た奴らと同じ仮面をつけており、全員が人外の早さで俺を襲ってくる。

 殺すつもりだろう。

 だが俺は、今の俺は、負ける気など一欠けらも感じていない。

 

「しゃらくさい!!」

 

 必殺の正拳突き6連発が、跳びかかって来た奴らを全て一撃の元に沈める。

 アクセル隊長に教わった技だ。

 多少威力が落ちようと、例え相手が人外だろうと目ではない!

 その光景に仮面の軍勢は驚愕したようで、皆揃って一気に俺から距離を取る。

 そして銃器を取り出した。

 拳銃、機関銃、グレネード……数えていたら切りがない。

 それにしても卑怯な奴らだ、接近戦で勝ち前がないと分かるとすぐに銃撃か?

 俺の中の怒りが大きく膨れ上がり、顔を覆う仮面にヒビが入っていた。

 

「いいか、貴様らに一つ教えてやる」

 

 仮面の軍勢が一斉に俺に銃口を向ける。

 

「貴様らの敗因はたった一つ……たった一つの単純な答えだ ──」

 

 逃げてウォーダン君、ソフィア先生の声が聞こえた刹那、仮面の軍勢は引き金を引いた。

 一斉に様々な銃弾が俺に向けて打ち出される。

 命を奪う、凶悪な兵器たちだった。

 ……このままでは俺は死ぬだろう、そうこのままでは(・・・・・・)。

 

「── 貴様らは、俺を怒らせた!!」

 

 瞬間、俺の仮面が弾け飛んだ。

 銀髪の多少老けている俺の素顔が露わになる。

 しかし俺の仮面は顔を隠すためのモノではない……能力を封印するためのモノだ。

 俺の咆哮と同時に、俺の命を奪うはずだった銃弾は全て弾け飛んだ。

 いや、粉々に分解されるようにして消し飛んだ。

 

「変身!!」

 

 光が俺の体を包む。

 体中に力が漲り、分解された銃弾の粒子が俺の体に渦を巻いて吸いついてきた。

 粒子が俺の体を巨大化させ、西洋風の甲冑に身を纏った巨人へと変化させる。赤、黒、白のカラーリングが全身を色どり、背後には巨大な2対のドリルが生えてきた。

 

「仮面善我(ゼンガー) ── 戦闘形態(バトルフォーム)、スレードゲルミル! 

正義は我にあり、悪党ども、死にたい奴からかかって来い!!」

 

 俺 ── ウォーダン・ユミルは改造人間である。

 

 内包する怒りが頂点に達した時、周囲の物質を分解 ・ 再構成して鎧と変え、敵を討ち滅ぼす……レモン・ブロウニングによって改造された化け物だ。

 

 

 3m程の巨人に変貌した俺を見て、ソフィア先生は愕然としていた。

 当然だ。

 目の前で機人に変化する自分の生徒……目を疑うのは当たり前……いや、恐怖するのが当たり前。

 だが俺はレモンの姉御を恨んではいません。

 峠で事故って瀕死だった俺を救ってくれたレモンの姉御……その結果がこの体であるのだから……だから今、俺は感謝している。

 この力でソフィア先生を救うことができるのだから!

 

『ドリル ・ ブーストナックル!!』

 

 俺は2対のドリルを手に持ち打ち出した。

 螺旋を描く鉄拳が仮面の軍勢の大半を吹き飛ばし、天上をぶち抜いてお空の星に変える。

 

「お、おのれー!」

 

 傍観を決め込んでいた仮面の軍勢の大将が絶叫した。

 

「撃ち殺せえ!!」

「「「イイィーーーッ!!」」」

 

 再び銃口がスコールとなって俺に襲いかかる。

 しかし俺の装甲に弾かれて中身まで傷つけることは敵わない。

 

『出でよ、斬艦刀ッ!!』

 

 撃ち続けられる銃弾を、俺は全て分解 ・ 再構成した。

 俺の手に、巨大な巨大な両刃刀(りょうばとう)が顕現した。

 ……例え嫌われも構わない。例え、怖がられても構わない……貴女だけは絶対に護る!

 斬艦刀の柄を握る俺の手の力が増して行く。

 

「お、おのれー! なにをしているバルシェム共ッ、奴を私に近づけるでない!!」

「「「イ、イイーーーッ!!」」」

 

 銃弾の勢いがさらに強くなるが、そんなモノは俺の耳には届かなかった。

 分解された弾が斬艦刀の刃をさらに強大なモノに変えていく。

 長さ? そんなものは知らん。

 俺はただ、斬艦刀を振り抜くのみ!

 

『うおおおおおおおおおぉっ!!』

 

 俺は敵に向かって駆け出した。

 そして斬艦刀を大きく構え、気合い一閃でそれを振るっていた。

 

『斬艦刀ッ ──』

 

 無数の銃弾を浴び伸び続けた斬艦刀はおそらく100mをゆうに超えていただろう。

 重い……だが、そんなことは関係ない!

 俺は譲れないモノのために刀を振るうのだ!

 

『── 星薙(ほしな)ぎの太刀イイイィッ!!』

「うおおおおおぉっ!?」

 

 俺の渾身の横切りが、仮面の軍勢を次々と薙ぎ払い星に変える。

 3つ目の仮面男が座っていた玉座もお構いなくぶち壊す。

 

「お、おのれーー!!」

 

 3つ目の仮面男も空高く飛んでいき、星となった。

 役目を終えた斬艦刀は微粒子となって大気中に流れて、消えて行った。

 終わった……この悪の組織も……

 

「ウォ、ウォーダン・ユミル君?」

 

 ……そして俺も。

 ソフィア先生から声がかかり、俺は自分の初恋が終わったことを悟る。

 だってそうだろう?

 こんな化け物を誰が愛してくれるというのだろうか……沈んだ俺の心に、ソフィア先生の声は重すぎる。

 

「本当にウォーダン君なのね?」

「はい、教官……」

 

 ……もう話しかけるのは止めてもらいたい。

 この悪党のアジトは、先ほどの俺の一撃で崩壊を始めていた。

 崩壊まで時間が無い。

 多少強引にでもソフィア先生を連れて地上へ ──

 

「ありがとう」

 

 俺の思考はそこで中断された。

 ありがとう?

 俺は感謝の言葉を述べられたのか、ソフィア先生に。

 ソフィア先生は屈託のない笑顔を浮かべて言った。

 

「ウォーダン君のおかげで先生助かっちゃった」

「教官……」

 

 ありがとう、か……それはこちらの台詞だな。

 ソフィア先生、貴女はやはり俺の天使だ。

 今の言葉で俺は救われた気がします。

 

 こうしている間にも、アジトの崩壊は進んでいた。

 急がなければ、俺はソフィア先生を抱き上げる。

 

「しっかり掴っていてください!」

「はい、お願いねウォーダン君」

「承知!」

 

 俺たちがアジトを脱出したとほぼ同時に、アジト上の○○工場跡地は地盤沈下に巻き込まれて崩壊した。

 俺はソフィア先生を安全な場所まで運び、そして別れた。

 変身解除の瞬間を見られてはいけない、それがこの世のマナーだそうだからな。

 

 かくしてソフィア先生を誘拐した悪の組織「エアロゲイター」は壊滅し、『エリア』はまた1つ平和になりましたとさ。

 

 めでたし、めでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここは『エリア』の一般的な路地、そこをソフィア先生が歩いていた。

 

「当初の目的を忘れる所であった」

 

 誘拐騒動ですっかり忘れていたが、俺はソフィア先生に告白するために後をつけていたのだ。

 アクセル隊長は既に離脱し、手元に残っている武器は愛を綴ったレター1枚のみ。

 あの騒動の後、ソフィア先生は何事もなかったかのように帰路についていた。

 彼女が自宅に着くまでの間に勝負を決せねばな……先ほどの事件で俺の株が上がっているのか下がっているのか分からないが、男子たるもの初志貫徹!

 俺は渡す!

 この手紙を渡す!

 ラブレターを渡すのだ!

 ちなみに仮面は物質を再構築して再生しておいた。

 

「教官……俺の想いを、受け取ってくれ」

 

 俺は意を決して、ソフィア先生の前に飛び出そうとした。

 俺とは別の声がソフィア先生にかけられたのは、まさしくその時だった。

 

「ソフィア」

 

 銀髪の男だった。

 渋めの顔つきをしている。俺が言うのもなんだが、中々にいい男だと思う。

 銀髪の男の声にソフィア先生は満面の笑みで振りかえっていた。

 

「あら、あなた。高校はもう終わったの?」

「うむ。今日もたくさん悪党を懲らしめてやったぞ」

 

 む、今、ソフィア先生はなんと言った?

 あ ・ な ・ た…………ANATA?

 何の略語だか良く分からんが、あの銀髪の伊達男は俺の敵であることは間違いない。

 決して、嫁さんが自分の旦那に向かって言う言葉では、絶対にないはずだ。

 仲むつまじく話をしおってからに、もっと離れないかこの野郎!

 

「実はあなたに報告があるの」

 

 ソフィア先生が顔を赤らめながら銀髪男に言った言葉に、俺は耳を疑った。

 

「私、あなたの子どもができちゃった♡」

「おお、本当か!? でかしたぞソフィア!!」

 

 む、よく聞こえんな。

 こ ・ ど ・ も…………KODOMO?

 ほうほう、子どもか。それはおめでたいことですね、ソフィア先生。

 ……ってちょっと待て!?

 

「女の子ならイルイ、男の子ならナシムと名付けよう!」

「まぁまぁゼンガーったら」

「こうしてはおれん、ベビー用品を買いに行かねばな! 行くぞ、ソフィア!」

「もうゼンガーったら、生まれるのはまだ半年以上先なのよ」

「おっとそうだったな。では今日は祝杯を上げようか」

「ふふ下戸のくせに祝杯だなんて、ゼンガーったら、本当にうれしいのね」

 

 なんて会話を交わしながら、ソフィア先生は俺の視界から消えていった。

 あなた、子ども……つまりソフィア先生にはそういった関係の男がいたということだ。

 ああ……ソフィア先生が一気に遠くなった気がする。

 ああ、この怒りをどうしてくれよう?

 

「手近な悪の組織でも潰すか……」

 

 ラブレターをビリビリと破って、俺はトボトボと歩き出した。

 そう、俺の初恋は終わったのだ……

 

 この日、『エリア』外にある悪の組織が2,3個瓦解したらしい。

 下手人は大剣を担いだ仮面の学生だった。

 そんな噂が広まっていたというのは実は秘密である。

 

 

 

 

 

ここは高校がなぜか密集する土地『エリア』。

『エリア』には個性豊かな人間が沢山いる。

今日も、楽しく愉快な仲間達がアホな事件を巻き起こす。

次はどんな事件が起こるのだろう……それは誰も知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

「おら新入り、今日からチャキチャキ働けよ!」

「は、はい、宜しくおねがいします」

 

 私の名前はユーゼス・ゴッツォ。

 悪の組織「エアロゲイター」の元大首領である。

 組織が潰され無職になり、娘たちにマダオ扱いを受けていた私だが、それももう今日までだ。

 

 私は就職した。

 木端な下請け刃物工場だが、無職よりはいい。

 ここで金を貯め、息子たちと一緒に暮らすのだ。

 

「おら、ここが現場だぜ!」

 

 声の大きい現場主任に導かれて、私は工場内に足を踏み入れた。

 ギュイイイイ、という刃物を研ぐ音と共に、キラリと輝く家庭用の包丁が目に入る。

 …………………あれ?

 なんだろう、刃物……刃物刃物刃物刃物刃物刃物刃物刃物ッ!

 

「いやあああああ、刃物怖いいいいいいいいぃっ!!」

「お、おい、どうした新入り!?」

 

 そこで私の意識はプツリと途切れた。

 

 

 

 気が付くと、私はまた公園のブランコの上。

 クビになりました。

 ふふふ、私の明日はどっちだろう……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




<キャラ紹介>
ウォーダン・ユミル:影高3年生。恋する改造人間。
アクセル・アルマー:影高3年生。キョウスケに闘志を抱きながらも、現在2又中。
ラミア・ラブレス:影高3年生。ほとんど影高にいない。
ソフィア・ネート:影高数学教師。ゼンガーとは夫婦。
ゼンガー・ゾンボルト:ソフィアの旦那。親ばかになるゼンガーを見てみたい。


<次・回・予・告>

エクセレン「イェーイ、最近出番がない分、ここで頑張っちゃう♪ キョウスケ・ナンブ、いざ参る!」

キョウスケ「参らんぞ、俺は」

エクセレン「せっかくの親分回なんだし、我がリボルビングバンカーに貫けぬモノなし! とか言ったりしないの?」

キョウスケ「誰がするか。それに主役は別人だろうが」

エクセレン「そうよねー、どうしてあんなに雰囲気と顔にてるんだろう。いっそ親分2号に任命して、D(ダブル)Z(ゼンガー)とかやればいいのにー」

キョウスケ「いや、あの人は絶対にやらんだろう……埒が明かんので次回予告にでもいくか」



キョウスケ
「俺の名前はキョウスケ・ナンブ ── 以下略 ── だ!
次回の主役はアンドー・マサキ!
リューネとのデートの現場までかれは無事にたどり着けるのか?
次回スパロボ学院『アンドー君漫遊記 ~現場探して行く千里?~、
どんな相手だろうと打ち貫くのみ!」

エクセレン
「この次回予告はフィクションです。実在の人物・団体・企業とはなんの関係もございません。
スパロボTOPもよろしくねん♪」


読者様といつも感想くださっている方々に感謝!
結構ネタができてきた感じです。
次回は掲示板に書き込んでくれた「三国同盟」さんから頂いたネタでお送りいたします。
ま、キャラは崩壊するでしょうけどね。

では次回もよろしくお願いします。
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