巻物語   作:さゑら

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006-B

「ほげえええええええええ!!!!」

「叫ぶでないと言ったじゃろう!」

 

 まだ何も視認していないが、取り敢えず叫んでみた。

 ちいさなおててが僕の口に当てられる。

 良い反応だった。

 

 さてはて、僕は振り向いたと同時にここがさっきまで居た白蛇神社でないことに気づいた。

 それどころか僕の故郷ですらない。

 見覚えのない土地だ。見覚えのあるたちはどこかと言われても地元としか答えようがないが。

 なんせ僕は大学生になった今でも故郷も街を捨てていない。その街だってお世辞にも都会とは言えず、閑散とした田舎町の更に郊外だ。そんな外れから通える場所に偏差値70オーバーの高校生が推薦でいく大学があるというのだから、もうどこに住んでいるのか大凡予想がつくというものだが、それはどうでといい。

 

 とにもかくにも、僕の居たはずの街はミスタードーナツが開店しただけで一大事になるような田舎街なのだ。

 

 それがどうだろう。

 どうしてしまったのだろう。

 周りに広がるビルで形成されたジャングル模様。所狭しとギシギシに並び立つ建物と綺麗に舗装された道が美しい近未来感を醸し出している。

 家と家の間が10メートル空いている、なんてものではない。そもそも一軒家が存在しないなんて、僕からしたらもはやSFの世界だ。

 そして、目の端に移る一際目立つ塔を見て僕は遂に現在地を悟る。

 

「ええええ……って、え?」

 

 634メートルの電波塔は、思ったよりも、小さかった。

 まさかの現在地に「冗談だろ……」と忍に話しかけようとした瞬間。

 

 目の端に何かが溜まる。振り向いた先ニーメトル。

 歩行者用道路を塞ぐようにナニカが落ちて居た。

 

「あ、あああああ───!!」

 

 気付いた時には叫んでいた。さっきのおふざけの様な大声ではない。渾身の叫びだ。

 修羅場なんて、忍の忠告なんてあったものではない。

 無意識からの、本能からの慟哭だった。

 現在地が東京? そんなの12年前にタイムワープしたあの時に比べたら些細な問題だ。それに、自慢じゃないが僕は地獄に突然飛ばされたことだってある。

 僕の叫びはそんな大局的な光景からの発見にはよらない。

 より身近な場所で見られた光景。

 

 もっと言えば、わずか2メートル先に置かれた『物体』。

 

『物体』になってしまったモノ。

 成り果てた、者。

 

 死に果てた、人間。

 

「あああぁああ……、ああ」

 

 突如立つことになった大都会の片隅で。

 側にポツリと置かれていたのは、明らかに事切れた肢体。

 

 その死体は、僕だった。

 

 制服に身を包んだ阿良々木暦が、死んでいた。

 

 銃創を3発頭にこさえて、忌んでいた。

 

「────っ!……あぁ。……しのぶ───忍!」

 

 既に抱きしめているのを忘れて抱きしめる。

 しっかりと自身の両腕の中には華奢な幼女が収まっているというのにきつく締め上げる。喪失した何かを搔き集めるように締め付ける!

 今の僕には忍が痛そうだとか、目の前に何があるのかとかそういった、自分の内面以外に対する認識能力が残っていなかった。残っていない、というか、ずり落ちたている。壊死したのだ!

 何故自分が、何を自分が怖がっているのかすらも分からない。ただ、それを目にした途端に自分を構成する何かが抜け落ちて──まるで、死んでしまったかのような寒さに襲われたのだ。

 どんなに腕に力を込めても、増すのは自己が瓦解していくような喪失感だけ。取り戻そうと力を込めた先から溢れ落ちて行く。

 生の象徴のような怪異を目に収めていても、頭は死の概念に苛まれる。

 死体から目を離そうだとか、忍を放そうだとか様々な自己防衛がチラ見しては消滅していく。

 

 まるで、羽川家を視察した時のような恐慌状態。

 自分の行動が制御できず、五感が失われていく。

 

 ああ、アレは、まぎれもない死体。

 僕の死体だった。

 頭に三発の致命傷を受けて、程なくして死体になった僕の肢体だった。

 

 全身が震えているのにそれを感じることができない。

 運動神経と感覚神経のバイパスが完全に遮断されている。忍からしたら、体が震えて目玉がせわしなくギョロギョロと動く僕はさぞかしおかしく見えただろう。

 否、シャレにならない程に醜い姿だった。

 

 小声で震え声を発音する僕。

 

 アスファルトで平に均された道路。

 光を遮るビル群。

 あたりを薄っすら漂う煙。

 そして死体。

 その全てが僕を攻撃するナニカで、僕はその全てを遮らなければいけないという強迫観念に襲われていた。

 

 ──そうか。

 そうか。そうかそうか。

 なるほど。

 たしかにそうだ。あのキオクだ。あの、キオクだったのか。

 

 ナツかしいとカンじた、そのカオりは、僕のチのニオいだったのか。

 

 そりゃあ、懐かしいと感じるはずだろう!

 

 春休みに数人分の僕を流したあの匂い。

 ゴールデンウィークのに腹から流したあの香り。

 些細なことで流して、多大なほどに失った。

 最近では千石と会うたびに流し続けたのだ。

 忘れるわけがない。忘れるはずもない。

 だって、今もなお、僕にはソレが通っているのだから。

 生きているのだから、流れているのだ。

 

「ううううううう!」

 

 怖い。

 ドッペルゲンガーの方がまだましだ。

 だって、生きている。その怪異は生きているのだ。

 死んでいるってことは、終わっているということだ。

 なら、あの姿は、僕の終わりということなのだろう?

 

 嘘だろう?

 

 僕は、あんな姿になるのか。

 あんな──力尽きたモノになるのか。

 生きたその終わりに。

 

 物語の終わりに。

 

 形も肩身も何もあったものではない。あんなモノになるのか。……人は終わればああなるのか!嗚呼!

 

「ううぅ……だ、大丈夫だ、忍。僕は、まだ、生きている。死んでいない。アレは僕であって僕じゃない。だから、終わらない──死なない」

「たわけ。そんな震えた体のどこが大丈夫なのじゃ。放っておいたら一日過ぎる前にああなるぞ」

 

 かぷっと、そう応えて忍は僕の首筋に噛み付いた。

 甘く噛んで、なめとった。

 僕についている、二つの小さな穴を。

 その存在を教えるように。

 忍は僕の在り処を訴えた。有り方を修正した。

 

「ふん。お前様は吸血鬼モドキの人間なのじゃろう?なら、そんな死体一つで死が移ったりせん。──お前様は限りなくリビングデッドなのじゃ。お前様は人間のアレよりも濃厚に死んで、生きている。根深くこの世に足を下ろしてしまっておる」

 

『死が移る』とはどういう意味なのかよく分からない。しかし、その言葉を聞いてようやく僕に熱が戻ってくるのを感じる。恥ずかしい話だが、震えはしばらく止みそうになったけれど、それでもなんとか自分の存在証明が頭の中で決着ついた気がした。

 

 住み分けができた気がした。

 

 は、はぁ。とつっかえながら息を吐く。

 呼吸すらままならない錯乱状態だったようだ。

 

「とりあえず、怪しまれるといかんじゃろう。お前様はそこで待っておれ」

 

 するりと僕の腕から抜け出した忍は死んでいる方の阿良々木暦に向かって歩き出す。

 なんなく死体の元にたどり着いた忍。彼女はペタペタと無造作に死体に触りまくる。死に具合を確かめているようだが、その様子は検診する少女というより不謹慎な子供だ。

 しばらく呆然とそれを見ている僕だったが、銃弾が打ち込まれた死体があるというのに周りに誰もいないことに気付く。

 

「おい、忍。そろそろ戻ってこい」

 

 体の震えは動ける程度には戻っていた。

 鬼の目にも涙というが、吸血鬼の献身も馬鹿にできない。

 忍は了承を示して戻ってくる。

 阿良々木暦を持って、帰ってくる。

 持って帰って、くる?

 

「おい。そんなもん持ってくるなよ──阿良々木暦が移るだろ!」

「小学生のいじめか。ちゅーか、それでいいのか、お前様は。って、儂が言いたいのはそんなことじゃなくてじゃの……ほれ、なんか全体的におかしく思わんか?」

「顔のことと身長のこと以外でか?」

「以外でじゃ」

 

 ボケたつもりだったが、その返しだとどうも僕の顔と身長がおかしいと言われた気分になるな。

 釈然としない。

 

「……色々おかしいな」

「そう、おかしいのじゃ。煙でよく見えんかったが、お前様の死体からしてこの煙の正体が火薬であることは分かる。分かるのじゃが、それがわからない」

「──なぜ、日本で、それも首都東京で銃が死因になり得るのか」

「うむ。加えて言えば死体のお前様が着ていたこの妙な制服と何故か握られた拳銃。……そして、これじゃ」

 

 忍は死体の懐から明らかに銃刀法を無視した刃渡りを持つナイフのような形をした刃物を取り出した。4〜50センチほどの大振りなものだ。

 帯銃している時点で色々とおかしい気もするが、そうやって死体を点検していくとどんどんおかしな点が見えてくる。

 骨の具合からして銃が当たった形跡があるにも関わらず破れていない衣類。

 胸ポケットに入れられた聞いたこともない物騒な名前の高校の生徒手帳。

 

「……『東京武探高等学校 Rank.C武装探偵 阿良々木暦』らしいぞ」

「なんだよその武装探偵って。そんな高校も職業も聞いたことがないぞ」

「良かったなお前様。この世界でも最低ランクなどという改めて死にたくなるような事態は避けられたようだぞ」

「やかましいわ。つーか、最低ランクがCかもしれないだろ? ……ってそんなことはどうでもいい。おい、これは一体どういうことなんだよ、過去世界どころか並行世界に来ちゃってんじゃねえか! 勿論帰れるんだろうな?」

「ふむ、考えられる可能性はいくつかあるが、おそらく、儂らの世界の霊的エネルギーの性質とこの世界の何かの性質とがたまたま合致したのじゃろう。胡散臭い哲学者がよく使う『チャンネルが合った』という奴じゃ。故に、過去へ飛ぶ際にこの世界に引っ張られたのかもしれんの。……もしかしたら、儂らはとんでもないものと一体化していたのではないだろうか……」

「意味深長な発言の終わり方で煙に巻こうとするな。とんでもないのはお前とこのザマだよ。……え、まじで? これってマジモンにやばいやつじゃん。下手したらこのスリップのせいで世界自体が壊れる典型的な古典SFの流れの奴じゃん!」

 

 大抵は元の世界の博士が助けに来てなんだかんだあっていい話で終わることの多いこの手の話。残念ながら僕の世界はまだドラえもんが発明されていないし、博士も迎えにきてくれない。

 しかも、この世界の阿良々木くんの首筋が綺麗なことから、彼は吸血鬼に遭っていない可能性が高い。ということは彼はまだ18歳じゃないのかもしれないのだ。

 もしそうなれば、この先の未来はもうダダ崩れである。

 目を覆いたくなるような大惨事まっしぐらだ。

 

「いや、お前様よ、早まるでない。この世界の阿良々木暦は儂らがくる前に死んでおった。ちゅーことはこの世界を世界βとすると、世界βでは阿良々木暦が吸血鬼に出会わずして死ぬのが正史ということじゃ。生死だけに」

「つまらないこと言ってないでその生徒手帳で僕の年齢を確認しろ。それによってそのジョークが成立するのか決まるんだから」

「ふむ、この阿良々木暦は17歳のようじゃな。やば、儂の知らないお前様じゃん。興奮しそうじゃ」

「やめろ、人生で一番イキってる時の僕を汚すんじゃない。人間強度どころか、人間としての尊厳が弾け飛ぶわ」

「まぁ、その前に頭がハジキで飛んだようじゃけどな」

 

 僕の死体に対する熱い弄りはなんなのか。

 可愛さ余って憎さ百倍という奴だろうか。

 勝手に死にやがって、的な。

 

「……忍のしでかしたことはとりあえず横に置いておくとして、この状況を誰かに見つかるのが一番危険なことは一目瞭然。だから忍。なんとかしろ」

「吸血鬼使いの荒い奴じゃ」

「お前は常識をもっと丁寧に扱え」

 

 忍はに手を振り翳し「えいっ」という可愛らしい掛け声とともに阿良々木(β)へと叩きつけた。

 腐っても吸血鬼の超パワー。他人に思えない死体の未来の惨状を予期して、反射的に固く目を閉じること数秒。「もう良い」と告げられた声を信じ、徐々に目を開けた。恐る恐るの動作だった。

 

 死体は衣類を残して肉体部分が綺麗さっぱり消えていた。

 

「……は?」

「なにを驚いておる。儂が綺麗さっぱり何かを消すのなんて見慣れた光景じゃろうに」

「いや、だってそれは──」

 

 突如、僕の言葉を遮るようにポツンと残された制服の中から無機質な電子音が鳴り始めた。

 

「──電話」

「どれ、誰からか見てやろう」

 

 この意味不明な状況に物怖じすることなく忍は携帯電話──僕の高校時代の物と同じだ──を取り出してこちらに投げてくる。見ねえのかよ。

 受け取る。

 待ち受けの写真は、死体の所持していた銃だった。

 

 ちなみに僕の待ち受けはひたぎさんとのツーショットである。

 

 画面に表示された電話の差出人は見知らぬ男と思わしき名前。

 

「も──もしもし」

『お前、作戦は終了してんだから早く戻ってこいよ!』

「わ、悪い」

『そんなんだから協調性がないって言われんだよ。さっさと戻ってこい!」

 

 がなり立てるように怒りを表明する電話主。竹を割ったような性格なのだろうか。

 

 怒られている立場なのだが、なんだか『そうか、この世界の僕も協調性がなかったのか』と安心感を覚えてしまった。

 だが、いくらこちらが穏やかな気持ちであっても向こう側の御冠状態が和らぐわけではない。

 

「……えっと、集合どこだっけ? ちょっと頭打って朦朧としてて、ごめん」

 

 嘘は言っていない。

 阿良々木くんはしっかりと頭を打っている。

 三発の凶弾が頭に被弾している。

 

「はぁ!? そういうのは先に言えよな! だからお前は……ってもうそれはいいか。……まあ、なんだ。そういうことなら阿良々木は事後ミーティングに来なくていいから早く救護科(アンビュラス)にいけ。報酬はまた今度学校で渡すことにするわ」

「わ、悪いな」

「いいってことよ。こっちもホシの誘導一人で任せて悪かったな。大事にならなくて良かったよ」

 

 剛毅な声は最後にもう一度、僕を気遣う言葉を投げかけて消えた。沈黙を貫く携帯電話は、大学に進学する際に変えたはずの機種だった。

 所々聞きなれない単語があったが、これではっきりした。

 この世界は僕の世界とズレがある。

 ズレているから平行が生じる。

 平行世界。

 

「忍。『東京武装探偵高等学校』の住所を見てくれ。どうやら僕はそこの『あんびゅらす』とかいう場所に行かなくてはいけないらしい」

「アンビュラス……救急車じゃな」

「救急車はアンビュランスだろ……けど、多分似たような意味なんじゃ……保健室とか?」

「ほけんしつ?」

「そこに引っかかるなよ。……ええと、怪我人を治療する学校の施設だよ」

 

 意外と常識のないやつである。

 いや、世界的に見たら全人口が学校について把握していることを常識とする日本が異例なのか?……いや、そんなわけないよな。

 見るもの全てを魅了するお姫様から国を滅ぼした末に吸血鬼にジョブチェンジするという驚異の経歴を持つ方が異例にきまっている。

 

「なるほど、要は発展場じゃな?」

「お前の常識はどうなってんだよ」

「まあ、保健室行くのは良しとして……つまり、お前様はこの世界のお前様と取って代わって何食わぬ顔して学園生活をエンジョイするということかの? 全くとんだドッペルゲンガーもいたもんじゃ」

「よせやい忍。エンジョイする気なんてこれっぽっちもないわ。この阿良々木暦はどう考えても普通じゃない高校に通っていたらしいし、どうやら少なくとも命を預けるような戦友にいい印象を持たれていないらしい。エンジョイなんて以ての外だろ……全く、これじゃどこかの阿良々木くんと同じだぜ」

 

 というか、僕と同じだ。

 協調という建前の同調を強要してくるのが気持ち悪くて周りを排斥していたあの頃の僕と同じだ。

 本当、色々僕の世界とズレているんだからこういう所こそ違っていて欲しかったぜ。なにが悲しくて黒歴史と向き合わなければいけないんだ。

 とんだ拷問である。

 

「それに、僕の青春はもう終わったんだ。どんなに恋しくてもそれが戻ってくることはない」

「迷子の小娘に対するセクハラはなくならないのにな」

「あれは人生だ」

 

 老人になった僕がシワシワな肌をあいつに擦り付ける日が楽しみでしょうがない。

 

「儂は悲しくてしょうがないよ」

「……それはしょうがないことだから」

 

 そして、どうしようもないことなのだ。

 諦める仕様がないから、諦めてほしい。

 

「お前様のその偏愛は置いておいて。それならこれからどうするつもりなのじゃ? 」

「いや、当たり前だけど元の世界に戻る手段を探すのは最優先事項だ。……だけど、そうかあ……僕。死んでるのか……」

 

 これからのことを考えた、その時。

 不意に腑に落ちた。ふとした時に納得とは舞い降りるものらしい。理解と納得のパスが適当に繋がった感じだ。

 頭にこびりついた先程の風景は色褪せる気配がないというのに、僕は今になってやっと、この世界の阿良々木暦が死んだことは、僕が死んだことと同値でないと思えるようになった。

 呪縛が解かれたような気分だった。

 解呪されたような。

 憑き物が落ちたような──そんな心持ち。

 そんなの気の持ちようだと言われてしまえばそうなのかもしれないが、僕は今の今まで生きた心地がしていなかったことを痛烈に実感していた。

 

「お前様?」

「いや、なんでもない。ここでとやかく言ってもどうにもならない。だからとりあえずここから離れよう」

 

 現象と概念。

 闘争と平和。

 世界と世界。

 思い返せば去年のあの時も歩くことから始まった。

 だから、踏み出そうと思う。

 青春を振り返る物語を。

 

 こうして、僕と忍は東京武装探偵高等学校を目指して歩くことになる。

 

 僕は死体の制服を着て。

 なんだか、追い剥ぎのようで気分は良くなかったが、忍に複製してもらおうにも年季というのは再現できないそうなので妥協する次第となった。

 

 なんだか妙なオチがついてしまったが、これが、これまでの話。

 やっと、次からが本当に始まり。

 1ページ目。

 振り返る話が未来に控えているというのもなんだか妙な話だが──話は話。

 

 巻き戻ろうが物語。

 

 巻物語である。

 

 青春を振り返る話は、始まったばかりだ。

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