今回も色々ぶっこんでます。
「これは一体どういうことだ!!」
ドン!と千冬が机を殴りつける音が管制室に響く。
原因はモニターに映し出されている現状。モニターの中には突如乱入してきた異形のIS達の攻撃を回避し続ける秋と鈴が映っていた。異常事態に管制室にいた真耶と学園の三年生たちが対処に当たっていたが手が足りず、ピットから異変を感じて来ていたアリスとラウラも真耶と一緒に作業に当たっていた。
「教官!学園のシステムがハッキングされ全システムのうち八割が制御不能!」
「どうやら新型のコンピュータウイルスのようです!処理追いつきません!」
「相手はウイルスだけじゃない・・・・・・そうとう技術が高いハッカーもいるみたいで同時攻撃されてる!ちょっとマズイかな?」
アリーナの中にいた生徒達へ避難勧告がされる前に次々とアリーナのドアは遮断されていき、さらに防御シャッターまで下され、完全にアリーナは孤立してしまった。
「山田先生とブロウニングは引き続きシステムの復旧を!ボーデヴィッヒ!二人に回線開けるか?」
千冬の指示に真耶とアリスが頷く、そしてヘッドセットをつけていたラウラは何度か秋と鈴の名を呼ぶが首を振る。
「ムリです!先ほどから呼びかけていますが応答が・・・・・・」
「チッ!ジャミングか・・・・・・どうやら相手はかなりの準備をしてきているようだな」
ラウラの報告に千冬が舌打ちし。
「千冬姉!少し落ち着いて」
苛立つ千冬を気遣ってか一夏がコーヒーを手渡す。
「む・・・・・・すまないな。一夏」
「千冬姉が冷静にならないと皆が慌てる」
「そうだな。織斑先生、山田先生。まだシステムが生きていて開けられる扉はないんですか?」
コーヒーを啜る千冬に一夏が笑みを浮かべ、隣にいた箒が尋ねる。
「残念ながら・・・・・・専門の先生と生徒が必死に復旧作業に当たってくれていますが・・・・・・」
「なら!このわたくしが扉をこじ開けますわ!!」
真耶の答えにセシリアが胸に手を当て言うが・・・・・・。
「無理だ。お前のブルー・ティアーズではここの扉をぶち破るほどの火力はない」
千冬はそれを却下する。
「ですが!やってみないことには分かりませんでしてよ!」
「落ち着け!!ISがあるだけマシだろうが!!」
それでも食い下がるセシリアにモニターを見つめながら作業をしていたラウラが怒鳴りつける。
「相棒の危機に何も出来ないなんて・・・・・・やっぱり私は無力だ!!」
「そんなことないよ。ラウラちゃんは今自分に出来ることをしているじゃない」
キーボードを叩きながらアリスがラウラに言う。
「アリス・・・・・・」
「大丈夫。秋君と鈴ちゃんなら切り抜けてくれるよ。だから私たちは今出来ることをしよう!」
モニターから目を離さず作業を続けるアリスに全員が頷く。
「織斑先生!なんとか第四ゲートハッチ開けられそうです!」
キーボードを叩いていた真耶が嬉しそうに声を上げる。
「よし。オルコット!一夏!お前たちは第四ゲートに向かえ!そこでISを展開後、待機!ブロウニング、ボーデヴィッヒは観客席側のゲートの解放を頼む。解放後、アリーナ内に突入。凰と秋をつれて脱出しろ!けして戦闘はするな!いいな!」
「「「「了解!!」」」」
真耶の報告に千冬は頷き、全員に指示を出し、それぞれが動き出す。
「山田先生。アリーナ内の状況は?」
「依然危ない状況です・・・・・・特に秋君のMk-Ⅱ改はもうシールドエネルギーが」
「そうか・・・・・・(死ぬんじゃないぞ。秋)」
ただ見守ることしか出来ない状況に拳を強く握ることしか出来ない千冬だった。
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「ッ!!あぶねぇ!!」
黒い異形のIS、ハイパーセンサーに表示された名称だと“ゴーレム”のビーム攻撃をかわすがかすった装甲が少し溶けていた。その威力に冷や汗が流れる。それでもとMk-Ⅱ改が持つ火器の中で威力が高いF2Wキャノンを構える。
「動くんじゃねぇぞ。外れるからな!!」
《ご安心を。私がサポートします》
イクスの補助を受けながらトリガーを引く。幸い外れることなく弾丸は当たったが……
「直撃したのに無傷かよ」
まったくダメージを受けた様子を見せないゴーレム。そんなゴーレム相手に俺は長期戦を覚悟した。
「このっ!」
一方では鈴が双天牙月を振るうが白色のIS“バルトール”が腕部の手首部分から展開したエネルギーナイフで受け止められる。どちらも引かず鍔迫り合いを続ける。そこへもう一体のバルトールが腕に装備されているアームマシンガンを鈴へと向けていた。
「邪魔よ!」
龍咆を叩き込んでからもう片方の双天牙月を投擲。アームマシンガンを構えていたバルトールへと向かうがそれをあっさりとかわす。そして再び鈴へ攻撃しようとした所を。
「やらせるかっての!」
F2Wキャノンをロングレンジへと変えてから弾種をビームにしてぶっ放した。背後から撃ったのにもかかわらずこちらを見ずに回避するということをして見せた。
「一体なんなのよ?あいつら?」
「さあな。敵だってことしかわからねぇよ」
「それもそうね」
軽口を言い合いながらも俺たちは視線を三体から逸らさない。既に十分・・・・・・鈴との試合からすれば既に三十分以上戦闘状態になっている。お互いに機体エネルギー、シールドエネルギーもそうだが体力も精神力も限界に近づいている。只でさえ当たれば高威力のビームを撃ってくるゴーレムに武装は少ないがレーザー兵器を使ってくる上にあんな変態機動をしてくるバルトールが二体。特にこのバルトールの妙な動き。
「どう攻略すればいいんだよ?」
はっきりいって手詰まり。現在、Mk-Ⅱ改の残りエネルギーはシールドエネルギーが82、機体エネルギーは半分ほどまで減っている。正直、これ以上の持久戦はこちらの敗北を意味する。そんな俺の内心を読んだのか。
「諦める?あたしはごめんよ!」
こんな状況でも不敵に笑ってみせる鈴。そんな鈴に俺も口の端をニヤリと吊り上げながら。
「冗談。それなら死んだほうがマシだ!」
諦めるなんて死んでもごめんだ。だから俺は拳を握り、鈴を見る。お前はどうなんだ?と問いかける。
「同感。行くわよ。秋!あたしがフォワードでアンタがバックスね!」
予備の双天牙月を取り出し構える鈴。
「命令すんな!けど仕方ねぇな。お前の背中は必ず守ってやるぜ!バックアップは任せな!」
答えながら両手にM950マシンガンを呼び出した俺と組み合わせた双天牙月をバトンのように回し構える鈴。視線を一度だけ合わせた後、互いにカウントし。
「「3、2、1、Go!」」
同時に飛び出す。ゴーレム、バルトール達が反応するよりも早く懐に飛び込むために。ただし向かう先は先ほどとは逆。バルトール達は俺が、ゴーレムは鈴が相手を務める。先ほどとは相手が変わったことに三体のISは一瞬だが硬直した。その隙を逃すほど俺も鈴も甘くはないし愚かでもない。
「食らえ!フルバースト!!」
両手に呼び出したM950マシンガンを乱射し弾幕を張る。そして三体のISの動きを止め、マシンガンが弾切れになるのと同時に破棄。すぐさま両手にバースト・レールガンを呼び出し、トリガーを引く。俺の最初の役目はMk-Ⅱ改が持つ重火器を使って三体のISの足止め。
「まずはビーム砲が厄介なゴーレムから潰すぞ!」
「分かってるって!」
攻撃を続ける俺を飛び越える形で追い抜いた鈴が上空から龍咆を撃ちながら二刀モードへと変えた双天牙月を構え、ゴーレムのほうへと接近。鈴に気付いたゴーレムが腕部ビーム砲を向けるがそうはさせないと俺は片方のバースト・レールガンを向け、ゴーレムの攻撃を妨害する。そこへ。
「っりゃあーーー!」
加速したままの鈴が左の双天牙月で正面から袈裟懸けに切りつけ、ゴーレムの反対側に回り込むと右の双天牙月でもう一閃。そのまま二つの柄尻同士を組み合わせ、両刃モードにすると回転切りを浴びせながら俺に向かってゴーレムを蹴り飛ばす。
「次!任せるわよ!秋!」
「任された!あっちも頼むぜ!」
鈴がゴーレムを相手している間、バルトール達に向かって撃っていたバースト・レールガンを投げ捨て、両腕のプラズマバックラーを起動。こちらに向かって飛んでくるゴーレムへと踏み込む。そして鈴は俺の背後から腕の多重関節を折り曲げ、マイクロミサイルユニットで狙っていたバルトール達の下へ龍咆を撃ちながら向かっていく。
「連撃行くぜ!まずはジェットマグナム!!」
蹴り飛ばされ向かってくるゴーレムへと左腕のプラズマバックラーをカウンター気味にボディへと叩き込む。同時に三本のステークがプラズマエネルギーをゴーレムの体に打ち込む。もちろん、それで沈むとは思っていない。
「もういっちょ!」
頭部へ右腕のバックラーを叩き打ち込む。
「これでラスト!」
火花を散らす頭部を掴むとプラズマニーステークを膝蹴りのように叩き込んだことで漸くゴーレムの赤いセンサーから光が消え、崩れ落ちる。それを確認してから鈴の元へと向かった。
「「まず一機!」」
さらに散々逃げ回ったおかげで大体こいつらの行動パターンは覚えた。こいつら一体一体の性能は高い。だがそれぞれが役割を分担している。威力の高いビーム砲を持つゴーレムが攻撃を担当し武装は少ないがスピードが高く謎の変態機動を持ってけん制と足止めを担当しているバルトール。そして厄介なバルトールだがどうもセオリー通りな攻撃はしっかりと対応してくるくせに今の鈴のように龍咆の稼働限界角度がないことを利用して乱射しながら接近戦を行うという攻撃には対応が遅れている。そして動きが鈍った一体のバルトールへ俺は瞬時加速で迫り。
「捕まえた」
腕をしっかりと掴むとそのふざけた顔にバックラーを叩き込み、機能を停止させた。
「これで漸く……」
「あんたでおしまいね」
残ったバルトールに武器を構える。流石にもう終わらせないときつい。そう思った時だった。
「試験機体タイプA、C。共に損傷値レベルC。これ以降の戦闘行動に異常をきたす恐れあり」
バルトールから無機質な電子音声が流れた。
「よってリミッターを解除後、二次移行を開始。対象を殲滅する」
のだが淡々と告げる電子音声の内容は物騒極まりないものだった。
「ちょ!二次移行ですって!?」
「しかも殲滅って俺たちを殺す気満々かよ?!」
俺たちの動揺を他所にバルトールが変化を始める。丸みを帯びていた装甲が鋭利な装甲に変わり、背中には四枚のウイングが現れる。全身も細くなっている。ハイパーセンサーに表示された機体名は“ミロンガ”になっていた。
「・・・・・・殲滅開始」
静かに電子音声が響きバシャッという何かが開く音が聞こえた瞬間。
ドンッ!!
「え?」
鈴の呆気に取られた声と轟音が聞こえたと思った瞬間、鈴をビームソードで切り裂くバルトール改めミロンガがいた。
「鈴!!あのIS、瞬時加速しやがった?!」
《マスター!甲龍のシールドエネルギーが残り僅かです!!》
「テメェ!!鈴から離れろ!!」
スラスターを展開し、プラズマバックラーを振るうがミロンガは再び背部スラスターを使って一瞬にして距離を離されてしまう。だが今はこれでいい。
「鈴!大丈夫か!!」
慌てて鈴に駆け寄り、鈴を見ると衝撃によるダメージが大きかったのか気絶している。それでもIS装甲が解除されていないだけマシだ。
「くそっ!もう少しもってくれよ。Mk-Ⅱ改、甲龍」
それでもこの状態で攻撃を受ければよくて重傷、最悪死んでしまう。そう思い動けない鈴を庇うように鈴の前に立ち拳を構えガードの姿勢を取る。だが、ミロンガは後退した後、動きを止めていた。
「(一か八か・・・・・・仕掛けるか。一撃で落とす!)」
一気に仕掛けようと瞬時加速用にチャージを始めたその時だった。ミロンガの後方で倒したはずのバルトールが起き上がりミロンガへ二次移行していた。
「二次移行完了…僚機へアクセス」
「アクセス確認。データ共有」
「共有完了」
二体のミロンガがセンサー部を光らせこちらを見つめているような気がした。
「マジかよ…?」
《警告。敵IS“ゴーレム”再起動を確認。ロックされています》
「な、に?」
イクスの警告と共にハイパーセンサーが捉えたのは頭部を損傷していた筈のゴーレムが立ち上がり、右手をこちらに向け装備されている腕部の大型ビーム砲の銃口が上下にスライドし、より強力な一撃を放とうとしていた。
「(回避?!ダメだ。今のスラスターの出力じゃ鈴をつれてだと間に合わない!!)」
そう判断した俺は鈴を守るべく前に出て体を丸めるようにしながらピーカブースタイルで防御体勢をとる。
「(もう鈴には傷一つ負わせない!)」
それと同時にゴーレムから強力なビームが撃たれた。その時だった。何かをぶち抜いた音と共に聞こえる声。
「大丈夫。私が来た」
俺の前に現れたのは彩度の高い青色の巨体。その巨体は両手を前に突出し。
「ぶっつけ本番。これを決められたらヒーローだね。念動フィールド全開!!」
その巨体は極大なビームを真正面から受け止めた。
「私と弐式なら問題ない」
完全に防ぎ切った巨体は何故かゴーレムへビシッと指を指し。
「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!悪を倒せと私を呼ぶ!天下無敵のスーパーロボット!グルンガスト弐式!ここに参上!!」
「いや、更識……なのか?」
声からして更識なのはわかったのだが会った時とはテンションがあまりにも違いすぎてちょっと引いた。
《マスター!》
「あ、秋!」
イクスと鈴の声が聞こえた瞬間、二体のミロンガが攻撃行動に移ろうとしていた。だが、突如、アリーナ上空から赤い閃光がミロンガ一体を打ち抜き、もう一体のミロンガは青い全身装甲のISが持つ大型のナイフのような武器で一閃された。第三者による突然の攻撃。俺が上空を見上げるとそこには白い翼を持ち、銃身が長い銃を軽やかに回転させ構える白いISと右腕に大型の鋏を持った青い全身装甲のISがそこに居た。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「扉をぶち抜いて入り込んだ更識はまあいいとして、また侵入者か・・・・・・ここのセキュリティーはどうなってるんだ!」
「いや、援軍だよ。千冬」
怒鳴る千冬に答えたのはスーツ姿のハウとマリオン博士。さらに眼鏡をかけた金髪の青年が入ってきた。関係者以外は、と言おうとする教員を手で制した千冬がハウに尋ねる。
「ハウ・・・・・・どうしてお前がここにいる?」
「アリスから今日がクラスリーグマッチだと聞いていたものでな。間に合えばと思って完成したばかりのMk-Ⅱ改・タイプGの胸部装甲を持ってきたんだ」
なかなか大変だったんだぞ?と言うハウ。そんな彼女に千冬は額に手を当てながら尋ねる。
「なら今、アリーナに侵入してきたあの白いISと青いISは?」
千冬の問いに答えたのはマリオンだった。
「アレは孤狼と同じハロウィン・プランで開発された“ヴァイスリッター”に青いISは孤狼の稼動データを参考に漸く完成した“ビルトビルガー”でしてよ・・・・・・アリス!ラウラ!」
「「は、はい!?」」
マリオンに突然呼ばれた二人は揃って席から立ち上がり直立不動でマリオンを見る。
「ここは私とロバートで対処します。貴方たちは貴方たちの場所に向かいなさい」
「で、ですが・・・・・・ラドム博士。自分のISは・・・・・・」
マリオンの言葉にラウラが俯く。しかしマリオンはニヤリと笑みを浮かべると。
「心配ありません。貴方のシュヴァルツェア・レーゲンは改修が終わっていますわ。既にハンガーに搬入してあります。行って来なさい!」
「はっ!ありがとうございます!!」
ラウラは敬礼すると直ぐに管制室から飛び出す。それを見ていたアリスもマリオン達に頭を下げるとラウラの後を追うように管制室を出て行った。
「さて、じゃあ始めようかな?ちょっと借りるね」
ロバートはそういうとアリスが使っていたコンソールを使い凄まじい速さで作業を始める。その横にマリオンも座り同じようにロバートに負けない速さで作業に入る。その様子をポカンと見ていた教員や生徒たちを見ずに。
「何をしていますの?早くなさいな」
マリオンの言葉に作業を再開したのだった。
「千冬。少し話があるんだが・・・・・・」
「分かった。だが手短にな」
「分かっている」
「そうか・・・・・・。すまないが山田先生、後は彼女らと共に作業を続けてくれ」
千冬はそう言うとハウと共に管制室から出て行く。その後ろで真耶が「ちょっと!?先輩!!」と叫んでいた。
「それで話とはなんだ?」
管制室から出て直ぐの廊下の壁に背中を預ける千冬。そんな千冬に傍の自販機で買った缶コーヒーを投げるハウ。
「少しは殺気を抑えろ。秋たちが心配なのは分かるがな」
「まったく・・・・・・それよりいつまでそんな口調を続けるつもりだ?ハウ?」
「はぁ~。秋君にも言われたけどそんなにおかしい?私が真面目な口調するの?」
「ああ」
そんな~と落ち込むハウ。そんなハウを尻目に缶コーヒーを啜る千冬。
「で?話とは?」
「・・・・・・千冬は相変わらずだね。今日の襲撃者だけどアレはやっぱり束だと思う?」
「・・・・・・可能性は否定できない・・・・・・アイツのことだ、秋や一夏のデータ欲しさに玩具を作ったとも思える・・・・・・」
「やっぱり気付いてたんだね?アレが無人機だって」
「気付くさ・・・・・・。あの三体から人間らしさを感じられないからな(確かに感じられないが・・・・・・アレを通してこちらを見ている奴がいるのは間違いない)」
「だね。だけど今更、束がそんな真似をするかなって私は思うんだよね」
どういうことだ?と尋ねる千冬にハウは缶コーヒーを口からはなし。
「十年前の事件・・・・・・アレをやったのは束だよ?データ欲しさなら誰にも気付かれないようにハッキングすればいいし・・・・・・態々無人機なんてもの作るかな?」
「ふむ・・・・・・だがそれなら何処が?」
「亡国機業・・・・・・私はそこが一枚噛んでるんじゃないかなと考えてるよ」
「根拠は?」
「約一週間前、イギリスの第三世代型が一機盗まれた。もちろん公になっている情報じゃないけど・・・・・・」
「イギリス?第三世代ということはオルコットのブルー・ティアーズと同型機か」
「そ。コードネームは“サイレント・ゼフィルス”そのISの奪取に使われていたのが・・・・・・」
そこで一旦言葉を切ったハウは軽く息を吐き続けた。
「ゲシュペンスト。それもマオ社で採用されなかった量産型ゲシュペンストMk-Ⅱの改良プランの一つ、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ・シュテルベンだった」
「なんだと?!」
「マオ社のマザーにハッキングがされててそのデータがコピーされてた。そして、その奪取犯の中の一機は右腕がリボルビングステークになっていたそうだよ」
「チッ・・・・・・」
舌打ちする千冬。そんな千冬をハウは静かに見つめ。
「でも束が関わってないって証拠にはならないんだよね・・・・・・」
「アイツは昔から自分の考えは間違ってないと考える奴だからな・・・・・・」
「千冬。これから先、亡国機業や束がどんな手を使ってくるか分からない。刀っちゃんに訓練をお願いするつもりだけど私たちも剣を取るべきかもしれない」
「・・・・・・」
ハウの言葉に千冬は黙る。
「後悔したくないし・・・・・・束を止めるのは親友の私たちの役目だよ。その為に“凶鳥”を復活させる」
「ッ!!!・・・・・・本気なんだな?ハウ」
「もちろん。弐式はかんちゃんに使ってもらったし壱式は私用にチューンしてある」
「・・・・・・わかった。なら“凶鳥”は私が受け取る」
「そうしてくれると助かるな。私じゃ凶鳥は使いこなせないしね。本格的に行動に移るよ」
「そうか・・・・・・世界を変えてしまった罪を償う時が来たようだな」
「もう三人で楽しくやれる日はこないのかな?」
「さあな。だが・・・・・・どんなに可能性が少なくとも可能性がある限りやるだけだ」
「そうだね。束、連絡は付く癖に…なんで姿はみせないのかね?」
「それこそ知らん。どうせ私の鉄拳を食らいたくないだけだろ?」
「ありえそ」
二人は話は終わりと管制室へ戻っていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
新たに現れた三体のISの登場にゴーレムとミロンガ達は動きを停止する。それは相手の出方を見ているように感じられる。先に動いたのはミロンガ達だった。それぞれ白と青のISたちに向かっていくと二体ともそれぞれの得物で迎え撃つ。高速で移動するミロンガにも白いISは遅れない速度で飛行し左腕のビームキャノンを撃つ。対して青いISもやや速度で劣るようではあるが自分たちよりも喰らい付き左手に持ったアサルトマシンガンと大型のナイフで渡り合っている。
「凄い。あの二体の操縦者、相当高機動戦闘になれてるわね」
意識を取り戻した鈴が今は俺を支えてくれている。ぽつりと漏らした呟きが聞こえるが今の俺はその動きを眼にしっかりと焼き付けようとしている。いずれ孤狼の動きで使えるかもしれないから。
「二人とも邪魔だから避難してくれる?」
ゴーレムと組み合った簪からの冷静な呟き。みれば圧倒的なパワーでゴーレムをねじ伏せているがゴーレムに与えたダメージは修復されていく。その光景に見覚えがあった。
「まさか、マシンセルが使われているのか?」
そんな中ゴーレムの動きが変わった。いきなり苦しむ様なそぶりを見せると背中から泥のようなものが溢れ、その姿を変えていく。それはドイツで見たVTシステムの変貌とよく似ていた。
「な、何が起こってるのよ?」
「多分、あいつもこの状況に合わせて形態を変えてるんだ」
「それ、正解だと思う」
簪の言葉を肯定するかのようにゴーレムには新たな腕が二本追加され、脚部にはミサイルユニットが追加されていた。
「来る!」
新たな腕からビームサーベルを展開し飛びかかってくるゴーレム改。簪が腕を振りかぶった時だった。ゴーレム改に複数のレーザーが当たり爆発。しかし大したダメージはなかったようでゴーレム改が腕のビーム砲を攻撃者へ向けようとした所を白い何かが宙を走り、ゴーレム改を一閃。さらに回し蹴りを喰らわせ地面へと叩きつける。
「待たせたな!秋!」
そういったのは白式を展開し肩に雪片弐型を担ぐ一夏とスターライトMk-Ⅲを構えた状態のままのセシリアが俺たちの元にやってきた。
「ご無事でしたか?秋さん、鈴さん」
「一夏!セシリア!」
「あんたたち、どーやって来たのよ!」
鈴の問いに一夏はゴーレム改を視界に収めながら答える。
「山田先生がゲートを開けてくれてな。そこからセシリアと入って来たって訳だ」
「そうか・・・・・・サンキュー。兄貴」
「よせよ。それより早く離脱しろって」
「・・・・・・気をつけろよ」
「おうよ」
それだけで充分と一夏は雪片弐型を構えなおすとゴーレム改へと向かっていく。セシリアもビットを使い、一夏や簪を援護する。
「行くわよ。秋」
「・・・・・・悪い」
そして、俺は鈴に連れられてゲートから脱出したのだった。
かんちゃん、原作よりも早くにデビュー!そしてやっぱりばれてた専用機w
だけど念動力者なかんちゃんやヴァイスリッターと一緒にビルトビルガーが来るとは思うまい!
うん。今回も受け入れる準備は万端ですよ?
さあ、感想、ご意見をお待ちしています!!
※機体名の表記を直しました