書き直し続けていたらこうなってしまった・・・
いつもと違い早めに投稿します。明日は仕事が入っているため更新できませんがすいません。
「馬鹿!なんでアンタは無茶ばっかするのよ!!」
「・・・・・・」
目に涙を溜めた鈴が俺に怒鳴る。それに返す言葉もない。鈴に肩を貸してもらいアリーナからピットへと入るとそこにはIS学園の整備課の人たちとマオ社の技術スタッフが準備を済ませて待っていた。
「弟君は第一ハンガーに固定させて、凰さんは第二ハンガーに!」
整備課の黛さんに指示をもらいMk-Ⅱ改をハンガーに固定すると胸部ハッチが解放され用意されていたステップを使って降りる。隣を見れば同じように展開されたままの甲龍を固定しISから降りた鈴。俺たちと入れ替わる様にIS学園の整備課の生徒とマオ社のスタッフがISへ向かって整備を始める。
「ダメージレベルの高い甲龍の作業を優先!交換用のパーツは第一コンテナに用意してあるから!Mk-Ⅱ改はエネルギーパイプをつないで補給を始めておいて!」
「両ISの装備外しまーす!」
「システムチェックは私たちの方で行いますから」
「ありがとございます!マオ社の皆さんにシステムを任せて整備課の皆は装甲と装備の方を!」
黛さんの指示の元、いくつものパイプが繋がれ、装備を外されていく両IS。甲龍は学園に用意されている予備パーツに取り替えられ、Mk-Ⅱ改はマオ社が運んできたコンテナを開け中から装備を取り出し交換していく。その作業を見ながら俺と鈴はピットに用意されている待機場所で整備課の人からもらったドリンクで水分を補給していると。
「で?さっきの答えを聞いてないんだけど?」
こちらを睨んでくる鈴に俺は頭を描きながら。
「…無茶でもなんでもねぇよ。お前に怪我をさせるよりよっぽどマシだ」
「でも!それでもし秋が死んじゃったら、あたし・・・・・・」
「死なねぇよ。まだ、お前との賭けも約束も残ってるし。それに俺の悪運なめんな」
「このバカ!」
空になったドリンクボトルを投げつけられた。それから約三十分、こっちを全く見ず、どうやら完璧にお怒りな鈴にどうしたものかと考えていると布仏と箒がやってきた。
「お~い!あっきー」
「無事だったか。二人とも」
傍に来た二人に問題ないと手を挙げてアピールする。そこで気が付いた。
「布仏?なんでISスーツを着てるんだ?それに箒?お前、その刀は?」
そう、布仏は紺色の水着のようなISスーツを着ており箒の左手には白塗りの鞘に納められた刀が握られていた。って箒さん?それ本物ですか?
「ふふ~ん!よくぞ聞いてくれました!!かんちゃんが弐式で出ていっちゃったからね。私もサポートで出ようかと思って!」
そう自慢げに言う布仏。
「私はアリーナの観客席に取り残された生徒たちの救出をして回っていたんだ」
「……どうやって?」
「斬ってきた」
「凄いんだよ!もっぴーが刀を構えてズバッって!」
布仏が箒のまねをして見せる。その動きから察するに居合切りをしたみたいだが……
「いや、ここの扉ってそんな簡単に斬れるのか?」
確か、セキュリティレベルによってはISの攻撃でも扉の破壊が難しいって話なんじゃ?
「確かに難しいが斬鉄と斬る場所さえ間違えなければそう難しくもない…と言いたいところだがこの刀のおかげでもある」
箒は刀を見せていうがそれでもアリーナの扉を斬るって完全に奥義とかそういう類の領域だよね?……うん。深く考えるのは止そう。ただ俺に言えるのは箒も姉貴同様、怒らせちゃいけないということだな。
「それにしてもよく姉貴たちが許可したな?」
「ああ。ラウラやアリスたちが行った後に、システムを取り戻すには時間がかかる事が分かってな。千冬さんの判断で生徒たちの救出を優先することになったわけだ」
「それで障害を物理的に排除したと?」
「あの場でそれが出来るのは私か千冬さんだけだからな」
なんとなくドヤ顔になってませんかねぇ?
「扉さえ開けられれば、後は生徒会長たちが避難誘導をしてくれている。これで心配事は一つなくなった」
「そうか。それでアリーナの状況は?」
「それは問題なしだよ~。黒い砲戦型ISにはいっちーとせっしーにかんちゃんが、あの不気味な二体のISはらうっちとありっちが援軍で向かったから」
「そうか……」
ちらっと見てみれば整備課の皆さんがMk-Ⅱ改の胸部装甲を新しい砲口が付いたものへ交換しているのを眺めながら俺は思った。
「(もう一波乱あると思っておいたほうが良いかもな)」
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秋と鈴が離脱するのを見届けてから俺はセシリア、簪と共に敵IS-ハイパーセンサーに表示された情報によるとゴーレムというらしい-と向き合う。千冬姉は戦闘するなと言っていたけど向こうは逃がしちゃくれないみたいだ。最初は撤退しようとしたのだがゴーレムの執拗な攻撃にさらされ戦闘を余儀なくされていた。
「どう思う?セシリア?簪?」
「やけに装甲が厚いですわね。わたくしのライフルを何度も受けても平然とされているのですから」
「同感。パワーでは弐式が上だけどマシンセルのせいで致命傷が与えられない」
二人の言うとおり、ゴーレムは俺たちの攻撃を受けてもその傷はすぐに再生してしまいイタチごっこになっていた。
「やっぱり零落白夜で落とすしかないか」
「そんな欠陥品より私の計都瞬獄剣で決める」
「あ?欠陥品?」
簪の呟きに思わず反応してしまった。
「自身のシールドエネルギーと引き換えの必殺技なんて今時はやんない。イチバチよりも確実に決めることが大事。必ず殺す技と書いて必殺技だから」
「お前!やっぱり俺のこと嫌いだろ!」
「え?一夏って自意識過剰系なの?」
「もうやだ!こいつ!!」
簪の言葉がつらい!!
「あ~…わたくしはお二人のサポートに回りますわ…」
乾いた笑いを浮かべながらセシリアがスターライトを構える。
「任せた。一夏、ふざけていないで敵に集中」
「お前のせいだろ!?もういいや。行くぜ!」
「お任せを!」
互いに頷き、俺たちはゴーレムへと向かっていった。突進する俺を援護するようにセシリアがランダムにライフルを撃ちながら狙撃の為のポイントを確保しにいく。しかしセシリアの攻撃は脅威と判断しなかったゴーレムが俺と簪に向き直り両肩のビーム砲へエネルギーをチャージし始める。
「させない。ブースト…ナッコォ!」
簪の叫びと共に腕の一部装甲が開き、炎を噴出しながら肘から先が切り離され弾丸のように飛んでいく。飛ばされた二つの拳がゴーレムへ直撃しその態勢を崩したところへ俺は飛び込み、雪片弐型で袈裟懸けに斬り、さらに横一線。そこで俺はウイングスラスターを全開にし急上昇する。何故ならば……
「スーパーロボットの御約束。胸からの光線技…マキシブラスター!!」
飛ばした鉄拳を回収した簪が背後に控えており、その胸部から大出力の熱線が放たれゴーレムの装甲を焼いていく。しかし。
「くっ。これにも耐えるとか、在りえない」
装甲を再生しながらずっとチャージしていた両肩の拡散ビーム砲を撃ってきた。俺は射程から外れるように回避し簪は念動フィールドと呼んでいたバリアを展開し防いでいた。セシリアも構えていたスターライトMk‐Ⅲを下し、回避に専念する。粗方ビームを打ち終わったゴーレムは突然、上空のセシリアを見上げると背中の二本の腕が切り離され、撃ちだされる。
「なっ!?きゃああああああっっ!!」
背中に新たに生えた三本爪の腕はワイヤーでつながっておりセシリアを捕まえると電撃を流し始めた。
「セシリア!」
俺はそれに気が付きセシリアを助けようとスラスターを吹かすが、ゴーレムは腕部ビーム砲をこちらへ向け、撃ってくる。簪の方も同じようにビーム砲で撃たれておりセシリアの方へ向かえない。このままではまずい。そうは思えても近づけない。電撃は変わらずセシリアを襲っている。
「(こうなったらダメージ覚悟で…!)」
その時だった。秋たちが退避したピットから一機のISが飛び出し。
「おりゃあ!」
両手に持つ武器でワイヤーを斬り地面に降り立った。そのISは。
「戻ってきたわよ!」
退避したはずの鈴だった。
「なんでお前が!?」
「なんでって決まってんでしょ?こいつにリベンジするためよ」
不敵に笑う鈴。
「整備課の皆とマオ社の人たちが頑張ってくれたおかげでね。この通り甲龍は元通りよ!」
「じゃあ秋も来るのか?」
「あ、あ~…秋は来ないわ…」
何故か視線をそらす鈴。俺はあいつの性格上、鈴だけ出てきて自分は出ないなんてことはしない筈だ。そう思った時ピットから飛び出したのはMk-Ⅱ改。Mk-Ⅱ改は上空で戦っている四人へ合流した。
「なるほど。あっちへ行ったのか」
「そ、そうなのよ!あっちも心配だしね。さて、そろそろ片を付けましょうか!」
そういって双天牙月を構える鈴。その横に簪とセシリアも並ぶ。セシリアの顔は青くなってはいたがその眼から光は消えていなかった。
「アンタ大丈夫なの?」
「え、ええ…この子も頑張ってくれましたから。それにこの程度で根を上げていたら代表候補の名が廃りますわ」
「そうね。伊達に国の名を背負う立場にいないってことを見せてあげようじゃない!」
「私たちならやれる」
「行くぜ!ゴーレム!!」
俺たちの反撃開始だ!
「喰らえ!龍咆!」
「アイソリッドレーザー!」
甲龍の非固定式ユニットから衝撃砲が連続で放たれ弐式の目からビームが放たれる。
「行きなさい!ブルー・ティアーズ!」
四つのフィン状の兵器が宙を舞い、ゴーレムをレーザーで攻撃する。
「斬り捨てる!」
三人の援護を背にゴーレムへと肉薄し雪片を振るう。しかしゴーレムはそれすらも耐え、俺に拳を振るってくる。
「ぐ!」
とっさに受け止めるが吹き飛ばされる。
「一夏!」
それを受け止めてくれたのは意外にも簪だった。
「助かった。簪」
「気にしなくていい。貴方をぶちのめすのは私だから」
「ええ~…」
感謝して損した。まあいいけどさ。すぐに立ち上がるとゴーレムへ向かう。今、ゴーレムが相手にしているのは鈴だ。鈴の怒涛の攻めにゴーレムは防御に徹している。反撃しようとすればセシリアの攻撃が入り、その隙に鈴は龍咆の置き土産と共に下がってしまう。俺たちはとにかく再生仕切る前にダメージを重ねて倒すという戦法に出ていた。そんな中だった。ゴーレムが体を丸めたかと思うと体の表面に高エネルギー反応が現れる。
「皆!下がって!!」
簪の言葉に全員が下がるとなんとゴーレムは全身からビームを放射し見境なく攻撃を始めた。俺たちもそうだが上空の皆も回避に専念している。しかし一人違う行動をしていた。それはセシリアだった。スターライトMk‐Ⅲのスコープを覗いたまま制止している。ビームがかするも微動だにせずただ何かを待っていた。そしてビームを撃ち終わったゴーレムが動きを止めたその時。
「貰いましたわ」
そう呟くのと同時に一射。セシリアが放ったレーザーはゴーレムの背中。二本腕が生えた場所に命中した。俺にはなんでそこを?と思ったが次の瞬間、理由が分かった。
「!?!?!」
轟音と共に背中が爆発し誘爆したのか両肩のビームユニットも爆発。腕が地に落ちた。
「やっぱり、ジェネレーターでしたわね。腕が現れたことで逆に弱点を相手に知らせてしまうとは…そうなって当然ですわね」
出来て当然と言わんばかりのセシリアに俺は改めて代表候補生の凄さを知った。
「一夏さん!何をしていますの!今ですわ!」
「お、おう!」
両肩が吹き飛び腕を無くしたゴーレムだったがまた再生しようとしている。セシリアが作ったこのチャンス。無駄にはしない!
「簪、鈴!!」
「「一夏!!」」
「「「これで決める!!」」」
雪片を正眼で構え、スラスターをチャージする。簪は弐式から飛び出した柄を掴みとり左掌を柄に合わせ。
「お先!」
先行したのは鈴だった。龍咆を連射しながら接近。双天牙月で連撃し二刀をゴーレムの足に突き立てる。
「天に凶星、地に精星…!計都瞬獄剣!」
簪が言葉を紡ぎ、掌を動かすのと同時に柄から炎が溢れ、刃が生まれる。
「顕現!全てを切り裂く、受け継がれし夢幻の刃!雪片弐型!」
雪片の刀身が展開し白く輝く閃光の刃が現れる。
「「必殺!!」」
同時に瞬時加速を使いゴーレムへ突っ込む。だが、ゴーレムもあきらめが悪かった。胸部が変形し中に埋め込まれている結晶体が現れ、エネルギーを集束し始めたが四つのレーザーがそれを妨害する。
「もうカーテンコールの時間でしてよ?お覚悟はよろしくて?」
展開していたブルー・ティアーズを騎士のように待機させセシリアが微笑を浮かべていた。
「「おおおおおおおおっっっっっ!!!!」」
俺は上に、簪がまっすぐ突っ込む。
「「斬!」」
簪はゴーレムの後ろへ飛び込むと計都瞬獄剣を大振りで円を描くように振り抜き、その直後、俺が急降下し縦に一刀両断。
「零落白夜!」
「本命殺!」
ズッと横に、縦にずれたゴーレムはその後に遅れてやってきた衝撃に吹き飛ばされ爆散。雪片を払い肩に担ぐと残骸を見て。
「さんざん手こずらせやがって……」
「しつこいのは嫌われますわよ?」
「ゲームオーバー…なんてね」
「永别了」
それぞれが呟き、謎のISとの戦いに勝利した。
「あっちも終わったようだな」
ふと上を見上げれば五人がハイタッチをしていた。
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一夏、セシリア、簪の三名がゴーレムと戦闘を始めた頃、ヴァイスリッターとビルトビルガーの二体とミロンガ二体は激しい高機動戦闘を行っていた。ヴァイスリッターの撃つ三連ビームキャノンをかわし、ミロンガはストレイト・マシンガンを撃ってくる。それをビルトビルガーが三連ガトリングキャノンを撃ち撃墜しようとするが後方から迫ってきたミロンガのマイクロミサイルがビルトビルガーを襲い、ビルトビルガーはそちらの対処に追われていた。
「これだけの機動性をヴァイスリッター以外が持っているなんて!」
いつの間にか迫ってきたミロンガのビームソードをサイドアーマーに装備してあったプラズマカッターで防ぎ、左手に呼び出したGリボルバーで頭部を狙うがそらすことでかわされる。距離を取り、主力武装であるオクスタンランチャーを構え。
「Eモードで、っと」
連射されるビームを衰える気配のない回避性能でかわすミロンガ。そこへビルトビルガーを相手していたミロンガがヴァイスリッターへ向きを変え、襲い掛かる。しかし、ここに来てそれは間違いなく悪手だった。
「クラッシャーセット!」
右腕に装備されている兵装“スタッグビートルクラッシャー”を構え、加速。ミロンガへ追いつくとそのクラッシャーでミロンガの腰を挟み込むと。
「挟み潰す!!」
ミロンガの細い腰はギシギシと音を上げながら最後は潰され爆散した。僚機が破壊されたとみるとミロンガはヴァイスリッターから距離を取ってしまう。しかしヴァイスリッターもビルトビルガーもそんなミロンガへ仕掛けようとはしない。互いに睨みあう状態が続いていた。
「お待たせ!」
「流石だな。もう一機撃墜したのか?」
そこへやってきたのは第三ハンガーの扉をこじ開けて出てきたアリスが駈るゲシュペンスト・ファントムとラウラのシュヴァルツェア・レーゲン。しかしシュヴァルツェア・レーゲンはドイツの時とは大きく形が変わっていた。ファントムと同じく全身装甲に変わっており頭部はゲシュペンストのようなバイザータイプではなく孤狼のようなツインアイタイプにウサギ耳に見えるイヤーアンテナのフルフェイス。胸部はMk-Ⅱ改でも使われているタイプGのメガ・ブラスターキャノン。そして一番の違いはバックパックが装着されていることだった。このバックパックは元々ラーズアングリフに搭載される予定だった物を調整し装備している。本来の装備に加えてAIの搭載によって発動を簡易にしたAIC発生器やHPSに追加武装を付けることも可能になっている。足や腕にはワイヤーブレードやロシュセイバー発生器なども追加され攻撃的な機体へと生まれ変わっていた。その名もシュヴァルツェア・レイブンという。
マオ社製のIS四体が揃い自身たちの敵を見る。
「あれが相棒たちを苦しめたISか」
「だね。二人とも戦ってみてどうだった?」
ラウラの呟きに答えたアリスがヴァイスリッターとビルトビルガーに問うと。
「正直、速いの一言に尽きるかな」
「ええ。私たちの機体が高機動戦向けだったのが救いだけれど…正直Mk-Ⅱ改と中国の甲龍だときついわね」
少し悩むようにして答えたヴァイスリッターに、頷くビルトビルガー。
「なら二人がフォワードで私が遊撃、ラウラちゃんは援護をお願いできるかな?」
「いいよ」
「ええ」
「わかった」
そう四人が頷いた時だった。
『話は終わったかな?』
「「「「!!!」」」」
突然、ミロンガがしゃべり出した。と言っても合成された電子音声だったが。
『そんなに驚かないでよ。これでも君たちを評価してるんだ。正直バルトールで十分かなって思ってたけどミロンガに二次移行させるなんて、さらにそのうちの一機を破壊するなんて……許せないな』
「許せないのはこちらだ!相棒たちの試合を邪魔して!」
『……そんなことどうでもいいよ。お前たちを滅茶苦茶にしてやる!』
ミロンガがそう叫ぶと背中の四枚の翼が開き、光の翼が形成される。
『見せてあげるよ。ミロンガの真の力をね!』
瞬間、全員の目の前からミロンガの姿が消えると全員が吹き飛ばされた。
「さっきまでとはけた違いになってる!」
『ミロンガに積んでいるテスラドライブはウチが改造した物。お前たちの使っている物とは一味もふた味も違うんだよね!』
「ふん。パワーアップした私と相棒の初陣にはちょうどいい」
「こっちも新型を任されている以上引けないのよね」
ラウラがシュヴァルツェア・レイブンの新武装“ヘヴィ・リニアライフル”でビルトビルガーがM90アサルトマシンガンでミロンガへと仕掛けるがミロンガは視認が難しいほどの速度で二体の攻撃をかわす。
『ハハハ!遅い、遅いよ!』
「だったら、私たちが!」
「お相手するよ!」
アリスのファントムが細長いビームを連射するガン・レイピアでヴァイスリッターがオクスタンランチャー・Eで攻撃するが弾幕の合間を縫うようにミロンガは駆け抜け、ビームソードで二体を切り裂いていく。
「「きゃあ!」」
バランスを崩す二体を支えるようにラウラとビルトビルガーが傍による。
『こんなものなのかい?もっと粘ってよ?じゃないと……殺しちゃうよ?』
「さっきからよくしゃべる奴だな」
「本当に…むかつくわ」
「同感」
「たまには先輩としてかっこいいとこ見せたいしズバッと決めたいね」
両手を広げ喋るミロンガに対して四人はそう返しながらも逆転の一手を相談していた。
『で?何か手はないのか?アリス』
『あるにはあるけど…』
『その手って?』
『あのミロンガも無人機だった筈なのにまるで人が操っているかのような動きに変わったでしょ?それって遠隔操作しているってことじゃない?』
『なるほど。確かアリスのファントムには電子戦装備があったわね』
『なら今使えばいいじゃないか?』
『それがこのジャミングのせいなのか、機能しないんだよね。せめてジャミングを無効化できれば……』
『ジャミングの原因はやっぱり、あのミロンガかな?』
『分からないわね。どっちにしてもあいつを倒さなきゃいけないのは変わらないわ』
プライベートチャンネルで相談していた時だった。ピットから甲龍が飛び出し下のチームに合流。その後、Mk-Ⅱ改が飛び出しこちらに向かってくる。
「なんで!?Mk-Ⅱ改が?」
アリスが驚き。
『へぇ?君と戦えるなんて、わざわざ出張ったかいがあるってものだね!』
ミロンガがMk-Ⅱ改へ向かっていく。その機動性の差は歴然。さらにまだ操縦者として未熟な秋では対処しきれない。四人がそう思い動こうとするとMk-Ⅱ改の動きに唖然としてしまった。
接近してきたミロンガに肩からぶつかりミロンガの態勢を崩したMk‐Ⅱ改。
『な、に!?』
驚くミロンガに拳を構えラッシュを叩き込む。その動きは秋の動きではない。それに気が付いたアリスとラウラ。だがMk‐Ⅱ改の攻撃は終わらない。回し蹴りを叩き込み、吹き飛ばすとブースターを全開にし追いかけ、相手を掴むとプラズマバックラーを起動させ振りかぶる。
「喰らえ~あっきー譲りのひっさつけ~ん!」
のほほんとして声とは裏腹に強力な一撃を叩き込まれたミロンガは吹き飛びアリーナの壁に叩き付けられた。
「あいあむういな~!」
両手を突き上げるMk‐Ⅱ改の操縦者は……
「「本音(ちゃん)!!」」
アリスとラウラの驚きに本音はVサインをしてみせた。
「どうして本音ちゃんが?」
「あっきーがね?直ったゲシュちゃんで出撃しようとしてたからちょっと代わってもらったの」
そういいながら何故か手刀を首筋に叩き込む動作をする本音。そんな本音に四人は少しばかり引いた。
『やってくれたね…』
ミロンガの声に五人はすぐに臨戦態勢を取る。Mk-Ⅱ改の攻撃が決まったはずのミロンガの装甲は見る見るうちに修復されていく。
「あれにもマシンセルが使われているの?」
ビルトビルガーの呟きにミロンガは肯定する。
『そうだよ。この技術もウチ達が提供した物だからね』
修復が終わったミロンガは再びテスラドライブを全開にし。
『もうちょっと遊んでもらうよ!』
その時、下から高エネルギー反応が検知され、そのすぐ後に無数のビームがアリーナを蹂躙した。下のチームは回避に専念していたがこちらでは回避しながらも戦闘を継続していた。縦横無尽に駆け回りながらマイクロミサイルやストレイト・マシンガンを連射するミロンガに高機動性能を発揮しヴァイスリッターが追撃する。ラウラはマトリクスミサイルやファランクスミサイルで弾幕を張る。ビームに当たり爆発するミサイルもあるがミロンガの動きをわずかに止めることに成功する。そこにビルトビルガーがコールドメタルエッジを抜き、アリスがグラン・プラズマカッター、本音がブレード・レールガンで斬りかかる。それをビームソードで捌きつつかわし逃げ回るミロンガだったが突如動きが鈍り出した。
『な、なんで?ミロンガのシステムがハッキングされてる?ジャミング装置が壊された?!』
ミロンガの言葉に本音は何故か胸を張り。
「へっへ~ん!もっぴーとあっきーがやってくれたんだよ~だ!」
『バカな!守りにバイオロイドたちを配置しておいたのに!!』
「もっぴーとあっきーを舐めたらいかんぜよ~なんてね!」
「おかげでファントムのハッキング能力が使えるようになったわけです!」
《待たせたな!相手のシステムを浸食できたぜ!》
ハーケンの声にアリスは笑みを浮かべる。
『本当に…驚きに値するよ。君たちは…。どうやらゴーレムも破壊されそうだし、ウチはこれで引き上げるよ。次はこうはいかないからね』
そういってミロンガはひるがえそうとするがその体は動かない。
『今度は何が!?』
「何、わざわざIS学園まで来てくれたんだ。おもてなしを受けて行ってくれ」
《AICを発動。少佐。指示を》
シュヴァルツェア・レイブンのAI“ヴォルフ”が言うとおり、肩部ユニットが開きそこから赤いレンズ状のパーツが現れていた。これがマオ社とドイツ軍の合同開発によって生まれた新型のAIC発生器となっている。従来と違い腕を介していない為、手持ち武器も使え、AIのサポートのおかげで操縦者の負担も軽減されている。
「よくやった。ヴォルフ。集束荷電粒子砲を展開」
《Jawohl!》
背中のアームドベースから展開された集束荷電粒子砲のグリップを掴み砲身が伸び、レーザーポインターがAICに拘束されたミロンガを捉える。その銃口にエネルギーが集束していき。
「デッドエンドシュート!!」
トリガーが引かれ閃光にミロンガは飲み込まれ爆散した。
「これにて任務完了」
全身装甲を解除し素顔をさらしたラウラが満足げに言う傍で同じように全身装甲を解除したアリス、本音がジト目でラウラを見ていた。
「ラウラちゃんさ~気持ちは分かるけど」
「もう少し私たちにも出番わけてよ~」
そんな二人をまあまあと宥めるのは全身装甲を解除したヴァイスリッター。ブロンドの髪を首の後ろで纏めた中性的な顔をした少女。
「えっとアリス以外は初めてだよね?僕はヴァイスリッターの専属操縦者でシャルロット・デュノアっていいます!よろしくね!」
頭を下げるシャルロットの後ろで全身装甲を解除したビルトビルガー。黒色の髪を腰まで伸ばしたクールそうな少女も頭を下げる。
「メイ・マオといいます。うちの姉がいつもお世話になってます」
そんな二人の自己紹介にアリスは苦笑しながら。
「シャルちゃんもメイちゃんも来てくれてありがとう。おかげで助かったよ」
「たまたまよ。姉さんがヴァイスとビルガーのお披露目したいっていうから…」
「あはは…僕は”あの”孤狼を使っている織斑秋君に一度会って見たかったんだけどね~」
呆れたように溢すメイとシャルロットがほほをかきながらつぶやく。
「まあ、無事解決したんだから良しだよ?」
「それもそうね。まずは私たちも下に降りましょうか?」
アリスとメイの話が終わると本音が片手をあげ、意図に気が付いたシャルロットも手を上げる。
「じゃあ、勝利を祝って!」
「せーの」
そこでアリスもメイも手を挙げ、ラウラは疑問符を浮かべながらも皆に習う。
「「「「「イェーイ!!」」」」」
ハイタッチをかわした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最後に移った光景は集束荷電粒子砲の一撃。それを受けてミロンガは完全に大破したのだろう。それを見ていた主はコントローラーを捨てゴーグルを外す。
「あーあ。やられちゃったよ。ウチの玩具」
「ハ。何が楽しいんだよ。あんな玩具で襲撃してよ?W」
「分からないかな?折角あの人から無人用ISのデータを貰ったら作ってみて動かしたくなるじゃん?遊んで見たくなるじゃん?でもさ・・・・・・がっかり!Sのオリジナルが専用機で出てこないんだもん!」
Wと呼ばれた少女が不満そうに言うとドガンッと音が聞こえる。
「俺をアイツと一緒にするんじゃねぇ!!W!!」
音はSが机を叩き折った音だった。憎悪の目でWを睨むSにWはため息を一つ。
「はいはい。君はMと一緒で面白くないね~。でもいいや。ミロンガにバルトール。この二体はまだまだ改良の余地があるって分かったし、それに新型のデータも取れた」
「お前の目的はそのデータってわけか?」
「う~ん、それもそうだけど……あいつらがどれだけウチたちの障害になるかも知りたかったし」
そういうWにSは鼻を鳴らし。
「んで?どうだったよ?」
「少しは認めてもいいかな?でもまだまだだね~こんなレベルじゃウチたちはおろか亡国企業ともやり合えないよ」
「そうかよ。俺は行くぜ。ゲシュテルベンの調整をしなくちゃいけねぇしな」
そういってSは出て行こうとする。
「あ、そうだ。実は面白い情報をつかんだんだよね」
「あ?」
立ち止まるSにWはニヤニヤと笑みを浮かべながら空中で手を動かすといくつかの情報が宙に投影されて表示される。
「アメリカのテスラ・ライヒ研究所で面白いISが開発されているんだよ」
Wがコンソールを打ち表示したデータには全身装甲でありながらもまるで人間の肉体を再現したようなマッシブなISが表示されていた。
「“ソウルゲイン”」
Sの呟きにWは満足そうに頷き。
「きっとS好みのISだよ。完成したら……」
そこでWはSの方を向き。
「奪ってきなよ?きっと織斑秋を殺す良い武器になるよ」
そう嗤った。
登場人数が増えすぎてやりすぎてしまった感が・・・
あと、うちのもっぴーはどこに向かっているのか?ついでにのほほんさんが強くたっていいじゃない(目そらし
次回からの予定としては後始末編と日常編を挟んでタッグトーナメント戦へいければと思います。
ご意見、ご感想をお待ちしています!