シャルロットに使ってほしい武器があると感想でいただき、折角なので短編として書いてみました。
本編とは関係…ないと思います。
あくまでお祭りだと思ってください。
それらを承知の方はどうぞ~
それはある日の放課後。いつものように第五アリーナまでやってくると今日は珍しく先客がいた。
「うす。シャルロット」
「もう!いい加減シャルでいいのに……」
白を基調にオレンジのラインが入ったISスーツを着たシャルロットが何やら大きなコンテナの前にいた。
「で?シャルロットさんや?これ何?」
「……もう、どうして呼んでくれないかな?まあ、いいや。これはね。僕宛てに届いた荷物なんだけどね」
そういうシャルロットは何処か困ったような顔をしていた。
「有名なISの操縦者になら、よくある話なんだけどどうして僕なんかに…?」
「???」
いまいち話が見えない。
「えっとね…ISで使用する武器の性能テストを企業から依頼されたの。僕を名指しで」
「ああ、なるほど。で?何処の企業なんだ?」
「アルゼブラ社っていうISの武器メーカーかな?テストをする武器は……射突型ブレード『KIKU』だって」
射突型ブレード?KIKU?
「とにかく出してみるよ」
シャルロットがコンテナの開封作業に入ったため、自分も制服をISスーツモードに切り替え、孤狼を展開。
『お疲れ様です。マスター。今日のメニューはどうしますか?』
「ああ、お疲れ。さて、今日はどうしようか?」
孤狼が戻ってきてから連戦を重ね、整備室で調整を繰り返してきたおかげもあって大分新たな孤狼にも慣れてきた。
「やっぱり模擬戦かな?」
『でしたら……』
「な、何コレ――――――!?」
シャルロットの叫び声に孤狼を纏ったまま向かうとそこには開封作業が終わり中に入っていた物の前に唖然としているシャルロットがいた。俺も彼女の視線を追って見てみるとそこにあったのは……
「これが射突型ブレード?」
『どっからどう見てもパイルバンカーですね』
「しかも孤狼よりも大型だよ」
『追加武装のGインパクトステークよりも大型ですね』
俺とアルトの会話からも分かる様に大きな杭打機がそこには置いてあった。しかも杭の太さが半端ない。
あれか?こいつを作った奴はマリオン博士よりもアホなのか?
「……こんなの大きすぎてヴァイスリッターじゃ使えないよ……」
「確かに高機動戦仕様のヴァイスリッターには向かないな」
『孤狼に装備するのも論外ですね』
いや、バンカーはもう間に合ってるから。
「でも依頼なら使うわないといけないんだろ?」
「うん……秋?」
孤狼を纏っているせいもあり自然とこちらを見上げるシャルロット。
「手伝ってくれる?」
「……そうなると思ってた」
そんなわけで今日はシャルロットの依頼を手伝うことになった。コンテナから取り出すのに協力しヴァイスリッターをまとったシャルロットはコンテナの中にあった補助パーツを使ってKIKUを装着しようとしたのだが、これも一人では難しいようで手伝った。
「よし。なんとか持てた!」
『おい。僕っ子。射突型ブレードKIKUのデータインストール完了。右半身の重量が大きく狂っている。どうするつもりだ?』
「…アシェン?僕っ子っていうのやめてってお願いしたよね?」
『了解した。あざとい。仮想敵に孤狼を設定』
「何?!あざといって!?そんなふうに言うのやめてよ!!」
『……了解した。隠れ巨乳』
「もうやだ…このAI」
右腕に巨大なパイルバンカーを装着したヴァイスリッターが目の前にいるのだが二人の会話がちょっと面白い。
「俺はアルトで良かったよ」
『そう言ってもらえると光栄です。ですがマスター、私は機械的過ぎていませんか?』
「いや、大丈夫だ。できればそのままでいてくれ」
『了解です』
アルトをアシェンやハーケンみたいな愉快なAIに絶対してはいけない。この子だけは守らないと……
「じゃあ、行くよ!秋!!」
「いつでも!」
そういうとシャルロットは両腕でKIKUを支えるとまずは浮遊。ウイングバインダーを広げ飛翔したのはよかったが……
「さすがに機動力が落ちているな」
『ヴァイスリッターのコンセプトからはかけ離れていますから』
俺とアルトの感想を他所にシャルロットはなんとか制御を行いこちらに向かってくる。
「くっ!機体が…重い?!」
『バランサーがまともに機能していない。マスター。空戦よりも地上戦で使用することを提案する』
「そう…だね…」
地上スレスレまで高度を下げたシャルロット。もしこれが試合だったらとっくに撃墜されている。それほどまでに動きが悪くなっていた。
「これは使えないな」
『ですね』
まあ、俺たちが思っても意味はない。依頼を受けたシャルロットは例え扱いづらくとも、データを取らなければならない。なら、それに付き合っている俺たちもしっかりと手伝いをしなければならない。という訳でもう動いていいよね?
「行くぞ!アルト!」
『TDW展開!』
両肩のテスラドライブ・ウイングを展開し、連動しているかのようにフレキシブルスラスターも跳ね上がる。全身のスラスターに火がともり、爆発させる。
悪いが、貫く!
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「来た?!」
『さすが、孤狼。殺人級の加速だな』
圧倒的な加速で距離を詰めてきた孤狼にシャルロットはKIKUを構える。今まで何度も見てきた孤狼の加速。対してシャルロットは右腕のデッドウェイトのせいで自慢の機動性は死んでしまっている。
ならばここは逆転の発想!
地面へと滑る様に着地し自身にかかる反動を考慮ししっかりと地に足を着け、KIKUを構える。迫る孤狼にターゲットをロック。
「行くよ!撃ち貫く!」
『ファイア』
この距離、かわせないでしょう!そう確信しトリガーを引いた。
ゴォォォォォン!!!!
轟音と共に右腕は反動で思いっきり跳ね上がり、その強さに自分が吹き飛ばされてしまった。
「あいたたた…アシェン?ヴァイスの状態は?」
『本体は問題ない。スケベ妄想狂。ただ、右腕の駆動系はこの後調整したほうが良いだろう』
「……もういいよ。それより秋は?」
あまりの衝撃に自分が吹き飛ばされるという痴態を見られてしまい恥ずかしさもあったがKIKUが当たったのかも分からない。あたりを見回すとハイパーセンサーに表示が出ていた。
「え?」
ハイパーセンサーに表示されていたのは孤狼のシールドエネルギーがゼロになっている事と、装着者が気絶しているという事だった。
「一発で戦闘不能っていうこと??」
『いえ、正確にはかすっただけです』
「アルト?」
孤狼のAIであるアルトがこちらに回線をつないできた。
『シャルロット。貴方の一撃はとてもいいタイミングでした。マスターも全スラスターを使って回避を行ったのですがかわしきれず、結果、かすっただけでシールドエネルギーは全損。衝撃でマスターは脳震盪を起こし気絶しました』
『やはりこの大きさだけあって威力は凄まじいということだな』
「これ、直撃してたらどうなってたんだろう?」
とてもじゃないけど試合では使えない。そう思った
後日、マオ社から送ってもらったマオ社のISで使われている最も強固な装甲材に向かって試射を行ったところ、最大で十体分の厚さをあっさりと貫通した結果に見学者は唖然とし絶対に使用するなと念押しされ、シャルロットは報告書をアルゼブラ社へと送った。
射突型ブレード『KIKU』の性能試験依頼に関する報告書。
貴社の性能試験依頼で使用させて頂いた射突型ブレード『KIKU』は残念ながら私の専用機での使用は極めて難しく、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを使用して性能試験を行いました。
結果、ISに使用されている装甲材で試験を行い結果は十体分を軽く貫通。模擬戦での結果は直撃でなくともシールドエネルギーに一発でも当たればシールドエネルギーを全損するほどの威力という結果がでました。
この結果を元に試合でも使用できる威力設定への変更と今のままの大きさですと使用できるISが限られるため、取り回しや小型化をするべきかと思います。
私、個人としては大変すばらしい物だとは思いますがこの報告によってより素晴らしい品ができることを願います。
シャルロット・デュノア
報告書を仕上げ、数々のデータを添付し、アルゼブラ社へ送った後、シャルロットは一人、マオ社の試験場へと向かった。
「行くよ。ヴァイスリッター」
ヴァイスリッターを纏ったシャルロットはKIKUを呼び出すと腰だめに構え、アシェンの操作で出現させた仮想ターゲットに向かって次々と叩き込んでいく。
一発、二発、三発、四発……
試験場に轟音が鳴り響き全弾使い切った後、KIKUをおろしたシャルロットは頭部の装甲を外し外気に肌を触れさせ。
「ふふ、ふふふ…すんごい気持ち良かった~♪」
何処かスッキリした顔だった。
『ついに目覚めたか。攻めの境地に』
色々、台無しである。
というわけで元ネタはアーマードコアらしいですね。一応、調べて性能や画像を見てから書いたのですがやっぱりあまり知らないネタで書くのは危険と再認識。ですがIS本編でも性能試験とかもっとあってもいいですよね。今回はいい勉強になりました!
次回は本編に戻ります。
ご意見、ご感想をお待ちしています!内容によってはまた挑戦してみたいです。